11月21日〜12月1日開催 荷田准教授の病理セミナー

ワインブドウ病理セミナー

開催期間:11月21日〜12月1日

ワインブドウ病理セミナー
これはどんなイベントなの?
日本ワインブドウ栽培協会が米国バージニア工科大の荷田瑞穂准教授を招き、病理学に基づく剪定・冬季管理と病害防除を実地ワークショップと講義で学べる全国5会場の無料セミナーです。
申し込みってどうすればいいの?
参加は事前申込制で各開催日ごとに専用フォームが用意されています。11/26はオンライン参加も可。定員がある会場もあるので、記載のURLから早めに申し込んでください。

米国の病理学研究を現場に還元する──荷田瑞穂准教授の講座の狙いと内容

日本ワインブドウ栽培協会(JVA)は、ワインブドウの病理学で国際的に評価の高いバージニア工科大学・荷田瑞穂准教授を招聘し、2025年11月から12月にかけて全国5会場で「ワインブドウ病理セミナー&冬季剪定ワークショップ」を開催します。本講座は気候変動やウイルス被害の増加により複雑化する日本の栽培現場に対して、科学的知見と現場実践を結び付けることを目的としています。

講座では、剪定や冬季管理における病害リスクの評価とその予防、病害の診断と現場での対策、気候変動下での防除戦略や持続可能な栽培管理の考え方を、最新の研究成果と実地事例を交えて解説します。特にベト病、灰色かび病、うどんこ病といったカビ由来の主要病害、ウイルス感染に伴う症状とその拡大機構、そして北海道でも発生が確認されつつある晩腐病の最新研究成果が含まれます。

日本ワインの未来を守る! ワインブドウ病理のエキスパート・荷田瑞穂准教授(バージニア工科大学)による全国セミナー・ワークショップを開催 画像 2

講座で扱う主なテーマと手法

荷田准教授の講座は、座学での最新知見の提示にとどまらず、圃場での観察や実践的なワークショップを通じて学習する構成です。剪定時に発生しやすい感染経路、落葉や剪定枝といった感染源の処理方法、剪定時の枝の残し方・切り方による感染リスクの違いなど、現場ですぐに応用できる手法が示されます。

また、気候データや感染予測モデルを用いた防除計画の立て方、薬剤や管理方法の組み合わせによる持続可能な防除戦略も解説します。講義は科学的根拠に基づく説明と、日本の気候や栽培条件に合わせた実践的な適用例の両面から構成されます。

日本ワインの未来を守る! ワインブドウ病理のエキスパート・荷田瑞穂准教授(バージニア工科大学)による全国セミナー・ワークショップを開催 画像 3

全国5会場のスケジュールと実施形式

本セミナー/ワークショップは北海道・東北・中部地域の5会場で開催され、各会場では講演と実地ワークショップを組み合わせたプログラムが予定されています。開催日程は以下の通りです。

各会場ともに会場参加が基本ですが、赤湯(11月26日)の特別講演はオンライン参加の設定もあります。参加費は無料ですが事前申込制で、会場ごとに定員が設定されている場合があります。

  • 11月21日(金)岩見沢(北海道):「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ。会場:まなみーる・こことある圃場(岩見沢市)。
  • 11月25日(火)赤湯(山形県南陽市):「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ。会場:丹泉ホテル・高畠ワイナリー圃場。
  • 11月26日(水)赤湯(山形県南陽市):特別講演「ワインブドウの病害ワークショップ」。会場:えくぼプラザ。※他会場のワークショップと内容は異なります。オンライン参加可。
  • 11月27日(木)塩尻(長野県):「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ。会場:塩尻市保健福祉センター/林農園。
  • 12月1日(月)東御(長野県):「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ。会場:東御市中央公民館・ワインテラス御堂/モンヴィニョーブル。
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参加対象と申込方法

対象はワイナリー関係者、生産者、研究者、行政関係者、学生など、日本ワインに関わるすべての方を想定しています。参加は無料ですが、事前申込が必要です。会場参加用の申し込みフォームは各開催日ごとに別URLが用意されています。

申込URLは以下のとおりです。会場によっては定員に達し申込み終了となっている場合がありますので、申込前にご確認ください。

11月21日 岩見沢(北海道) 会場参加
https://forms.gle/DjZnyuQdGsQzytD39
11月25日 赤湯(山形県南陽市) 会場参加
https://forms.gle/xpnv5cmdCmpUrzxD9
11月26日 赤湯(山形県南陽市) 特別講演 会場参加
https://forms.gle/LKjj7GvMw4zAFANL9
11月26日 赤湯(山形県南陽市) 特別講演 オンライン参加
https://forms.gle/NotNXMor7tTAG5Ag9
11月27日 塩尻(長野県) 会場参加
https://forms.gle/cepqzCe7psCA3PF37
12月1日 東御市(長野県) 会場参加
https://forms.gle/5kDjMyhe7RNdmMV98

荷田瑞穂准教授の研究と講師としての専門性

荷田瑞穂氏はバージニア工科大学准教授であり、同大学のアルソンHスミスJr農業研究普及センターにおいて植物病理のスペシャリストとして活動しています。オハイオ州立大学で博士号を取得後、2011年から現職に就き、ブドウウイルス感染症、晩腐病、ベト病の予測モデルなどに関する研究に注力しています。

彼女の研究は、気候が類似する米国東海岸の事例を基盤に、日本の冷涼地や温暖化の進行した地域における病害動態の理解と対策の示唆を与える点で特に評価されています。模型・実測データを組み合わせた予測手法や、現場での迅速な診断法、感染源管理の具体的手順に関する知見を豊富に持っています。

研究が示す具体的示唆

荷田准教授の研究から得られる実務的示唆として、以下の点が挙げられます。病害の発生と拡大には気象要因や栽培管理の積み重ねが関与するため、剪定時の傷口管理や落葉処理、剪定枝の適切な除去が長期的な防除に直結すること、そしてウイルス対策は苗木の健全性確保と感染拡大防止の両面からの取り組みが必要であることです。

晩腐病については、近年北海道でも発生が報告されるなど、従来の地域分布の枠を超えた注意が求められること、温暖化に伴う病害の地理的拡大の可能性と、そのためのモニタリング・早期診断体制の重要性も講演で共有されます。

代表理事のコメントと背景、問い合わせ情報

JVA代表理事の鹿取みゆき氏は「日本のワインブドウ栽培は、次のステージに入っています」と述べ、個々の生産現場で続けられてきた試行錯誤を科学的知見で補強し、現場に適した持続可能な栽培方法を確立する機会であると位置付けています。講座は現場で実践できる技術の共有を通して、日本の風土に合った栽培体系の確立を目指しています。

背景には、気候変動の影響による新たな病害の出現や樹勢の低下、苗木ウイルスの課題の深刻化があります。気温上昇に伴い、従来冷涼地で見られなかった病害が観察されるようになっているため、国際的な知見の共有と現場の技術者同士の学び合いが求められています。

主催・参加費・問い合わせ

主催は日本ワインブドウ栽培協会(JVA)で、参加費は無料(事前申込制)です。申込は上記の各フォームURLから行います。問い合わせはE-mailで受け付けています。

主催:日本ワインブドウ栽培協会(JVA)
E-mail:info@jvine.or.jp
公式サイト: https://jvine.or.jp/

開催情報の要点まとめ

以下の表は本セミナー・ワークショップの開催日程、会場、内容、参加方法を整理したものです。本記事では講師の専門性や講座の目的、背景にある気候変動と病害の拡大といった点も合わせて解説しました。

日付 地区 内容 会場 申込URL
11月21日(金) 岩見沢(北海道) 「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ まなみーる・こことある圃場(岩見沢市) https://forms.gle/DjZnyuQdGsQzytD39
11月25日(火) 赤湯(山形県南陽市) 「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ 丹泉ホテル・高畠ワイナリー圃場 https://forms.gle/xpnv5cmdCmpUrzxD9
11月26日(水) 赤湯(山形県南陽市) 特別講演「ワインブドウの病害ワークショップ」 えくぼプラザ(会場)/オンライン参加可 会場: https://forms.gle/LKjj7GvMw4zAFANL9
オンライン: https://forms.gle/NotNXMor7tTAG5Ag9
11月27日(木) 塩尻(長野県) 「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ 塩尻市保健福祉センター/林農園 https://forms.gle/cepqzCe7psCA3PF37
12月1日(月) 東御(長野県) 「剪定時に考慮すべきカビ由来病害とその防除」講演/冬季剪定ワークショップ 東御市中央公民館・ワインテラス御堂/モンヴィニョーブル https://forms.gle/5kDjMyhe7RNdmMV98

本イベントは、科学的根拠に基づく診断と対処法を国内の生産現場に浸透させることを狙いとしており、剪定や冬季管理、病害防除に関する具体的な実務指導が含まれます。主催のJVAは国際的な知見を共有する場を提供し、現場の技術者が学び合う機会を継続して創出しています。イベントに関する問い合わせや資料のダウンロードは、JVA公式サイトおよび事務局のE-mailで案内されています。

参考リンク: