生成AI「メディラクAI」提供開始 看護サマリを80%削減
ベストカレンダー編集部
2025年11月28日 13:58
メディラクAI提供開始
開催日:11月28日
中小規模病院の業務負担を狙い撃ちする生成AI「メディラクAI」導入の狙い
2025年11月28日10時20分、株式会社Albatrus(本社:三重県津市、代表取締役CEO:星野仙太)は、病院職員のための生成AIサービス「Mediraku AI(以下、メディラクAI)」の提供開始を発表しました。本サービスは特に100〜400床規模の中小病院を主な対象として設計され、地域医療における人手不足や業務過多という現場課題に直接アプローチします。
発表資料では、電子カルテの普及に伴い文書作成業務が医療従事者の負担になっている点を背景に、紹介状や看護サマリー、手術報告書、リハビリ計画書など膨大な医療文書の作成支援を目的としていると説明されています。Albatrusは「現場×テクノロジーの力で、病院DXにレバレッジをかける」をミッションに掲げており、メディラクAIはその一環として提供されます。
対象となる病院規模と導入設計
メディラクAIは特に100〜400床のケアミックス病院など中小規模施設を想定して設計されています。現場発のノウハウを反映し、費用対効果が高く、導入支援を充実させることで現場が自走できるDXの実現を目指します。
同サービスは、電子カルテ端末から直接利用できる点が特徴です。既存の生成AIサービスがセキュリティ面で電子カルテ端末での利用を制限されることが多い中、メディラクAIは閉域網を通じた接続とクラウド環境の組み合わせにより、この制約を解消する設計になっています。
医療現場に特化した機能群:文書作成からOCR・分析まで
メディラクAIは単なるチャットボットではなく、医療現場のワークフローに合わせた複数の機能を備えています。導入先の現場から要望の多い文書作成支援、紙資料のデジタル化と要約・構造化、さらには事務部門の分析業務支援までカバーしている点が特徴です。
特に注目されるのは医療文書の自動生成機能で、紹介状や看護サマリー、退院サマリー、手術記録、稟議書など多様な文書の“叩き台”を瞬時に作成する点です。テンプレート機能により、プロンプト(指示文)を詳細に作成しなくとも、必要な情報を入力するだけで質の高い文書が生成される仕組みになっています。
主要機能の詳細
以下はプレスリリースで明記された主な機能です。用途ごとに要点を整理します。
- 医療文書作成・推敲支援(文章生成):紹介状、看護サマリー、退院サマリー、手術記録、稟議書などに対応。テンプレートを用いることで入力負担を低減。
- 医療特化型OCRと要約・分析:紙資料やPDFの読み取り(OCR)、要約、構造化データ(SOAP形式など)への変換。患者アンケートや経営データの分析も支援。
- セキュアな院内利用環境:閉域網(IP-VPN)経由で電子カルテネットワークから直接利用可能。クラウドはAWSを採用し、安全な接続を確保。
これらの機能は、病棟の看護業務や医師の紹介状作成だけでなく、事務部門の帳票分析や経営指標の整理まで幅広く活用できる設計です。
セキュリティ設計と運用ルール:閉域網・ガイドライン準拠
メディラクAIは医療現場のセキュリティ要件に配慮した設計を前面に押し出しています。KDDIグループが提供する閉域網(IP-VPN)を経由して通信を行い、AWSのセキュアクラウド環境に接続する構成により、電子カルテのネットワークから安全にAIの機能を利用できます。
また、厚生労働省・総務省・経済産業省が示す「3省2ガイドライン」に準拠した設計になっており、サービスに入力されたデータがAIの学習に利用されることはないと明記されています。院内データの取り扱いに関して特に慎重な環境に適合する作りです。
具体的なセキュリティ・運用ポイント
- 通信経路
- KDDIのIP-VPNを利用し、電子カルテ端末とメディラクAI間の通信を閉域化。
- クラウド環境
- AWS上のセキュアな環境と接続。外部公開ネットワークとは分離した構成。
- データの学習利用
- サービスに入力されたデータはAI学習に使用されない方針で設計。
このような運用設計により、セキュリティ要件の厳しい医療機関でも利用しやすい土台が整えられています。
導入効果の実証と支援体制:永井病院での実績
先行導入事例として挙げられているのは、三重県津市の永井病院(199床)および関連施設における実証です。ここでは看護サマリー作成に関する具体的な効果が示されています。
実証結果では、従来は電子カルテの情報を参照しつつ手作業でゼロから作成していた看護サマリーに対して、AIが叩き台を提供することで作業時間が合計で80%削減されたと報告されています。修正回数も平均で2.8回から1.3回へと減少し、文章品質の底上げと業務の標準化が進んだ点が強調されています。
導入支援と現場の自走化
Albatrusは導入支援を徹底しており、生成AI未経験の職員に対してもプロンプト講習や実運用での指導を行うことで、上位1%のヘビーユーザーと同等の運用が可能になるまで支援する体制を整えています。これにより、特殊な担当者に依存しない現場の自走化を企図しています。
導入効果の裏付けとなる実証資料(d169742-8-ac779d7b707a05fd026ffb71017e3298.pdf)がプレスリリースに添付されていることも明示されています。
サービス仕様、企業情報、問い合わせ先の整理
メディラクAIの提供開始に伴い、プレスリリースにはサービスの概要、企業情報、問い合わせ先が記載されています。ここではその主要ポイントを整理します。
株式会社Albatrusは病院DX支援を掲げる事業者で、事業内容としてMedcloud事業とAIアシスタント事業を展開しています。代表は星野仙太氏、本社は三重県津市です。
問い合わせ・ダウンロード情報
問い合わせ先としては以下が案内されています。導入検討や資料請求はこれらの連絡先を通じて行えます。
- Email: contact@albatrus.co
- お問い合わせフォーム: https://albatrus.co/contact
- プレスリリース添付資料(PDF)がダウンロード可能(ファイル名の一部:d169742-8-ac779d7b707a05fd026ffb71017e3298.pdf)。
また、プレスリリースに添付された画像やプレス素材もダウンロードできる旨が記載されています。
まとめ:ポイントの一覧表
以下に、本記事で触れたメディラクAIの主要情報を表形式で整理します。サービスの目的、対象、機能、セキュリティ、実証結果、連絡先を一目で把握できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | Mediraku AI(メディラクAI) |
| 提供開始日 | 2025年11月28日 10:20 公表 |
| 提供会社 | 株式会社Albatrus(本社:三重県津市、代表取締役CEO 星野 仙太) |
| 対象 | 100〜400床規模の中小病院(ケアミックス病院等) |
| 主な機能 | 医療文書生成(紹介状・看護サマリー等)、医療特化型OCR、要約・構造化(SOAP等)、アンケート・経営データ分析 |
| セキュリティ | KDDIグループのIP-VPNによる閉域網接続、AWSセキュアクラウド、3省2ガイドライン準拠、入力データはAI学習に利用されない設計 |
| 実証事例 | 永井病院(三重県津市、199床)等で先行導入。看護サマリー作成時間を80%削減 |
| 導入支援 | 導入支援・プロンプト講習を提供し、生成AI未経験者でも自走できるよう支援 |
| 問い合わせ | Email: contact@albatrus.co / お問い合わせフォーム: https://albatrus.co/contact |
| 関連資料 | プレスリリース添付PDF(ファイル名:d169742-8-ac779d7b707a05fd026ffb71017e3298.pdf)および画像素材 |
以上の通り、メディラクAIはセキュリティ面に配慮した閉域網経由の接続と、現場の負担を軽減する文書生成・OCR・分析機能を組み合わせたサービスです。導入検討や詳細資料の請求、実証データの確認は表に示した問い合わせ先を通じて行えます。