児童精神科看護師が解説 不登校の親の6問を全3回公開
ベストカレンダー編集部
2025年11月21日 13:42
不登校講演書き起こし公開
開催日:10月24日
増え続ける不登校と保護者からの切実な問いに応える機会
現状把握と発表情報の概略
文部科学省が2025年10月に公表したデータによると、2024(令和6)年度の小中学生の不登校児童生徒数は過去最多の35万3,970人にのぼります。増加する不登校を背景に、保護者からは「どう関わればよいか」「子どものメンタルが心配だ」といった具体的で切実な相談が寄せられています。
そうした保護者の声に応えるかたちで、ウェブメディア「不登校オンライン」(運営:株式会社キズキ)は、児童精神科看護師であるこど看さんを迎えた無料のオンライン講演会を実施し、その書き起こしを全3回で順次公開すると発表しました。書き起こしは読みやすさのために一部編集を行い、無料で提供されます。
発表日時と主催の枠組み
本プレスリリースは株式会社キズキから2025年11月21日 11時00分に発表されています。講演会は2025年10月24日(金)に開催され、テーマは「【児童精神科看護師×不登校支援のプロ】不登校の子どもの気持ちとは…?保護者のギモン解決SP」でした。
講演会は「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を運営する3団体が共催し、多数の保護者から質問が寄せられました。今回の書き起こし公開は、その講演内容を必要な保護者へ広く届けることを意図しています。
全3回の書き起こしと質問項目の詳細
公開スケジュールと各回の主題
書き起こし記事は全3回で公開され、各回で保護者から寄せられた計6つの質問に対して、児童精神科看護師・こど看さんが臨床経験に基づく具体的なアドバイスを行っています。第1回はすでに公開されており、第2回と第3回は以下の日程で順次公開される予定です。
各回の公開スケジュールと質問項目は次の通りです。リンクは第1回の公開先です。
- (1)既に公開中:タイトル「児童精神科に繋がる親子に持ち帰ってもらいたいこととは?」(公開URL:https://futoko-online.jp/interview/17849/)
- 質問1:児童精神科に繋がる親子に共通して持ち帰ってもらいたいことは?
- 質問2:予期不安が強くて不登校に。本人は「学校に行きたい」と言っているのですが…
- (2)公開予定:2025年11月28日
- 質問3:指摘に過剰な反応をする息子。物事をどう教えたらいい?
- 質問4:母親にだけ当たり散らす息子。思春期も重なり、どうしたらいいかわからない
- (3)公開予定:2025年12月5日
- 質問5:毎朝トイレに30分以上こもる娘。見守るだけでいいの?
- 質問6:子育てをあきらめてしまったことがあります。試合終了でしょうか
各回とも、保護者の現場で直面するテーマ—予期不安、親子関係、思春期の反応、日常の行動変化、子育ての限界感—について、実践的な示唆が整理されています。
書き起こしは「不登校オンライン」にて全編順次無料公開され、編集は読みやすさを考慮したものであることが明示されています。
登壇者の経歴と関連団体の取り組み
こど看(児童精神科看護師)とその発信
こど看は精神科単科病院の児童思春期精神科病棟に10年以上勤務し、現在も看護師として臨床の現場に立ちながら、SNSや講演を通じて「子どもとのかかわりを豊かにするための考え方」を発信しています。一児の父でもあります。
経歴としては大学病院の内科勤務を経て、理想と現実のギャップに悩み退職。その後3カ月間のひきこもりを経験し、児童精神科へ転職して以来、子どもたちに寄り添う臨床と発信活動を続けてきました。著書に『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』『児童精神科の看護師が伝える 10代のこわれやすいこころの包みかた』(KADOKAWA)があります。
共催者とモデレーターのプロフィール
石井しこう(いしい・しこう)は1982年東京都生まれ。不登校経験があり、フリースクールを経てNPOでの取材を通じて400名以上の不登校の子どもや若者、親への取材経験を持つジャーナリストです。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)ほかがあります。公式サイトはhttps://futokoshiko.com/です。
中里祐次(なかざと・ゆうじ)は好きでつながる居場所「Branch」代表。Branchは子どもの「好き」を軸にした居場所づくりを行っており、運営背景には自身の子どもの体験があることが紹介されています。Branchのサイトはhttps://branchkids.jp/です。
伊藤真依(いとう・まい)は不登校の子どものための完全個別指導塾「キズキ共育塾」の不登校相談員で、ウェブメディア「不登校オンライン」の編集部メンバーです。1999年生まれで、高校不登校の経験を経て株式会社キズキに就職し、教室長や相談業務に携わってきました。キズキ共育塾の情報はhttps://kizuki.or.jp/で確認できます。
実務的な支援ツールと講演で示された方向性
「学校休んだほうがいいよチェックリスト」の役割
本講演会の共催者の一つである「学校休んだほうがいいよチェックリスト」は、保護者が子どもの「学校を休ませてよいか」を判断するときの参考となるツールです。簡単な質問に答えるだけで、精神科医からの回答結果が届く仕組みになっています。
このチェックリストは、不登校ジャーナリスト・石井しこう、居場所「Branch」、不登校の子のための完全個別指導塾「キズキ共育塾」の3団体により運営されています。利用案内や詳細は次のURLから確認できます:https://branchkids.jp/lp/oyasumi-checklist
講演で触れられた支援のポイント
講演を通じて示された実務的なポイントは次のような項目です。これらは保護者が日々の関わりで意識できる具体策として整理されています。
- 予期不安への対応:本人の不安を可視化し、小さな成功体験を積み重ねることの重要性。
- 親子関係の再構築:指摘や叱責だけでなく、感情の受容や距離感の調整を行う手立て。
- 思春期特有の反応への接し方:母親への攻撃的な振る舞いに対する境界設定と代替のコミュニケーション戦略。
- 日常行動の変化への対応:トイレに長時間こもるなどの行動変化はサインとして捉え、過度な介入を避けつつ専門機関と連携する。
- 子育ての限界感への向き合い方:疲弊やあきらめの感情を整理し、支援を求めるためのステップを具体化する。
これらの項目は講演の書き起こし全編で詳細に解説されています。保護者が個別の状況に合わせて実践できる指針が中心です。
まとめ(要点整理の表)
以下に、本記事で取り上げた主要項目を整理した表を示します。講演の開催情報、公開スケジュール、登壇者、共催のチェックリストURLなど、重要な情報を一覧にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレス発表 | 株式会社キズキによる発表(2025年11月21日 11時00分) |
| 不登校の現状 | 2024年度 小中学生の不登校児童生徒数:35万3,970人(文部科学省 2025年10月公表) |
| 講演会開催日 | 2025年10月24日(金) |
| 書き起こし公開 | 全3回(第1回:公開中、第2回:2025年11月28日、第3回:2025年12月5日) |
| 講演テーマ | 「児童精神科看護師×不登校支援のプロ」不登校の子どもの気持ちとは…?保護者のギモン解決SP |
| 主な質問項目 | 質問1〜6(児童精神科に繋がる親子の持ち帰る要点、予期不安、過剰反応、母親への当たり散らし、トイレ長時間、子育てをあきらめた感) |
| 登壇者 | こど看(児童精神科看護師)、石井しこう、中里祐次、伊藤真依 |
| 関連URL | 不登校オンライン記事(第1回): https://futoko-online.jp/interview/17849/、チェックリスト: https://branchkids.jp/lp/oyasumi-checklist、Branch: https://branchkids.jp/、Kizuki: https://kizuki.or.jp/、石井公式: https://futokoshiko.com/ |
この記事では、講演会の開催情報・公開スケジュール・登壇者の経歴・チェックリストの運営主体とURL、そして書き起こしで扱われる具体的な質問項目と支援の要点を整理しました。書き起こし記事は保護者が現場で活用できる具体的な示唆を含んでおり、公開された各回を参照することで個別の課題に応じた理解を深めることができます。
参考リンク: