AZKi、横浜ぴあアリーナで旅立ちを描いた単独公演レポ
ベストカレンダー編集部
2025年11月25日 21:52
AZKi旅立ち公演
開催日:11月19日
AZKiが紡いだ過去・現在・未来を一つの舞台に――横浜ぴあアリーナMM公演の全容
2025年11月19日(水)、VTuber/バーチャルシンガーのAZKiが横浜・ぴあアリーナMMにてワンマンライブ『AZKi SOLO LiVE 2025 “Departure”』を開催した。同公演はカバー株式会社の主催により行われ、プレスリリースは2025年11月25日 19:00に発表されている。取材・文は杉山仁、写真は高田真希子が担当している。
本公演は公演名の通り「旅立ち」をテーマに据え、AZKiがこれまで歩んできた複雑なキャリアの道筋――ルートα、ルートβ、ルートγ、そしてその先の新たなルート――を一公演内で時系列に沿って振り返る構成になっている。ステージではルートの進行に合わせて舞台上の植物が成長し、装飾が変化していく視覚的な物語性も演出された。
背景と経歴の整理:ルートαからγへ、そして今
AZKiはVTuber黎明期の2018年から活動を開始し、透明感のある歌声で注目を集めた。ホロライブ0期生としての活動、星街すいせいとの共闘、イノナカミュージックでの活動、2022年にホロライブ本体へ移籍、2023年のビクターエンタテインメントからのメジャーデビューなど、所属や活動の拠点を何度も変えてきたことが本公演で改めて示された。
特に重要だったのは2021年の「ルート変更」の決断である。当初は2022年7月で活動終了予定だったが、支援の声を受けて『ルートα』から活動を継続する『ルートβ』へと分岐。その後さらに『ルートγ』へ移行し、メジャーレーベルでの音楽活動を展開しつつ、今回改めてホロライブで音楽活動の拠点を置いて迎えた初の単独公演が本イベントだった。
公演の流れとステージ演出:時系列で綴るAZKiの歩み
ライブは序盤、スクリーンに「α」「β」「γ」をモチーフにした時計が映し出されるOPムービーで幕を開けた。公演全体のコンセプトはAZKiの〈過去〉〈今〉〈未来〉のすべてを詰め込むこと。各ルートに沿った楽曲と演出で、ひとつの物語が構築された。
冒頭の1曲目は最新EP『Re:Start』収録曲の「未来カンパネラ」。キービジュアルの新衣装で登場したAZKiがアカペラで歌い始め、生バンドのバイオリンが加わる構成でステージを引き締めた。ここではまず“今”の姿を強く印象付ける演出が採られた。
- M1 「未来カンパネラ」 — 最新EP『Re:Start』より
続いて時系列に沿ってルートαを指す表示と共に初期モデルを想起させる黒い衣装に変更。2018〜2019年の初期楽曲メドレーが披露され、デビュー曲からAZKiの音楽的な出発点が再現された。
- Creating world(デビュー曲)
- リアルメランコリー
- フェリシア
- I can’t control myself
- ひかりのまち
- Fake.Fake.Fake(AZKi BlaCK系のハイライト)
その後、イノナカミュージック時代の中期〜後期の楽曲へと移行。EP『Re:Birth』に収録されたリアレンジ楽曲として「from A to Z (Re:arrange ver.)」「without U (Re:arrange ver.)」が披露され、観客参加のコーラスや自然発生的なコールが生まれた。バーチャル表現を活かした演出として、初期モデルのAZKiがスクリーンに登場し、現在のAZKiと手を合わせるシーンも挿入された。
- M3 「from A to Z (Re:arrange ver.)」 — 観客と掛け合うコーラス演出
- 「without U (Re:arrange ver.)」 — 観客のコールが発生
ルートβではパンツスタイルの衣装に着替え、ダイナミックなパフォーマンスが展開された。楽曲「Intersection」はブラスやビッグバンド・ジャズ要素を取り入れたアレンジで、レーザー演出と合わせて高揚感を作り出した。また「画面の中の君が好き」では歌詞の一部が前向きに改編され、続く「オーバーライト」では会場が黄色いペンライトで包まれた。
- M6 「画面の中の君が好き」 — 歌詞の改編で前向きな表現に
- 「オーバーライト」 — イノナカ時代の締めくくり
中盤はミドルバラードやバラードが続き、現在の基本衣装に戻しての「フロンティアローカス (Re:arrange ver.)」や「青い夢 (Re:arrange ver.)」などでしっとりとした聴かせどころが設けられた。「青い夢」では会場の照明・ペンライトが一斉に青に染まり、曲終盤に過去の2つのモデルと手を繋ぐ演出が行われた。
- M9 「青い夢 (Re:arrange ver.)」 — 青を基調とした演出
メジャーデビュー期の楽曲ではドレス衣装にチェンジして「afterglow」「canopus」を歌唱。「afterglow」の歌詞は公演のテーマと重なり、過去との区切りと新たな旅立ちを想起させる表現が効果的に配置された。
そこからステージ装飾に変化が生じ、つたの先に花が開くように舞台の植物が花を咲かせていき、ルートγへ。猫耳フードの衣装で「ω猫」を披露し、MCでは『GeoGuessr』配信に引っ掛けた呼びかけ「あなたはどこから? ゼロゲッサー」で会場内の参加者と交流した。
- M12 「ω猫」 — ルートγの一部
その後「エンドロールは終わらない」や「いのち(2024 ver.)」を経て、ステージはAZKiの“これから”を示すパートに突入する。ムービーで初期モデルの階段を上る演出が進み、最後に大きな扉が開くとゲストとして星街すいせいが登場した。2人によるユニットAS_tarとして「The Last Frontier – 5th fes. Live ver. -」を披露し、大きな拍手が起きた。
- M15 「The Last Frontier – 5th fes. Live ver. -」 — 星街すいせいとのAS_tarパート
- AS_tar新曲「Going My Way」 — サプライズ披露。AZKiから星街へ送った手紙の流れで発表された新曲
ソロに戻って「白明」を披露後、MCで7年間の感謝を述べ、「今日が終わりではない」「これからも一緒に新しい未来を歩いていきたい」と語り、最新EP『Re:Start』収録の「雨のち晴れ晴れ」を歌唱。アンコールではライブTシャツ姿で登場し、「オキドキ」でディスコファンク風の演出と会場へのバルーン・銀テープの投下が行われた。
ラストは本公演で初披露となったバラード「Farewell」で締めくくられ、歌唱後にAZKiは観客への感謝を述べた上で深い一礼をしてステージを終えた。これは応援してきたファンや仲間、過去の自分を経て新たな未来へ進むという公演のテーマを改めて示す終幕となった。
配信チケット、アーカイブ視聴、グッズ販売の実務情報
公演の配信チケットおよびアーカイブ視聴に関する情報は以下の通りである。配信プラットフォームはZAIKOとSPWNを利用し、視聴・購入に関して明確な期限が設けられている。
- 配信チケット価格
- 各6,500円(SPWN、ZAIKO)
- 受付期間(購入上の最終期限)
- 2025年12月19日(金)20:00まで
- アーカイブ視聴可能期間
- 公演終了後、公開準備ができ次第アーカイブ視聴可能。受付期間終了日の23:59まで何度でも視聴可能。ただし受付期間終了日の23:59を過ぎると視聴不可。
購入ページのURLは以下。
- SPWN(日本): https://spwn.jp/events/evt_25111901-jpazkilive2025
- SPWN(海外): https://spwn.jp/events/evt_25111902-engazkilive2025
- ZAIKO(日本・海外共通): https://hololive-production.zaiko.io/item/374371
ライブグッズの第2次販売も実施中で、販売期間は〜2025年12月22日(月)18:00までとなっている。詳細や販売ページの注意事項は公式の販売ページにて確認する必要がある。
- グッズ購入(日本): https://shop.hololivepro.com/products/azki_sololive2025_departure_secondaryorder
- グッズ購入(海外): https://shop.hololivepro.com/en/products/azki_sololive2025_departure_secondaryorder
主催企業・問い合わせ先、その他関連情報
本公演はホロライブプロダクション/カバー株式会社に関わるイベントとして行われ、関連するコーポレート情報や公式アカウントの案内がプレスリリース内で示されている。ホロライブプロダクションは世界規模でVTuberを運営する事務所であり、カバー株式会社はVTuber IPを展開する企業である。
問い合わせ・広報窓口の情報は以下の通りで、具体的なメディア対応やプレス質問はこの窓口を通じて行う必要がある。
- 本件に関するお問い合わせ
- カバー株式会社 広報PR担当 メール: pr@cover-corp.com
- カバー株式会社 代表者・所在地
- 所在地: 東京都港区、代表取締役社長: 谷郷 元昭
ホロライブ関連の公式リンクも併せて案内されている。
- ホロライブプロダクション公式サイト: https://hololivepro.com/
- ホロライブプロダクション公式X: https://x.com/hololivetv
- ホロライブプロダクション公式ショップ: https://shop.hololivepro.com/
- イベント公式ページ: https://departure.hololivepro.com
記事で扱った主要ポイントの整理
以下の
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演名 | AZKi SOLO LiVE 2025 “Departure” |
| 開催日 | 2025年11月19日(水) |
| 会場 | 横浜・ぴあアリーナMM |
| プレスリリース日時 | 2025年11月25日 19:00 |
| 配信チケット価格 | 各6,500円(SPWN、ZAIKO) |
| 配信購入期限 | 2025年12月19日(金)20:00まで |
| アーカイブ視聴期限 | 受付終了日の23:59まで何度でも視聴可能(ただし受付終了日23:59を過ぎると視聴不可) |
| SPWN購入ページ | 日本 / 海外 |
| ZAIKO購入ページ | 共通 |
| グッズ販売期間(第2次) | 〜2025年12月22日(月)18:00 |
| グッズ購入ページ | 日本 / 海外 |
| 主催/関連企業 | ホロライブプロダクション、カバー株式会社 |
| 問い合わせ | カバー株式会社 広報PR担当 メール: pr@cover-corp.com |
| 取材/写真 | 取材・文: 杉山仁 写真: 高田真希子 |
本記事では『AZKi SOLO LiVE 2025 “Departure”』の公演内容、演出、セットリストの主要曲、配信およびグッズに関する具体的な購入情報、そして主催企業と問い合わせ窓口までを取りまとめた。ライブは過去の歩みを丁寧に振り返りつつ、新たな門出を示す構成で進められ、観客との交流やゲストの星街すいせいとの共演も含め、AZKiのキャリアを総括する舞台となった。
参考リンク: