3/28開館|MoN Takanawaが描く「生きるは、ブンカだ」
ベストカレンダー編集部
2025年11月28日 05:44
MoN高輪開館
開催日:3月28日
「Life as Culture ― 生きるは、ブンカだ」が問いかけるもの
一般財団法人JR東日本文化創造財団が運営する「MoN Takanawa: The Museum of Narratives(モン タカナワ)」は、2026年3月28日(土)に開館します。2025年11月27日16時に発表された開館情報において、最初のテーマを「Life as Culture – 生きるは、ブンカだ」と定めたことが明らかになりました。
このテーマは、文化を遺産や特別な表現のみに限定せず、日々の営みそのものが文化を生み出し、つなぎ、変化させていくという視点を提示します。食べること、働くこと、語ること、休むことなど、日常の振る舞いが積み重なって文化となる――その観点から、MoN Takanawaは展示やパフォーマンス、ワークショップなど多様なプログラムを通して「生きること」と文化の相互作用を問い続けます。
MoNの名称には「門(新しい世界へ出会う)」と「問(未来を創造するための問い)」の二つの意味が込められており、キャッチコピーは「ひらけ、モン」。この開館テーマは、同館が掲げる「テーマ=未来を創造するための問い」の第一章として位置づけられます。
開館記念プログラム ― ジャンルを横断する9つの企画
開館を記念して発表されたプログラムは全9作品。伝統芸能からマンガ、音楽、テクノロジー、未来を描く展覧会まで、幅広い領域が横断的に組み合わされています。会場は地下3階〜地上6階の各ボックス(Box1500、Box1000、Box300など)を用い、会期は作品ごとに設定されています。
以下に、各プログラムの名称、会期(発表された予定または仮称)、会場、そして内容を漏れなく整理して記載します。
スパイラル・スパイラル – ぐるぐるせずにはいられない(Box1500)
会期:2026年3月28日(土)~9月下旬(予定)。本展は「Spiral/ぐるぐる」の現象をアート、サイエンス、テクノロジー、エンターテインメント、伝統文化の横断的視点で紹介します。
銀河の渦から指紋、身体感覚、社会構造に至るまで、螺旋・回転が果たす役割を多角的に提示。作品展示、文化や身体に関するゾーン、自身の内面と向き合う瞑想空間などを通じて、「ぐるぐる」が文化形成や思考の原動力であることを体験的に理解させる構成です。
MANGALOGUE(マンガローグ):火の鳥(Box1000)
会期:2026年4月22日(水)~5月中旬(予定)。MoN Takanawaオリジナルの「MANGALOGUE」は、漫画を大型映像に投影し、サウンド、光、テクノロジー、ライブナレーションを組み合わせて観客を物語へ没入させる新しいマンガ体験です。
第一弾は手塚治虫の『火の鳥 未来編』。西暦3404年を舞台に、永遠の命を授けられた人物と火の鳥が辿る物語を通して「いのち」や文明の行きつく先を考察します。会期中の週末夜には、作品に囲まれたナイトイベントも開催予定です。
Making of MoN ― はじまりの物語(Box300)
会期:2026年3月28日(土)~6月上旬(予定)。MoN誕生のプロセスを、図面、模型、スケッチ、映像記録などの資料で追体験する展示です。
コンセプト設計段階から隈研吾による外装設計、鹿島建設による建設工程、Pentagramによるロゴデザインまで、各現場での思考と手仕事を示すアーカイブを通じて施設の内側に迫ります。
開門音楽祭(Box1000)
会期:2026年5月中旬(予定)。音・伝統文化・テクノロジーが交差する音楽祭で、ステージ全体を活用した映像演出と現代のアーティストによる表現が融合します。
受け継がれてきたリズムや所作を現代の感性で再解釈し、音楽が文化の連続性を担うことを体感させるプログラム構成です。
MoN × 伝統話芸(Box1000)
会期:2026年5月下旬(予定)。落語、浪曲、講談などの伝統話芸を映像演出と多言語サポートで提示し、言語の壁を越えてナラティブを共有する次世代の寄席体験を目指します。
伝統話芸の持つ表現力を補完する演出技術により、より多様な聴衆との共感構築を図る試みです。
バレエ「アレコ」(Box1000)
会期:2026年5月下旬~6月上旬(予定)。マルク・シャガールが1942年の公演のために制作した舞台背景画「アレコ」がデジタル手法で舞台に復活します。
2024年に青森県立美術館で行われた56年ぶりの公演に続き、絵画とバレエが時代を超えて出会う演出が予定されています。
MoN × 歌舞伎(Box1000)
会期:2026年7月上旬(予定)。先端テクノロジーを駆使した新たな歌舞伎公演で、数百年にわたる芸の継承を未来に繋げる企てです。
出演者には八代目尾上菊五郎が名を連ねており、伝統芸能の技芸と先進的演出の接続を図る舞台となります。
いのちの未来 2026(仮)(Box1000)
会期:2026年7月中旬~9月上旬(予定)。大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンをMoN Takanawaへ再現し、50年後・1000年後の時間軸で人間とロボット、身体の在り方を物語として提示します。
「アンドロイドに記憶を引き継ぐことができたら」という問いを起点に、身体の制約から解放された存在の感情や生き方をロボットと映像の混成によって体感させます。
高輪築堤の物語(仮)(Box300)
会期:未定(発表時点)。明治期の鉄道開業時に築かれた遺構「高輪築堤」の記憶を最新のデジタル技術で映像化し、当時の景観や人々の高揚感を再現する展示です。
約150年前に始まった鉄道の誕生を追体験することで、イノベーションが時間感覚を変え、新たな文化を生んできた営みを可視化します。
施設の特徴とBox1000における先端技術
MoN Takanawaは、館内に光と緑があふれる空間を設け、約100畳のTatamiでの季節アクティビティ、足湯(菖蒲湯、柚子湯)、月見・花見ができるテラス、3つのラボ(ワークショップ・イベント実施)などを備えています。
レストラン・カフェ・自由に座れるパブリックスペースも整備され、プログラム以外でも1日を通して滞在できる設備となっています。
Box1000の技術設計
Box1000は多様な演出と試みを後押しするため、映像・音響・舞台機構・情報通信技術を高度に融合しています。以下は発表された技術的な特徴の一覧です。
- 音響システム:ヤマハサウンドシステム株式会社のイマーシブオーディオシステム「AFC(Acoustic Field Control)」を導入。3次元制御による均質で臨場感のある音場を実現します。
- 舞台機構:三精テクノロジーズ株式会社製のシステムを採用し、日本の劇場で初となるDMX制御の常設機構システムを導入。照明との統合制御で光と動きを同期します。
- ステージシミュレータ:株式会社stuと共同開発したシステムにより舞台上の制御信号を記録・再演、仮想空間での精密な本番シミュレーションが可能です。
- 楽屋・バリアフリー設計:楽屋・バックステージエリアを含めバリアフリー設計を採用し、車椅子利用者にも配慮した設備と動線を確保しています。
- 客席の柔軟性:ステージデッキの着脱により多様なレイアウトに対応。客席上部にバトンを常設し、演出領域を客席空間へ拡張できます。
これらの技術により、既存のジャンルを超えた表現やコンテンツの実験が可能になり、日本発の新しい文化的コンテンツの創出を目指します。
運営体制、施設概要、情報の扱いとまとめ
MoN Takanawaは一般財団法人JR東日本文化創造財団が企画運営を行います。同財団は2022年4月1日に設立され、「100年先へ文化をつなぐ」をミッションに、伝統と現代の価値観やテクノロジーを融合させる活動を続けています。
発表資料には、情報が2025年11月の時点に基づき、今後変更の可能性がある旨が明記されています。また、「MoN」「MoN Takanawa」「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」は同財団の登録商標であること、手塚治虫の表記については旧字体の注意喚起(ネット等電子媒体では新字表記を推奨)などの留意点も含まれています。
- 運営者
- 一般財団法人JR東日本文化創造財団
- 開館予定日
- 2026年3月28日(土)
- 発表日時
- 2025年11月27日 16:00
以下の表は、本記事で触れた主要項目を整理したものです。各項目の数値や会期は発表時点の予定であり、詳細の発表やチケット情報は2026年1月中旬以降に、公式ウェブサイトやSNSで順次案内される予定です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | MoN Takanawa: The Museum of Narratives |
| 運営 | 一般財団法人JR東日本文化創造財団 |
| 開館日(予定) | 2026年3月28日(土) |
| 発表日 | 2025年11月27日 16:00 |
| 開館記念テーマ | Life as Culture – 生きるは、ブンカだ |
| 開館記念プログラム(9作品) | スパイラル・スパイラル、MANGALOGUE:火の鳥、Making of MoN、開門音楽祭、MoN × 伝統話芸、バレエ「アレコ」、MoN × 歌舞伎、いのちの未来 2026(仮)、高輪築堤の物語(仮) |
| 主な会場 | Box1500、Box1000、Box300 等 |
| 施設規模 | 敷地面積 7,977.31㎡、延床面積 28,952.55㎡、地上6階・地下3階、高さ 44.98m |
| 設計・デザイン | 品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)設計共同企業体、外装デザインアーキテクト:隈研吾建築都市設計事務所 |
| 技術パートナー(Box1000) | ヤマハ(AFC)、三精テクノロジーズ(DMX制御舞台機構)、stu(ステージシミュレータ) |
| 公式情報 | https://montakanawa.jp/ 、Instagram:@montakanawa |
この記事では、発表された全情報をもれなく整理しました。今後の各プログラムの詳細やチケット情報は公式ウェブサイトおよびSNSで順次公開される予定であり、日程や内容は変更される可能性があります。報道発表は2025年11月の情報に基づいている点に留意してください。
参考リンク: