導入したつもりを脱却するAIガバナンスと研修

AI導入脱却対談

開催日:12月1日

AI導入脱却対談
対談で何が一番重要だったの?
生成AIを単なる導入対象で終わらせず「思考を拡張するバディ」と位置づけ、技術優先にせず目的と文化を設計し、現場と経営をつなぐガバナンス教育が不可欠だという点です。
研修や書籍は具体的に何が学べるの?
PoCから本番導入・定着までの実務手順、RAG活用やハルシネーション対策、情報漏えい防止、プロンプト設計、経営層向けのガバナンス設計など現場で使える内容が学べます。

対談の趣旨と開催概要:導入したつもりからの脱却を目指して

次世代AI教育株式会社は、2025年12月1日 08時00分付のリリースにて、一般社団法人ビジネスAI推進機構(BAAO)代表理事であり、著書『はじめてでも失敗しない生成AI導入』の著者でもある山本力弥氏を迎え、当社東京支社長・松元春秋氏との対談イベント「AIは思考を拡張する最高のバディ“導入したつもり”から抜け出すAIガバナンスと現場教育」を実施したと発表しました。

本稿では、対談の主題、議論された具体的な課題と提言、関連する書籍と今後提供予定の研修プログラム、登壇者プロフィールおよび企業情報と問い合わせ先を漏れなく整理して伝えます。プレスリリースに含まれるすべての情報を網羅的に記載します。

AIは“思考を拡張する最高のバディ”『はじめてでも失敗しない生成AI導入』著者・山本力弥氏 × 松元春秋氏 対談 画像 2

日本企業が直面する問題点と対談で示された認識

対談ではまず、日本企業における生成AI導入の現状認識が共有されました。生成AIの普及は急速である一方、実際に業務で使いこなせている人はまだ約2割にとどまり、6〜8割が未活用層にあたるとされる点が指摘されました。

山本氏は導入支援とガバナンス策定の立場から、経営層と現場の評価ギャップ、PoCが繰り返される一方で本番導入や定着に至らない事例が多数あること、そして経済産業省のガイドライン策定に携わった経験を踏まえ「技術論だけでなく企業文化とガバナンスを一体で設計しないとAIはリスクになり得る」という問題意識を示しました。

AIは“思考を拡張する最高のバディ”『はじめてでも失敗しない生成AI導入』著者・山本力弥氏 × 松元春秋氏 対談 画像 3

導入の現状がもたらす影響

対談では次のような構図が整理されました:経営層はAI導入に過度な期待を抱きがちであり、現場サイドはチャットや検索での利用をもって“導入済み”と自己評価していることによるズレが存在します。

その結果、PoC(試行)を繰り返すだけで、本番導入や社内定着、実務改善に結びつかないケースが増え、生産性低下や混乱を招くリスクがあると説明されました。

問題の背景にある組織的要因

組織側では「AIを入れれば一気に生産性が上がる」という期待と、「探索的に使っているから十分だ」という現場の自己評価が混在し、明確な目的設定や文化醸成、ガバナンス教育が欠けている場合が多いとされます。

山本氏は経済産業省の「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」策定に関わった経験も紹介し、技術的対策だけでは不十分で、組織横断的な制度設計が不可欠であると述べました。

対談で示された3つのキーポイント

対談は具体的な提言へと移り、山本氏と松元氏は導入を成功に導くためのキーメッセージを3点に集約しました。以下に、その要旨と現場での示唆を詳述します。

3点は、(1) AIは思考を拡張するバディ、(2) 技術より目的と文化、(3) AIガバナンスと倫理教育の現場化、です。それぞれについて見ていきます。

1. AIは“思考を拡張する最高のバディ”

山本氏はAIを「人間の仕事を奪う存在」ではなく、「世界中のベストプラクティスとつながる最高のバディ」として位置づけました。重要なのは、AIが単なる知識の倉庫ではなく、問いに応じて人の思考を拡張する存在であるという視点です。

このため、人間側に求められるスキルは「意味を定義する力」「問いを設計する力」であり、単にツールを導入するだけでは成果につながらないという指摘がなされました。松元氏は自身が関わるSENSE-6.EXの現場経験を基に、AIが「語られていない部分」にどう反応するかが人間らしい対話につながることを補足しました。

2. 技術より「目的」と「文化」――ワクワクAIフレームワーク

山本氏は技術的議論に飛びつく前に、まず「何を解決するか(目的)」を明確にすること、そして小さく試して育てる文化をつくることの重要性を強調し、この考え方を「ワクワクAIフレームワーク」と名付けて現場に伝えていると述べました。

具体的な要素としては、目的の言語化、小さな実験の実行、成果を四半期で得るための「業界 × 勝ち筋(KPI) × 型(方法)」というBAAO実戦AI道場のコンセプトとも連動する設計が挙げられました。松元氏は心理的安全性を担保しつつワクワク感を維持する場づくりの重要性を述べています。

3. AIガバナンスと倫理教育は「現場と経営をつなぐ翻訳」

対談の後半はAIガバナンスと倫理教育に焦点が移りました。山本氏は経営層向けに「AI原則やガイドラインをボードガバナンスに落とし込む方法」を、現場向けには「ハルシネーション対策や情報漏えい防止の実務ルール」を橋渡しする必要性を示しました。

松元氏は企業研修やAI講座で、顧客や従業員への配慮を前提にした倫理的失敗事例と回避策を教育していることを紹介し、両者は共通メッセージとして「AIガバナンスは足かせではなく安心して攻めるための土台である」と参加者と共有したとされています。

書籍と研修プログラム:実務に即した学びの設計

対談の中心にある山本氏の著書『はじめてでも失敗しない生成AI導入』は、生成AI導入をPoCから本番導入、社内定着、改善へとつなげるための実践的な入門書です。チェックリストや事例を通じて、RAG(Retrieval-Augmented Generation)活用、ハルシネーション対策、セキュリティガイドライン構築などガバナンス面を含めた実務ノウハウを網羅しています。

次世代AI教育株式会社は本書をテキストのひとつとして活用し、企業向けの研修プログラムを展開すると発表しました。ここでは提供予定の研修テーマと概要を具体的に示します。

  • 経営層向け AIガバナンスセッション
    • AI原則/社内ポリシーの考え方
    • ボードレベルでのリスクと機会の整理
    • ガバナンスと企業文化づくりの両立
  • 現場向け 生成AI活用&リテラシー研修
    • 『はじめてでも失敗しない生成AI導入』をベースにした導入ステップ(PoC → 本番導入 → 定着 → 改善)
    • ハルシネーション、情報漏えい、著作権等のリスク理解
    • 日常業務でのプロンプト設計・ワークフロー構築
  • SENSE-6.EXを活用した「日本語的コミュニケーション×AI」講座
    • 「語られていないこと」に反応するSENSE-6.EXの思想と構造
    • 日本語の“察する文化”を踏まえたAI対話設計
    • 顧客・従業員とのコミュニケーションへのAIの応用

詳細なプログラムやカスタマイズについては本リリース末尾の問い合わせ先で相談可能としています。プログラムは実務レベルのルールと文化づくりを両立させる設計が意図されています。

登壇者プロフィール・企業情報・問い合わせ

登壇者のプロフィールと、次世代AI教育株式会社の会社概要、問い合わせ先を以下に整理します。プレスリリースに記載された内容をそのまま掲載します。

登壇者プロフィールは、山本力弥氏と松元春秋氏の経歴と現在の役職・活動を含め詳細に示されています。

山本 力弥(やまもと・りきや)
一般社団法人ビジネスAI推進機構(BAAO)代表理事。合同会社ヤマリキエッジ代表。慶應義塾大学理工学部管理工学科卒。アクセンチュアでのコンサルティング経験、ソフトバンクロボティクスでの事業立ち上げを経て、AIの社会実装・教育・産業支援・倫理ガバナンスの普及に注力。経済産業省「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」策定にも関与。著書に『はじめてでも失敗しない生成AI導入』。
松元 春秋(まつもと・はるあき)
次世代AI教育株式会社 東京支社長。元小学校教員で、教育機関・企業向けにAI教育研修や講演を多数実施。AIニュースメディア『AI速報ドットコム』の運営や、日本語の“察する力”をAIに実装する構造共鳴応答モジュール「SENSE-6.EX」の開発に携わる。「AIは思いやりの集合体」という視点で人とAIの共創をテーマに活動。
会社名 次世代AI教育株式会社
所在地 大阪府大阪市中央区淡路町1丁目6-9 DPスクエア堺筋本町 8F
設立 2023年
代表者 代表取締役 髙野 聡史
事業内容 AI教育・AI研修/自然言語構造開発
URL https://nextaieducation.com/

本件に関するお問い合わせ先は次の通りです:次世代AI教育株式会社 広報担当:田中、E-mail:info@nextaieducation.com。対談の背景や研修の申し込み、書籍についての詳細はこの連絡先を通じて案内されるとしています。

内容の整理(要点の表形式まとめ)

以下の表は、この記事で扱った対談の主要事項を見出しごとに整理したものです。内容を簡潔に参照できるようにまとめています。

項目 内容
イベント名 AIは思考を拡張する最高のバディ“導入したつもり”から抜け出すAIガバナンスと現場教育
開催発表日 2025年12月1日 08時00分
主催 次世代AI教育株式会社
登壇者 山本 力弥(BAAO代表理事、著者)/松元 春秋(次世代AI教育株式会社 東京支社長)
主要テーマ 生成AI導入の現状と課題、ワクワクAIフレームワーク、AIガバナンスと倫理教育、現場向け研修
書籍 『はじめてでも失敗しない生成AI導入』:PoCから定着までの実務ノウハウ、RAG活用、ハルシネーション対策等を網羅
提供予定研修 経営層向けガバナンス、現場向け生成AI活用・リテラシー、SENSE-6.EXを活用した日本語的コミュニケーション講座
会社情報 次世代AI教育株式会社/所在地:大阪府大阪市中央区淡路町1丁目6-9 DPスクエア堺筋本町 8F/設立:2023年/代表:髙野 聡史
問い合わせ 広報:田中/E-mail:info@nextaieducation.com
関連URL 次世代AI教育:https://nextaieducation.com/ / BAAOニュースページ(リリース内参照):https://www.baao.or.jp/pages/news/news3.html

本稿はプレスリリースの内容を整理して伝える記事です。対談では技術的な実装論だけでなく、目的設定、組織文化、ガバナンス教育を組み合わせることが強調されました。研修や書籍を通じて、企業が「導入したつもり」から実際の業務改善へとつなげるための考え方と具体的な手法が提供されることが示されています。