12月発売予定『クマコン』熊と災害に備える72時間シェルター

クマコン発売予定

開催日:12月1日

クマコン発売予定
クマコンって本当に熊から守ってくれるの?
コンテナ鋼板の高強度(約350MPa、設計耐荷重192トン)とポリウレア外装、内部ロックや警報・検知で実用上の破壊は困難と説明。72時間の備蓄と電源で短期避難を支えます。
家でも置けるの?補助金は使えるの?
家庭向けの12/20ftモデルが想定され庭や畑に設置可能。販売は2025年12月予定で、農林水産省・内閣府の補助金対応を目指すが導入条件は自治体や制度で確認が必要です。

熊被害の急増と災害対策を結ぶ「鉄の避難ユニット」という発想

2025年11月11日 11時00分に発表されたプレスリリースによれば、熊による人的被害が過去最多の219件に達した直近の状況と、地震や豪雨などの自然災害の激甚化を背景に、株式会社ジャカコン東日本と株式会社ジャカコン西日本が中心となり、東京理科大学および複数のコンテナデベロッパーと共同で、多機能型避難シェルター「LIFE SHIELD CONTAINER(愛称:クマコン)」を開発したと公表しました。

本プロジェクトは熊の襲撃からの緊急避難と災害時の短期避難所の双方を想定しており、国際規格の海上コンテナを再利用することで強度を確保した点が特徴です。共同開発には株式会社エコリニュー(鹿児島県曽於市)、株式会社スマコンスタイル(東京都中央区)も参画しています。

プレスリリース内ではイメージ画像が添付されており、家庭設置や登山道・キャンプ場での使用想定が示されています。コンテナを採用した理由や力学的な背景についても数値を挙げて説明されており、コンテナ構造の安全性を具体的に示しています。

代表的な数値として、昨年の熊による人身被害は219件、ヒグマの噛む力は約1,000psi(約7MPa)、コンテナ鋼板の引張強度は約350MPa(約50,000psi)、コンテナ全体の設計耐荷重は192トン以上が挙げられています。

【熊害・災害から命を護る】多機能型避難シェルター『クマコン』登場。キャンプ場・登山道・住宅にも置ける“72時間滞在可能”なコンテナ空間 画像 2

外装と内部装備:72時間滞在を支える仕様と警報システム

【熊害・災害から命を護る】多機能型避難シェルター『クマコン』登場。キャンプ場・登山道・住宅にも置ける“72時間滞在可能”なコンテナ空間 画像 3

外装の防護仕様と耐候性

クマコンの外装は耐候型ポリウレア防護コート(1.5〜2.0mm厚)で覆われ、爪や衝撃、腐食、紫外線から長期的に保護する仕様です。塗膜は鋼板素地処理後に2層スプレー塗布で仕上げられ、カラーは視認性と防護性を両立する設計になっています。

ポリウレア塗膜の効果としては、ヒグマの爪痕(200〜300kgf)を滑らせて逸らす機能や、雨水・泥による腐食防止が挙げられており、メーカー側は塗膜のメンテナンスフリー期間を10年以上と想定しています。外部は防水等級IP65に準拠した屋外仕様です。

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内部:72時間生存対応の備蓄モジュールと電源系

内部は「72時間生存対応型 備蓄モジュール」を標準装備します。具体的には、飲料水6L、保存食3日分、簡易トイレ3回分、救急箱、毛布が含まれます。これらは災害時に即時の身体維持が可能な内容として設計されています。

電源系はソーラー蓄電システム(100Wh)とUSB充電口、ランタンにより停電時でも照明と通信を確保できるようにしており、ソーラー+バックアップバッテリーでの稼働を想定しています。将来的には東豊電機化学工業と連携し、発電能力や売電モデルを強化する計画も明記されています(https://www.theck.jp/)。

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警報・検知システムと緊急対応機構

クマコンはPIR赤外線センサーと振動センサーを搭載し、熊の接近を検知すると電子サイレン(100dB)とLEDストロボが自動で作動します。これらはソーラー供給を主電源とし、72時間連続稼働が可能なバックアップバッテリーを持ちます。

内部には非常ボタンによるSOS発信機能、内部ロックバー、緊急脱出バー、二重換気孔を装備し、熊スプレーや拡声ホーンでの威嚇も可能な構造です。外部からの視認・監視用にカメラやのぞき窓を設ける公共向けモデルも想定されています。

製品ラインナップと導入計画、補助金・販売体制

製品名称はLIFE SHIELD CONTAINER(クマコン)。販売開始は2025年12月を予定し、開発は東京理科大学および株式会社エコリニュー、製造は株式会社ジャカコン西日本、販売は株式会社ジャカコン東日本および株式会社スマコンスタイルが担当します。お問い合わせは o3ches@gmail.com、製品情報は https:/ /www.jacacon-k10.com/ に案内されています。

ラインナップは12ft、20ft、40ftの3タイプを用意。想定用途別に以下のモデルが想定されています。

家庭用モデル(クマコン12/20)
自宅の庭や畑脇に設置し、熊出没時や災害時に即時避難が可能な仕様。72時間滞在可能な備蓄モジュールを標準搭載します。
公共・観光モデル(クマコン20/40)
登山道やキャンプ場などに設置し、複数人が避難できる強化構造。のぞき窓・カメラ・警報装置を搭載し、ソーラーパネルによる自家発電対応とする設計です。

初年度は全国で100基の設置を目標としています。販売代理店の募集も同時に開始予定と明記されており、自治体や施設向けの導入ルートを確保する動きが示されています。

補助金対応については、農林水産省の「鳥獣被害防止総合対策交付金」と内閣府の「地域防災計画補助金」に対応できるよう条件を整えていく旨が記載されています。これにより自治体導入のハードルを下げる取り組みが想定されています。

技術的根拠・安全性の数値と関係者のコメント

プレスリリースはコンテナ採用の技術的な根拠を数値で示しています。ヒグマの噛む力は約1,000psi(約7MPa)、爪のひっかきは約2.7kN、体当たりは数百kgの衝撃とされる一方、海上輸送用コンテナの鋼板は約350MPa(約50,000psi)の強度を持ち、全体では192トン以上の荷重に耐える設計であるため、熊による破壊は現実的に困難であると説明しています。

この数値比較を根拠に、「熊にも地震にも耐える『鉄の避難シェルター』」としての安全性を主張しています。外装のポリウレア防護コートと内部の二重換気やロックなど複数の機構を組み合わせることで、実用上の安全性を確保するとしています。

代表取締役 木尾昌睦氏のコメントも掲載されており、過去のコンテナ事業で得た知見を熊害や災害への対策に活かすという姿勢が示されています。原文の発言は以下の通りです: 「これまで、コンテナという“箱”を通じて、農業・漁業・福祉などさまざまな社会課題に取り組んできました。その中で、最近の熊害や災害という脅威に直面し、コンテナ業界のパイオニアとして何か自分たちにできることはないかと考えたのがクマコンの原点です。この小さな一歩が、誰かの命を守るきっかけになれば幸いです。」

要点の整理表

以下は本記事で紹介したクマコンの主要情報を整理した表です。開発・製造・販売の体制、仕様、導入スケジュールや補助金対応などを一覧にしました。

項目 内容
製品名称 LIFE SHIELD CONTAINER(クマコン)
発表日時 2025年11月11日 11:00
販売開始予定 2025年12月予定
開発 東京理科大学 / 株式会社エコリニュー
製造 株式会社ジャカコン西日本
販売 株式会社ジャカコン東日本 / 株式会社スマコンスタイル
サイズ展開 12ft / 20ft / 40ft
主要装備 飲料水6L、保存食3日分、簡易トイレ3回分、救急箱、毛布、ソーラー蓄電100Wh、USB、ランタン、内部ロック・緊急脱出、二重換気
警報・検知 PIR赤外線センサー、振動センサー、100dB電子サイレン、LEDストロボ、SOS非常ボタン(IP65)
外装仕様 ポリウレア防護コート(1.5〜2.0mm、2層スプレー)、耐候・耐食、10年以上メンテフリー想定
技術的根拠 ヒグマ噛む力 約1,000psi(約7MPa) vs コンテナ鋼板 約350MPa、コンテナ耐荷重 192トン以上
導入目標 初年度 全国100基設置を目標
補助金対応 農林水産省 鳥獣被害防止総合対策交付金、内閣府 地域防災計画補助金に対応可能にする予定
連携企業・関連リンク 株式会社エコリニュー、株式会社スマコンスタイル(https://smaconstyle.com/)、東豊電機化学工業(https://www.theck.jp/)
問い合わせ o3ches@gmail.com / https:/ /www.jacacon-k10.com/

この記事では発表資料に含まれるすべての記載事項を掲載しました。各種仕様は「変更の可能性があります」との注記があるため、導入を検討する際は製造元・販売元へ最新の仕様や設置条件、補助金適用の要件などを確認することが推奨されます。

参考リンク: