IC-7300MK2、11月下旬発売 和文CWとHDMI搭載

IC-7300MK2発売

開催日:11月21日

IC-7300MK2発売
IC-7300MK2って何が新しくなったの?
IC-7300の設計を受け継ぎつつ、業界初の和文CWデコーダーや国内初のHDMI外部出力を搭載。LANやUSB‑C、RX‑ANT端子、APFなど接続性と実用性を強化し、RMDRやフェーズノイズが約12dB改善、消費電流や発熱も低減しています。
発売日はいつ?どこで買えるの?
発売は2025年11月下旬予定(記事では11月下旬、目安として11月21日頃)。100W/50W/10Wの3モデル展開で、詳細や販売開始はアイコム公式サイトや取扱店で案内されます。

IC-7300の系譜と累計出荷台数10万台突破の意味

アイコム株式会社は、HF帯および50MHz帯を対象としたアマチュア無線用トランシーバーIC-7300のリニューアルモデルとして、IC-7300MK2を2025年11月下旬に発売すると発表しました。IC-7300は日本で初めてRFダイレクト・サンプリング方式を採用した機種であり、回路の簡素化により小型化と高性能化を両立させた点が評価され、2024年に累計出荷台数10万台を突破しています。

この出荷台数10万台という節目は、アマチュア無線の入門者からベテランまで幅広い層でIC-7300が受け入れられていることを示しています。IC-7300MK2は、その基本設計の長所を受け継ぎつつ、現代の運用ニーズに応える形で機能強化と性能向上を図ったモデルです。

背景と設計思想

IC-7300が採用したRFダイレクト・サンプリング方式は、受信・送信の回路構成を簡素化しつつ高い性能を実現するためのアプローチです。IC-7300MK2もこの基礎を踏襲し、ユーザーの運用環境やリモート運用などのニーズを取り込んだ機能追加を行っています。

また、既存ユーザーからのフィードバックを元に、受信感度・ノイズ特性・長時間運用での安定性といった実用面の改良が優先されました。これにより、従来機と比較して消費電流の低減や発熱の低減も実現しています。

IC-7300MK2がもたらす新機能と外部接続性

IC-7300MK2は、従来のIC-7300で評価の高かった機能・性能を継承すると同時に、アマチュア無線機としての初搭載国内初とされる機能を複数搭載しています。特に注目されるのは和文CWデコーダーの実装とHDMI端子による外部ディスプレイ出力です。

これらに加え、LANポート(サーバーPC機能)やUSB Type-C™端子(2つのシリアルポートに対応)、受信専用アンテナ端子(RX-ANT IN/OUT:SMA型)など、現代的な接続性を重視した拡張が行われています。リモート運用の簡素化や大画面表示による視認性向上が見込めます。

搭載される主なインターフェースと機能

  • 和文CWデコーダー:欧文デコーダーに加え、アマチュア無線機で初めて和文のCWデコーダーを搭載(主要アマチュア無線メーカーとしての主張、2025年10月自社調査)。受信状況により正確にデコードできない場合があります。
  • HDMI®外部ディスプレイ出力端子:国内のアマチュア無線機として初搭載とし、大画面で表示が可能。
  • LANポート(サーバーPC機能):シンプルなシステムでリモート運用が可能。
  • USB Type-C™端子:1つの端子で2つのシリアルポートに対応。
  • RX-ANT IN/OUT(SMA型):受信用アンテナを接続可能。
  • APF(オーディオピークフィルター):CWモード時に目的信号の了解度を高める機能。

性能向上の具体数値と運用上のメリット

IC-7300MK2は単なる機能追加だけでなく、受信・送信の基本性能を向上させています。代表的な指標であるRMDR(受信ダイナミックレンジに相当する指標)は約113dB(代表値)で、従来機から12dBの改善を達成しました。

送信波のフェーズノイズもIC-7300比で約12dBの改善が報告されています。これらの改善は混信耐性や信号の純度向上に寄与し、競合する信号が多い環境や長時間連続運用時の安定性向上に繋がります。

消費電力と熱管理

待受時の消費電流は従来機の0.9Aから0.7Aへと軽減され、発熱も抑制されています。これにより安定した長時間運用が可能となり、省エネ効果も期待できます。実運用では連続運用時の筐体温度上昇が抑えられ、内部部品の温度ストレス低減にもつながります。

測定条件に関する注記として、性能改善の比較は「2kHz離調(周波数:14.2MHz、MODE:CW、IF BW:500Hz)」で行われた旨が示されています。これらの数値は代表値であり、実際の運用環境や個体差により異なる可能性があります。

製品構成、発売時期、付属品とダウンロード資料

IC-7300MK2は2025年11月下旬発売予定として発表されました。ラインナップは出力別に3種類が用意され、用途や運用環境に応じて選択できます。付属品としてはアップ/ダウンスイッチ付きハンドマイクロホン(HM-219)、電源ケーブル、予備ヒューズなどが同梱されます。

製品の詳細仕様や定格は改良のため予告なく変更される可能性がある旨も明記されています。関連資料はPDF形式で提供され、製品ページへのリンクも公開されています。

モデルと付属品の一覧

機種名
IC-7300MK2(100Wタイプ)
IC-7300MK2M(50Wタイプ)
IC-7300MK2S(10Wタイプ)
付属品
アップ/ダウンスイッチ付きハンドマイクロホン(HM-219)
電源ケーブル
予備ヒューズ

ダウンロード資料:d38597-63-81fa757ab4873ac598740cc7e11b5114.pdf

関連リンク:https://www.icom.co.jp/lineup/products/IC-7300MK2/

表記・商標および会社概要

発表資料には以下の注意書きが含まれます。アイコムおよびICOMロゴはアイコム株式会社の登録商標であり、HDMIおよびそのロゴはHDMI Licensing Administrator, Inc.の商標または登録商標、USB TYPE-CはUSB Implementers Forum, Inc.の商標です。

企業情報として、アイコム株式会社は東証プライム上場(6820)の無線通信機器メーカーで、1954年の創業以来、陸上業務無線機、海上無線、航空無線、衛星通信、ナビゲーション機器、受信機、IPネットワーク、アマチュア無線など幅広い分野に製品を提供しています。公式サイトはhttps://www.icom.co.jp/です。

IC-7300MK2 発表内容の要点
項目 内容
製品名 IC-7300MK2(IC-7300MK2M、IC-7300MK2Sを含む)
発売時期 2025年11月下旬予定
主要新機能 和文CWデコーダー搭載(アマチュア無線機で初)/HDMI外部ディスプレイ出力(国内初)/LANポート(サーバーPC機能)/USB Type-C端子(2シリアル対応)/RX-ANT IN/OUT(SMA)/APF搭載
性能向上 RMDR 約113dB(代表値、従来比+12dB)/送信波フェーズノイズ 約12dB改善(IC-7300比)
消費電流・熱特性 待受時消費電流 0.9A→0.7Aへ低減/発熱低減により長時間安定運用が可能
付属品 HM-219(ハンドマイク、アップ/ダウンスイッチ付き)、電源ケーブル、予備ヒューズ等
関連資料 d38597-63-81fa757ab4873ac598740cc7e11b5114.pdf/製品ページURL
注記 ※1 主要アマチュア無線メーカーとして(2025年10月自社調査)。※2 受信状況等により正確にデコードできない場合があります。※3 比較条件:2kHz離調(周波数:14.2MHz、MODE:CW、IF BW:500Hz)。

以上が発表資料の内容を整理した要点です。IC-7300MK2は従来機の基本性能を継承しつつ、和文デコーダーやHDMI出力、LAN/USBの強化など現代の運用ニーズに合わせた機能を追加しています。発売は2025年11月下旬を予定しており、詳細仕様や定格は公式資料を参照してください。

参考リンク: