松本俊彦が解説 不登校の親の9問を全3回で公開

不登校の親向け講演

開催日:10月9日

不登校の親向け講演
書き起こしってどこで読めるの?有料なの?
書き起こしはウェブメディア「不登校オンライン」で無料公開されています。第1回は2025/12/02公開、全3回で順次配信。講演の映像アーカイブもYouTubeで視聴可能です。
今、親がすぐにできる対応って何?
まずは落ち着いて様子を観察し、過剰適応や昼夜逆転などのサインを確認。スマホ・ゲームはルール化して段階的に調整し、深刻な不安や自傷の兆候があれば専門医や相談窓口に早めに相談しましょう。

増え続ける不登校──保護者の切実な問いに精神科医が答えたオンライン講演会

2025年10月に文部科学省が公表したデータでは、2024(令和6)年度の小中学生の不登校児童生徒数が35万3,970人と過去最多を記録しました。こうした状況のもとで、保護者からは「どう関わればよいのか」「子どものメンタルが心配だ」といった具体的で切実な相談が多く寄せられています。

それらの悩みに応えるため、ウェブメディア「不登校オンライン」(運営:株式会社キズキ)は、精神科医の松本俊彦先生を迎えた無料オンライン講演会の書き起こしを全3回で順次無料公開することを発表しました。書き起こしは読みやすさのために一部編集されていますが、講演会で扱われた内容は具体的かつ臨床的視点に基づくアドバイスが中心です。

精神科医・松本俊彦先生が“不登校の親の悩み”に回答──保護者の切実な9問を専門家が解説、全3回で公開【不登校オンライン】 画像 2

講演会開催の背景と目的

本講演会は、不登校の増加を背景に、保護者が直面する日常的な問題を専門家の視点で整理し、家庭で実行できる具体的な対応を伝えることを目的としています。「過剰適応」「スマホ依存」「ゲームのルール」「完璧主義」など、多くの家庭で共通するテーマに焦点が当てられました。

主催側は講演会の内容を単なる情報提供にとどめず、保護者がすぐに参考にできる形で公開することで、支援の裾野を広げる狙いを明確にしています。書き起こし記事は無料で公開され、保護者や支援者がアクセスしやすいかたちで発信されています。

精神科医・松本俊彦先生が“不登校の親の悩み”に回答──保護者の切実な9問を専門家が解説、全3回で公開【不登校オンライン】 画像 3

講演会の構成と公開スケジュール:保護者からの「9つの質問」を3回で解説

講演会は2025年10月9日(木)に実施され、当日は多数の保護者から質問が寄せられました。寄せられた質問は、家庭で実際に生じている切実な事例に即した9つの具体的な問いとして整理され、精神科医・松本俊彦先生が中心となって回答しています。ただし一部の質問・回答は松本先生以外の登壇者が担当しています。

書き起こし記事は全3回に分けて掲載され、公開スケジュールは以下の通りです。記事ごとに扱う質問も明確に区分されており、関心のあるテーマごとに読みやすくまとめられています。

公開日 主なテーマと収録質問
第1回 2025年12月2日(火) 過剰適応の危うさ/質問1〜3(質問3の回答は不登校ジャーナリスト・石井しこう)
第2回 2025年12月9日(火) ゲームと日常のルール/質問4〜6
第3回 2025年12月16日(火) 命と暴力に関わる深刻な懸念/質問7〜9(質問9の回答はキズキ共育塾・伊藤真依)
精神科医・松本俊彦先生が“不登校の親の悩み”に回答──保護者の切実な9問を専門家が解説、全3回で公開【不登校オンライン】 画像 4

扱われた9つの質問(全質問を網羅)

以下に、講演会で取り上げられた9つの質問を番号順に列挙します。記事公開の回ごとに対応が分けられているため、関心があるテーマの回から順に読むことができます。

  1. YouTube依存が深まっているようで怖いです
  2. スマホを手放せなくて昼夜逆転
  3. 卒業アルバムの写真撮影、行う必要はありますか?(回答:不登校ジャーナリスト・石井しこう)
  4. ゲームの時間のルール、どうしたらいいでしょうか
  5. 10歳の男子が「抱っこして」「眠るまでそばにいて」と甘えてきます
  6. 全てに否定的な我が子をどうしたらいいですか?
  7. 完璧主義な息子…。どうすれば認知を変えることができますか?
  8. 息子について、医師から、「夫からの精神的虐待の影響で、自殺や加害の可能性がある」と言われました
  9. 勉強を拒否する我が子。強めにうながしてもいいでしょうか?(回答:キズキ共育塾・伊藤真依)
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主要な登壇者と運営団体――臨床・現場・当事者経験を結ぶ構成

登壇者は臨床経験の豊富な精神科医と、不登校問題を現場で取材・支援している当事者・支援者が並び、異なる視点からの具体的な支援策が示されました。ここでは各登壇者と運営団体のプロフィールを整理します。

登壇者情報は、講演内で紹介された専門的背景やこれまでの業績を含めてまとめています。保護者が相談する際に参考となる肩書きや所属も明記します。

松本俊彦(精神科医)

1993年佐賀医科大学卒業。初期臨床研修を横浜市立大学医学部附属病院で終了した後、国立横浜病院精神科、神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属病院精神科などで臨床・研究に従事しました。国立精神・神経センター精神保健研究所の司法精神医学研究部室長や、自殺予防総合対策センター副センターなどを経て、2015年より現職。2017年には同センターの薬物依存症センター長も兼務しました。

学会役職としては、日本精神科救急学会理事、日本社会精神医学会理事、日本アルコール・アディクション医学会理事、日本学術会議アディクション分科会特任連携委員を務めています。著書に『自分を傷つけずにはいられない~自傷から回復するためのヒント』(講談社, 2015)などがあります。

石井しこう(不登校ジャーナリスト)

1982年東京都生まれ。不登校を経験したのちフリースクールやNPOで取材・支援活動を行い、400名以上の当事者や保護者に取材してきました。現在はジャーナリストとして不登校に関する発信を続けています。

著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)や『小学生不登校 親子の幸せを守る方法 400人の声から生まれた「親がしなくていいことリスト」』(KADOKAWA)などがあり、今回は質問3の回答を担当しました。

中里祐次(Branch代表)

好きでつながる居場所「Branch」代表。子どもたちの「好き」を尊重する居場所づくりを行っており、今回の運営側の一団体として参加しています。

Branchの活動や理念は、公式サイト(https://branchkids.jp/)で紹介されています。

伊藤真依(キズキ共育塾)

1999年生まれ。不登校を経験したのち大学へ進学、2022年にキズキへ就職。名古屋校の教室長を務めた経験を持ち、現在は不登校相談員として支援活動やメディア運営に携わっています。今回は質問9の回答を担当しています。

所属するキズキ共育塾のサイト:https://kizuki.or.jp/

視聴方法、チェックリストの活用法、公開資料の所在

今回の書き起こしの元となったオンライン講演会のアーカイブは、YouTubeで公開されています。講演の映像を確認しながら、書き起こし記事を参照することで、言葉のニュアンスや事例の詳細を把握しやすくなります。

なお、動画内で紹介していたクラウドファンディングは現在終了しています。講演会の情報や関連リソースは下記リンクから確認できます。

「学校休んだほうがいいよチェックリスト」とは

「学校休んだほうがいいよチェックリスト」は、子どもが「学校に行きたくない」「学校を休みたい」と言ったときに、保護者が判断の一助とするためのツールです。簡単な質問に答えるだけで、精神科医からの回答結果が届く仕組みになっています。

このチェックリストの運営は、3団体が共同で行っています。具体的には、不登校ジャーナリスト・石井しこう、居場所「Branch」、不登校の子のための完全個別指導塾「キズキ共育塾」が共同で運営しています。チェックリストのURLは次の通りです。

https://branchkids.jp/lp/oyasumi-checklist

公開情報の補足

書き起こし記事は編集によって読みやすさが調整されていますが、講演内容の主要な助言や事例は忠実に記録されています。公開スケジュールに合わせて、全3回分を順次読めるため、段階的に問題に取り組むことが可能です。

記事は保護者・教育関係者・支援者が参照できるよう無料で公開されています。記事内には、各質問に対する具体的な対応策や考え方が示されており、臨床的な視点に基づく判断材料として活用できます。

この記事の要点まとめ

以下の表に、本件の主要事項を整理しました。イベントの日時、公開スケジュール、主要登壇者、関連リンクなど、この記事で紹介した情報を一覧化しています。必要な情報をすばやく確認する際にご活用ください。

項目 詳細
発表元 株式会社キズキ(ウェブメディア「不登校オンライン」)
プレスリリース日時 2025年12月2日 11:00
背景データ 文部科学省発表(2025年10月公表)によると、2024年度の不登校児童生徒数は35万3,970人
講演会実施日 2025年10月9日(木)
公開形式 オンライン講演会の書き起こし記事(全3回、無料公開)
公開スケジュール 第1回: 2025/12/02、第2回: 2025/12/09、第3回: 2025/12/16
扱った質問(全9問) 1: YouTube依存 2: スマホ/昼夜逆転 3: 卒業アルバムの写真(回答: 石井しこう) 4: ゲームの時間 5: 甘えの対応 6: 否定的態度の対処 7: 完璧主義の認知変容 8: 医師からの自殺・加害の指摘 9: 勉強拒否(回答: 伊藤真依)
主な登壇者 松本俊彦(精神科医)、石井しこう(不登校ジャーナリスト)、中里祐次(Branch代表)、伊藤真依(キズキ共育塾)
視聴・参照リンク 記事(第1回): https://futoko-online.jp/interview/18061/ / 講演アーカイブ(YouTube): https://www.youtube.com/live/a8V-_Spcdeo / チェックリスト: https://branchkids.jp/lp/oyasumi-checklist
補足 動画内で紹介したクラウドファンディングは終了済み。書き起こしは読みやすさのため一部編集あり。

以上が今回のオンライン講演会と書き起こし公開に関する要点です。各回の記事は具体的な事例と専門的な見立てをもとにしたアドバイスを含みますので、該当するテーマの回から順に確認することが可能です。

参考リンク: