2025年の企業発表トレンド:AI・万博・推し活の勢力図

PR TIMES調査公表

開催日:11月28日

PR TIMES調査公表
AIエージェントって何が変わったの?
対話で答えるだけのツールから、業務を代行・実行する“ビジネスパートナー”へと役割が変化。2024年45件→2025年2580件と件数が急増し導入領域が広がっています。
万博は企業発表にどんな影響を与えたの?
出展や協業、関連商品の発表が増えたことで地域企業の活動が活発化。『万博』や『大阪・関西万博』を絡めたPRが上位に入り、観光・土産・飲食など周辺分野での発信が拡大しました。

2025年の企業発表を総覧すると見えてくる潮流

株式会社PR TIMESは2025年11月28日に、同社が運営するプレスリリース配信サービス「PR TIMES」に掲載された、2025年1月1日〜2025年10月31日の期間に企業から発表されたプレスリリース38万2296件を対象にしたデータ分析結果を公表しました。対象期間に登録されたキーワード総数は46万7010種にのぼり、件数の増減や月別の推移、キーワードごとの発表内容の分析を通じて、2025年の企業活動の潮流と変化を読み解いています。

分析の集計対象と公表内容は以下の通りです。対象期間は2025年1月1日〜2025年10月31日で、集計対象はPR TIMESプレスリリース38万2296件。発表項目としては、2025年総合&月別キーワードランキング、注目キーワード、業界別分析などが含まれます。公表日は2025年11月28日、発表者は株式会社PR TIMESです。

対象期間
2025年1月1日〜2025年10月31日
集計対象
PR TIMESプレスリリース 38万2296件
キーワード登録総数
46万7010種
公表日
2025年11月28日
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AI関連キーワードの急拡大と用語の多様化 — 「相談相手」から「実務を担うパートナー」へ

2025年は引き続き「AI」関連の発表が企業の主要テーマとなりました。年間総合ランキングでは「AI」が僅差で2位に入り、急上昇ワードとしては前年比1.68倍で1位にランクインしています。上半期の勢いがそのまま継続し、生成系と業務実行系のキーワードがともに増加しました。

注目すべきは、単にAIの情報提供や対話を行うツールではなく、業務を実行する存在として位置づけられる語の増加です。特に「AIエージェント」や「AI活用」といったワードの伸びが著しく、企業発表の文脈からはAIが“相談相手”から“ビジネスパートナー”へと役割を拡大していることが読み取れます。

  • AIエージェント:2024年45件→2025年2580件(約57倍)。対話型AIから業務代行を担う存在へと注目が移行。
  • 生成AI:前年比+3579件(1.63倍)で急上昇上位。
  • AI開発:2024年154件→2025年403件(2.61倍)。開発手法や取り組みの公表が増加。
  • AIO:2024年5件→2025年165件(33倍)。SEOと並び重要視され始めた独自ワードの台頭。
  • AX(AIトランスフォーメーション):2024年24件→2025年191件(7.95倍)。業務改革や組織変革を示す発信が増加。

このほか、「AI面接」「医療AI」「AI創薬」など分野横断的に「AI〇〇」「〇〇AI」という掛け合わせワードが登場しており、イメージがつきやすい造語的な表現が企業発表で多用されています。

また、生成系のLLM(大規模言語モデル)など“要望に回答するAI”と比べ、業務を代行する“エージェント系”の発表が相対的に伸びている点は、企業活動におけるAI活用の目的が「効率化」から「代行・推進」へと段階的に移っていることを示しています。

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万博・地域経済、季節ワードと消費行動の関係性

2025年は国際博覧会(万博)関連の動きが企業発表に大きな影響を与えました。「万博」「大阪・関西万博」「大阪」といったキーワードは上昇ランキングの上位を占め、パビリオン出展や協力、関連商品の発売などを通じて周辺地域の企業活動の活発化が発表件数の増加につながりました。

月別ランキングでは、年間を通じて「イベント」と「AI」が1位・2位を占める傾向が続き、季節性の高い「新商品」は2月や8月・9月に上位入りします。春夏・秋冬のシーズン商品に合わせた発表が多いことが反映されています。

「プレゼント」と「ギフト」の年別推移(件数)
プレゼント ギフト
2022年 5091件 3568件
2023年 5707件 4047件
2024年 4945件 4066件
2025年 5452件 4773件

「プレゼント」と「ギフト」はいずれも新商品やキャンペーン発表で多く使用されていますが、使われ方に差があります。「プレゼント」はキャンペーンに伴う配布や応募を伴う発表での使用が多く(キャンペーン併用件数:プレゼント1689件、ギフト252件)、一方「ギフト」は季節イベント(クリスマス・バレンタイン・母の日等)や体験消費商材の訴求で単独使用されるケースが増えています。

また、長年にわたり上位にあった「SDGs」は2025年はTOP20内で唯一前年比で件数が減少しており、10カ月中10位以内に入ったのは5カ月のみでした。ただし完全に衰退したわけではなく、安定的にランクインするワードとしては残っています。

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推し活、外国人材、ウイスキー、ステーブルコイン──多様化する上昇キーワード

AIや万博以外にも、2025年に大きく増加したキーワードはいくつかの明確なテーマに分かれます。消費者の行動様式に根ざした「推し活」関連、労働市場構造の変化を示す「外国人材」関連、地域・産業の転換を示す「ウイスキー」、そして博覧会を契機に注目が集まった「ステーブルコイン(ブロックチェーン)」などです。

以下に主要な上昇キーワードを表とリストで整理します。

主要上昇キーワード(2024→2025)
テーマ キーワード 2025年件数 2024年件数 増加
推し活関連 推し活 1337件 891件 +446件(1.5倍)
フィギュア 1293件 858件 +435件(1.51倍)
POPUP 724件 443件 +281件(1.63倍)
香水 691件 441件 +250件(1.57倍)
ぬいぐるみ 690件 417件 +273件(1.65倍)
外国人材関連 特定技能 608件 287件 +321件(2.12倍)
外国人材 341件 182件 +159件(1.87倍)
技能実習 248件 119件 +129件(2.08倍)
登録支援機関 135件 24件 +111件(5.63倍)
注目ワード ウイスキー 686件 前年比1.68倍(増加)
注目ワード ステーブルコイン 186件 76件 +110件(2.45倍)

「推し活」は2021年末以降急速に普及した流行語の延長として企業発表での使用が定着し、フィギュアやぬいぐるみ、推しをイメージした香水など多様な商品開発やイベント告知が増えています。対して「外国人材」関連の増加は、2025年6月時点で過去最高となった在留外国人数の増加を背景に、受け入れ支援やサービス提供の発表が増えたことが要因です。

金融・技術分野では、博覧会に関連してブロックチェーンやステーブルコインが注目を集めました。ブロックチェーン自体の発信は2023年が最も多く、以降変動していますが、2025年には博覧会場でのトークン交換や日本初の円建てステーブルコイン発行の開始などの話題性により、ステーブルコインの発信が復調しています。

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業務効率化とDXの着実な台頭

「業務効率化」は急上昇ランキングで4位に入り、前年比+2021件で上位に位置しました。月別の推移をみると、1月25位→2月32位→3月29位→4月24位→5月24位→6月21位→7月21位→8月22位→9月22位→10月17位と着実に順位を上げており、年後半にかけてTOP20入りが顕著になりました。

このワードは「AI活用」「DX推進」と併用されるケースが多く、働き方の生産性向上や業務自動化に関連する商品・サービスの発表が増えていることを示しています。

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まとめ:主要データを表で整理して最後に要点を整理

ここまで本文で取り上げた主要な数値やキーワードを表にまとめ、最後に要点を改めて整理します。表は発表件数や増加率、対象期間などを含めています。

本記事で触れた主要データ一覧
項目 数値・内容 備考
集計対象プレスリリース件数 382,296件 2025年1月1日〜10月31日
キーワード登録総数 467,010種 同上
公表日 2025年11月28日 株式会社PR TIMES発表
AIエージェント 2024年45件→2025年2580件 約57倍の増加
AIO 2024年5件→2025年165件 33倍
AX 2024年24件→2025年191件 約7.95倍
生成AI 前年比+3579件(1.63倍) 急上昇上位
万博関連(万博/大阪) 上昇ランキング上位 パビリオン出展や協業の発表増
推し活 2024年891件→2025年1337件 1.5倍
特定技能 2024年287件→2025年608件 2.12倍
ウイスキー 2025年686件 前年比1.68倍
ステーブルコイン 2024年76件→2025年186件 2.45倍
プレゼント 2022:5091 / 2023:5707 / 2024:4945 / 2025:5452 キャンペーン併用が多い
ギフト 2022:3568 / 2023:4047 / 2024:4066 / 2025:4773 季節商品や体験消費での使用増

以上の分析から、2025年の企業発表ではAI関連の語が引き続き中心的な存在である一方、AIの役割が“情報提供”から“業務実行”へと広がり、ネーミングの多様化(AX、AIOなど)が進んでいることが分かります。また、万博関連の経済波及、季節商戦に伴う消費関連ワードの季節性、推し活や外国人材受け入れといった社会変化に連動した企業発表の増加も確認できます。

最後に、今回の発表を行った株式会社PR TIMESの企業概要を記載します。社名は株式会社PR TIMES(東証プライム、名証プレミア 証券コード:3922)。所在地は東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ8F、設立は2005年12月、代表取締役は山口拓己。事業内容としては、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」やストーリー配信サービス「PR TIMES STORY」、動画PRサービス「PR TIMES TV」、アート特化型オンラインPRプラットフォーム「MARPH」、カスタマーサポートツール「Tayori」、タスク管理ツール「Jooto」などの運営のほか、広報・PR支援、各種メディア運営を行っています。公式URLはhttps://prtimes.co.jp/およびhttps://prtimes.jp/などです。

本記事では公表されたデータと発表文の内容を忠実に転記・整理しました。この記事が示す数値と傾向は、企業が発信する情報の動向を把握するための一次情報として利用可能です。