旧車オーナー55%が車両保険に不満、連動保険を望む

旧車保険の満足度調査

開催期間:11月13日〜11月21日

旧車保険の満足度調査
保険会社の補償額ってなんで旧車と合わないの?
保険会社は年式や走行距離など標準査定を基に評価するため、旧車の希少性や個体差を反映しづらい。その結果、実勢価値より補償額が低く設定され不満が生じやすいです。
市場価格に連動する保険が出たら本当に加入は増えるの?
増える可能性が高いです。調査では市場価格連動なら合計53.9%が加入もしくは切替を検討、未加入層でも23.1%が加入意向を示しており需要が確認されました。

旧車オーナーが抱える車両保険への不満の背景

旧車オーナーの約55%が車両保険に不満。市場価値に応じた評価を希望する声多数 画像 2

保険料改定と旧車の特性が招く評価の乖離

旧車オーナーの多くは、保険会社が設定する補償額と実際の市場価値に乖離があると感じています。カレント自動車株式会社が運営する旧車専門サービス「旧車王」が実施したアンケート調査では、補償額に不満を持つオーナーが全体の約55%に上ることが示されました。これは、従来の年式・走行距離・グレードを中心に査定する枠組みが、希少性や個体差が大きい旧車の実勢価値を正確に反映しにくい現状を反映しています。

さらに、外部環境として保険料の値上げが進んでいる点も見逃せません。調査本文では2025年10月に一部保険会社が車両保険を平均8.5%値上げしたこと、また2026年1月にも他社で値上げが予定されていることが明記されています。保険料が高くなる局面で、補償額が市場価値と一致しないと判断されれば、加入意欲の低下や不満の増幅に直結します。

旧車オーナーの約55%が車両保険に不満。市場価値に応じた評価を希望する声多数 画像 3

旧車特有の査定項目と評価のギャップ

旧車は希少性や個体ごとのコンディションが価値に直結します。一般的な査定で重視される年式や走行距離に加え、エンジンや足回り、車体下部の錆、ステアリングのコンディションなど細部の状態が評価を左右します。旧車王はこれらを鑑定し真の価値を引き出すことを強みとしていますが、保険会社側の評価基準が必ずしもこれらの要素を反映していない可能性があります。

調査では、旧車オーナーが保険料の高さを加入しない最大の理由(54.9%)として挙げている点からも、保険料と補償内容のバランスが重要な判断材料になっていることが読み取れます。市場価値に見合った評価を保険が提供できれば、加入率や満足度に変化が生じる可能性があります。

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アンケート調査の対象・方法・設問構成

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調査の基本情報と対象

本調査はカレント自動車株式会社(旧車王)が自社で実施したインターネット調査です。調査対象は旧車に興味のある男女53名、調査期間は2025年11月13日から2025年11月21日までの9日間にわたって行われました。

対象者は旧車に興味のある層に限定しており、旧車の所有有無や加入状況を問わず、旧車に関する保険の評価や希望を幅広く把握することが目的とされています。回答者の属性の詳細(年齢層、性別比、保有車種別の内訳など)は本文に含まれていませんが、旧車に関心を寄せる実務的なユーザー層を対象とした調査です。

設問の構成と意図

調査で実施された主な設問は次の通りです。Q1は「車両保険で設定される補償額について、あなたの状況に最も近いものを選んでください」、Q1-2は「希望する補償額と比べて、どの程度の差があると感じましたか?」、Q2は「中古車市場の価格をもとに補償額を設定できる車両保険があれば、あなたはどうしますか?」、Q3は「車両保険について、次の2つのプランのうちどちらにより魅力を感じますか?」というものです。

これらの設問は、現行の補償額への満足度だけでなく、希望額との差や市場価格連動型の保険があれば加入・切り替えを検討するかどうか、そして個別選択式の補償プランに対する嗜好までを包括的に確認する設計になっています。

調査結果の詳細と数値で見る実態

補償額に対する満足度と加入状況

調査の主要な数値は次の通りです。補償額に「満足して加入した」割合は28.3%、逆に「不満があったため加入しなかった」は26.4%で、これらを合わせると約55%のオーナーが補償額に何らかの不満を抱えていることが示されています。

さらに「補償額がわからない、または車両保険に加入したことがない」と回答した層が15.1%存在します。これを含めると、補償額について十分に理解している、あるいは満足している層は限定的であり、旧車オーナーの多くにとって補償額の認識が不十分であるか不満があることが浮き彫りになりました。

補償額の不足感とその程度

希望する補償額と実際の補償額の差については、63%が「10万円以上100万円未満低かった」と回答し、25.9%が「100万円以上低かった」と回答しました。合計すると約89%が希望よりも補償額が不足していると感じており、そのうち約1/4は100万円以上の差を感じています。

この数値は、保険会社の評価額と市場価値の乖離が加入判断に与える影響が無視できないレベルであることを示しています。特に旧車の場合、個体により価値の幅が大きいため、固定的な評価基準が実勢を下回ってしまうケースが頻発することが示唆されます。

市場価格連動保険とプラン選択に対する意向

市場価格に基づいた補償設定への関心

調査では、「中古車市場の価格をもとに補償額を設定できる車両保険があればどうするか」を尋ねたところ、合計で53.9%が加入または切り替えを検討すると回答しました。加入していない層の中でも23.1%が加入意向を示しており、市場価値に基づく補償を求める潜在的な需要が存在することが確認されました。

この結果は、旧車オーナーが自分の車が市場でどの程度の価値を持つかを重視して保険を選びたいという傾向があることを示しています。市場価格連動の仕組みが実現すれば、満足度向上や加入拡大につながる可能性があります。

補償プランの選好:必要な補償だけを選べるか、一括補償か

「必要な補償だけを選択するプラン」に魅力を感じる人は75%に上りました。これは保険料を抑えつつ、自分が必要と考える補償だけを選びたいというコスト重視の志向を示しています。一方で残りの25%は、あらゆる補償が網羅された包括的なプランに魅力を感じており、安心感を優先する層が存在することも明らかになりました。

この二極化は、旧車オーナーの価値感や利用シーン、保有車の市場価格・稀少性に応じて最適な商品設計が異なることを示唆しており、保険商品における細分化や柔軟な設定の必要性を示しています。

旧車王とカレント自動車:事業内容と強み

旧車王の事業と鑑定力

旧車王は「買取は10年以上の旧車だけ」をコンセプトに、20年以上にわたり旧車専門の買取サービスを提供してきました。自社工場で修理・修復を行える点、直販店舗での販売と鑑定技術を活用した高価買取を実現していることが特徴です。

旧車王では年式や走行距離、グレードといった一般的な査定に加えて、エンジンや足回りの状態、車体下部の錆、ステアリングのコンディションなど細部まで徹底的にチェックする「鑑定」を実施し、旧車の真の価値を引き出すことを目指しています。ウェブサイトは https://www.qsha-oh.com/ です。

カレント自動車株式会社のビジョンと事業領域

カレント自動車株式会社は「カーテックで自動車再生メーカーへ」というビジョンを掲げ、2000年以降に取扱いの難しい車に特化して事業を展開してきました。買取からパーツ供給、修理、販売(卸し/小売)までを自社で完結する強みを持ち、ITを活用した自動車再生事業を進めています。

同社は循環型社会への貢献を志向し、中古車の活用を促進する活動を継続していることが本文で示されています。企業情報は https://www.currentmotor.co.jp/ に掲載されています。

調査結果の要点を表で整理

以下に、本記事で扱った調査結果と関連情報を表にまとめて整理します。数値は調査で示されたまま記載しています。

項目 内容
発表者 カレント自動車株式会社(旧車王)
発表日 2025年12月2日 11時10分
調査期間 2025年11月13日〜2025年11月21日
調査対象 旧車に興味のある男女53名(インターネット調査)
主な設問 補償額の満足度、希望との差、市場価格連動の保険意向、プラン選好
補償額に満足して加入した 28.3%
不満で加入しなかった 26.4%
補償額がわからない/未加入 15.1%
希望より不足と感じた合計 約88.9%(10万〜100万不足:63%、100万以上不足:25.9%)
市場価格に基づく保険があれば加入・切替を検討 53.9%(未加入層でも23.1%が加入意向)
必要な補償だけを選べるプランに魅力を感じる 75%
包括的な補償を好む 25%

本調査は旧車オーナーの保険に対する不満と改善希望を明確に示しています。特に補償額の実勢価値反映や、保険料と補償内容のバランスを選択できるプラン設計が求められている点が重要な示唆です。保険商品設計側にとっては旧車市場の特性を取り込んだ評価方法や、柔軟な補償選択肢の提供が検討課題となるでしょう。

参考リンク: