ソニー・トヨタ・NEC参画 越境ワークショップで30代がキャリア再発見

越境キャリアワークショップ

開催日:10月15日

越境キャリアワークショップ
このワークショップって何やるの?
30代エンジニア向けの越境型キャリアワークショップで、各回約4時間のセッションを通じて「7つのステップ」や85問のCareer Asset Questで自分のキャリア資産を可視化し、個人・グループワークで明日からのスモールステップを設計します。
誰が参加したの?次に参加できるのはいつ?
ソニー、トヨタ自動車、NECの30代エンジニア計54名(各社18名)が参加しました。公開版は2026年冬に予定されており、オンラインが1/15、東京で1/20、大阪で1/24の開催案内があります。

30代エンジニア54名が越境し語り合った、3日間のキャリア・ワークショップ

一般社団法人エン・ジニアスは、2025年10月にソニー、トヨタ自動車、NEC(NECライフキャリア)に所属する30代エンジニアを対象に、越境型キャリアワークショップ「Engineer’s Career Journey」を3日間にわたり実施しました。各社から18名、合計54名が参加し、企業の壁を越えた対話と自己探索の場が設けられました。

ワークショップの開催日は、A日程が2025年10月15日(水)13:00~17:15、B日程が10月20日(月)13:00~17:15、C日程が10月24日(金)13:00~17:15で、いずれも各回は各社6名ずつで構成されました。各回終了後には約1時間の交流タイムが設定され、事前にはオンラインで90分のオリエンテーションが行われています。

NEC、ソニー、トヨタの30代エンジニアが、キャリアを語り、未来を創造する越境ワークショップを開催 画像 2

開催の背景と主催体制

エン・ジニアスは2024年に発足し、「エンジニアが自身の才能と出会い、新たなキャリアの可能性を再発見する〈異場所〉の創造」をミッションに掲げています。今回のワークショップは同団体が主催し、リクルートワークス研究所の「エンジニアのCX(キャリア・トランスフォーメーション)」の研究成果を基に開発したフレームやツールを用いた取り組みです。

参画した企業はソニー株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本電気株式会社(NECライフキャリア株式会社)の3社で、フェローがファシリテーターとして加わり、参加者の共有・対話・質問を支援しました。

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設計された7つのステップと具体的プログラム

ワークショップのテーマは「キャリア資産の探索・発見と、キャリアディレクションの創造」です。エン・ジニアスが提示するエンジニアのCXモデルは、エンジニアがキャリアオーナーシップを獲得していくプロセスを「自分ならではの未来を見つける7つのステップ」として構造化しています。

当日は、事前学習、個人ワーク、グループワークを組み合わせ、参加者が自身のキャリア資産を可視化し、明日から始めるスモールステップを設計することを目指しました。

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主要コンテンツの詳細

プログラムの主要コンテンツは以下の通りです。所要時間はワークショップが4時間15分、事前オリエンテーションが90分です。

  • 事前学習:エンジニアのCXモデル「7つのステップ」の理解。
  • 変化の履歴書(キャリア曲線ワーク):これまでのキャリアを振り返り、「広げる経験」と「転機イベント」を発見する作業。
  • Career Asset Quest(ツール活用):85の質問に回答して個人の「エンジニア資産」「CX資産」を可視化。
  • 個人ワーク/グループワーク:可視化した資産をもとに「My キャリアディレクション」を創造し、明日から始める小さな一歩(スモールステップ)を描く。
  • 交流タイム:企業を越えた参加者同士での意見交換とフィードバック。

ワークでは、独自フレーム「広げる⇔深める」を用い、カードを用いた相互フィードバックなど対話的な手法を積極的に導入しています。

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参加者の声とアンケート結果から見えた変化

ワークショップ終了後に実施したアンケートには、参加者の実感を伝える声が多数寄せられています。企業を越えた対話やツールによる可視化が、自身の見え方を変えたとの評価が目立ちました。

以降では、受講者の具体的な声と集計結果を整理します。

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受講者の具体的な感想(抜粋)

参加者の発言には、自己分析では見えていなかった側面の発見や、社外の視点による励ましが挙げられています。以下はアンケートに寄せられた声の要旨です。

  • 「エンジニアとしての人生」にフォーカスして振り返ることで、これまでの自己分析では見えていなかった自分の側面に気づけた。
  • 社外の方と話す機会が刺激的で、キャリアや資産の共有が有益だった。カードワークで自分では気づけない視点を得られた。
  • ツールにより経歴とキャリア資産の結びつきが可視化され、他社の参加者のキャリアや悩みを知ることが自分の考えを整理する上で役立った。
  • 同じ会社内での比較から生じていたストレスが和らぎ、キャリアに対する考え方が変わった。
  • 日本の製造業で働く同年代と話す機会が稀であり、広いスケールでの意義を感じ、モチベーション向上につながった。

これらの声は内容の多様性と、越境的な対話が個人の視点に影響を与えたことを示しています。

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定量結果:意識変化とNPS

参加前後の「キャリアについての想いや気分」を段階評価で比較したところ、参加者の意識は「もやもや」から「ワクワク」へと大きくシフトしました。具体的には、ワクワク派が13.8%から70.6%へと増加しています(ワークショップ参加者アンケートをもとに集計)。

また、本ワークショップを同僚に勧める度合いを示すNPS(ネットプロモータースコア)は、推奨者比率が39.2%であったことにより、25.5というスコアになっています。NPSは推奨者比率から批判者比率を差し引く指標で、日本では中心化傾向の影響を受けやすい点が補足されています。

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関連イベント、問い合わせ先、主催団体の構成

今回の3社共催型ワークショップは初の試みでしたが、今後は一般会員企業を対象とした定期的な実施を予定しています。併せて公開・関西開催などの関連イベントも告知されています。

ここでは関連イベント情報、問い合わせ先、主催団体の概要を整理します。

関連イベントの案内

今回とほぼ同内容の公開ワークショップ(冬版)はオンラインおよびリアルでの開催が予定されています。詳細と申込先は以下の通りです。

  1. 2026年1月15日(木)17:00-20:00(オンライン開催) — https://engenius260115ws.peatix.com
  2. 2026年1月20日(火)17:00-20:00(リアル開催/東京駅周辺) — https://engenius260120ws.peatix.com

また関西では、2026年1月24日(土)にQUINTBRIDGE(大阪・京橋)で「業態転換時代におけるエンジニアのキャリアマネジメントを考える」イベントが予定されています(トークセッション14:30~16:30、交流会17:00~)。申込先は https://engenius260124.peatix.com です。

問い合わせ先と主催団体の詳細

問い合わせはエン・ジニアスの問い合わせフォームで受け付けています。URLは https://en-genius.org/contact です。ワークショップの詳細や今後の実施についてはこちらから確認できます。

主催団体の概要は以下の通りです。団体はリクルートワークス研究所の研究プロジェクト「エンジニアのCX」を起点に2024年6月に設立されています。

団体名
一般社団法人 エン・ジニアス (enGenius association)
設立趣旨
日本のエンジニアが生き生きとキャリア創造するための機会と環境の創造
ビジョン
未来を駆動する天才=エンジニアの人生がイキイキ輝く世界へ。エンジニア発のイノベーションが日本と世界を驚かせる未来へ。
ミッション
エンジニアが自身の才能と出会い、新たなキャリアの可能性を再発見する異場所の創造
主な活動内容
  1. 企業横断型キャリアセミナー、ワークショップの実施
  2. エンジニアのキャリア資産を可視化するツールの開発ならびに公開
  3. 日本のエンジニアのロールモデルの収集ならびに公開
  4. キャリア・プロフェッショナルとの1on1の機会提供
  5. エンジニアのマネジメントに関わる方の交流の場の創造
  6. 日本のエンジニアの交流ならびに越境機会を生み出すコミュニティの創造
構成員(主要者)
豊田義博(代表理事、リクルートワークス研究所 特任研究員/ライフシフト・ジャパン 取締役CRO)、中村善貞(理事)、藤井薫(編集長)
ホームページ
https://en-genius.org/

本ワークショップの要点整理

以下の表は、本記事で触れたワークショップの主要事項を整理したものです。実施概要、参加者数、プログラム、主催・参画企業、アンケート結果、関連イベント・問い合わせ先などをまとめています。

項目 内容
企画名称 NEC、ソニー、トヨタのエンジニアのための越境型キャリアワークショップ「Engineer’s Career Journey」
主催 一般社団法人エン・ジニアス
参画企業 ソニー株式会社、トヨタ自動車株式会社、日本電気株式会社(NECライフキャリア株式会社)
開催日程 A: 2025-10-15 13:00–17:15、B: 2025-10-20 13:00–17:15、C: 2025-10-24 13:00–17:15(各回終了後に交流タイム、事前オリエンはオンライン90分)
対象人数 30代エンジニア 54名(各社より18名、各回6名×3社)
テーマ・内容 キャリア資産の探索・発見、キャリアディレクションの創造、変化の履歴書、Career Asset Quest(85問で可視化)、個人/グループワーク
所要時間 ワークショップ 4時間15分、事前オリエンテーション 90分
参加者の意識変化 「ワクワク派」13.8%→70.6%に増加(参加前後の段階評価)
NPS 推奨者比率 39.2%、NPS = 25.5(ワークショップ参加者アンケート集計)
関連イベント 2026-01-15(オンライン)https://engenius260115ws.peatix.com、2026-01-20(東京)https://engenius260120ws.peatix.com、2026-01-24(大阪)https://engenius260124.peatix.com
問い合わせ https://en-genius.org/contact
主な連絡先・詳細 一般社団法人エン・ジニアス ホームページ https://en-genius.org/(設立: 2024年6月、リクルートワークス研究所の研究成果を起点)

以上が本ワークショップの実施内容と参加者の反応の整理です。企業を越えた対話とツールによる可視化を通じて、参加者のキャリアに対する意識が具体的に変化した点が主要な成果として示されています。

参考リンク: