モバイルSuicaにコード決済「teppay」2026年9月開始予定

teppay提供開始

開催日:9月1日

teppay提供開始
teppayって何ができるの?
teppayはモバイルSuica/PASMO内のコード決済で、高額決済対応、残高の送受取、交通系ICへのチャージ、オンライン決済(teppay JCBプリカ)などが可能。ただしteppay残高の銀行出金や交通系IC残高の直接送受はできません。
今使ってるSuicaアプリで使えるの?
既存のモバイルSuica・モバイルPASMOアプリのアップデートで利用可能。追加アプリや新規登録は不要です。提供はモバイルSuicaが2026年秋、モバイルPASMOは2027年春の予定で、順次案内されます。

モバイルSuicaがコード決済へ進化 — teppayの概要と提供スケジュール

東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、モバイルSuicaのアップデートにより、新たなコード決済サービス「teppay(テッペイ)」を導入すると発表しました。プレスリリースの公表日時は2025年11月25日 11時00分です。提供開始は2026年秋を予定しており、詳細な開始日は決まり次第別途案内されます。

同社はさらに、2027年春に株式会社パスモ(以下、パスモ)と提携し、モバイルPASMOにおいてもteppayの提供を開始する予定であると明記しています。これにより、モバイルSuica・モバイルPASMO双方のユーザーが、既存のアプリ内でコード決済機能を利用できる体制が整います。

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提供開始の要点

以下が発表の要点です。いずれもプレスリリースの記載内容を基に整理しています。

  • teppayはモバイルSuicaのアップデートで追加され、2026年秋より提供開始予定。
  • モバイルPASMO向けの提供はパスモとの提携により2027年春開始予定。
  • 既存ユーザーは追加アプリのダウンロードや新規登録を行わずに利用可能。
  • teppay公式サイト:https://www.teppay.jp/
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teppayでできること — 画面構成と主要機能の詳細

teppayはモバイルSuica・モバイルPASMOのアプリ内に追加されるボタンから起動する仕様です。トップ画面のリニューアルでteppayボタンが追加され、押下により切り替わるインターフェースが提供されます。アプリ画面は現在開発中であり、今後変更となる可能性がある点が注記されています。

teppayは単なるコード決済に留まらず、残高の送付・受取、オンライン決済、地域限定バリュー(通称「バリチケ」)など多様な機能を備えます。以下で機能を具体的に整理します。

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画面イメージと残高管理

プレスリリースによれば、teppay残高は銀行口座・ATM(現金)やビューカードでの入金が可能で、teppay残高からモバイルSuica・モバイルPASMOの交通系ICへチャージすることもできます。モバイルSuicaとモバイルPASMOの間でteppay残高を「送る・受け取る」ことも可能です。

一方で、交通系IC残高そのものを送る・受け取ることはできない点、teppay残高から銀行口座やATMへ出金することはできない点などの制約も明示されています。鉄道やバスの利用は交通系IC残高で行うため、乗車時の決済は従来どおり交通系IC残高が使用されます。

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便利な決済機能と利用上のポイント

teppayの主な利点として、以下の点が挙げられます。高額買物への対応、ビューカード連携、ポイント付与、幅広い加盟店網などが特徴です。

高額決済の対応
従来の交通系IC残高の上限(2万円)を超える買物がteppay経由で可能になります。
ビューカード連携
ビューカードを連携すると、チャージ不要での買物が可能です。
ポイント付与
決済時にteppayポイントが付与されます。
利用可能店舗
teppayマークのある店舗のほか、Smart CodeTMマークのある全国160万か所以上で利用できるとされています(数値は2025年10月末時点)。

なお、注意書きとして「Suica・PASMO等の交通系電子マネーが使えるお店」と「teppayが使えるお店」は異なることが明示されています。また、Smart Codeは株式会社ジェーシービーが提供する統一コード決済スキームである旨が説明されています(Smart Code公式サイト:https://www.smart-code.jp/)。

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地域連携・加盟店募集・オンライン利便性

teppayは地域限定バリュー(通称:バリチケ)を通じて、自治体のプレミアム商品券やキャッシュレス還元事業に利用できるようになっています。バリチケは特定地域でのみ使えるバリューで、teppay残高と組み合わせた支払いが可能です。自治体との連携で域内への移動・消費の活性化を狙います。

加盟店の募集は2026年夏頃より開始予定です。teppayの加盟店募集に関する詳細や申請方法は、公式サイトにて順次案内されることになっています。

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オンライン決済とモバイルオーダー対応

アプリ内で発行できる「teppay JCBプリカ」を通じて、インターネットでの買物にteppay残高を使うことが可能です。これにより、オンラインショップでの支払い手段としても利用できるようになります。

また、タクシーや飲食店等でのモバイルオーダーにも対応すると明記されており、外出先での利便性向上を目指す設計です。画面上での支払い・残高確認・残高送付といった操作により日常の決済体験を完結させる設計が想定されています。

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制約と留意点

プレスリリースには複数の留意点が示されています。teppay残高の銀行口座やATMへの出金ができない点、交通系IC残高自体の送受信は非対応である点、アプリ画面は開発中で変更の可能性がある点など、利用設計上の制約が明記されています。

また、teppay・バリチケはJR東日本が商標登録出願中であること、Suica・モバイルSuicaおよびPASMO・モバイルPASMOはそれぞれの事業者の登録商標であること、QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標であることも併せて記載されています。

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背景となる調査結果とJR東日本の長期戦略

今回のteppay導入の背景には、JR東日本が実施した「キャッシュレス決済に関する調査」の結果があると説明されています。調査は調査会社保有のモニターを活用したインターネットアンケートで、調査期間は2025年10月17日〜10月20日、調査エリアは一都三県(東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県)、対象は15〜69歳男女、サンプル数は1,500です。人口構成比に基づき割付が行われています。

調査結果の要点は以下のとおりです。生活者の約9割がキャッシュレスの多様化・複雑化に対して疲れやストレスを感じていること、約3人に1人がキャッシュレス決済に抵抗感・不安感を抱いていること、決済手段をまとめたいと考える人が76.1%、まとめるなら馴染みのブランド・サービスにまとめたいと考える人が77.5%であることが報告されています。

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Suica/PASMOの位置付け

調査では、キャッシュレス利用経験者が人生で初めて利用したキャッシュレスサービスとして、Suica/PASMOがトップであることが示されました。全体で5割を超え、若年層(30代以下)では約7割がSuica/PASMOを初めて利用したサービスと回答しています。

所有率に関しては、一都三県の生活者におけるSuica/PASMO所有者は84.3%と高く、所有者の8割以上が馴染み・安心感・信頼感を抱いているとされています。こうしたブランド信頼が、日常の決済手段を馴染みのサービスにまとめたいというニーズと結びつき、teppay導入の根拠の一つとなっています。

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JR東日本の長期ビジョンとPASMO側の役割

JR東日本はグループ経営ビジョン「勇翔2034」に基づき、今後10年間でSuicaをデジタルプラットフォームとする「Suica Renaissance」を推進すると説明しています。Suicaを「移動のデバイス」から交通・決済・地域のさまざまな生活シーンで使える「生活のデバイス」へと進化させることが目標として掲げられています。

PASMO側については、PASMO協議会が鉄道事業者27社・バス事業者31社を加盟団体としており、株式会社パスモがPASMOサービスの運営やシステム開発運用を行う業務を受託している旨が説明されています。これにより、モバイルPASMOでのteppay提供に向けた体制が整備される予定です。

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主要事項の整理

以下の表は、本記事で取り上げたteppayに関する主要な情報を整理したものです。提供スケジュール、機能、制約、調査や戦略のポイントを一覧で示します。

項目 内容
発表者 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
プレスリリース日 2025年11月25日 11時00分
teppay提供開始 モバイルSuica:2026年秋(予定)
モバイルPASMOでの提供 パスモと提携し2027年春(予定)
利用開始の手続き 既存のモバイルSuica・モバイルPASMOアプリのアップデートで利用可能。追加アプリのダウンロード・新規登録不要
主要機能 コード決済、残高の送付・受取、交通系ICへのチャージ、オンライン決済(teppay JCBプリカ)、地域限定バリュー(バリチケ)
制約 交通系IC残高自体の送受信は不可、teppay残高の銀行口座・ATM出金は不可、画面等は開発中で変更の可能性あり
加盟店 加盟店募集は2026年夏頃開始予定。Smart Code対応店舗を含め全国160万か所以上で利用可能(2025年10月末時点の情報)
地域施策 バリチケ:特定地域限定のバリュー。自治体のプレミアム商品券や還元事業で活用可能
調査概要 キャッシュレス調査:インターネット(モニター)、期間2025/10/17〜10/20、一都三県、15〜69歳、サンプル数1,500
調査結果の主な数値 約9割がキャッシュレスの多様化・複雑化にストレス、76.1%が決済手段をまとめたい、77.5%が馴染みブランドにまとめたい、Suica/PASMO所有率84.3%
関連URL teppay公式:https://www.teppay.jp/
Smart Code:https://www.smart-code.jp/

本稿はJR東日本のプレスリリースを基に、teppayの機能、提供スケジュール、調査結果および関連する注意事項を整理して報告しました。提供開始日や画面仕様などは今後の発表や開発の進行により変更される可能性があるため、最新の公式発表を確認することが推奨されます。