12月1日沖縄発、窯焼きピッツァ日本一周の全貌

窯焼きピッツァを日本各地へ──「ピッツァの魅力を伝える日本一周の旅」の全体像

バッカ株式会社（東京都品川区）は、2025年12月1日より「ピッツァの魅力を伝える日本一周の旅」を開始します。出発は沖縄からで、1か月に2～3県を移動しながら北上し、最終的に2027年10月に北海道をゴールとする予定です。

本プロジェクトはピザ窯を載せたフードトラック（ピッツァフードトラック）を用い、窯焼きピッツァをまだ食べたことのない地域や、宅配ピザが届きにくいエリアへ直接出向いてその美味しさを伝えることを目的としています。プロジェクトの開始日、ルート、目的や参加の呼びかけなど具体的な情報が公表されています。

日程とルート、活動の進め方

出発は2025年12月に沖縄から。1か月に2〜3県を移動し、各地で保健所の許可を取得して北上します。到着目標は2027年10月の北海道です。

活動中は個人・団体問わず、宅配ピザが届かない地域や窯焼きピッツァの魅力を伝えたい自治体などからの情報提供を募り、地域の食材を用いたご当地ピッツァを販売する予定です。販売は現地での提供に加え、同社のECサイトでの販売（冷凍ピッツァの全国配送）も行います。

• 開始日：2025年12月1日（沖縄スタート）
• 移動ペース：1か月に2～3県
• ゴール：2027年10月（北海道）
• 販売形態：現地販売＋ECサイトで冷凍ピッツァ全国配送

このプロジェクトの期間中、活動を示す「日本一周限定ステッカー」なども用意されることが示唆されています。自治体や地域事業者は、地域の特産品やPRすべき情報提供のための連絡が可能です。

起点となる経験と理念──なぜ今、全国を回るのか

バッカ株式会社は2012年にピザ窯を積んだフードトラックで創業しました。創業の動機は「窯焼きピッツァを食べたことがない人に自ら広めに行ける」ことにあり、その後の活動はこの理念に基づいています。

2014年5月、同社は日本テレビの番組「大人気店でドッキリ!ありえない商品 売れる?売れない?第7弾」に参加し、宅配ピザが届かない和歌山県北山村での提供実験を行いました。その結果、予想に反して50枚すべてが完売し、窯焼きピッツァを知らなかった住民に喜ばれた経験は同社にとって忘れがたいものであり、今回の日本一周に繋がる原点となっています。

掲げる価値観と実行の理由

バッカ株式会社は「大切にしている3つの価値観」のうち、特に「唯一無二かどうか」と「ワクワクを追求する」という2つを強く打ち出しています。人生を仕事のためではなく、仕事が人生を幸せにする手段と捉え、他者と同じことをするのではなく自分にしかできないことを行うことを重視しています。

この価値観に基づき、今回の事業は「誰もやったことがないことをやる」ための挑戦であり、たとえ直ちに商売に結びつかなくともワクワクを優先して取り組む姿勢が示されています。したがって、プロジェクトは理念的な意義と実践的な目的を併せ持つものです。

業界課題と具体的な取り組み内容──求人・認知・職人の魅力発信

今回の日本一周プロジェクトには、飲食業界が抱える構造的課題への対応という面も含まれています。バッカ株式会社は労働環境の改善に取り組んでおり、社員の月の休みを10日（年間120日休み）とし、20代後半の活躍する社員の年収を600万〜700万円とするなど、業界内でも比較的恵まれた待遇を提供していると説明しています。

それでも求人が集まりにくい現状を踏まえ、同社はピッツェリアという業態自体の認知不足が一因と考えています。具体的なデータとして、ある飲食特化の求人サイト上では「ピッツェリア」が84件、「イタリアン」が607件と表示され（2025年11月30日現在）、情報量の差はおよそ7.2倍に相当すると示しています。また、専門学校の求人カテゴリに「ピッツェリア」がない学校もあると指摘しています。

解決を目指す課題

・ピッツェリアやピッツァ職人の認知不足

・飲食業界の求人難と職業選択の偏り

・地域による食体験の機会格差（宅配が届かないエリアなど）

こうした課題に対して、フードトラックで直接地域を回り現地の人々に窯焼きピッツァを提供し、ピッツァ職人の魅力や職業としての道筋を可視化することで、認知拡大と人材流入のきっかけを作ることが期待されています。

バッカ株式会社の事業構成・沿革と問い合わせ先

バッカ株式会社は2012年創業で、フードトラック運営を発端に複数業態を展開しています。現在はフードトラック「Pizza Bakka」のほか、ピザと居酒屋を掛け合わせた「バッカムニカ」、国産小麦粉を使いピッツァに合うクラフトビールを醸造する「ウッチャーレ（大田区東矢口）」など合計3店舗を運営しています。

同社は2027年までにイタリアで日本人として初のピザ屋出店を目指しており、国内の活動と合わせて海外展開の構想も示されています。

問い合わせ先としては上記の電話番号とメールアドレスが案内されています。自治体や地域事業者、その他協力希望者は連絡のうえ、地域の特性やPRしたい食材等の情報提供が可能です。

要点整理：プロジェクトのポイント（表）

以下に本記事で触れた主要な情報を整理した表を示します。日程や目的、会社情報、問い合わせ先などを一目で確認できます。

上の表は本プロジェクトの主要事項をまとめたものです。各地での出店日程や保健所許可の取得状況、ご当地メニューの詳細などは今後の発表で随時更新される見込みです。自治体や地域の事業者は上記連絡先を通じて協力・情報提供が可能です。