倉敷帆布が大賞受賞 動画公開で再起と支援を呼びかけ
ベストカレンダー編集部
2025年11月30日 16:54
倉敷帆布大賞受賞
開催日:11月30日
倉敷帆布――100年以上続く技術が直面する存続の危機
岡山県倉敷市は、帆布の国内シェアを約7割占める「帆布のまち」として知られ、130年以上にわたる繊維とものづくりの蓄積を有しています。しかしその象徴ともいえる老舗工場、倉敷帆布株式会社が現在、存続の危機に直面していることが明らかになりました。
帆布は長く「身近で安価な素材」というイメージに捉えられがちで、産業としての価値や技術継承の重要性が十分に評価されにくい側面があります。そうした背景のなかで、100年を超えて培われてきた職人の技術が静かに失われつつある現実があることが、今回の報道対象となっています。
帆布の意義と地域産業の現状
帆布は耐久性や使い勝手の良さからバッグや作業用具などに広く使われ、倉敷の産業基盤を支えてきました。だが、低価格志向や海外生産の拡大により、国内生産の地位は相対的に下がっています。
倉敷帆布のような工場では、素材選定、織り・染め・縫製といった多段階の工程に熟練工が関わります。これらの工程で培われるノウハウは、一朝一夕に代替できるものではありません。
受賞が投じた一石:クラフトマンシップアワード2025での評価
そうした状況のなか、メイドインジャパンの工場直結ブランドFactelier(ファクトリエ)が主催する「クラフトマンシップアワード2025」において、倉敷帆布が制作した帆布バッグ『6ポケット2way帆布トート』がメンズグッズ部門で大賞を受賞しました。受賞は同社の品質とものづくりへの姿勢が顧客評価を得た結果といえます。
この受賞は単なる栄誉に留まらず、工場の再評価と需要喚起につながる契機となっています。倉敷帆布の職人たちが保持する品質と、地域に根ざした文化を伝える役割が改めて注目されました。
受賞製品と審査の背景
大賞を受けたのは『6ポケット2way帆布トート』。多機能性を備えたトートとして設計され、素材と縫製の確かさが評価点となりました。ファクトリエによるお客様投票をもとに表彰が行われ、ユーザー評価がそのまま工場支援につながる点がこのアワードの特徴です。
受賞時、倉敷帆布の代表である武鑓 悟志氏は「非常にありがたいメッセージと賞をいただき、本当に身の引き締まる思いです」とコメントしました。続けて「いろいろな昨今の事情もあり、これから自社がどの方向に進んでいくのか。そのことを深く考える機会がありました」と語り、受賞を契機にした今後の取り組みへの意欲を示しています。
公開された動画とファクトリエの支援体制
この受賞や倉敷帆布の現状を広く伝えるため、ファクトリエはYouTube動画を制作・公開しました。タイトルは『100年続いた技術を絶やさない。倉敷帆布と歩むこれからのものづくり』で、帆布工場の現場や職人の声、受賞に至る経緯と今後の取り組みが丁寧に取材されています。動画は以下のURLで視聴可能です。
ファクトリエによる具体的な支援策
ファクトリエは商品販売にとどまらず、提携工場を支援する施策を実施しています。今回の取組では自社サイトや「ふるさと納税」制度を通じた支援が行われ、倉敷帆布の製品を購入・応援する仕組みを設けました。ふるさと納税ページはこちらで確認できます。
https://factelier.com/furusatonouzei/
こうした支援は、単発のプロモーションではなく持続的な需要喚起と利益の還元を目指すものです。ファクトリエは中間流通を省き工場と直接提携することで、適正な価格設定と工場への利益還元を両立させるビジネスモデルを採っています。
ファクトリエとは、企業情報と取り組みの全体像
ファクトリエ(運営:ライフスタイルアクセント株式会社)は2012年創業のメイドインジャパンに特化した工場直結ファッションブランドです。日本のアパレル工場と直接提携し、中間流通を排した仕組みで商品を開発・販売しています。
同社はネット販売を基盤としつつ、銀座と熊本に試着専用店舗(ファクトリエ銀座店、熊本本店)を備え、工場側へ適正な利益を配分する取り組みを行っています。こうしたモデルは、国内生産比率が低下する業界状況のなかで注目を集め、テレビ東京「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」などのメディアにも取り上げられています。
会社概要(公開情報)
- 会社名
- ライフスタイルアクセント株式会社
- 代表者
- 代表取締役 山田 敏夫
- 本社所在地
- 熊本県熊本市中央区手取本町4-7
- 試着専用店舗
- ファクトリエ銀座店・熊本本店
- 関連URL
- https://factelier.com/aboutus/
話の要点整理と今後の利用案内
本件は、倉敷帆布という地域に根づいた帆布工場が抱える危機、その危機に対して外部の支援と評価(クラフトマンシップアワード2025の大賞受賞)が接点となり、工場の再評価や継続的な支援へとつながる動きを伝える内容です。公開されたYouTube動画とファクトリエの販売・ふるさと納税の取り組みは、消費者が具体的に関わる入口となります。
以下に、本記事で触れた主要情報を表にまとめ整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題の所在 | 倉敷帆布(岡山県倉敷市)—100年以上の技術が存続の危機に直面 |
| 受賞 | ファクトリエ主催「クラフトマンシップアワード2025」 受賞製品:6ポケット2way帆布トート(メンズグッズ部門・大賞) |
| 受賞者コメント | 倉敷帆布・武鑓 悟志氏:「非常にありがたいメッセージと賞をいただき、本当に身の引き締まる思いです。これからも、良いものづくりができるように頑張ってまいります」 |
| 支援方法 | ファクトリエによる自社サイト販売・ふるさと納税ページを通じた支援 https://factelier.com/furusatonouzei/ |
| 関連動画 | 『100年続いた技術を絶やさない。倉敷帆布と歩むこれからのものづくり』 https://youtu.be/kka-h6g4d4Q |
| ファクトリエ概要 | 運営:ライフスタイルアクセント株式会社(代表:山田 敏夫) 創業:2012年 本社:熊本市中央区手取本町4-7 |
| カテゴリ・キーワード | メンズファッション、レディースファッション、帆布、倉敷帆布、メイドインジャパン、トートバッグ、職人、ものづくり |
以上は公開された資料と取材映像に基づく報告です。倉敷帆布を含む地域産業の現状を伝え、受賞と支援の具体的な接点を整理しました。関係各所の公開情報や動画リンクを参照することで、詳細な状況や支援方法を確認できます。
参考リンク: