日販発表 2025年 年間ベスト1は大ピンチずかん3
ベストカレンダー編集部
2025年12月1日 15:39
日販年間ベスト発表
開催日:12月1日
日販が発表した2025年 年間ベストセラーの全体像
日本出版販売株式会社は、2025年12月1日 09時00分に「2025年 年間ベストセラー」を発表しました。発表は同社の集計(集計期間=2024年11月20日~2025年11月18日)に基づくもので、詳細ランキングは日販の専用ページ(https://www.nippan.co.jp/ranking/annual/)で確認できます。
今回の発表では、書籍の売れ行きに関して、身体や心の癒しを求める作品群や共感を呼ぶ物語、既に定評のあるロングセラー作品が上位を占める結果となりました。ランキングは全国約2,500軒の書店のPOS販売データを基に、各書店の販売状況を総合的に勘案して作成されています。
- 発表日: 2025年12月1日 09時00分
- 集計期間: 2024年11月20日~2025年11月18日
- データ基盤: 約2,500軒の書店POSデータと全国書店の販売状況を総合
- 詳細ランキング: https://www.nippan.co.jp/ranking/annual/
総合ランキング上位とその背景
2025年の年間総合第1位には、シリーズ累計270万部を誇る大ピンチずかん3(小学館)が輝きました。シリーズは日常で起こる“あるある”のピンチをユーモアを交えて紹介し、子どもが自身の失敗や感情を受け入れる契機を作る点が幅広い世代の共感を呼んでいます。第3作で上半期に続き年間総合第1位を獲得した点が特筆されます。
総合第2位は第22回本屋大賞受賞作のカフネ、第3位は改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学がランクインしました。第2位のカフネは、現代社会の問題や厳しい現実に傷ついた人々が「食」を通じて癒され、生きる力を取り戻す物語で、上半期の総合第3位から1つ順位を上げています。
- 総合第1位
- 大ピンチずかん3(小学館):シリーズ累計270万部。日常の小さなピンチを通じて共感を呼ぶ構成。
- 総合第2位
- カフネ:第22回本屋大賞受賞作。食を通じた癒やしの物語で幅広い支持を獲得。
- 総合第3位
- 改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学:物価高や働き方見直しの流れのなかで継続的な支持。
- 総合第6位
- 変な地図(雨穴):2025年10月末発売にも関わらずランクイン。図や絵をヒントに謎解きを楽しめる作り。
- 総合第20位
- 覚悟の磨き方:吉田松陰の言葉を現代に合わせて超訳した内容。2013年発売ながらロングセラーとして支持。
上位作品に共通する購買傾向
ランキング上位には「癒し」や「共感」を与える作品、既に評価の確立されたタイトル、実用性の高さが重視される書籍が目立ちます。特に口コミやSNSでの共感性、確実性が購買判断に強く影響を与えています。
加えて、メディアでの展開(映画化やテレビドラマ)が売れ行きを後押しした例も見られます。映像化による視覚的魅力が口コミで広がり、電子版も含めた累計発行部数の増加につながった事例が確認できます。
ジャンル別の注目作と理由(単行本フィクション/実用/文庫/新書)
ジャンルごとの上位作品は、それぞれ異なる読者ニーズと社会的背景を反映しています。本章では各ジャンルごとに上位作と、その支持理由を整理します。
以下に示す作品名は、プレスリリース内で具体的に言及されたタイトルとその順位、作品内容の要点を網羅しています。
- 単行本フィクション
- カフネ(単行本フィクション第1位・総合第2位):弟を失った主人公が「食」を通じて生きる希望を取り戻す物語。上半期に続くジャンル首位。
- 変な地図(雨穴)(第2位・総合第6位):栗原を主人公にした新感覚ミステリー。図や絵で古地図の謎を読み解く作品。
- 謎の香りはパン屋から(第3位):第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。パン屋×ミステリーで心温まる描写が支持を集める。
- 近畿地方のある場所について(第4位):単行本発売後の注目、文庫版や映画化が人気を後押し。
- 単行本実用
- すべてを蒸したい せいろレシピ(第1位):油を使わない調理法として『せいろ』が健康志向から支持。
- 世界一簡単!70歳からのスマホの使いこなし術(第2位):シニア層向けスマホ操作本。上半期1位から継続した人気。
- とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば(第3位):川島隆太教授と大谷健太のタッグによる脳トレ本。シニア層の悩みに応える。
- ミステリー・パズル MURDLE(第5位):物語性のある謎解き本として幅広い支持。
- 文庫
- 国宝(文庫第1位、総合ランキング対象外):歌舞伎役者の生き様を描いた作品。2021年9月文庫版発売後、2025年6月の映画公開を契機に広く読まれ、シリーズ累計発行部数は200万部を突破。
- 青い壺(文庫第2位):2011年に復刊、メディアでの紹介と推薦による口コミでヒットが継続。
- BUTTER(文庫第7位):実際の事件を題材にした小説。英語版刊行と海外の文学賞受賞が話題となり世界累計100万部突破。
- 新書ノンフィクション
- 独断と偏見(著:二宮和也)(第1位):二宮和也による初の新書。10の四字熟語をテーマにした100の問いに答える構成で、個人的見解や率直な感情表現が反響を生む。
- 人生の壁(養老孟司)(第2位):著者の半生と「壁の越え方」を語る内容で広い世代から支持。
- 生きる言葉(俵万智)(第5位):歌人としての視点から言葉の力を示唆し、子育て世代や若年層の共感を獲得。
ジャンル横断で見える共通点
いずれのジャンルでも、読者が自身の暮らしや心情に直接つながるテーマ、具体的な解決法や実用性を提示する書籍、そしてメディアや口コミでの波及効果が販売を押し上げる傾向が明確になっています。
また、シニア向けの実用書や、心身の健康を意識した料理・栄養関連の書籍も上位に入るなど、ウェルビーイング志向の高まりがランキング全体に影響を及ぼしています。
集計方法・注意事項・問い合わせ先
本ランキングは日本出版販売による集計で、約2,500軒の書店のPOS販売データを基に作成されています。集計期間は2024年11月20日から2025年11月18日までです。
利用上の注意として、日販は本情報の営利目的での第三者への二次利用を禁じており、掲載時には必ず「日販調べ」と明記するよう求めています。情報の正確性には万全を期しているものの、万一の誤りやそれに起因する損害に対する責任は負わない旨が明示されています。
- 問い合わせ先
- 日本出版販売株式会社 社長室広報課 担当:山田、角井
- TEL:03-3233-3829
- E-mail:press@nippan.co.jp
- 集計対象と期間: 2024年11月20日~2025年11月18日
- 掲載時の表示要件: 「日販調べ」との明記が必須
- 二次利用: 営利目的の第三者利用を固く禁じる
要点の整理(表形式)
以下に本記事で触れた主要な事実・データを整理して示します。ランキングの概要、上位作品、集計方法、注意事項、問い合わせ先などを一覧化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | 日本出版販売株式会社(代表取締役社長:富樫 建) |
| 発表日 | 2025年12月1日 09時00分 |
| 集計期間 | 2024年11月20日~2025年11月18日 |
| データ基盤 | 約2,500軒の書店のPOS販売データと全国書店での販売状況の総合勘案 |
| 総合第1位 | 大ピンチずかん3(小学館) シリーズ累計270万部 |
| 文庫第1位(総合対象外) | 国宝(映画公開の追い風で電子版含めシリーズ累計発行部数200万部突破) |
| 注目ジャンルと代表作 | フィクション: カフネ、変な地図、実用: せいろレシピ、スマホ入門、文庫: 国宝、青い壺、新書: 独断と偏見 等 |
| 掲載・利用上の注意 | 営利目的の第三者への二次利用禁止、掲載時は「日販調べ」を明記。情報の完全性に万全を期すが責任は負わない旨。 |
| 問い合わせ先 | 日本出版販売株式会社 社長室広報課 担当:山田、角井 / TEL:03-3233-3829 / E-mail:press@nippan.co.jp |
| 詳細ランキングURL | https://www.nippan.co.jp/ranking/annual/ |
本稿は日本出版販売による公表資料に基づき、発表されたランキングの内容を網羅的に整理・解説したものです。ランキングの集計方法や利用上の注意、問い合わせ先については上記の通りです。