2月4日発売 文春文庫『90メートル』ノベライズ刊行
ベストカレンダー編集部
2025年12月2日 12:15
90メートル文庫発売
開催日:2月4日
映画と同時に届くもう一つの語り──ノベライズ『90メートル』の刊行情報
株式会社文藝春秋は、2025年12月2日付の発表で、映画『90メートル』のノベライズ版が文春文庫より2026年2月4日(水)に発売されることを発表しました。発表文には制作陣や出演者のコメント、刊行日・価格などの具体的な情報が明記されています。
今回刊行される文庫版は中川駿によるオリジナル企画の映画を小説化したもので、書名は中川駿『90メートル』(文春文庫)。定価は予価900円(税込)で、映画公開に先立って発売されます。出版社は文藝春秋、刊行形式は文春文庫です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 中川駿(原作/脚本) |
| 書名 | 『90メートル』(文春文庫) |
| 発売日 | 2026年2月4日(水) |
| 予価 | 900円(税込) |
| 発表元 | 株式会社文藝春秋(2025年12月2日 06時00分) |
家族の距離を描く物語──あらすじと登場人物の描写
『90メートル』は、難病を抱えるシングルマザーの母・美咲(みさき)と、その息子で高校3年生の藤村佑(ふじむらたすく)を中心に展開する物語です。映画・小説ともに、人生の岐路に立たされた若者と母の関係性、親子の絆と葛藤を丁寧に描きます。
物語は、佑が小学生の頃からバスケットボール一筋であったこと、母が高校2年のときに難病を発症したためにバスケを辞め、以後母の介護と家事を優先する日々を送ってきたことから始まります。高校3年になった佑は大学進学への思いを抱きますが、母を一人にできない現状と呼び出しチャイムの重圧により、自らの夢と介護との板挟みに苦しみます。
ストーリーの流れ(詳細)
映画版のあらすじには、日常の積み重ねと決断の瞬間が織り込まれています。担任教師からの自己推薦での受験勧奨という展開があり、佑は上京・進学の可能性と母の介護継続のどちらを選ぶかという重大な決断に直面します。
母・美咲は日々身体の自由を失っていくなかで、我が子を思う気持ちは変わらず、佑に対して「おかあさん、大丈夫だから」と優しく語りかける場面が物語の重要な核になります。映画とノベライズは表現の手段は異なるものの、同じ主題を補完的に伝える構成になっています。
主要登場人物と配役・演技に関するコメント
主人公の藤村佑を演じるのは山時聡真。山時はスタジオジブリの『君たちはどう生きるか』で主役声優を務め、ドラマ「ちはやふるーめぐりー」「民王R」など話題作へ出演しています。役柄は、高校卒業を控えながら母のそばを離れられない青年で、自身の夢と母の介護との間で葛藤を抱える難しい役どころです。
山時聡真のコメントの要旨は以下の通りです。「佑の抱えている思いを 100%理解しているかといえば、正直わかりません。しかし、佑として生きていく中で、自分自身との葛藤、母親の想い、沢山の方の優しさを感じました。今後の僕の人生を支える大切な糧になりました。
お母さん役の菅野さんのお芝居は毎シーン、鳥肌が立つような感覚があり、姿勢や表現力にもすごく影響を受けました。それを一番近くで受けとめられたのは大きな財産になりました。
中川監督は、一つ一つの演出がとても丁寧で、それでいてまず僕たちに考えさせ、挑戦をさせてくれました。迷った時には時間をかけて真摯に向き合って下さいました。何より、監督とは本当に感覚が合います。
90 メートルという距離。それは長いのか、短いのか。遠いのか、近いのか。答えは人それぞれ違うと思います。この作品を観て、その答えを見つけていただけたらと思います」
母・美咲役は菅野美穂が演じます。菅野はプライベートで子育て中でもあり、過去には映画『ディア・ファミリー』で心臓疾患をめぐる家族を演じた経験があります。今回も時間の経過とともに身体の自由を失っていく母親を熱演しています。
菅野美穂のコメントの要旨は次のとおりです。「それぞれが健気に生きているのに、でもどうにもならない現実に向き合わなければならない過酷さに、胸がつまりました。多感な 10 代で自分の事でも精一杯なのに、人生を考えなければならないやるせなさ、子どもを思う母の気持ち、どちらも分かって深く共感しました。
山時さんとは今回初めてご一緒させて頂きましたが、作品を拝見していて、目に引き込まれる演技をなさるなぁと感じていました。お会いして、幅広く演じられる方だと感じました。
中川監督は映画への真摯で真っ直ぐな強い思いが清々しく、頼りになる監督でした」
さらに、今年7月の関係者向け試写を見た菅野は「映画は気づいたら涙が頬を伝っていて、人生は困難だけれど、人は優しいと感じさせてくれる作品になっていました」と述べています。
制作背景と監督の制作姿勢、スタッフ情報
本作の監督・脚本を務める中川駿は、短編映画『カランコエの花』で国内映画祭13冠を受賞した実績があり、商業長編映画デビュー作は朝井リョウの連作短編小説『少女は卒業しない』の映画化でした。今回の『90メートル』は自身のオリジナル企画で、脚本を書き上げ映画化し、さらにノベライズ版でも同じ物語を別表現で提示します。
中川監督はノベライズについて次のように語っています。「観客に想像の余地を残すべく、映画では意識的に情報量を少なくしています。あの時、彼や彼女は何を想い、何を考えていたのか。そんな内に秘めた心情までもをノベライズ版では描いたので、是非、映画と小説を併せてお楽しみいただけたらと思います」
キャスト・スタッフ
以下に、公式発表のキャストおよび主なスタッフを整理します。各項目はプレスリリースに記載されたままを明示しています。
- W主演
- 山時聡真、菅野美穂
- 監督・脚本
- 中川駿
- 製作
- 映画『90メートル』製作委員会
- 製作プロダクション
- ダブ
- 配給
- クロックワークス
- 公式
- 公式HP:movie90m.com 公式X:@movie90m
- 著作表記
- ©2026 映画『90 メートル』製作委員会
公開情報、購入と鑑賞のタイミングまとめ
映画『90メートル』の公開日は2026年3月27日(金)で、全国公開予定です。ノベライズ版はそれに先立ち2026年2月4日(水)発売となります。小説と映画を時期を分けて楽しむことで、映画で提示された情景の裏側や人物の内面をより深く知ることができます。
以下の表は本記事で紹介した主要情報を整理したものです。刊行日、公開日、価格、主要キャスト、監督といった基本事項を一覧にしました。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ノベライズ書名 | 中川駿『90メートル』文春文庫 |
| ノベライズ発売日 | 2026年2月4日(水) |
| ノベライズ価格 | 予価900円(税込) |
| 映画公開日 | 2026年3月27日(金) 全国公開 |
| W主演 | 山時聡真、菅野美穂 |
| 監督・脚本 | 中川駿 |
| 製作プロダクション | ダブ |
| 配給 | クロックワークス |
| 出版社(文庫) | 文藝春秋(文春文庫) |
| 公式情報 | 公式HP:movie90m.com 公式X:@movie90m |
本稿では発表されたプレスリリースの全文情報をもとに、刊行と公開に関する日時、キャスト、監督のコメント、物語の概要、発行元・価格などのデータを整理して伝えました。ノベライズと映画の双方が提示する視点の違いや、俳優・監督の制作姿勢にも触れています。作品そのものは映画が先に観客に語りかける余白を残し、小説は人物の内面を補完する設計であると発表文には明記されています。