久保田珠美の陶人形個展、表参道アザワイズで開催
ベストカレンダー編集部
2025年11月27日 15:20
久保田珠美 陶人形展
開催期間:11月21日〜12月25日
表参道で開かれる久保田珠美の陶人形展、都内で初めての陶主体個展
表参道・骨董通り沿いのアートギャラリー「Otherwise Gallery(アザワイズギャラリー)」では、アーティスト久保田 珠美(Tamami Kubota)による個展「Tama Mino Pottery」を、2025年11月21日(金)から12月25日(木)まで開催する。本展は、2018年以降に岐阜県多治見の名窯・幸兵衛窯で制作を続けてきた陶人形シリーズを中心に構成され、陶を通じた新たな表現世界を都内で示す初の個展となる。
個展はアッシュ・ペー・フランス株式会社が運営するギャラリーで行われ、会期中は作品展示のほか一部作品の販売も予定されている。会場は南青山の地下に位置し、アクセスや開廊スケジュールについては下記に詳細を明記する。
会期と会場の基本情報
本章では展示の期間と会場に関する具体的な情報を整理する。開催期間、所在地、連絡先、開廊時間、休廊日など、来場を検討するうえで必要な要素を網羅している。
公開情報の正確性を保つため、公式サイトおよびギャラリーの案内も合わせて示す。
- 会期:2025年11月21日(金)〜2025年12月25日(木)
- 会場:アザワイズギャラリー(住所:東京都港区南青山5-7-17 小原流会館 B1F)
- 電話番号:03-3797-1507
- 開廊時間:12:00〜19:00
- 休廊日:日・月・火曜日
- 個展情報ページ:https://otherwise-gallery.com/jp/tokyo/820/
美濃の土と幸兵衛窯が拓いた表現 — 制作背景と作品群
久保田はこれまで絵画、切り絵、立体など多様なメディアを横断し、絵画的なタッチや切り絵のモチーフを立体に持ち込むなど、平面と立体の境界を自由に往来してきた。2018年の幸兵衛窯との出会いは、これまで主に用いてきた石粉粘土製フィギュアから陶という素材への転換点となった。
陶の採用により、土の温度感や釉薬の偶然的な表情、窯の火が作り出す表面の変化といった要素が作品にもたらされ、〈生と喜び〉を主題に据えた陶人形シリーズは新たな表現領域へと広がった。
幸兵衛窯と制作の技術的背景
幸兵衛窯(こうべえがま)は1804年に開窯し、御用窯として江戸城に染付を納めた歴史を持つ美濃焼の由緒ある窯元である。多治見において長い歴史を継承する窯として、技術と素材の蓄積がある。
久保田は八代目・加藤亮太郎氏の勧めを受け、約27年間続けてきた石粉粘土でのフィギュア制作から陶へと発展。土、水、陽、火という要素を制作の源として捉え、工程のひとつひとつを祈りのように位置づけながら製作を進めている。
- 窯元
- 幸兵衛窯(多治見) — 1804年開窯、江戸城への納品歴あり
- 勧めた人物
- 八代目・加藤亮太郎氏
- 素材変遷
- 石粉粘土(従来)→ 陶(2018年以降)
展示作品の具体例とアーティストの言葉
展示される作品は、陶人形シリーズを中心に、絵画的要素や平面作品も含まれる。以下にプレスリリースで示された主要作品名と素材、製作年・寸法を挙げる。
これらの作品は、陶という素材がもたらす柔らかな質感や釉薬の表情、窯変による複雑な表面を活かした造形になっている。作品それぞれに〈生の喜び〉や〈永遠に生きる祈り〉といったテーマが託されている。
- “小春日和” Ceramic / 2025 / 120 × 50 × 50 mm
- “Family” Ceramic / 2025 / 160 × 120 × 160 mm
- “さりとて” Ceramic / 2025 / 75 × 115 × 45 mm
- “月影の庭” Ceramic and gold / 2025 / 125 × 120 × 35 mm
- “ナナイロ” Ceramic / 2025 / 55 × 280 × 35 mm
- “Holiday” Ceramic / 2025 / 200 × 65 × 8 mm
作家コメント(原文)
久保田 珠美は制作における感覚を次のように述べている。以下は作家自身の言葉であり、今回の展示に込められた意図を直接伝えるものである。
「生きる喜びを謳歌する、陽気で気ままな陶人形たち。陶人形をつくる沢山の工程は、プリミティブな感覚を研ぎ澄ませ、土、水、陽、火を源にする、いわば祈りのようなものだと思います。\n生の喜びと、永遠に生きる祈りを表現しました。\n美濃の土と幸兵衛窯の火から生まれた陶人形たちの生命讃歌です。」
展示会場と関連イベントの実施情報
個展の開催場所であるアザワイズギャラリーは、アッシュ・ペー・フランス株式会社が運営するギャラリーで、名称の“Otherwise”は既存の価値観に縛られない新しい価値追求の意図を示している。国内外の作家を扱い、生活と文化に関わる活動を続けている。
本章ではギャラリー運営者の情報、関連イベントとしての「Spiral Xmas Market 2025」出展情報、および出展スケジュールを整理する。
Spiral Xmas Market 2025 出展情報
アザワイズギャラリーは2025年12月5日(金)〜12月25日(木)にスパイラルガーデンで開催される「Spiral Xmas Market 2025」に出展する。会期全体のうち、ギャラリーの出展はPART 3として2025年12月19日(金)〜12月25日(木)を予定している。
会場はスパイラル 1F(東京都港区南青山5-6-23)、開場時間は11:00〜19:00、入場料は無料。主催は株式会社ワコールアートセンターであり、期間中は久保田による陶人形・平面作品の展示・販売が行われる。
- Spiral Xmas Market 2025 会期:2025年12月5日(金)〜12月25日(木)
- アザワイズギャラリー出展:PART 3 2025年12月19日(金)〜12月25日(木)
- 場所:スパイラルガーデン(スパイラル 1F)東京都港区南青山5-6-23
- 営業時間:11:00〜19:00
- 入場料:無料
- 主催:株式会社ワコールアートセンター
アッシュ・ペー・フランスについて
アッシュ・ペー・フランス株式会社は1985年に設立され、ファッションを中心にライフスタイル、アート、カフェ事業などを展開している企業である。日本国内に約30店舗のコンセプトショップを持ち、自社ECサイトも運営している。
海外ではパリ、ロンドン、ガリシア、ニューヨーク、ベルリンなど世界のクリエイティブな都市との交流を続け、多様な才能との出会いを事業のエネルギー源としている。公式情報は以下のとおりである。
- 公式サイト
- https://www.hpfrance.com/
- 公式Instagram
- @hpfrance_official
- Otherwise Gallery 公式サイト
- https://otherwise-gallery.com
- Otherwise Gallery 公式Instagram
- @otherwise_gallery
展示情報の要点まとめ
以下の表は、本記事で取り上げた個展「Tama Mino Pottery」に関する主要情報を整理したものです。会期、会場、開廊時間、出展作品例、関連イベントなどを網羅しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 展覧会名 | 久保田 珠美 個展「Tama Mino Pottery」 |
| 会期 | 2025年11月21日(金)〜2025年12月25日(木) |
| 会場 | アザワイズギャラリー(東京都港区南青山5-7-17 小原流会館 B1F) |
| 電話番号 | 03-3797-1507 |
| 開廊時間 / 休廊日 | 12:00〜19:00 / 休廊:日・月・火曜日 |
| 展示内容 | 陶人形シリーズを中心に、平面作品や切り絵的要素を取り入れた造形を含む展示 |
| 主要作品例 | “小春日和”(Ceramic, 2025, 120×50×50mm)、”Family”(Ceramic, 2025, 160×120×160mm)、”さりとて”(Ceramic, 2025, 75×115×45mm)、”月影の庭”(Ceramic and gold, 2025, 125×120×35mm)、”ナナイロ”(Ceramic, 2025, 55×280×35mm)、”Holiday”(Ceramic, 2025, 200×65×8mm) |
| 制作背景 | 2018年より多治見の名窯・幸兵衛窯で陶制作を開始。幸兵衛窯は1804年開窯、八代目・加藤亮太郎のもとで制作 |
| 関連イベント | Spiral Xmas Market 2025(会期:2025年12月5日〜12月25日)内、アザワイズギャラリー出展 PART 3:2025年12月19日〜12月25日(スパイラル 1F、入場無料) |
| 運営 | アッシュ・ペー・フランス株式会社(設立1985年)、公式:https://www.hpfrance.com/、Instagram:@hpfrance_official |
| ギャラリー公式 | https://otherwise-gallery.com 、Instagram:@otherwise_gallery |
本記事では、久保田珠美の陶への転換とその背景、展示の具体的な作品群、会場と関連イベントの情報を整理して伝えた。展示は陶という素材を通じて作家が表現する〈生命の愉しさ〉を明確に示す機会となる。