2026/2/22開講｜慶應×SPACETIDEの無料 宇宙ビジネス入門

宇宙ビジネス人材育成の新たな枠組み──3年間の教育プログラムが始動

一般社団法人SPACETIDEは、文部科学省の令和6年度宇宙航空科学技術推進委託事業「宇宙×人文社会」分野越境人材創造プログラムに採択され、「宇宙ビジネス人材育成のための基礎知識の体系化とカリキュラムの実践」を目的とする3ヵ年プログラムを実施します。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科（SDM）および経営管理研究科（KBS）と連携し、理論と実務を融合した教育体系の構築を目指します。

本プログラムの採択および発表は、2025年11月11日 08時00分付の発表に基づきます。SPACETIDEの産業横断的ネットワークと、慶應義塾大学院の学術的・教育的基盤を活かし、宇宙産業に関心を持つ多様な人材に対し、制度的にも実務的にも機能する教育機会を提供することが狙いです。

• 目的：宇宙ビジネスに関する基礎知識の体系化とカリキュラムの実践による人材育成
• 期間：3年間の継続的取り組み（文部科学省委託事業として実施）
• 連携：慶應義塾大学大学院SDM研究科、慶應義塾大学大学院経営管理研究科との協働
• 狙い：宇宙に関わる専門人材のみならず、他分野の知見を宇宙産業に応用できる多様な人材の創出

プログラムは理論教育（オンデマンド講義）と実践教育（対面授業、ワークショップ、起業家講演等）を組み合わせた体系を想定しており、受講者が実際にキャリアの中で宇宙ビジネスに関わりうる道筋を描くことができるよう構成されます。

「宇宙ビジネス入門」特別公開講座の構成と実施要領

本公開講座は、オンデマンド講義と対面授業を組み合わせる形式で実施されます。オンデマンド講義では宇宙ビジネスの歴史、政策、法律、テクノロジーの基礎を学び、対面授業ではケーススタディやワークショップ、起業家による特別講演を通じて実践的な視座を養います。期間中には合計で約180分のオンデマンド講義が用意されます。

対面での公開講座は慶應義塾大学三田キャンパス 北別館にて開催され、以下の日程と内容で実施されます。

参加対象は宇宙ビジネスに関心をもつ社会人や学生で、受講料は無料です。申込みはGoogleフォームを通じて受け付けられ、募集締め切りは令和8年1月22日 (木)とされています。定員を超えた場合は抽選での選考が行われます。

申込み方法については「こちら Googleフォームよりお申し込みください」との案内があり、申し込み後の選考結果や参加可否の連絡方法等の詳細はSPACETIDEアカデミー事務局を通じて案内される見込みです。

注意事項：本公開講座は令和6年度宇宙航空科学技術推進委託費により実施されるもので、講座で得られた成果や参加者の取り組み内容、写真は今後の対外発表（報告書、講演、論文等）に活用される場合があります。参加に際してはこの点をあらかじめ了承する必要があります。

講師陣の紹介と実務・教育面での特色

講座の企画講師陣は宇宙ビジネスの実務面と教育面の双方で実績を持つ顔ぶれです。講師の専門性を直接学ぶことで、受講者は理論と実務の接続点を理解しやすくなります。

以下に講師の略歴と担当領域を整理します。各講師の活動実績や役職、研究教育上の立場などを含め、講座で期待される貢献が明記されています。

石田 真康（いしだ・まさやす）

一般社団法人SPACETIDEの共同創設者で代表理事兼CEO。2015年の創設以来、35カ国・25業種の業界リーダーが集う国際宇宙ビジネスカンファレンスの主催などを通じて産業横断的活動を推進。

A.T. Kearneyで約20年にわたり経営コンサルタントとして宇宙業界の政府機関や企業を支援し、現在は同社のExecutive Advisorを兼務。日本政府の宇宙戦略基金プログラムディレクターや内閣府 宇宙政策委員会 基本政策部会委員を務めるほか、著書に「宇宙ビジネス入門 Newspace革命の全貌」（日経BP社）。東京大学工学部卒で、実務と政策の双方での知見を有する。

白坂 成功（しらさか・せいこう）

1994年3月に東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学修士課程修了後、三菱電機で15年間にわたり宇宙開発に従事。主なプロジェクトには「おりひめ・ひこぼし」や「こうのとり」の開発があり、欧州の衛星開発企業への駐在経験も有する。

帰国後は「みちびき」プロジェクトの立ち上げに関わり、2008年4月より慶應義塾大学大学院SDM研究科非常勤准教授、2010年より同専任准教授、2017年より同教授、2023年10月からは同研究科委員長に就任。2015年12月〜2019年3月には内閣府ImPACTのプログラムマネージャーとしてオンデマンド型小型合成開口レーダ（SAR）衛星を開発し、その技術成果を社会実装する目的で株式会社Synspectiveを共同創業。内閣府宇宙政策委員会や経産省の諸委員会等でも政府の活動を支援している。

芦澤 美智子（あしざわ・みちこ）

公認会計士としての経歴や企業再生・変革プロジェクトのリーダー経験を経て、2013年より横浜市立大学国際商学部准教授、2023年9月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授に就任。教育現場では初年度から「起業体験プログラム」を実施し、学内外でのイノベーション創出活動に積極的に関与している。

地域活動や国際会議でのユース代表招待など広範な教育実績があり、過去に大学から複数回表彰を受けている。大学発ベンチャー発掘支援やオープンイノベーション支援、スタートアップ・エコシステム形成に注力している教育者であり、起業家教育と産学官連携に強みがある。

対面授業では、2024年12月に上場を果たした株式会社Synspectiveの事例などを題材に、起業家や実務家による特別講演とワークショップが組み合わされます。これにより、受講者は実際の企業事例を通じて理論を実務に結びつける視点を得ることが想定されています。

主催・協力、申込先と注意事項、および要点の整理

本講座の主催は一般社団法人SPACETIDEと慶應義塾大学大学院SDM研究科白坂研究室および経営管理研究科芦澤研究室です。問い合わせと申込みに関する窓口はSPACETIDE（SPACETIDEアカデミー事務局）となり、連絡用のメールアドレスは以下の通りです。

• 問い合わせ先：一般社団法人SPACETIDE（SPACETIDEアカデミー事務局）
• メール：academy@spacetide.org

主催・共催機関の概要は以下のとおりです。組織の役割や特色を理解することで、講座が目指す教育的価値とネットワークの広がりがわかります。

一般社団法人SPACETIDE

2015年の設立以来、日本および世界の宇宙産業の発展・拡大を目的に、産官学連携を通じた年次カンファレンス、調査研究、スタートアップ支援、人材育成などを実施する団体。産業横断的なネットワークを活かして宇宙ビジネスの発展を推進してきた。

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント（SDM）研究科

複雑な社会課題をシステムの観点から捉え、新しい価値を創出する人材育成を行う大学院。システムズエンジニアリングを基盤に、理論とプロジェクトによる実践的教育を展開している。

詳細はSDMのウェブサイト（https://www.sdm.keio.ac.jp/）で公開されている。

慶應義塾大学大学院 経営管理研究科（KBS）

日本初の本格的なビジネススクールとして1962年に創立。ケース・メソッドによる実践教育を基礎にビジネスリーダーを育成してきた歴史を持ち、研究者養成の博士課程も併設している。

詳細はKBSのウェブサイト（https://www.kbs.keio.ac.jp/）で公開されている。

参加にあたっては、前述のとおり申込締切と抽選の可能性、及び講座で取得した写真や成果物の二次利用に関する同意が求められる点に注意が必要です。費用は無料ですが、定員の管理や運営上の理由により抽選による参加決定が行われることがあります。

主要情報の一目でわかるまとめ

以下の表は、本記事で取り上げた講座の主要な情報を整理したものです。日程、場所、対象、費用、申込締切、問い合わせ先などを一覧で確認できます。

上の表は講座の開催概要と申込・問い合わせ方法、主催組織および関連する制度的背景を簡潔にまとめたものです。対象や費用、日程等の条件を踏まえて参加可否や業務・学修計画との調整を行うことができます。講座では実務家やアカデミアの指導を通じて、宇宙ビジネスに関する基礎知識の獲得と、自らの専門性を宇宙産業へ応用するための視座獲得が期待されます。