AI×XRで実現する「実空間インターネット」──Whitepaper 2.0の要点

Metaverse白書2.0発行

開催日:12月4日

Metaverse白書2.0発行
Metaverse Whitepaper 2.0って何が書かれてるの?
生成AI・空間AI・フィジカルAI・ロボティクス・デジタルツイン・XRの統合を軸に、技術、産業、政策、社会実装、倫理・ガバナンスまで横断的に整理した国内最大級の総括レポートで、ダウンロード可能です。
それっていつ頃から現場で使われるようになるの?
白書は2035年までを3フェーズで整理し、実運用の加速はPhase2(2026〜2030)。製造・建設・物流・医療・防災などで順次デジタルツインやAI×XRが実装されると想定しています。

AIとXRがつなぐ「実空間インターネット」──Metaverse Whitepaper 2.0(2025年版)の要点

一般社団法人Metaverse Japanは、シンクタンク機能であるMetaverse Japan LABより、『Metaverse Whitepaper 2.0(2025年版)』を正式に発行しました。本資料は2023年版の全面改訂版として、生成AI、空間AI、フィジカルAI、ロボティクス、デジタルツイン、XRの統合を軸に、技術から産業、政策、社会実装、倫理・ガバナンスまでを横断的に整理した国内最大級の総括となっています。

発表は2025年12月4日 09時00分に行われ、発表組織は一般社団法人Metaverse Japan(代表理事:長田 新子/馬渕 邦美)です。組織のウェブサイトはhttps://metaverse-japan.orgになります。

  • 発表日:2025年12月4日 09:00
  • 発表者:一般社団法人Metaverse Japan(代表理事:長田 新子/馬渕 邦美)
  • 発行元:Metaverse Japan LAB(シンクタンク)
  • 公開資料:Metaverse Whitepaper 2.0(ダウンロードリンクあり)

核となる技術群とインダストリアルメタバースの実装領域

本書が示す技術的核は、実空間とデジタル空間の双方向同期を実現するための複数の要素技術の統合です。具体的には、Gaussian Splattingによる高精度スキャン、Large Spatial Model/Large Behavior Model、物理エンジン「Genesis」、そして実空間データとAI推論のシームレスな循環といった技術群が挙げられています。

これらの技術は、単独での改良ではなく相互連携によって、リアルとデジタルの境界を再定義する核技術として整理されています。特にAIが実空間をスキャンして理解し、XRがその理解をもとに編集・拡張するという双方向型の社会基盤への進化を主張しています。

インダストリアルメタバースの具体的用途

本書は、実空間とつながる産業領域での実装加速を重視しています。製造、建設、物流、医療、防災において、デジタルツインとAIを活用した運用変革が進行中であり、その事例・期待効果を詳細に整理しています。

  • 工場・建設現場のフルスケールデジタルツイン
  • 遠隔臨場・施工管理
  • 保守・予兆保全
  • 都市デジタルツイン(PLATEAUなどとの連携)
  • ハプティクス×AIによる技能伝承

これらは日本の産業構造、特にものづくりや建設における強みと親和性が高い領域として整理され、具体的な導入シナリオや期待される効果が示されています。

国際動向・ガバナンス・社会変化の段階整理

国際的には主要国や国際機関がメタバース/XR/データ空間を国家戦略として位置づけており、規制や倫理、標準化の争点が国際競争の主戦場となりつつあります。本白書ではOECD、EU、中国、韓国、米国などの動向を整理し、国際協調と政策の重要性を指摘しています。

具体的には、OECDによる人間中心原則と国際協調、EUのWeb4.0戦略と相互運用性、中国の大規模産業育成計画、韓国のメタバース基本法や公共利用拡大といった政策動向がまとめられています。これらの動きは、倫理・標準化・データガバナンスの枠組みづくりと深く関係します。

今後10年の変化を示す「3つのフェーズ」

本書は2035年に向けた時間軸を3つのフェーズに分けて整理しています。各フェーズは技術成熟と社会実装の進行度合いに応じた構造変化を示しています。

  1. Phase1(〜2025):個別メタバース、限定的なデータ連携。現状の断片化した実装が継続。
  2. Phase2(2026〜2030):AI・ロボットと空間データの融合による自律的最適化が進み、運用効率や新たなサービス創出が期待される段階。
  3. Phase3(2031〜2035):都市・産業・社会全体が双方向に変化する常時同期社会へ。AI・ロボティクス・空間技術が一体となり、社会構造にまで変革が波及する段階。

これらのフェーズは、政策立案や投資計画、産学連携のロードマップ作成に利用可能な枠組みとして提示されています。

日本の強み・課題、Metaverse Japan LABの役割と入手方法

白書は日本の強みとして、コンテンツIP、ロボティクス・光学・センサー技術、防災・都市デジタル化の基盤を挙げています。同時に、デジタル人材不足、投資規模の弱さ、国際標準化への関与不足が主要な課題だと指摘しています。

これに対応する提言として、教育改革、標準化戦略、産官学連携、国際協調、データ基盤整備といった実現可能性の高い施策が整理されています。提言は政策、産業界、学術界それぞれに向けた具体的アクションを含みます。

Metaverse Japan LABの組織と参加者

Metaverse Japan LABはメタバース/AI領域の社会実装を促進する産官学横断の知的ハブとして機能します。学術界・産業界・法律・政策・クリエイティブ分野の第一人者が参加しています。

LABラボ長
稲見 昌彦(東京大学 先端科学技術研究センター 教授)
LAB特別顧問
金出 武雄(カーネギーメロン大学 ワイタカー記念全学教授)
LAB顧問
江崎 浩(東京大学大学院 教授/デジタル庁 シニアエキスパート)
Metaverse Japan理事
豊田 啓介(東京大学生産技術研究所 特任教授/建築家)
Metaverse Japan理事
玉城 絵美(H2L Inc. CEO/琉球大学 工学部 教授)
有識者ヒアリング協力
加藤 直人(クラスター株式会社 代表取締役CEO)/さわえ みか(株式会社HIKKY COO/CQO)/河合 健(アンダーソン・毛利・友常法律事務所)/道下 剣志郎(SAKURA法律事務所 代表弁護士)
事務局長(組織)/研究フェロー
櫻井 佑介(FIELD MANAGEMENT STRATEGY Principal)
事務次長(研究)/研究フェロー
小宮 昌人(株式会社d-strategy, inc. 代表取締役CEO/東京国際大学 データサイエンス研究所 特任准教授)
研究フェロー
湯淺 知英(株式会社COMMONGROUND 代表取締役CEO)/仲上 祐斗(SenseDrive株式会社 代表取締役社長)
事務スタッフ
早川 智

組織としては、国内外の標準化団体・業界団体とも協力し、持続可能なデジタル社会の構築を目指す役割を担っています。

入手方法・問い合わせ情報

『Metaverse Whitepaper 2.0(2025年版)』は以下のリンクから閲覧・ダウンロード可能です。要約版PDFや図版素材等は報道関係者向けに個別提供が可能と案内されています。

  • ダウンロード(Googleドキュメント):https://docs.google.com/document/d/1PIrxMUVYWF3f1G5Jb45CVDGgqTCQtfTY/edit
  • 公式サイト:https://metaverse-japan.org
  • お問い合わせ:Email contact@metaverse-japan.org

また、プレスリリース添付資料としてPDFや画像素材が提供されており、プレス向けの図版等は別途入手が可能です。

資料の要点まとめ(データ一覧)

以下に、本記事で扱った『Metaverse Whitepaper 2.0(2025年版)』の主要情報を整理した表を示します。技術項目、対象産業、政策動向、組織情報、入手方法などを一覧化しています。

項目 内容
資料名 Metaverse Whitepaper 2.0(2025年版)
発表組織 一般社団法人Metaverse Japan(Metaverse Japan LAB)
発表日時 2025年12月4日 09:00
代表理事 長田 新子/馬渕 邦美
主要技術 Gaussian Splatting、Large Spatial Model/Large Behavior Model、物理エンジン「Genesis」、実空間データとAI推論の循環、デジタルツイン、XR、ロボティクス、ハプティクス
対象産業 製造、建設、物流、医療、防災、都市運営
国際動向 OECD(人間中心原則)/EU(Web4.0・相互運用性)/中国(産業育成計画)/韓国(メタバース基本法)/米国(関連政策動向)
今後のフェーズ Phase1(〜2025):断片的実装、Phase2(2026〜2030):融合と自律最適化、Phase3(2031〜2035):常時同期社会
日本の強み コンテンツIP、ロボティクス・光学・センサー技術、防災・都市デジタル化基盤
日本の課題 デジタル人材不足、投資規模の弱さ、国際標準化への関与不足
提言 教育改革、標準化戦略、産官学連携、国際協調、データ基盤整備
LAB主要メンバー 稲見 昌彦(ラボ長)、金出 武雄(特別顧問)、江崎 浩(顧問)、豊田 啓介、玉城 絵美、櫻井 佑介、小宮 昌人、湯淺 知英、仲上 祐斗、早川 智、他ヒアリング協力者(加藤 直人、さわえ みか、河合 健、道下 剣志郎)
入手先・問い合わせ ダウンロード:https://docs.google.com/document/d/1PIrxMUVYWF3f1G5Jb45CVDGgqTCQtfTY/edit、公式サイト:https://metaverse-japan.org、Email:contact@metaverse-japan.org
資料種別・カテゴリ・キーワード 調査レポート/経営・コンサルティング、ネットサービス/キーワード:メタバース、ホワイトペーパー、XR、社会課題解決、教育、Vtuber、調査報告、表彰、デジタルツイン

本稿は『Metaverse Whitepaper 2.0(2025年版)』の公開情報を基に、技術面・産業面・政策面・組織体制・入手方法までを整理して伝えた。詳細な図表や要約PDF、図版素材等は報道関係者向けに個別提供が可能とされているため、さらに深掘りが必要な場合は記載の連絡先を通じて問い合わせることで、追加資料を入手できる。以上が本資料の主要な整理となる。

参考リンク: