SpicyCompanyがHEL研究に着手　2026年試作機を目標

SpicyCompanyが高出力レーザービーム（HEL）研究開発フェーズに着手

2025年11月20日15時に発表されたプレスリリースによれば、株式会社SpicyCompany（本社：東京都渋谷区、代表取締役：小宮 久）は、高出力レーザービーム（High-Energy Laser / HEL）の研究開発フェーズに正式に着手したと報告しています。

この取り組みは、次世代防衛システムにおけるエネルギー兵器領域を視野に入れたものであり、既存の電波系兵器では対処が難しいとされる脅威に対する新たなソリューション確立を目的としています。公表された日時や代表者、所在地といった基本情報も明示されています。

発表の基本情報

プレスリリースには以下の基本的な情報が含まれています。これにより、研究開始の公式性と連絡手段が確保されています。

発表日

2025年11月20日 15時00分

会社名・代表

株式会社SpicyCompany / 代表取締役：小宮 久（Hisashi KOMIYA）

所在地

東京都渋谷区恵比寿4-7-6

連絡先

TEL：0120-110-081　FAX：03-5422-1087　Email：contact@spcg.jp

Web

https://spcg.jp/

海外拠点

3拠点（米国・中東・アジア）

研究開発の中核要素：技術課題と具体的施策

プレスリリースでは研究開発のポイントを3つの柱に分けて明確に示しています。各柱は小型化、高速追尾制御、そして想定される適用分野の提示です。

以下では、それぞれの要点を整理し、想定される技術課題や取り組み方針を具体的にまとめます。

1. 小型化されたレーザー発振モジュールの開発

海外R&D拠点と連携して進めるとされるこの取り組みは、軽量かつ高出力を両立できるレーザー発振器の試作を目的としています。特に以下の要素が開発の焦点として挙げられています。

• 高効率ファイバー系レーザー：出力効率の向上と熱負荷低減が課題。
• 小型電源ユニット：機動性を損なわないための電源設計。
• 熱管理システムの最適化：連続運用や高出力運用時の冷却技術。

これら三つの要素を同時に進展させることで、兵装プラットフォームや搭載条件の幅を広げることが想定されています。

2. 追尾AIと高速ビーム制御

プレスリリースではAIを用いた追尾システムとビーム制御の統合を重要視しています。標的が高速で機動する小型ドローンや低空侵入体である場合でも、リアルタイムで照準を維持することが求められます。

特に、AI誘導FPVドローンへの対抗技術として追尾性能の向上とビーム安定化が不可欠であり、センサー融合、予測制御、低遅延通信などの技術が組み合わされると想定されます。

3. 想定アプリケーション

プレスリリースに記載された想定利用範囲は多岐にわたります。これらの用途に応じた機能要件が研究設計に反映されることになります。

1. 近距離防空（C-UAS / C-UAV）
2. 重要施設周辺の防衛
3. 船舶や車両への搭載型レーザー防衛
4. 災害時の長距離通信補助目的のレーザーリンク

各用途には運用環境の差異があるため、発振器の出力特性、冷却方式、電源供給手段、制御ソフトウェアなどの最適化が必要となります。

技術的アドバンテージと運用面の影響

リリースではHELの導入がもたらす運用面の優位性についても言及しています。主にロジスティクス、コスト、秘匿性の3点が挙げられています。

以下に具体的な利点と、その背景にある要素を整理します。

ロジスティクス優位性（燃料不要）

レーザー兵器は弾薬を消費する従来型の兵器と異なり、基本的に電力を供給するだけで運用可能です。プレスリリースでは、補給リスクの大幅削減がロジスティクス面での利点として示されています。

この観点からは、電力供給の冗長化、発電・蓄電手段、野外展開時の電力インフラの設計が重要な検討課題となります。

低コスト運用

1発あたりのコストを極小化できる点も明記されています。弾薬を消費する代替手段に比べ、繰り返しの運用コストが抑えられる可能性があることが示唆されています。

ただし初期導入コストや保守、冷却システムの運用コストなどライフサイクル全体でのコスト評価が重要です。

秘匿性の高さ

レーザーは発射音や可視の飛翔軌跡がほとんど存在しないため、目視による捕捉や発射源の即時特定が困難になるという利点が挙げられています。

その結果として、運用上の戦術的柔軟性や非致死的な対応オプションの増加が考えられますが、同時に国際法や運用ルールの整備といった課題が伴います。

プロジェクトのスケジュール、共同開発の方針、およびまとめ

プレスリリースでは、2026年中のデモ試験機（Prototype）完成を目標とするスケジュールが示されています。研究成果の実装化を進める計画とし、国内外の防衛関連企業・研究機関との共同開発も視野に入れていると明記されています。

また、SpicyCompanyは既に米国・中東・アジアに3つの海外拠点を有している点が示されており、国際連携を前提とした開発体制が想定されています。

公開済みの資材と補足情報

プレスリリースには、プレスキットや画像ファイルのダウンロード可能な素材が提供されている旨の案内があります。具体的には「すべての画像」「プレスリリース素材」「株式会社Spicy Companyのプレスキットを見る」といった表記が含まれています。

また、リリースに付随するキーワードとして「宇宙」「防衛」「国防」「衛星」「ロケット開発」「宇宙開発」「ピコ衛星」「宇宙ビジネス」「航空宇宙」「ロケット」がリストアップされています。

要点の整理表

以下の表は、本記事で取り上げたプレスリリースの主要情報を整理したものです。プロジェクトの基本データ、技術的要点、スケジュール、連絡先情報を一目で確認できます。

以上が、2025年11月20日に公表されたSpicyCompanyの高出力レーザービーム研究着手に関するプレスリリースの要点と詳細情報の整理です。発表内容は研究開発の方向性、想定される応用範囲、技術優位性、スケジュールおよび連絡先を網羅しており、今後のプロトタイプ開発と国際協力の進展が注目されます。