CalTa M42で営業列車から昼間に線路点群を取得

営業列車で線路点群取得

開催期間:11月26日〜11月29日

営業列車で線路点群取得
車両改造なしで本当に線路内の点群が取れるの?
はい。特殊な治具を既存の営業列車に簡便に取り付け、走行中にLiDAR等で点群を取得します。取得データは自動ノイズ除去とクラウド処理で高精細化され、TRANCITY上で写真と重ねて確認できます。
導入すると現場や運用はどう変わるの?
夜間作業を減らして昼間に効率的に計測でき、車両改造や専門人材・高性能PCが不要でコストと工数を削減。得た点群は点検やデジタルツインなど多用途に活用できます。

車両改造不要で営業列車から線路内の高精度点群取得が可能に

2025年11月26日付の発表によると、CalTa株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:高津 徹)と株式会社マップフォー(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:田中 一喜)は、広域かつ高精細な点群データをより手軽に低コストで取得できるソリューション「CalTa M42」の活用シーンを拡大したと発表しました。従来は撮影デバイスを手持ちで取得する方法が中心でしたが、今回の取り組みにより特殊な治具を用いることで、車両改造を行うことなく営業列車から線路内点群を取得できるようになりました。

発表日時は2025年11月26日 10時00分であり、両社は共同で本技術を開発・提供しています。今回の発表は鉄道インフラ点検やデジタルツイン、MMS(移動計測システム)を活用する分野にとって、運用面・コスト面・品質面での改善を示す内容となっています。

CalTa M42 鉄道の活用シーンが拡大 ~車両改造不要、営業列車で線路内点群を取得~ 画像 2

CalTa M42の概要と主な特長

CalTa M42は、高品質な広域点群データを手軽に低コストで取得することを目的としたソリューションです。点群取得からデータ処理、地図基盤上での可視化までを想定したサービス設計がなされています。

製品の主な特長は以下のとおりです。これらは特別な専門知識や高機能な端末を必要とせず、現場での運用効率を高めることに重きを置いています。

  • 専門知識や高機能PCは不要:現場作業者が特別な技能や高性能な計算機を用意せずに運用可能。
  • 計測後、データをアップロードするだけ(内業不要):現場での面倒な内業作業を省略し、データはクラウド等の処理基盤で処理される。
  • 人や車などのノイズを自動除去:自動ノイズ除去機能により、点群データの精度と鮮明さが向上する。
  • 点群データと写真をTRANCITYの地図基盤上に重ねて表示:CalTaが提供する地図基盤TRANCITY上で点群と写真を重ね合わせ、視覚的な確認がしやすい。

また、キーワードとしては「TRANCITY」「デジタルツイン」「MMS」「GIS」「SEAMS」など、地図基盤や高精度3次元データを生かす各種領域と親和性の高い技術要素が挙げられます。

CalTa M42 鉄道の活用シーンが拡大 ~車両改造不要、営業列車で線路内点群を取得~ 画像 3

開発の背景と技術的工夫

従来、線路内点群データの取得は主に夜間作業が中心でした。夜間に作業を行う理由は、営業列車の運行を妨げないためですが、その運用には鉄道従事者の働き方や安全面の配慮、また夜間の条件による点群品質の低下といった課題がありました。

一方で、昼間の営業列車を活用してデータ取得を行う場合、従来は専用車両の使用や車両改造が必要であり、任意かつ低コストに取得することが難しいという課題がありました。こうした課題認識を受け、両社は特殊な治具を開発し、車両改造を伴わずに営業列車へ取り付けることで、昼間の運行中に手軽に点群取得を行える方式を確立しました。

この治具は既存車両に簡便に取り付けられる設計であり、取り付け状態や取得時の計測状況、得られた点群のサンプルなどが評価されています。取得した点群データは前述の自動ノイズ除去を経て高精細データとして出力され、TRANCITY基盤上に写真とともに重ねて精査できます。

展示に際しては実機の設置状況や点群データ、計測状況の具体的なサンプルが提示されています。技術的には計測機器の安定取り付け、振動や相対位置の補正、ノイズ除去アルゴリズムの組み合わせがポイントです。

CalTa M42 鉄道の活用シーンが拡大 ~車両改造不要、営業列車で線路内点群を取得~ 画像 4

技術要素と導入上の留意点

技術面ではハードウェア(治具+計測機器)とソフトウェア(ノイズ除去、自動処理、地図基盤連携)の両輪で構成されています。運用前には取り付け手順や現場での安全確認、取得データの確認フローが必要です。

また、点群データと写真を地図基盤に重ねる際は、位置合わせや時間同期、データのアップロード手順などが運用フローに組み込まれます。これにより従来の夜間限定の運用と比べて得られるデータ量と鮮明さが向上し、インフラ点検や設計支援、デジタルツイン作成などに資するデータが得られます。

CalTa M42 鉄道の活用シーンが拡大 ~車両改造不要、営業列車で線路内点群を取得~ 画像 5

運用メリットと具体的な活用領域

CalTa M42導入による主なメリットは、運用面の効率化とコスト削減、データ品質の向上です。専門家や高性能端末を現場で用意する必要がなく、計測後にデータをアップロードするだけで自動処理される点が大きな特徴です。

得られた高精細点群は、鉄道インフラの点検・保守、建設・測量、スマートシティのデジタルツイン作成、ロボティクスやXR(拡張現実)など多様なアプリケーションに利用可能です。マップフォーが持つ高精度3次元地図データ作成や物体認識・位置推定技術と組み合わせることで、応用の幅は広がります。

  1. 現場での取り付け・計測:治具を車両へ装着し、営業列車運行時に計測。
  2. データのアップロード:取得データを所定のクラウドへアップロード。
  3. 自動処理とノイズ除去:人や車などのノイズを自動的に除去し、点群を生成。
  4. 地図基盤での可視化:TRANCITY上で写真と点群を重ねて確認・解析。

これらの手順により、夜間作業を減らしつつ、精度の高い点群データを日中に効率的に収集できる運用が実現されます。

展示情報と両社の事業概要

CalTaとマップフォーは本技術を一般に紹介する場として「第9回鉄道技術展2025 Mass-Trans Innovation Japan 2025」に出展しています。会期は2025年11月26日から11月29日、会場は幕張メッセ、小間番号はJ-81です。展示ブースでは実機を展示し、計測状況や取得した点群データのサンプル、治具の取り付け状態などを確認できます。

展示は公式サイトでの事前登録が必要で、参加は無料(事前登録制)となっています。公式サイトのURLは以下です:
https://www.mtij.jp/

会社概要(CalTa株式会社)

CalTa株式会社はTRANCITYを軸に、現地映像取得サービスや受託開発を展開している企業です。設立から比較的若い企業ながら、地図基盤と測位・点群関連のサービスを提供しています。

社名
CalTa株式会社
所在地
東京都港区高輪二丁目18番10号 高輪泉岳寺駅前ビル9階
代表者
代表取締役CEO 高津 徹
設立
2021年7月1日
主なサービス
TRANCITY、CalTa M42、現地映像取得サービス、受託開発
URL
https://calta.co.jp/

会社概要(株式会社マップフォー)

株式会社マップフォーは高精度3次元地図データ作成や物体認識、位置推定、そして自動運転システムのインテグレーションなどを行う技術企業です。インフラ点検や建設・測量、スマートシティなど幅広い業界への展開を進めています。

社名
株式会社マップフォー
所在地
愛知県名古屋市中区錦二丁目8番1号
代表者
代表取締役 田中 一喜
設立
2016年9月1日
事業内容
高精度3次元地図データ作成に係る計測システム及びソフトウェアの提供、物体認識ソフトウェア、位置推定ソフトウェア、自動運転システムのインテグレーション等
関連サービス
SEAMS ME(詳細:https://www.map4.jp/media/news/202506102056/)
URL
https://www.map4.jp

要点の整理

以下の表に本件の主要事項を整理します。表の後に簡潔なまとめの文章を付けます。

項目 内容
製品名 CalTa M42
発表日 2025年11月26日 10時00分
提供企業 CalTa株式会社、株式会社マップフォー
主な特長 専門知識・高機能PC不要、計測後はデータをアップロードするだけ、ノイズ自動除去、TRANCITY上で点群と写真を重ね表示
技術的な工夫 車両改造不要の特殊治具により営業列車での昼間計測を実現、得られた点群は自動処理で高精細化
主な活用領域 鉄道インフラ点検、建設・測量、スマートシティ、デジタルツイン、ロボティクス、XR
展示会 第9回鉄道技術展2025(Mass-Trans Innovation Japan 2025)、2025年11月26日〜11月29日、幕張メッセ、小間番号 J-81、公式サイト https://www.mtij.jp/(事前登録制、参加無料)
CalTa所在地・設立 東京都港区高輪二丁目18番10号 高輪泉岳寺駅前ビル9階、設立 2021年7月1日、URL https://calta.co.jp/
マップフォー所在地・設立 愛知県名古屋市中区錦二丁目8番1号、設立 2016年9月1日、URL https://www.map4.jp

本件は、既存の営業列車を活用して昼間に効率的に点群データを取得できる点で、従来の夜間作業中心の運用に比べて運用性とコスト面での改善が期待されます。CalTaの地図基盤TRANCITYやマップフォーの高精度地図・物体認識技術との組み合わせにより、インフラ保守やデジタルツイン作成など広範な用途での実用化が見込まれます。