文章生成AIで遊ぶ文字RPG『サーガ＆シーカー』、11月26日クローズドβ開始

文章生成AIで“ごっこ遊び”をデジタル化した新作――『サーガ＆シーカー』の全容

ゲーム開発スタジオ〈ダグドリア スタジオ〉は、文章生成AIを核に据えた新作タイトル『サーガ＆シーカー』を発表した。本作は、選択肢を選ぶ従来型のアドベンチャーゲームとは異なり、プレイヤーがチャット欄にやりたいことを自由に書き込むことで物語が生成され進行する、いわば“文字だけRPG”である。

発表日付は2025年11月19日、プレスリリースは株式会社マレ経由で公開されている。タイトル公開トレーラーはYouTubeで公開中で、開発側は「粗削り、だから面白い」をコンセプトに、生成AIの不確定性も含めて遊びの核に据える方針を示している。

「物語錬成ゲーム」としての立ち位置

『サーガ＆シーカー』は自らを「物語錬成ゲーム」と呼び、プレイヤーの入力とAIによる描写生成の繰り返しで物語が紡がれる点を強調している。プレイヤーはやりたい行動や発言、演出を自由記述するだけで、AIがそれを受けて登場人物の反応や場面描写を生成する。

この方式により、いわゆる「なりきりチャット」や「TRPG」的な遊びがデジタル化され、キャラクター同士の掛け合いや予期せぬ展開まで含めて、テキストベースでの無限の遊び方が期待されている。

• プレイ形態：自由入力→AI描写のループで進行する文字だけのRPG
• 主な遊び方：なりきりチャット、TRPG風のプレイ、オリジナルクエストの読み込み
• 動画トレーラー：https://youtu.be/Lqo47QDhDV0

キャラクターメイクと共有機能――作ったキャラが“動き出す”設計

『サーガ＆シーカー』では、プレイヤーが作成したキャラクターが物語の中心となる。キャラクターは性格や口調、背景などを自由に設定でき、入力したテキストはAIの出力に直接反映される設計だ。

キャラクターは単なるステータス値の集合に留まらず、設定テキストを含めた「キャラクターシート」として出力可能で、htmlファイルやpngファイルとして保存・共有できる点が大きな特徴である。

出力形式

HTMLファイル、PNGファイルでのキャラクターシート出力が可能

読み込み機能

他プレイヤーが作成したキャラクターシートを読み込んで、自分のパーティに編成できる

また、クエストごとに生成される「クエストログ」もhtml形式で保存され、プレイヤーの入力や物語の全文がそのまま記録される。保存されたログはWebで共有したり、後から読み返すことができるため、プレイ体験を作品として残すことが容易だ。

クローズドβテストの概要と参加方法

正式リリースに先立ち、ダグドリア スタジオはクローズドβテストの参加者募集を開始した。募集は抽選方式で、参加にはSteamアカウントが必要である。募集期間および実施期間は下記の通りだ。

募集ページはGoogle Formsで公開されており、応募者の中から200名が選定される。対応プラットフォームはPC（Windows）のみで、Steam環境が動作条件となっている。

ベータ参加で期待されるフィードバック

クローズドβの目的は、正式リリースに向けたゲームバランスやシステムの改善、ユーザー体験の検証とフィードバック収集である。開発側はテスト期間中の意見をもとに、ゲーム性やUI、AIの応答品質などを調整する予定である。

参加者はクエストログの保存やキャラクターシートの出力など、実際のデータ生成・共有機能を体験することができる。運営は収集したデータを踏まえ、後述の追加機能の実装を進める計画だ。

システム詳細、配信許諾、生成AIの利用方針

システム面では、プレイヤーの自由入力に対して文章生成AIが即座に物語描写を生成するという仕組みが中核である。キャラクター作成も自由入力方式で、ステータスやスキルに加え、設定テキストがそのまま反映される。

クエストクリア時には自動で「スキル」や「思い出」がAI生成され、キャラクターに蓄積される。これらはプレイごとに固有の生成物となるため、同じクエストでもプレイヤーの入力によって異なる成果物が生まれる点が特徴だ。

• 出力されるデータ：キャラクターシート（HTML/PNG）、クエストログ（HTML）
• 共有機能：キャラクターの出力/読込、クエストログのWeb共有が可能
• 動画配信・投稿：個人・法人、営利・非営利を問わず許可。ただし公序良俗を守り、利用者の責任で行うこと。配信や投稿による問題に対する責任は運営が負わない

生成AIの利用範囲

ゲーム内の文章生成にAIを使用。ただし、イラスト、サウンド、その他アセットはすべて人間のクリエイターが作成した素材を使用しており、AI生成のアセットは一切使っていない。

今後の追加予定機能

• 過去のクエストログをリプレイ再生する機能の実装
• 高難易度クエストや連続クエストなど特殊なクエストの実装
• 複数のプレイヤーがオンラインで同時に1つの物語を遊べるマルチプレイ機能の実装

開発側は生成AIの制御が難しいことを認めつつも、その予測不能な側面を「面白さ」の源泉として取り込み、あえて完全な制御を目指さないアプローチを採っている。

ゲームはSteam（Windows）での提供を予定し、2025年12月にリリース予定、価格は本体1500円（ゲーム内課金あり）と発表されている。

開発スタジオ情報、リンク集と問い合わせ先

開発はダグドリア スタジオ。スタジオは「粗削り、だから面白い」を理念に設立され、新しい題材を原石のままユーザーに届けることを目指していると説明している。本作はその理念を反映した試みであり、生成AIを用いた新たな遊びの可能性を検証する作品と位置付けられている。

以下に、本プレスリリースで明示された主要なリンクと問い合わせ先を列挙する。公式情報の参照やベータ応募にはこれらのリンクが利用できる。

• Steamストアページ：https://store.steampowered.com/app/3522640/Saga__Seeker/
• クローズドβ応募ページ：https://forms.gle/eHCEPRKtFCH2hbJd9
• 公式X（サーガ＆シーカー）：https://x.com/Saga_and_Seeker
• 公式Discord：https://discord.gg/etMmNwyuxD
• ダグドリア スタジオ公式X：https://x.com/Dagdoria_Studio
• プレスリリース素材一式：https://drive.google.com/drive/folders/1o3T0Ruv2IEHLyk3XJ0tqCo6S6NEJROkS?usp=drive_link
• 問い合わせ先（メール）：info@dagdoria-studio.com

また、ゲーム映像の紹介や実況、解説などの動画投稿・生放送配信は許可されているため、配信者はSteamストアページのリンクを概要欄に掲載することが推奨されている。

以上の情報を整理すると、『サーガ＆シーカー』は自由入力による物語生成を中核に据え、キャラクターの出力・共有やクエストログ保存といった機能でユーザー間の創作共有を促進する設計である。クローズドβは200名を対象に2025年11月26日から実施され、正式リリースは2025年12月予定、価格は1500円（ゲーム内課金あり）となっている。