12/11–12開催 宇陀で大和当帰マーラータンと薬草サウナ

薬草のまち・宇陀と「大和当帰マーラータン」が紡ぐ、新しい医食同源の一杯

奈良県宇陀市の薬草文化と、日本式にアレンジした麻辣湯（マーラータン）が結びつき、地域資源を活かした新メニュー「大和当帰マーラータン」が誕生しました。本稿では、宇陀市と頂マーラータン・おうちでマーラータン株式会社（以下、頂マーラータン社）による共創の経緯、製品の特長、ならびに同メニューが提供されるイベント「宇陀特別共創サウナワークショップ」の内容を整理してお伝えします。

宇陀市は古来より薬草栽培の歴史を持ち、特に「大和当帰（ヤマトトウキ）」は冷えや女性の健康、血の巡りを整える生薬として知られています。頂マーラータン社はこの大和当帰の特性と、中国発祥の薬膳スープ料理である麻辣湯の薬膳性を掛け合わせることで、内外から整うことを目指したメニューを開発しました。

宇陀市の薬草文化と歴史的背景

宇陀市は奈良県東部に位置し、飛鳥時代から薬草と深い関わりを持つ地域です。『日本書紀』には、推古天皇即位19年（西暦611年）に薬狩りが行われた記録が残り、宇陀が薬草採取の歴史を有することが確認できます。

また、宇陀地域からは製薬企業の創設者が輩出され、現存する私設薬草園「森野旧薬園」や「薬の館」など、薬草にまつわる施設も点在します。地域では薬草の栽培・加工・研究・普及を推進する宇陀市薬草協議会が運営され、生産者と自治体、県の農林振興事務所が連携して品質管理や商品開発支援を行っています。

• 宇陀市公式サイト: https://www.city.uda.lg.jp
• 宇陀市公式Instagram: https://www.instagram.com/udacity_official/
• 宇陀市公式X: https://x.com/uda_uppy

「大和当帰マーラータン」の設計と味わいの要点

「大和当帰マーラータン」は、宇陀産の大和当帰を主役に据え、めぐりを整えることや冷え対策を意識したスープ設計が特徴です。和出汁と本格スパイスを組み合わせた和製マーラータンとして、頂マーラータン社ならではの味づくりが行われています。

設計面では、発汗で失われがちなミネラル（マグネシウム、カリウム、ナトリウム）を補給しやすい配合になっており、サウナ後の“夜食のサ飯”としての適性を考慮しています。スパイスの働きで内側から整えると同時に、和出汁の旨味で飲み干したくなる完成度の一杯を目指しています。

素材・製法のこだわり

頂マーラータン社のD2Cブランド「おうちでマーラータン」（https://maratan.tokyo/）は、本店である頂マーラータン新大久保本店の味を家庭向けに冷凍化した製品も展開しています。スープ素材は国産にこだわり、具体的には国産地鶏、徳島県の柚子、鹿児島県のトビウオ（焼きあご）、愛知県の八丁味噌を使用しています。

付属の春雨は奈良県で製造される無漂白のオリジナル麺で、製造ははるさめ発祥の地で長年製造されてきた老舗「戎はるさめ」が手掛けています。春雨はでん粉製でグルテンフリーのため、健康志向やグルテン感受性のある方にも配慮した仕様です。

スープの基礎

挽きたての薬膳スパイス30種類以上と、国産鶏の淡麗鶏汁、鹿児島産焼きあごの和出汁を合わせたWスープ。

春雨

奈良県製造の極太もちもち生はるさめ（戎はるさめ製）。グルテンフリーの特徴あり。

薬草

宇陀市産・大和当帰を中心とした和漢ハーブを使用。

宇陀特別共創サウナワークショップの内容と実施要領

「宇陀特別共創サウナワークショップ」は、SAUNA UNION JAPAN（S.U.N.）が主催し、宇陀市薬草協議会や地域事業者と連携して実施されます。開催日は令和7年（2025年）12月11日（木）・12日（金）で、会場は大宇陀温泉あきののゆ、奈良カエデの郷ひらら、薬湯の宿 やたきやです。

本ワークショップは「薬草文化の理解促進」「宇陀独自のサウナ文化の創造」「持続可能な地域活性化の実現」を三つの目標に掲げ、収穫体験・講演・アウフグースなど実践的なプログラムを通じて地域資源の活用方法を検討します。問い合わせ先はAMATERASU奈良（090-8987-6894）です。

プログラム詳細（両日）

1日目（宇陀の恵みを感じる日）には、薬草収穫と入浴剤作り、特別講演「薬草サウナと地域活性化」、男性限定の薬草アウフグース、宇陀薬膳ディナー＆交流会、ナイトワークショップが予定されています。

2日目（未来を共創する日）では、朝のマインドフルネス瞑想、養生朝食（サ飯）、地域共創ワークショップ、女性限定アウフグース、道の駅での特産品購入と解散が組まれています。サウナ体験には宇陀産の薬草を用いたテントサウナが含まれます。

• 主催: SAUNA UNION JAPAN（S.U.N.）
• 協力団体: 宇陀市薬草協議会、やたきや、奈良カエデの郷ひらら、大宇陀温泉あきののゆ、ウェルネスフーズUDA、サミットマネジメント合同会社、AMATERASU奈良
• 開催日: 令和7年12月11日（木）・12日（金）
• 場所: 大宇陀温泉あきののゆ、奈良カエデの郷ひらら、薬湯の宿 やたきや
• 問い合わせ: AMATERASU奈良 090-8987-6894

登壇・参加ゲスト

特別ゲストとして笹野美紀恵（『しきじ』運営）、スター諸星（熱波師）、よっぴー（オールドルーキーサウナGM）が参加します。笹野氏は薬草サウナの効能と地域活性化について講演し、スター諸星氏は宇陀の薬草を用いた特別アウフグースを提供します。よっぴー氏は地域とサウナ文化の関係性について話題提供を行います。

参加者は地域住民、自治体関係者、地元起業家などが一堂に会し、サウナ後の解放された状態でアイデアを出し合い、薬草×サウナをテーマにした持続可能な地域施策を共創することが目的です。

頂マーラータン社の事業構造とサステナビリティへの取り組み

頂マーラータン社はネクスター株式会社のグループ会社として、B2C（D2Cブランド「おうちでマーラータン」）とB2B（小売・温浴施設・宿泊施設向け卸売）、COS（直営店舗）・FC展開を通じて川上から川下まで一貫した流通と販売を目指しています。グループの持株会社はネクスターブランドゥホールディングス株式会社です。

ビジョンは「日本式・和製マーラータンを令和の新名物とし、日本食文化の新しい柱へ」、ミッションは「マーラータンを日本の食文化の一つとして確立し、代表格に育て上げる」と定義されています。行動基準として6つのValueを提示しており、ブランドメッセージは「Delicious & Beauty Komachi（美味しく、美しく。）」です。

1. Delicious & Beauty Komachi — 薬膳ベースで美味しく美しく。
2. Next Innovation — 本場の文化を尊重しつつ日本的進化を進める。
3. Cultural Legacy — 和製マーラータンを令和の新名物に。
4. Sustainability — フードロス削減・地域食材活用。
5. Cool Japan — 世界に和製マーラータンを広げる。
6. Community & Experience — サ飯など体験価値を創造する。

同社はSDGsの文脈を踏まえ、食品ロス削減にとどまらず「再生のデザイン（Design for Regeneration）」やリジェネラティブの思想を掲げ、地産地消や地域の循環を強く意識した事業展開を進めています。具体的には家庭の余り食材を薬膳スープに再生する取り組みや、地域の生産者と連携したローカルなマーラータンの展開が挙げられます。

企業情報（要点）

持株会社名: ネクスターブランドゥホールディングス株式会社（英語表記: Nexter Inc.｜Nexter bran-do Holdings）

事業会社名: 頂マーラータン・おうちでマーラータン株式会社。本社: 東京都新宿区大久保3-8-3 住友不動産新宿ガーデンタワー LaTour Shinjuku Garden 29F。代表者: 代表取締役社長 CEO 細田悠巨。共同代表取締役: 細田悠巨、齋藤悠。取締役: 二瓶寛史、宮田隆啓。スタッフ数: 42名（グループ合計・業務委託、アルバイト含む）。資本金: 1億2,428万4,842円（グループ合計・資本準備金含む）。公式HP: https://nexter.tokyo/

D2Cブランド「おうちでマーラータン」公式: https://maratan.tokyo/ 公式SNS: Instagram、X

まとめ — 記事の要点整理

本稿では、奈良県宇陀市の薬草文化と頂マーラータン社が共創した「大和当帰マーラータン」、およびその提供の場となる「宇陀特別共創サウナワークショップ」について取りまとめました。以下の表は主要な情報を整理したものです。記事末尾の表は事実関係の確認や参加検討の際の参照用として活用できます。

上記は、本稿で取り上げた事実関係の要点を整理したものであり、宇陀市の薬草資源と和製マーラータンの結びつき、ならびに地域との共創を通じた持続可能な展開の意図が具体的に示されています。イベントへの参加や製品への関心がある場合は、主催・協力団体および各公式サイトの情報を参照してください。