エーザイのHCR2025公開 Synergy Waveが生んだ社内変革

HCR2025(エーザイ)公開

開催日:12月3日

HCR2025(エーザイ)公開
このHCR2025って何が新しいの?
HCR2025は人的資本を単なる“資源”でなく“資本”として可視化する点が新しい。社内を主対象に据え、社員が自社を紹介したくなる表現や参加型制作で価値創出を示している。
Synergy Waveって具体的にどういう取り組み?
Synergy Waveは社員参加型の制作プロジェクトで、社内マーケティングを徹底。カジュアルな写真やGIFを使い巻き込みを強化し、結果的に社員閲覧率73%を達成した手法だ。

エーザイが示した人的資本の新たな表現──Human Capital Report 2025と「Synergy Wave」

2025年12月3日付で一般社団法人プロティアン・キャリア協会が公開したリリースは、エーザイ株式会社が発行した『Human Capital Report 2025(HCR2025)』と、それを支えた社員参加型プロジェクト『Synergy Wave』の取り組みを中心に伝えている。リリースは同協会が制作したYouTube特別インタビュー全3回シリーズの第1弾公開を告知しており、エーザイの人的資本経営の実践を丁寧に紹介している。

HCR2025の特徴としては、人的資本を単なる「資源」ではなく「資本」と捉え、その価値創出を可視化する点にある。リリースでは、このレポートが「社員が目を輝かせながら自社について紹介できるレポート」をメインコンセプトに設計されたこと、そして社員参加型の『Synergy Wave』を通じて制作されたことが明記されている。

HRアワード2025優秀賞受賞・エーザイ株式会社 のヒューマンキャピタルレポートの軌跡をYouTube特別大公開! 画像 2

制作の背景と設計思想

エーザイは2022年に「統合人事戦略」を策定し、その流れの中で2023年版・2024年版のレポート制作が行われた。HCR2025はその蓄積を踏まえ、開示をコミュニケーションの起点とし、経営の自己変革を促すフィードバック装置としての役割を重視している。

具体的には、ターゲットを社外ではなく社内の社員に設定し、カジュアルな写真やGIF画像を活用するなど徹底した社内マーケティングを行った結果、社員の73%が閲覧するという到達率を実現した点がデータとして示されている。

  • コンセプト:「社員が目を輝かせるレポート」
  • 手法:社員参加型プロジェクト『Synergy Wave』
  • 成果指標:社員閲覧率73%
  • 戦略的背景:2022年の統合人事戦略の下での継続的取り組み

レポート本体は公開資料としてPDFが提供されており、URLは次の通りである(出典:エーザイ)。
https://www.eisai.co.jp/ir/library/annual/pdf/pdf2025hcr.pdf

HRアワード2025優秀賞受賞・エーザイ株式会社 のヒューマンキャピタルレポートの軌跡をYouTube特別大公開! 画像 3

YouTube特別インタビュー──「人的資本経営最前線」シリーズと第1弾の内容

一般社団法人プロティアン・キャリア協会はYouTube上で「人的資本経営最前線」シリーズを展開しており、今回エーザイ株式会社 ピープル&コミュニケーション戦略部 部長・三瓶悠希氏を迎えた全3回の特別インタビューを公開した。その第1弾は「エーザイカルチャーが進化を生んだヒューマンキャピタルレポート3年の軌跡」と題される。

第1弾では三瓶氏が編集責任者を務めたHCR2025の制作過程、個人的な原体験、そして社内の巻き込み方について語っている。三瓶氏の原体験としては難病闘病の経験が語られ、会社や同僚のサポートが影響を与えたことがイントロダクションとして紹介される。

HRアワード2025優秀賞受賞・エーザイ株式会社 のヒューマンキャピタルレポートの軌跡をYouTube特別大公開! 画像 4

動画で触れられた主なトピック

  1. 三瓶氏の難病闘病経験とその原体験がもたらした視点
  2. 2022年の「統合人事戦略」に基づく2023年版・2024年版のレポート制作の背景
  3. ターゲットを社員に据えた社内マーケティング手法と、カジュアルな表現手段の活用
  4. 『Synergy Wave』プロジェクトを通じた社員参加の構造化
  5. 人的資本開示をコミュニケーションや経営変革の起点に据える考え方

この動画はプロティアン・キャリア協会のYouTube公式チャンネルで視聴可能で、該当URLは次の通りである。
https://www.youtube.com/watch?v=o7AtP5b4R4U

リリース内では同シリーズの過去登壇者として、カゴメ株式会社CHO 有沢正人氏(当時、現在はいすゞ自動車株式会社 CHRO)や、ロート製薬元取締役CHRO 髙倉千春氏などの事例が紹介されており、人的資本経営に関わるリーダーの知見を継続的に発信している点が強調されている。

プロティアン・キャリア協会の立ち位置と提供サービス、協働パートナー

一般社団法人プロティアン・キャリア協会は、所在地を東京都新宿区西新宿3-2-9新宿ワシントンホテルビル本館2Fとして、キャリア対話型組織開発支援サービスや個人向けキャリア支援サービス、認定資格制度の運営を手掛ける団体である。代表理事は田中研之輔(法政大学キャリアデザイン学部 教授)と有山徹(4designs株式会社 代表取締役CEO)。設立は2020年3月である。

協会が提供する法人向けサービスの代表例が「プロティアン・キャリアドック」で、上場企業250社以上に導入されていると明記されている。導入実績は業種横断的で、同リリースでは多数の企業名が挙げられている。

協会の主張と実績

パーパス
心理的成功があふれる社会の実現
導入実績
プロティアン・キャリアドックは上場企業250社以上に導入
普及規模
設立5年で導入者数35万人以上
受賞歴
「HRアワード2024」優秀賞受賞(協会側の受賞実績)

また、同協会は認定サービス提供会社として4designs株式会社を掲げている。4designs(フォーデザインズ)は2019年7月設立で、所在地は東京都中央区日本橋茅場町2-12-10 PMO EX日本橋茅場町 H1O日本橋茅場町 311、代表取締役社長CEOは有山徹である。

4designsの事業概要には経営コンサルティング、人的資本最大化に向けた組織開発支援、キャリア開発支援等が含まれている。ウェブサイトとサービスURLは次の通りである。
https://4designs.co.jp/
https://protean-career.or.jp/company-seminar

  • 4designs導入実績の一部:パナソニック インダストリー株式会社、住友商事株式会社、森永製菓株式会社、株式会社ポーラ、株式会社電通デジタル、出光興産株式会社、株式会社インテージ、株式会社エクサ 他200社以上

まとめと要点整理

本記事はプロティアン・キャリア協会が発表したリリースに基づき、エーザイ株式会社の『Human Capital Report 2025』とその制作背景、YouTube特別インタビューの公開情報、ならびに当協会と協働企業の情報を整理した。取り上げた主要事実は、人的資本を資本として捉える発想、社員参加型プロジェクト『Synergy Wave』、および社内マーケティングによる高い閲覧率(73%)である。

下表はこの記事で取り上げた主要情報を項目ごとに整理したものである。出典や関連URLも明記しているので、詳細は該当リンクで確認できる。

項目 内容
プレスリリース発表日 2025年12月3日 07時00分(一般社団法人プロティアン・キャリア協会)
登壇者 エーザイ株式会社 ピープル&コミュニケーション戦略部 部長・三瓶悠希氏(HCR2025編集責任者)
動画シリーズ 人的資本経営最前線(YouTube) 全3回シリーズ/第1弾公開(エーザイ)
動画URL https://www.youtube.com/watch?v=o7AtP5b4R4U
主な論点 社員参加型プロジェクト『Synergy Wave』、社員をターゲットとした社内マーケティング、人的資本を「資本」として可視化する取り組み
閲覧率(社内指標) 社員の73%がレポートを閲覧
HCR2025本体(PDF) https://www.eisai.co.jp/ir/library/annual/pdf/pdf2025hcr.pdf
協会名・所在地 一般社団法人プロティアン・キャリア協会/東京都新宿区西新宿3-2-9新宿ワシントンホテルビル本館2F
協会代表理事 田中研之輔(法政大学)・有山徹(4designs株式会社 代表取締役CEO)
協会サービス プロティアン・キャリアドック(導入実績:上場企業250社以上) URL: https://protean-career.or.jp/company-seminar
協力会社(認定サービス提供会社) 4designs株式会社(所在地:東京都中央区日本橋茅場町2-12-10 PMO EX日本橋茅場町 H1O日本橋茅場町 311、設立:2019年7月、URL: https://4designs.co.jp/)
その他参考動画 プロティアン・キャリア協会チャンネル内の過去セッション例(カゴメ 有沢正人氏、ロート製薬 髙倉千春氏等)

本稿で示した情報は、リリース本文と公開資料(動画、PDF)を基に整理したものである。関心がある読者は、上記のURLを辿ることで動画視聴やHCR2025本体の確認が可能である。

参考リンク: