アールティが国産四足ロボ始動 Mujina公開
ベストカレンダー編集部
2025年11月28日 09:46
国産四足ロボ始動
開催日:11月27日
アールティが国産四足歩行ロボット実用化プロジェクトを始動
株式会社アールティ(東京都千代田区、代表取締役 中川友紀子)は、国産四足歩行ロボットの実用化を目指す新プロジェクトを正式に開始し、その第1段階となる研究開発用モデル「Mujina(ムジナ)」を公開すると発表しました。発表日時は2025年11月27日 10時00分です。
本発表は、国内外でのロボット導入が進行する一方で、データ管理、セキュリティ、サプライチェーンの透明性など国内現場固有の要件に対応するため、国産での開発・実装が急務になっているという現状認識に基づき行われました。アールティは研究開発・教育・産業導入を一貫して手がける企業として、国産化の必要性に応える方針を示しています。
Mujinaの位置づけと技術仕様:研究開発用モデルとしての設計思想
Mujinaは国産四足歩行ロボット実用化プロジェクトの第1段階に位置する「研究開発用モデル」です。量産や耐久性重視の仕様ではなく、主に技術検証と用途開発の起点となる開発機として設計されています。
開発環境はROS 2ベースで、オープンハードウェアにより開発者が改良・検証しやすい構造を採用しています。これにより、研究者や企業の用途開発を促進し、将来の国産シリーズ展開の基盤情報を取得する狙いがあります。
想定用途と性能面の位置づけ
Mujinaは以下のような軽負荷用途を主な想定用途としています。具体的には巡回・点検・測量などの研究開発用途が中心で、耐久試験や量産仕様を前提とした設計ではありません。
- 巡回、点検、測量などの軽負荷作業の研究開発
- 不整地歩行の実験やセンサ統合の検証
- ROS 2を用いたアルゴリズム実装・評価
このMujinaで得られた知見をもとに、将来的には産業用途向けにサイズ別の国産シリーズ(大サイズ・中サイズ・小サイズ)を構築し、量産化する計画です。
用途開発・実証実験パートナーの募集と連携テーマ
本プロジェクトは用途開発と実用化を共創する段階にあり、アールティは共に実装領域を創るパートナー企業を募集しています。対象は海外製四足歩行ロボットでPoCや運用実績のある企業、点検・巡回・測量の自動化を目指す企業、国産ロボットを必要とする製造・通信・インフラ・電力・建設分野の事業者、そしてロボット用部品メーカーなどです。
募集開始にあたって、応募企業が期待できる連携テーマは多岐にわたります。単なるハード供給に留まらず、データ管理や安全基準の策定、ビジネスモデルの共創、将来の国産部品との技術連携まで含まれます。
主な連携テーマ(具体例)
- ターゲットソリューション開発
- 点検・巡回・測量など用途に特化したシステム設計と実証実験。
- データ管理・安全基準の共同策定
- 実証で取得されるデータの取り扱い、秘匿性やアクセス制御を含む運用ルールの共同検討。
- RaaSなどビジネス化モデルの共創
- ロボットをサービスとして提供するための収益化モデルや運用支援体制の設計。
- 国産部品との技術連携
- 材料、センサー、モーター等の国産化パートナーとの共同研究・検証。
問い合わせ先は下記の通りで、受注生産のスキームをはじめ導入相談に対応するとしています。企業側の利用事例や運用要件がある場合は、具体的な連携提案が可能です。
なぜ国産が求められるのか:市場背景と現場からの要請
世界の四足歩行ロボット市場は2030年に数千億円規模へ急拡大すると予測され、米国や中国を中心に開発競争が進んでいます。しかし国内の実証現場では海外製品には対応しづらい課題が顕在化しており、国産ロボットのニーズが高まっています。
アールティが実施したこれまでの行動の一つとして、2024年12月に東京大学発のオープンハード四足歩行ロボットに関するプレスリリースを行った際、重要インフラ事業者や製造業など20社を超える問い合わせがあったことが報告されています。多くの事業者が海外製ロボットに対する以下の懸念を示しました。
- 実証実験で取得されるデータが営業秘密・企業秘密に該当するケースの増加
- 海外製ロボットはデータ経路・制御系がブラックボックス化しやすい点への不安
- 重要インフラや製造ラインで「国産であること」が導入条件になりつつある
- サプライチェーンや継続供給の観点から国産開発へのニーズの高まり
これらの声を踏まえ、アールティは国産四足歩行ロボットおよび関連サービスを通じて日本の現場へ安全性と透明性を提供する方針を示しています。
また、AIロボット向けに国内で入手困難とされるモーターに関しては、当社主導による国産化パートナーシッププロジェクトが既に始動しており、1〜2年後のテストユースを経て量産化を計画しているとしています。
国際ロボット展2025での展示と公開情報、会社概要
Mujinaは国際ロボット展2025(会期:2025年12月3日~6日、会場:東京ビッグサイト)で実機が初展示され、点検・巡回のデモンストレーションが行われます。併せて製造用途向けのROS 2連携人型ロボットも出展予定です。
取材や展示に関する問い合わせ先はアールティ広報チーム(E-mail:info@rt-net.jp、Tel:03-6666-2566(代)、https://rt-net.jp/)です。営業に関する問い合わせは営業チーム(E-mail:sales@rt-net.jp、Tel:03-6666-2566(代))が担当します。Mujinaの提供は受注生産で、国際ロボット展より提供開始と案内されています。
展示の主な見どころ
国際ロボット展での主な見どころは次の点です。Mujinaの実機公開を通じ、研究開発段階での挙動やROS 2環境での実装事例を確認できます。
- 国産四足歩行ロボット研究モデル「Mujina」の初展示
- 点検・巡回デモンストレーション
- 製造用途向けROS 2連携人型ロボットの展示
出展会期中に実機の不整地歩行実験の様子やセンサ統合の挙動を観察できるため、研究者や導入検討者にとって有益な情報が得られる場になります。
アールティについてと今回のプロジェクトの位置づけのまとめ
アールティは「Life with Robot ®– ロボットのいるくらし」「Work with Robots ® – ロボットと働く未来」を掲げ、フィジカルAIロボットの研究開発・教育・産業実装を一気通貫で行う国内の企業です。代表取締役 中川友紀子はOpen Robotics(米国)理事およびROSConJP理事を務め、ROSの普及・標準化に深く関与しています。
同社は2足歩行ロボットやAIビジョン、食品工場向けロボットなどで多数の導入実績を有し、今回の四足歩行ロボットプロジェクトは、産業現場のニーズに対応するための国産化の取り組みとして位置づけられています。アールティは引き続き技術開発と産業実装の両面で取り組みを進めるとしています。
以下に、この記事で言及した主要項目を表にまとめ、要点を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | 株式会社アールティ(代表取締役 中川友紀子) |
| 発表日時 | 2025年11月27日 10時00分 |
| プロジェクト名 | 国産四足歩行ロボット実用化プロジェクト |
| 第1段階モデル | Mujina(研究開発用モデル、ROS 2ベース、オープンハードウェア) |
| 想定用途 | 巡回・点検・測量等の軽負荷研究開発、不整地歩行実験 |
| 提供形態 | 受注生産(2025年 国際ロボット展より提供開始) |
| パートナー募集対象 | 海外製四足歩行ロボットでPoC/運用実績のある企業、点検・巡回・測量の自動化を目指す企業、製造/通信/インフラ/電力/建設等、ロボット部品メーカー |
| 主な連携テーマ | ターゲットソリューション開発、データ管理・安全基準共同策定、RaaS等のビジネスモデル共創、国産部品との技術連携 |
| 国際ロボット展2025 | 会期:2025年12月3日~6日、会場:東京ビッグサイト。Mujina実機初展示、点検・巡回デモ実施 |
| 連絡先(営業) | E-mail:sales@rt-net.jp / Tel:03-6666-2566(代) / https://rt-net.jp/ |
| 連絡先(広報) | E-mail:info@rt-net.jp / Tel:03-6666-2566(代) / https://rt-net.jp/ |
| 関連技術・キーワード | フィジカルAI、ROS、四足歩行、機械学習、強化学習、模倣学習、RaaS |
| 将来の展開予定 | 大・中・小サイズの産業向け国産シリーズ構築と量産化、AIロボット向けモーターの国産化(1~2年後のテストユースを経て量産化を計画) |
今回の発表は、国内の実証現場で求められるデータ管理やサプライチェーン透明性の要請に応えるための一歩として位置づけられます。Mujinaを起点に、用途開発パートナーとの共創を通じて国産四足歩行ロボットの実用化を目指す取り組みが進められます。詳細は公式サイト(https://rt-net.jp)および上記問い合わせ先で案内されています。
参考リンク: