日本初「熊よけスプレー搭載ドローン」の狙いと課題

熊よけスプレー搭載ドローン

開催日:11月26日

熊よけスプレー搭載ドローン
このドローンってどうやってクマを追い払うの?
唐辛子成分の熊よけスプレーをドローンから遠隔噴射して追い払う仕組み。駆除ではなく回避が目的で、対面リスクを減らす一方、噴射精度や周辺影響、運用ルール整備が課題になる。
いつから実際に使えるの?自治体でも使えるの?
プレス発表はラジオでの説明が中心で、具体的な発売日や即時導入日は示されていない。運用は自治体やドローンオペレーターとの協定を前提に検討されるため、地域ごとの調整が必要。

ドローンで変わるクマ対策──日本初の「熊よけスプレー搭載ドローン」誕生の背景

株式会社ニッポン放送のプレスリリース(2025年11月28日 21時30分)によると、Terra Drone株式会社が開発した日本初の熊よけスプレー搭載ドローンが注目を集めています。11月26日放送のラジオ番組『デロイト トーマツ グループ presents 新井恵理那 Leader’s NEXT』で同社代表取締役社長の徳重徹氏が出演し、開発の経緯や意図、今後の展望について詳しく語りました。

徳重氏は2015年にTerra Droneを設立し、測量用・点検用ドローンや無人機運行管理システムなど、ハードとソフトの両面で事業を展開してきた経緯を持ちます。日本国内のみならずオランダ、ベルギー、アメリカといった海外市場にも進出し、機体製造とソフトウェア開発を強みに国際展開を行っています。

「クマは学習能力が高い」日本初・熊よけスプレー搭載ドローンで変わる獣害対策。Terra Drone 株式会社 代表取締役社長 徳重徹が出演 画像 2

開発の出発点:ハンターの高齢化と民間による解決策

徳重氏は、開発背景としてハンターの高齢化問題に触れ、民間レベルでの代替的な解決策としてドローンを活用する発想を示しました。人が直接対峙して対応する従来の方法に代わり、遠隔から安全に対応できる手段としてドローンを選んだ点が出発点です。

熊対策の手段としてスプレーを選んだ理由も具体的に説明しました。山でクマに出会った際、キノコ狩りなどの場面で多くの人が実際にクマスプレー(唐辛子成分を原料とするもの)で追い払っているという実務的な事情が挙げられています。

  • 唐辛子成分が主成分のスプレーは、直接的な駆除ではなく追い払うことを目的とする
  • クマの嗅覚は人間のおよそ2000倍とも言われるため、刺激に強く反応する
  • クマの学習能力の高さにより、一度嫌な経験をすると人がいる場所を避ける傾向がある

安全性と運用の考え方──遠隔噴射と地域連携の重要性

徳重氏はドローン導入の優位性としてまず対面の危険性を回避できる点を挙げました。人が直接処理に当たる必要がなく、ドローンから離れた場所で噴射を行えるため、作業者の安全性が担保される点が大きな利点です。

また、Terra Droneは各地で災害協定を結んでいるドローンオペレーターとの連携活用を想定しており、地域ごとの既存体制を活かす運用設計を進めていると説明しています。これは単独の企業による導入ではなく、地域の行政や関係団体との協同による社会実装を見据えたアプローチです。

運用面で想定される具体的な効果と留意点

徳重氏は「安全に噴射できれば、これは非常に価値があるだろう」と述べ、発表後に大きな反響があったことも明かしました。反響は製品への関心だけでなく、社会実装に伴う運用ルールや安全策についての議論も含まれます。

期待される効果
人と野生動物の接触機会を減らし、駆除を伴わない追い払いによる被害軽減。
留意点
噴射の精度管理、周辺環境への影響評価、自治体や関係者との連携体制の整備。

展望と多様なドローン活用──測量から空のインフラ構想まで

番組内では熊よけスプレー搭載ドローンに限らず、Terra Droneが手掛けるドローン事業全体の応用例についても話が及びました。測量、点検、無人機運行管理システムの実績をベースに、より広範な用途展開が可能であると述べられています。

徳重氏はフードデリバリーなど商用分野への応用にも言及し、空域を活用したインフラ的な構想を示しました。特に「150メートル程度の空域に高速道路のような航路を作る」といったイメージを示し、将来的にはドローンが多数飛び交う社会を視野に入れていることを語っています。

挑戦と学びの姿勢

開発者としての姿勢について徳重氏は、「失敗したほうがいい」「過去の失敗から覚醒している」と述べ、試行錯誤を重ねる重要性を強調しました。これに対してパーソナリティの新井恵理那氏は、恐れず挑戦する姿勢に触れ、自身もチャレンジしたいという感想を述べています。

こうした姿勢は製品やサービスの社会実装において、実証と改善を繰り返す過程が不可欠であることを示しています。

番組出演情報と視聴・問い合わせ先

徳重徹氏がゲスト出演した番組は、ニッポン放送の『デロイト トーマツ グループ presents 新井恵理那 Leader’s NEXT』です。番組は毎週水曜21時00分〜21時30分に放送されており、11月26日(水)の回でTerra Drone代表取締役社長の徳重徹氏が出演しました。プレスリリース自体は2025年11月28日 21時30分に配信されています。

番組情報と視聴方法、連絡先は以下の通りです。radikoのタイムフリーやポッドキャストで後から聴くことが可能です。

番組名 デロイト トーマツ グループ presents 新井恵理那 Leader’s NEXT
放送日時 毎週水曜 21時00分~21時30分
パーソナリティ 新井恵理那
当日のゲスト(放送回の主要ゲスト) Terra Drone株式会社 代表取締役社長 徳重徹(11月26日放送)
番組メールアドレス ln@1242.com
番組X(旧Twitter) @leadersnext1242
番組ハッシュタグ #新井恵理那NEXT
番組HP https://www.1242.com/leadersnext/
radikoタイムフリー https://radiko.jp/#!/ts/LFR/20251112210000
podcastページ https://podcast.1242.com/leader-next/

なお、番組内でのゲスト一覧部分には放送回ごとに異なるゲスト情報が記載されており、プレスリリース内では別回のゲストとして「デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 成田大輔」の名前も併記されています。これは番組レギュラー枠や回ごとのゲスト編成を示す情報として記載された内容です。

聴取方法と配信媒体

放送を聴き逃した場合、radikoのタイムフリー機能を利用することで一定期間内に番組を遡って聴取できます。また、ポッドキャストでも配信されており、いつでも番組内容を確認できます。上記のリンクから該当ページにアクセス可能です。

問い合わせや番組へのメッセージは番組メールアドレス(ln@1242.com)を通じて送信できます。SNSやハッシュタグも併せて運用されています。

要点の整理

以下の表は本記事で取り上げた主要情報を整理したものです。プレスリリースの内容を時系列と項目別にまとめ、全体像が把握しやすいように構成しています。

項目 内容
プレスリリース発行元 株式会社ニッポン放送
プレスリリース日時 2025年11月28日 21時30分
番組名 デロイト トーマツ グループ presents 新井恵理那 Leader’s NEXT
出演回放送日 2025年11月26日(水)放送回(21:00〜21:30)
主なゲスト Terra Drone株式会社 代表取締役社長 徳重徹
Terra Droneの概要 2015年設立。測量用・点検用ドローン、無人機運行管理システムの開発・提供。日本、オランダ、ベルギー、アメリカなどで事業展開。
新技術 日本初:熊よけスプレー搭載ドローン(駆除ではなく追い払いを目的)
採用理由(スプレー) 唐辛子成分による追い払い効果。クマの嗅覚は人間の約2000倍、学習能力が高く一度嫌な経験をすると人のいる場所を避ける傾向がある。
導入の背景 ハンターの高齢化問題に対する民間での解決策としての位置付け。
安全・運用面 対面リスクを回避、災害協定を結ぶ各地のドローンオペレーターとの連携を前提に運用。
今後の展望 測量からフードデリバリーまで多様なドローン活用。150メートル程度に航路を整備するような空のインフラ整備構想。
発言の特徴 失敗を重視する姿勢(「失敗したほうがいい」「過去の失敗から覚醒している」)と技術実装への前向きな姿勢。
番組視聴・配信 radikoタイムフリー、ポッドキャストで聴取可能。番組HPや各種リンクを通じて配信ページへアクセス可能。
参照リンク https://www.1242.com/leadersnext/
https://radiko.jp/#!/ts/LFR/20251112210000
https://podcast.1242.com/leader-next/

上記の表はプレスリリースの情報を整理したもので、Terra Droneが提示した技術的・運用的なポイントと、ラジオ番組での発言内容、番組の視聴方法や問い合わせ先などを網羅しています。ドローンを用いた獣害対策の取り組みは、技術面だけでなく地域連携や運用ルールの整備が重要になるため、多面的な検討が求められることが改めて明らかになりました。

参考リンク: