AI占い『うらっち』開発強化へ 累計7,200万円調達
ベストカレンダー編集部
2025年11月26日 11:54
うらっち シード調達
開催日:11月26日
シードラウンドで累計7,200万円、AI占い『うらっち』を軸に事業拡大へ
2025年11月26日10時、君のとなりの株式会社はシードラウンドでの資金調達完了を発表した。第三者割当増資(引受先:アニマルスピリッツ、iFund、および個人投資家)と金融機関からの融資を組み合わせた今回の調達により、累計調達額は7,200万円となった。
同社はプレスリリース内で、創業以来のミッションやプロダクト方針、市場背景、今後のリソース配分について具体的に示している。発表日時、出資者名、調達手段、累計金額といった資本関連の情報は本稿で漏れなく整理して伝える。
調達の構成と目的
調達は大きく二つのパートで構成されている。ひとつはアニマルスピリッツ、iFund、および複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資、もうひとつは金融機関からの融資である。これにより同社は運転資金およびサービス開発、マーケティング、人材採用へと資金を振り分ける計画だ。
同社は調達資金の使途を明確にし、AI占いサービス『うらっち』の開発強化、SNS中心のマーケティング、採用活動へ充当するとしている。この配分により、サービスの品質向上とユーザー獲得の加速、組織体制の拡充を図る方針だ。
『うらっち』の設計思想と機能—占いを日常的な伴走へ変える狙い
君のとなりの株式会社は「人間の幸福の中心には人間関係がある」という信念を掲げ、占い市場にAI技術を導入する形でプロダクトを設計している。従来の占いの課題を整理した上で、技術的な解決を図ることを目的としている。
従来の占いサービスが抱える課題として、同社は以下を挙げている。高額化・時間制限による深い対話の困難さ、良い占い師との出会いが運に左右されること、スポット性のみで継続支援が難しい点、鑑定手数料型のスケール限界などである。これらを踏まえ、同社はAI×占い×コーチング×IPという組合せでサービスを再定義した。
特徴とユーザー体験
『うらっち』の最大の特徴は、ユーザーの日常の会話(LINEなどのSNS上)を読み解き、言葉の裏にある気持ちや関係性をAIが解析する点にある。独自のAI占い師が感情や関係性を見立て、鑑定結果を提示する。
鑑定は終わりではなく、その結果をAIキャラクターであるうらっちが具体的なアクションプランに変換し、占い後の日常に寄り添い続ける設計だ。これにより「占い師の持つ特別さ」と「親友のような近さ」を両立させ、エンターテインメント性と実用性を併せ持つ体験を目指している。
- 日常会話の解析:LINE等のテキストを起点に気持ちを読み解く
- 関係性の見立て:相手との距離感や力動を踏まえた提案
- アクションプラン化:鑑定結果を日常で実践できる形に変換
- 継続的な寄り添い:サブスクモデルで定期的な利用を促進
市場背景、実績、採用情報—なぜ今占い市場なのか
同社は占い・スピリチュアル市場を「心を整理する文化」として捉え、日本市場の規模は約4兆円、利用者の約85%が人間関係の悩みを抱えていると説明している。こうした需要を背景に、AIによるスケール可能な支援を行うことで社会的課題の一部を解きほぐす狙いがある。
創業は2024年11月で、第一歩として占い市場へ参入した。『うらっち』は「25年9月のリリース以降」、サブスクユーザーの占いセッション回数が平均12.25回/月を記録しており、感情整理や自律性の獲得、意思決定の向上といった利用者の変化が報告されている。
利用者に見られる変化と狙い
同社が示す利用者の変化は次の三点だ。感情の整理(混乱が落ち着く)、自律性の獲得(境界線を持つ)、決断力の向上(関係の継続や距離の選択ができる)。これらはサービスが単なる一時的癒しに留まらず、日常における行動変容を促すことを示す指標である。
同社はこの成果を踏まえ、今回の資金で開発・マーケティング・採用を強化することで、より多くの利用者に届く体制を構築していく計画を公表している。
出資者コメント、既存投資家と経営陣の紹介
プレスリリースには引受先からのコメントと既存投資家からのコメントが記載されている。表現はカジュアルな記述も含まれており、投資家と創業メンバーの関係性や期待感がうかがえる。
以下にプレスリリース原文にあるコメントを原文の趣旨を保ちながら整理する。
- アニマルスピリッツ代表パートナー:お会いしたときのオーラやカッコよさに圧倒された。Messengerの既読が早いなどの観察が添えられている。
- アニマルスピリッツのキャピタリスト:市場の解像度が高く、優しく支えてくれる存在で、親しみやすさを評価するコメントがある。
- アニマルスピリッツの別のキャピタリスト:ニックネームや眼鏡の話など親しげな記述がある。
- iFund代表パートナー(複数):丁寧さやエネルギーを評価するコメントが複数記載されている。
既存投資家のコメントとしては、TempleField LLC代表の「親身に寄り添う」評や、株式会社松尾研究所副社長が会社設立前からモデル相談に乗っていた経緯などが言及されている。
経営体制と代表の紹介
君のとなりの株式会社の代表は小川 凜太朗(CEO)で、本社は東京都渋谷区。取締役は原田零生、肖佳男。会社設立は2024年11月、資本金は25,756,000円である。
小川CEOの略歴として、2001年2月富山県朝日町生まれ、東京大学大学院工学系研究科所属、趣味は散歩・観劇・野球、好きなアニマルはゴリラ、といった個人情報がプレスリリースに記載されている。CEOは同リリース内で、スタートアップを「悩める人の心に明かりを灯す物語」のようだと表現している。
採用と問い合わせ、参考リンク
同社は特にクリエイティブな人材を求めている。重視するのは高いEQ(感受性)であり、ユーザーの孤独や不安に寄り添う「温度感」をプロダクトに込められる人材を求めるとのことだ。
募集職種の例としてUI/UXデザイナーやインターンの募集リンクが示されている。採用に関心がある場合は募集ページを参照するよう案内されている。
- UI/UXデザイナー:https://www.wantedly.com/projects/2268455
- インターン:https://www.wantedly.com/projects/2269911
問い合わせ先は general@gp-eyece.co.jp。また、サービスの案内ページは https://www.uracchi.app/ で提供されている。
プレスリリース内には「さぁ、冒険の始まりだ!Just enjoy the show♪」という一節も記載されており、企業の世界観やコミュニケーションのトーンが示されている。
カテゴリ・キーワード
同リリースは「経営情報」に分類され、ビジネスカテゴリとしてはスマートフォンアプリ、アート・カルチャーに位置づけられている。キーワードとしては占い、AI、資金調達、スタートアップ、シード、人間関係、採用、デザイナー、マーケターなどが挙げられている。
プレスリリース内の画像素材はダウンロード可能である旨の記載があるが、本稿ではテキスト情報を中心に整理している。
要点の整理(本稿で扱ったすべての主要情報を表にまとめる)
以下は本記事で取り上げた主要事項を整理した要約表である。日付、金額、関係者、サービス情報などを網羅する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年11月26日 10時00分 |
| 会社名 | 君のとなりの株式会社 |
| 代表取締役(CEO) | 小川 凜太朗 |
| 取締役 | 原田零生、肖佳男 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区 |
| 事業内容 | AI占いアプリ『うらっち』の開発・運営 |
| 設立 | 2024年11月 |
| 資本金 | 25,756,000円 |
| 調達金額(累計) | 7,200万円(シードラウンドを含む累計) |
| 出資者(引受先) | アニマルスピリッツ、iFund、個人投資家(第三者割当増資)、金融機関(融資) |
| 資金使途 | 『うらっち』の開発強化、SNS中心のマーケティング、採用活動 |
| サービスリリース | 25年9月リリース(サブスクユーザーの平均セッション数:12.25回/月) |
| 市場規模想定 | 占い・スピリチュアル市場約4兆円(利用者の約85%が人間関係の悩み) |
| 採用情報 | UI/UXデザイナー(https://www.wantedly.com/projects/2268455)、インターン(https://www.wantedly.com/projects/2269911) |
| 問い合わせ | general@gp-eyece.co.jp |
| サービスURL | https://www.uracchi.app/ |
本稿では、君のとなりの株式会社が公表した資金調達の事実、出資者、資金使途、プロダクトの特徴、実績指標、採用・問い合わせ情報を網羅的に整理した。発表内容は事業とプロダクトの今後の取り組みを示しており、技術と感性を合わせたサービス設計で人間関係の課題に向き合う姿勢が明確に伝わる。