1月8日開幕!囲み舞台で描く新感覚ミュージカル『白爪草』
ベストカレンダー編集部
2025年11月21日 15:41
ミュージカル『白爪草』初演
開催期間:1月8日〜1月22日
舞台と音楽が交差する新感覚ミュージカル『白爪草』、製作発表の全容
2026年1月8日(木)からSUPERNOVA KAWASAKIで上演される新作ミュージカル『白爪草』の製作発表が、2025年11月20日(木)に開催された。主催は株式会社ホリプロ。会場には主演の屋比久知奈(白椿 蒼役)、唯月ふうか(白椿 紅役)をはじめ、音楽・歌詞を手掛けるヒグチアイ、脚本・歌詞原案の福田響志、演出の元吉庸泰ら主要クリエイターが登壇し、本作の全体像と楽曲披露が行われた。
本製作発表では劇中から4曲「ホトトギス」「雑草」「プリザーブドフラワー」「花歌」が披露され、作品の音世界と登場人物の心理が実際の歌唱から伝えられた。撮影は宮川舞子による写真記録が添えられている。チケットはホリプロステージほか主要プレイガイドで販売中で、詳細は公式サイトや各種SNSで公開されている。
原作と上演形態の特徴
ミュージカル版『白爪草』は、原作が持つワンシチュエーションの緊張感を舞台に移し替える試みだ。原作は2020年に発表された、電脳少女シロ主演による世界初の全キャストVTuberで演じられたワンシチュエーションサスペンス映画「白爪草」。ミュージカルでは360°囲みの舞台=四面の囲み舞台(囲み劇場)を用い、多方向の視点から同一場面を観客が体験するイマーシブな構成を採る。
演出の元吉庸泰は、映像で成立していた原作の演出やサスペンス性を「生身の人間が演じることの意味」に置き換え、多面的に見せる構成を意図している。現在エンドステージとなっている劇場を改装し、中央に舞台を設置して四面に客席を配置することで、異なる角度から登場人物の表情や選択を体感できるよう設計される。
歌唱披露と楽曲が語る登場人物の心理
製作発表で披露された4曲は、すべて劇中のキャラクターの内面や関係性を掘り下げる役割を担っている。作曲・作詞を手掛けるヒグチアイがミュージカル楽曲を初めて担当し、歌詞原案や脚本との連携で楽曲群が物語の時間経過と心理描写を担う構成だ。
披露曲と歌唱キャスト、曲が表す意味は次の通りである。以下の4曲は製作発表当日の歌唱映像がホリプロステージ公式YouTubeで公開されている。
- ホトトギス(歌唱:屋比久知奈)— フラワーショップ『花組』で働く蒼が、この花屋で働くことになったきっかけを歌うナンバー。蒼の過去と日常、選択の動機が歌詞を通じて語られる。
- 雑草(歌唱:唯月ふうか)— 母親殺しの前科がある紅の疎外された日常を描く。社会から〈雑草〉のように扱われてきた紅の心情を掘り下げたナンバーで、差別や孤立の感覚がテーマとなる。
- プリザーブドフラワー(歌唱:屋比久知奈、唯月ふうか)— 枯れることなく保存されるプリザーブドフラワーをモチーフに、母親への想いが時を超えて重なり合う二重唱。過去の記憶や停滞した感情表現を音で表現する。
- 花歌(歌唱:屋比久知奈、唯月ふうか)— 双子同士が互いを映し合う鏡のような存在として響き合う、本作のキーとなる楽曲。物語の核となる対話と転換を担う。
歌唱映像は公式YouTubeプレイリストで公開されている。URL: https://www.youtube.com/watch?v=Q851QX7q3CE&list=PL-s10xE3SW0ZJoPRsZZ6x7bN7QDdiZ63x
登壇者のコメントと役柄について
屋比久知奈(白椿 蒼役)は、作品が世界初演である点を踏まえ「一つのエンターテインメントとして面白い作品になる」という決意を示した。彼女は唯月ふうかとの二人の関係を大きな核として捉え、観客が何度も異なる視点で観劇することを勧める発言をしている。プロフィールとしては、1994年沖縄県出身、琉球大学卒業後に声優・歌手としてデビューし、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などの舞台実績を持つ。
唯月ふうか(白椿 紅役)は囲み舞台という形式に触れ、観客と近い距離感での上演について「中毒になるような体験」を期待する旨を述べた。プロフィールでは北海道出身、ホリプロタレントスカウトキャラバン出身でブロードウェイ作品にも出演歴があり、多数の舞台出演を重ねている。
クリエイティブチームの狙いと制作過程
音楽を担当するヒグチアイは、普段ポップスで培ってきた瞬間的な感情の伸張表現を背景に、ミュージカルでは楽曲が物語の時間経過を担うことに苦労しながらも制作を進めたと述べている。曲数が多くなったことを冗談めかして語りつつも、ミュージカルの根幹に関する問いに対して福田響志、元吉庸泰から丁寧な回答を得て制作できたと振り返った。
脚本・歌詞原案の福田響志は原作脚本の巧妙さを評価しつつ、曲をどのように組み込むかの作業から始めたと説明した。ワンシチュエーションの花屋という制約を逆手に取り、植物や花屋にあるものをモチーフに楽曲の主題を構築したため、結果的に楽曲数が増えたと語っている。脚本家として二人の関係性や家族の関係性を深めることに重点を置いた。
演出の元吉庸泰は、原作にある映像的演出やサスペンスの仕掛けをどのように舞台上で生かすかを検討した結果、劇場の構造を改変して四面の囲み舞台を採用することにしたと説明している。観客が別の面から異なる視点で別の表情を体験できるよう、イマーシブな要素を含む上演を目指す。
制作の初期段階:リードスルー・ワークショップ報告
制作レポートVol.1として、稽古開始前に行われたリードスルーワークショップの様子が公開されている。参加者はヒグチアイ、福田響志、元吉庸泰をはじめ、音楽監督の竹内聡、編曲の齋藤優輝、キャストの屋比久知奈、唯月ふうか、歌唱担当の元榮菜摘、青山瑠里、ピアノの中條純子ら計10名であった。
ワークショップでは物語全体の流れや台詞と音楽の流れを検証し、稽古に入る前の段階で役者とスタッフが共通認識を持つための重要な機会として位置づけられた。リードスルーの様子やコメント映像は公式SNS(Instagram)で公開されている。詳細レポートは公式特設ページに掲載されている。
- 制作レポートURL
- https://horipro-stage.jp/special/sirotsumekusa20251017_report/
- 公式Instagram
- https://www.instagram.com/sirotsumekusa.musical/
公演詳細、チケット情報、特別企画の全項目
公演は期間中に23回上演され、会場はSUPERNOVA KAWASAKIである。座席は全席指定で、ワンドリンク制が導入される。以下にスケジュール、料金体系、販売情報、撮影ルール、特別企画などを整理する。
チケットはホリプロステージでの販売を中心に、ローソンチケット、チケットぴあ、イープラスでも取り扱われる。U-25やYシートといった若年層向け料金設定のほか、初演記念の来場者プレゼントやアフタートークなどの特典企画が用意されている。
| 公演名 | ミュージカル『白爪草』 |
|---|---|
| 期間 | 2026年1月8日(木)~1月22日(木)[23回] |
| 会場 | SUPERNOVA KAWASAKI |
| 座席 | 全席指定(ワンドリンク制) |
チケット料金と販売
チケット料金は以下の通りである。支払い方法や引換方法など詳細は各販売ページで確認が必要である。
| 種別 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|
| 全席指定 | 9,500円 | 一般 |
| Yシート(20歳以下当日引換券) | 2,000円 | ホリプロステージのみ取り扱い |
| U-25(25歳以下当日引換券) | 7,500円 | 12月6日(土)10:00〜(ホリプロステージ) |
| 映画『白爪草』上映会付チケット | 10,500円 | 入場時、別途ドリンク代600円必要。対象日:1月11日(日)16:00/1月17日(土)16:00(公演終了後に上映) |
ホリプロステージ チケット情報ページ: https://horipro-stage.jp/news/sirotsumekusa2026_ticket/
ほかの取扱いプレイガイドは以下の通り。
- ローソンチケット: https://l-tike.com/sirotsumekusa2026/
- チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/sirotsumekusa2026/
- イープラス: https://eplus.jp/sirotsumekusa2026/
特別企画・アフタートーク・撮影ルール
初演を記念した特別企画やアフタートークの予定が複数組まれている。初日1月8日(木)19:00公演では来場者にオリジナルステッカーを配布し、スペシャルカーテンコールを実施する。ホリプロステージ会員限定の貸切公演は1月10日(土)16:00で、アフタートークに屋比久知奈、唯月ふうか、元吉庸泰が登壇する。
アフタートークのスケジュールは以下の通りである。内容は登壇者やテーマにより変わる。
- 1月13日(火)19:00:福田響志(脚本・歌詞原案)、元吉庸泰(演出)
- 1月16日(金)19:00:我人祥太(映画脚本)、宮川宗生(映画プロデューサー)、井川荃芬(演劇プロデューサー)
- 1月20日(火)19:00:ヒグチアイ(音楽・歌詞)、屋比久知奈、唯月ふうか
撮影については、全公演のカーテンコールの一部が写真撮影可となる。ただし以下の注意事項が設けられている。
- 撮影は写真に限る(動画撮影・録音は禁止)。
- 機材はスマートフォンのみ許可。デジタルカメラや一眼レフなどの使用は禁止。
- 会場内で「撮影OK」と表示されている時のみ撮影可能。
- フラッシュ撮影は禁止。
- 撮影は自身の座席から行い、座席移動は禁止。
- 内容は変更になる場合あり。
映画上映会付きチケットの取り扱い
舞台公演とあわせて原作映画「白爪草」上映会付きチケットが設定される。対象日は1月11日(日)16:00と1月17日(土)16:00で、いずれも公演終了後にロビーへ一度移動の上、準備が整い次第客席へ案内される。
上映会は自由席で、入場時に別途ドリンク代600円が必要である。販売は11月5日(水)11:00より開始されている。
キャスト・スタッフ一覧と各プロフィール
ここでは登壇キャストと主なスタッフ、声の出演などの一覧とプロフィールをまとめる。主要なクリエイターのコメントとプロフィールも併記する。
| キャスト | 役名 |
|---|---|
| 屋比久知奈 | 白椿 蒼(しろつばき あお) |
| 唯月ふうか | 白椿 紅(しろつばき べに) |
| 声の出演 | 安蘭けい |
主要クリエイティブチームは以下の通りである。原案は映画『白爪草』となっている。
| スタッフ | 役割 |
|---|---|
| ヒグチアイ | 音楽・歌詞 |
| 福田響志 | 脚本・歌詞原案 |
| 元吉庸泰 | 演出 |
| 竹内 聡 | 音楽監督 |
| 齋藤優輝 | 編曲 |
| 平山正太郎 | 美術 |
| KENNY | 映像 |
| 浜崎 亮 | 照明 |
| 山本浩一 | 音響 |
| 小田優士 | 衣裳 |
| 水﨑優里 (MIG) | ヘアメイク |
| 塩野拓矢 (梅棒) | 振付 |
| 石川花蓮 | 稽古ピアノ |
| 松井啓悟 | 舞台監督 |
| 主催・企画制作 | ホリプロ |
以下に主要登壇者のプロフィール抜粋を掲載する。各人物のプロフィールは製作発表資料に基づく。
- 屋比久知奈(白椿 蒼役)
- 1994年沖縄県出身。琉球大学法文学部国際言語文化学科英語文化専攻卒業。2017年3月にディズニー・アニメーション映画『モアナと伝説の海』日本版モアナ役で声優デビュー、主題歌を歌唱。主な舞台出演に『レ・ミゼラブル』(エポニーヌ役)、『ミス・サイゴン』(キム役)、『ジェーン・エア』等。2024年以降も複数の舞台に出演。12月に公開された『モアナと伝説の海2』は大ヒットを記録。現在Disney+で配信中。
- 唯月ふうか(白椿 紅役)
- 北海道出身。2012年ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞受賞。2013年ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』9代目ピーターパンとして抜擢され以降、数多くの舞台・映像作品に出演。近年の主要出演作に『レ・ミゼラブル』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『VIOLET』『ジェイミー』など。現在『SPY×FAMILY』に出演中。2026年は『ジキル&ハイド』への出演が控えている。
- ヒグチアイ(音楽・歌詞)
- 平成元年生まれのシンガーソングライター。香川生まれ、長野育ち。2歳よりクラシックピアノ、以降多楽器を経験。2016年に1st ALBUMでメジャーデビュー。ピアノとアルトヴォイスによる表現力で高評価を受け、アニメ『進撃の巨人』The Final Season Part2のエンディングを担当するなど活動は多岐にわたる。作家活動では香取慎吾、のん等への楽曲提供やアニメ主題歌の作詞も手掛けている。
- 福田響志(脚本・歌詞原案)
- 2000年生まれ。幼少期より子役、14歳でカリフォルニアに留学、ニューヨーク・フォーダム大学演劇科演出コース卒。脚本、翻訳、訳詞、振付など幅広く活動。近年はミュージカル翻訳・訳詞やオリジナル脚本を多数手掛ける。
- 元吉庸泰(演出)
- 舞台脚本家・演出家。学生時代より劇団を主宰しモデル・俳優として活動。ブロードウェイ作品から2.5次元まで幅広い演出を担当。近年の主要作に『僕のヒーローアカデミア The “Ultra” Stage』などがある。2025年上演『十二国記‐月の影 影の海‐』では脚本と作詞を手がける。
さらに詳細なプロフィールや作品歴は公演公式ページにて確認できる。公式HP: https://horipro-stage.jp/stage/sirotsumekusa2026/
要点整理(公演の基本情報まとめ)
ここまで示した公演情報、キャスト、スタッフ、楽曲、チケット等の要点を表形式で整理し、最後に本記事の簡潔なまとめを付す。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演名 | ミュージカル『白爪草』 |
| 上演期間 | 2026年1月8日(木)~1月22日(木)(23回) |
| 会場 | SUPERNOVA KAWASAKI |
| 主演 | 屋比久知奈(白椿 蒼)、唯月ふうか(白椿 紅) |
| 音楽・歌詞 | ヒグチアイ |
| 脚本・歌詞原案 | 福田響志 |
| 演出 | 元吉庸泰 |
| 上演形式 | 四面の囲み舞台(360°観客配置)、ワンシチュエーション密室ミュージカル |
| 披露楽曲 | 「ホトトギス」「雑草」「プリザーブドフラワー」「花歌」 |
| チケット料金 | 全席指定 9,500円、Yシート(20歳以下)2,000円、U-25 7,500円、映画上映会付 10,500円(別途ドリンク代600円) |
| 販売プレイガイド | ホリプロステージ、ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス |
| 公式情報 | 公式HP https://horipro-stage.jp/stage/sirotsumekusa2026/、公式SNS(X/Instagram/TikTok) |
以上が製作発表で公開された情報の全体整理である。本作は原作映画の持つサスペンス性とワンシチュエーションの緊張感を、囲み舞台とミュージカル楽曲によって舞台化する試みとして位置づけられている。楽曲はヒグチアイが全曲を担当し、脚本・歌詞原案の福田響志と演出の元吉庸泰が連携することで物語と音楽の結びつきが強く意識された構成になっている。公演詳細やチケットに関する最新情報は公式ページで案内されているため、確認の上での利用が推奨される。
参考リンク: