11/22放送｜小野測器が番組でユスリカの羽音を計測

ユスリカの羽音を「計測」して検証する — NHK Eテレ『ヴィランの言い分』での試み

電子計測器メーカーの株式会社小野測器は、2025年11月22日（土）放送のNHK教育テレビジョン（Eテレ）番組『ヴィランの言い分』の制作に協力しました。プレスリリースは2025年11月21日 15時00分に発表され、代表取締役社長は大越 祐史氏とされています。

『ヴィランの言い分』は、一般に“悪者”と思われがちな存在を最新の研究で再評価する教育エンターテインメント番組です。本回のテーマは小さな昆虫「ユスリカ」で、群れになって飛び回り、人の頭上で蚊柱を作る行動が注目されています。特に「2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）」のシンボルである大屋根リング周辺での大量発生が話題になった点も取り上げられました。

放送日時と番組の位置づけ

放送日時は2025年11月22日（土）午前10:30～11:00です。番組ページはNHKの番組サイトに情報が掲載されており、放送日時・内容は予告なく変更される場合がある旨も案内されています。

番組内では「ユスリカが人の頭の上に集まるのは人そのものではなく、羽音に誘引されるのではないか」という仮説を検証するため、計測と解析を用いた実験が行われました。小野測器はその実験シーンに計測機器を提供し、収録・解析の面で協力しています。

• 番組名：『ヴィランの言い分』
• 放送局：NHK 教育テレビジョン（Eテレ）
• 放送日時：2025年11月22日（土） 午前10:30～11:00
• プレスリリース発表：2025年11月21日 15時00分

どの機器が使われ、どのように機能したのか

番組の実験シーンでは高機能騒音計LA-7500と音響振動解析システム O-Solution DS-5000が使用されました。ユスリカの羽音を高精度に収録し、収録音の周波数成分や振幅特性を解析するという役割です。

具体的には、ユスリカの羽音をLA-7500で収録し、そのデータをO-Solution DS-5000で解析して周波数帯域や特徴的な成分を抽出します。その後、解析した周波数と同等の音を再生してユスリカの誘引性を検証するという手順がとられています。

使用機器の概要と開発背景

高機能騒音計 LA-7000シリーズ（関連）

2017年発売。初めて使う方にもわかりやすいシンプルな操作性と、異音の特定に有効なフィルタ機能を搭載することが特徴です。製品情報は小野測器の製品ページに掲載されています（https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/soundvib/la7000.htm）。

高機能騒音計 LA-7500（番組で使用）

番組での収録用に用いられた機種。LA-7000シリーズの操作性やフィルタ機能を受け継ぎつつ、番組での野外収録や小さな昆虫の羽音の収集に適したセッティングが行われました。

音響振動解析システム O-Solution DS-5000

2020年発売。40年余にわたるデジタル信号処理技術を活かし、「どこでも、すぐに、簡単に」をコンセプトに設計された解析システムです。データの取得から解析までを一貫して行えることが特長です（https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/keisoku/data/os_ds/ds5000_osolution.htm）。

• LA-7500：高感度で小さな羽音も記録可能、フィルタで不要成分を除去
• DS-5000：スペクトル解析、時間周波数解析、波形処理による特徴抽出

実験の手順と番組内での検証プロセス

番組制作側は「羽音が誘引要因である」という仮説を立て、計測→解析→再生→観察の流れで検証しました。以下は実験の主要手順です。

1. 現場または試験環境でユスリカの羽音をLA-7500で収録する。
2. 収録した音データをO-Solution DS-5000で解析し、主要な周波数成分を抽出する。
3. 解析結果に基づき、ユスリカの羽音と同じ周波数帯域の音を人工的に再生する。
4. 再生音に対するユスリカの反応（誘引されるかどうか）を観察・記録する。

解析の観点では、周波数（Hz）、振幅（dB）、時間的な変化（時間周波数解析）などが評価指標として挙げられます。O-Solution DS-5000によるスペクトル表示や時間周波数マップが、誘引に寄与する音の特徴を可視化しました。

番組内の実験では、ユスリカの挙動が音の再生により変化するかどうかが検証されました。実験の結果や映像は放送で紹介され、視聴者に向けて音と昆虫行動の関係性が解説されます。

実験で扱うデータの種類と解析項目

小野測器の沿革と社会的活動、関連情報の整理

小野測器は1954年創業の電子計測機器メーカーで、創業当初には国内で初めてジェットエンジンの回転数を計測する回転計を開発した歴史があります。自動車（二輪・四輪）、自動車部品、建設機械、食品、医療検査など幅広い分野で測定技術を提供してきました。

近年は企業理念「人とテクノロジーのより良い関係を支え、サステナブルな社会の実現を加速させる（VISION）」に基づき、次世代のエンジニア育成、大学・高校との連携、地域社会とのつながり（子ども記者による取材協力や近隣地域の清掃活動参加など）を重視した活動も行っています。関連の社会貢献活動情報は同社ウェブサイトに掲載されています（https://www.onosokki.co.jp/corporate/sustainability/social-initiatives/social-contribution/index.html）。

会社概要（要点）

社名：株式会社小野測器

代表取締役社長：大越 祐史

創業：1954年

今回の協力は、計測技術が一般向けの番組制作に応用される一例であり、音響計測と生物行動の関係を科学的に照合する試みとして放送で報告されます。放送内容は取材・制作段階の実験結果を基に構成されますが、放送日時や内容は予告なく変更される可能性がある点は番組側からも明示されています。

この記事では、番組制作での具体的な計測機器の使われ方、実験手順、そして小野測器の企業的背景を整理して紹介しました。放送で示された検証結果や映像は、音響計測と生物行動の関係を理解するための素材として、視聴者に実験の手法と結論を提示する構成になっています。放送日時や内容は変更される場合があることを踏まえて確認してください。