婚活サービス調査｜信頼・コスパ・満足度の実態

婚活市場の“利用率”と実際の選ばれ方──利用経験率で見えた上位の顔ぶれ

株式会社ケアプリが実施した、20歳〜49歳の女性を対象とする婚活サービスに関する大規模調査では、利用経験率の上位に婚活アプリと結婚相談所が混在する結果となりました。本稿では調査結果の数値を丁寧に読み解き、各サービスの強みと利用者の評価傾向を整理します。

まず利用経験率のトップは婚活アプリ『ゼクシィ縁結び』で11.3%、僅差で『マリッシュ』が11.1%と続いています。3位以下は結婚相談所系が占め、上位は激戦区であることがうかがえます。

利用経験率の上位5ブランド（抜粋）

下記は調査で報告された上位の利用経験率の数値です。数値はウェイトバック集計された値（有効数字3桁）を用いています。

• ゼクシィ縁結び：11.3%
• マリッシュ：11.1%
• ムスベル：9.5%
• ゼクシィ縁結びエージェント：9.2%
• オーネット：9.1%

これらの数値からは、利用率で見ればアプリが優勢に見える一方で、結婚相談所も上位に食い込んでいるため、ユーザーは目的や価値観に応じて使い分けている実態が想像されます。

ブランドイメージの差異：信頼、熱意、品質、コスパで分かれる評価軸

本調査は利用経験者を対象に、各ブランドに対するイメージを複数項目で評価しています。ここでは「信頼・信用」「熱意・信念」「高品質」「コスパ・経済的」について、上位のブランドとその割合を具体的に示します。

注目すべきは、結婚相談所が「信頼」「高品質」といった項目で高評価を受ける傾向にある点です。一方で「コスパ」や利用率ではアプリが存在感を示すなど、イメージと利用実態にギャップが見られます。

「信頼・信用」の評価（利用経験者対象）

「信頼・信用」に当てはまると回答した割合は以下の通りです。

1. サンマリエ：77.6%
2. ムスベル：65.3%
3. ツヴァイ：63.7%
4. パートナーエージェント：54.6%
5. エン婚活エージェント：54.1%

サンマリエが約8割の支持を受け、2位以下に10ポイント以上の差をつけています。上位5はすべて結婚相談所であり、結婚相談所は婚活アプリよりも「信頼」のイメージを持たれやすい傾向が確認されました。

「熱意・信念」「高品質」「コスパ・経済的」の評価

各項目の上位は次の通りです。数値は各項目に対して「当てはまる」と答えた割合を示します。

• 熱意・信念：エン婚活エージェント 66.5%、ツヴァイ 58.4%、パートナーエージェント 57.8%、サンマリエ 56.1%、ムスベル 54.4%
• 高品質：サンマリエ 73.2%、ムスベル 62.4%、エン婚活エージェント 58.7%、ツヴァイ 55.3%、ユーブライド 53.2%
• コスパ・経済的：ムスベル 70.4%、エン婚活エージェント 66.4%、ツヴァイ 62.6%、ゼクシィ縁結びエージェント 47.3%、パートナーエージェント 47.1%

エン婚活エージェントは「熱意・信念」で突出しており、人を介したサポートの印象が評価に直結している可能性が示唆されます。ムスベルは「コスパ」で高評価を得ており、費用対効果を重視する層に支持されていると考えられます。

満足度スコアと“納得できる婚活”の要点

「実際に使って満足したか」を示す満足度（5段階評価、1＝とても不満、5＝とても満足）では、サンマリエが平均3.79で最も高く、2位以下に差をつけています。満足度とブランドイメージの関連性は注目に値します。

満足度の上位は次の通りです。数値は平均スコアです。

1. サンマリエ：3.79
2. マリッシュ：3.61
3. ブライダルネット：3.57
4. パートナーエージェント：3.54
5. フィオーレ：3.47

サンマリエは「信頼・信用」「高品質」といったイメージ項目でも高い評価を得ており、これが満足度の高さに繋がっている可能性があります。逆に利用率の高いアプリが必ずしも満足度トップではない点は、利用目的や期待値の違いを示しています。

満足度と選び方に関する示唆

本調査結果から導ける婚活サービス選択のヒントは次の通りです。

信頼・安心を重視する場合

結婚相談所（例：サンマリエ、ムスベル、ツヴァイ）が相対的に高評価。カウンセラーなどの人的サポートを重視する傾向がある。

費用対効果を重視する場合

ムスベルやエン婚活エージェントが「コスパ」評価で上位。費用と得られる価値のバランスを重視するなら検討対象になる。

多くの相手に出会う機会を重視する場合

利用率の高い婚活アプリ（ゼクシィ縁結び、マリッシュなど）が選択肢に上がりやすいが、満足度やイメージと照らして選ぶことが重要。

結局のところ、重視する評価軸（信頼、熱意、品質、コスパ、出会いの量）に合わせて複数サービスを比較検討することが「納得できる婚活」につながると考えられます。

調査の実施概要と運営会社の情報

本章では調査方法や対象、期間、各ブランドごとの有効回答数など、調査の根拠となる情報を明示します。調査の前提を理解することで、数値の読み取りがより正確になります。

また、調査を実施した株式会社ケアプリの運営事業や連絡先情報も併記します。これらの情報は出典確認のために必要です。

調査の実施概要（要旨）

調査は株式会社ケアプリによる自社調査で、インターネット調査（Knowns 消費者リサーチ）を通じて実施されました。対象は日本全国の20歳〜49歳の女性、調査期間は2025年5月1日〜2025年10月31日です。

有効回答はブランドごとに405名〜559名で、各回答者にランダムで1ブランドを提示し、そのブランドについて質問を行う方式で集計しています。人口構成比に合わせてウェイトバック集計を行い、有効数字3桁で数値を示しています。

各ブランドの有効回答数（調査での記載）

なお、本調査の対象には、2025年11月17日にサービス終了が発表された『ゼクシィ縁結び』および『ゼクシィ縁結びエージェント』が含まれています。発表によれば、『ゼクシィ縁結び』は2026年3月末頃、『ゼクシィ縁結びエージェント』は2026年6月末頃に終了予定とされています。

設問内容の概要

調査で用いた主な設問は以下の通りです。各設問は、ブランドごとに認知状況や利用経験により分岐しています。

• そのブランドを知っているか
• そのブランドを利用したことがあるか
• そのブランドに満足したか（1〜5で評価）
• そのブランドは「信頼・信用」にあてはまるか
• そのブランドは「熱意・信念」にあてはまるか
• そのブランドは「高品質」にあてはまるか
• そのブランドは「コスパ・経済的」にあてはまるか

イメージに関する質問は、利用経験者のうち該当ブランドを認知し、イメージを持っている回答者を対象に実施しています。満足度は利用経験者のみが回答しています。

運営会社の情報（株式会社ケアプリ）

本調査を公表した株式会社ケアプリは、恋愛相談チャットアプリ「ケアプリ」を運営する企業です。24時間365日、スマートフォンで専門家に相談できる環境を提供することを事業の中核としています。

会社の主要情報は次のとおりです。

• 会社名：株式会社ケアプリ
• 所在地：大阪府大阪市中央区南本町3丁目4-15 つるや第二ビル4F
• 設立：2021年5月14日
• 代表者：森本貴大
• 事業内容：スマートフォンネイティブアプリ、オンライン相談プラットフォーム事業の企画及び運営
• 会社ホームページ：https://company.careapp.jp/

サービスに関する補足リンクとして、ケアプリの公式Webページを参考として掲載します：https://web.careapp.jp/

調査結果の要点まとめ

以下は本記事で紹介した主要な数値・事実を整理した表です。調査の期間、対象、主要な指標（利用率、信頼、熱意、高品質、コスパ、満足度）を一目で確認できます。

以上が本調査の主要なポイントの整理です。利用率とブランドイメージ、満足度は必ずしも一致しないため、婚活サービスを選ぶ際は自分が重視する価値軸（信頼性・サポートの有無・出会いの幅・費用対効果）に応じて比較検討することが重要だと整理できます。