書泉・芳林堂が選ぶ2025年ベストセラーまとめ

書泉2025年ベスト発表

開催日:12月5日

書泉2025年ベスト発表
どの本が1位になったの?
総合1位は復刊された『ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団』。ポケモン誕生の現場を描いた一冊で、書泉だけで約5,000冊売れた注目作です。
書泉のランキングの特徴って何?
復刊企画や同人誌的な出版、鉄道・数学・占い・プロレスなどコアジャンルの支持、限定商品やイベント連動で他店と異なる独自路線が目立ちます。

書泉・芳林堂書店がまとめた2025年の独自ベストセラー発表

株式会社アニメイトホールディングスが配信したリリース(発表日時:2025年12月5日 12時00分)によると、都内で「書泉」「芳林堂書店」を展開する株式会社書泉が、2024年12月1日から2025年11月30日までを集計期間として独自のベストセラーランキングを取りまとめました。

書泉・芳林堂書店のランキングは「趣味の本屋」「アタマオカシイ本屋」としての独自路線を打ち出しており、他社の全国ランキングとは異なる特徴的なラインナップになっています。今回は総合ランキングのほか、力を入れているジャンルのベスト5を9分野にわたって発表しています。

集計範囲、対象商品、オンライン販売を含めた販売状況などは書泉独自の方法で行われています。

2025年書泉ベストセラーは、『ポケットモンスター』誕生のひみつを描いたあの本!~書泉・芳林堂書店の2025年ベストセラーのお知らせ~ 画像 2

総合ランキングの顔ぶれと販売数ランキングの傾向

総合売上ランキングの1位には、復刊企画で再登場した『ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団』(とみさわ昭仁+太田出版)が選ばれました。ポケットモンスターが誕生した当時の現場の雰囲気やエピソードが生き生きと描かれており、書泉単独でも約5,000冊を販売したことが明記されています。全国でも流通しているタイトルのため、ゲーム制作に興味のある中高生にも勧められる一冊として紹介されています。

2位は『忍たま乱太郎 アニメーション設定画集』で、映画の人気と連動して書泉オンラインを中心に売れ行きが伸びたこと、3位は同人誌形式でまとめられた『エルフ史 上中下 3冊セット』、4位は太田出版との復刊企画『マンアフターマン 未来の人類学 re-edition』でした。

5位の誌名はリリース本文では提示されていませんが、6位・7位・9位については書泉らしい特徴として「鉄道ジャンル」からの書籍が並んだことが報告されています。8位には復刊企画の『フィフス』、10位は飛鳥部勝則さんの新作『抹殺ゴスゴッズ』が入りました。『フィフス』は過去の短編をシリーズ化し書き下ろしを含む構成で、書泉としては初の同人誌出版として位置づけられています。『抹殺ゴスゴッズ』は15年ぶりの書き下ろし新作として話題になりました。

2025年書泉ベストセラーは、『ポケットモンスター』誕生のひみつを描いたあの本!~書泉・芳林堂書店の2025年ベストセラーのお知らせ~ 画像 3

総合販売数ベスト10の特徴

金額ではなく「販売冊数」で集計したランキングでは、世界的に人気のコミックの完結巻が上位に入りました。具体的には『呪術廻戦』と『僕のヒーローアカデミア』のそれぞれ最終巻がランクインしています。

冊数ベースのランキングでは、復刊企画が上位を占める傾向も見られ、弊社独占復刊企画の『ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団』と『フィフス』が2位・3位に入り、さらに『マンアフターマン 未来の人類学 re-edition』が8位に入るなど、10冊中3冊が復刊企画となりました。

また「鉄道の書泉」ならではの特色として『貨物時刻表』『東武時刻表』が今年も販売数ランキングのトップ10入りを果たしており、2023年から3年連続の入選となっています。書泉・芳林堂書店では一般的な書店ではランク入りしにくい商品が上位に入る傾向が継続しています。

2025年書泉ベストセラーは、『ポケットモンスター』誕生のひみつを描いたあの本!~書泉・芳林堂書店の2025年ベストセラーのお知らせ~ 画像 4

文芸・文庫と9ジャンル別ベスト5の詳細

年間ランキングの中では文芸書や文庫の集計も行われ、両部門を飛鳥部勝則さんが制するという結果になりました。リリースでは文芸・文庫リスト全体の約70%を同一作家の作品が占める異様な構成であると指摘しています。

文芸・文庫関連で特に触れられたタイトルとして、芳林堂書店限定復刊の『アマチャ・ズルチャ』、書泉の人気タイトル『図説アポカリプスホテル運営記録』、そして広く売れた『国宝』の存在が挙げられています。

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数学/プロレス/コンピュータ:現代の関心を反映した分野

数学書ベスト5では、講談社ブルーバックスから10月発売の加藤文元先生著『はじめての圏論』が1位となり、大きな反響を呼びました。ブルーバックスに圏論書がなかったことも注目点として挙げられています。2位は甘利俊一先生の『脳・心・人工知能 増補版』で、昨年に続き1・2位を著者らが占める結果になっています。

プロレス書籍ベスト5の1位は、なつぽい選手のデビュー10周年記念本『29/30』。関連イベントやフェアも好評で、年末から秋葉原で開催予定のUWF記念展など、プロレス関連の書籍や催しが活況を呈しています。

コンピュータ書ベスト5では人工知能関連書が数多く登場しました。1位は『LLMのプロンプトエンジニアリング』で、LLM(大規模言語モデル)関連のタイトル群が注目を集めています。『改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』(仙塲大也氏の選書フェアが好評)や『Tidy First?』など、ソフトウェア設計やコード改善を扱う書籍の人気も確認されています。情報処理技術者試験の対策書も上位に食い込んでいます。

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鉄道/コミック/ラノベ新文芸:コアな支持層が動かす売れ筋

鉄道関連ベスト5は、永久保存版と呼べる良質な鉄道書が目立つ一年でした。特に5位の『鉄道写真 広田尚敬』は、広田尚敬氏の集大成的写真集として鉄道ファンに強く支持されたと紹介されています。書泉側は多くの書架に残しておきたい一冊として推奨しています。

コミックベスト5では、『呪術廻戦』や『僕のヒーローアカデミア』など人気作の完結巻や、『よつばと』の4年ぶり新刊などが書泉でも売上を伸ばしました。一方で『きょうのアンナ・コムネナ』『完本青い車特別版』など、まだ広く知られていないが書泉で数字を伸ばした作品も確認されています。

ラノベ・新文芸ベスト5の1位は芳林堂書店の限定復刊となった『紫色のクオリア』で、限定復刊10冊のうちの1つとして早期完売しました。2位はコミカライズが好評な『公爵様、悪妻の私はもう放っておいてください』、3位は『恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。7』、4位は『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する 短編集』といったラインナップです。関連の告知として、雨川透子氏の作品と合同で2026年1月9日から書泉ブックタワーでPOP UP SHOPが開催される予定が明記されています。

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占い/アイドル写真集/中世ヨーロッパ:特色あるカテゴリの動向

占いベスト5では、書泉限定販売の商品『まいどおおきに!大阪弁タロット』が1位に入りました。ページを開くとユーモアある大阪弁のメッセージが得られるだけでなく、タロットや大阪弁の基礎の一部も学べる構成になっており、限定商品の強さを示しています。2位と5位の結果からは2025年が“予言”に注目が集まった年であったことがうかがえます。3位には鏡リュウジ氏(発案)ほか5名による6つの技法を収録した独自性の高いタロット本、4位は真木あかり氏とアイビー茜氏による共感を呼んだZINEがランクインしました。

アイドル・写真集ベスト5はイベント開催作品が上位に並びました。瀬戸環奈氏は1st・2nd写真集が同時にランクインし、1stイベントは即完売、2ndは上限を増加して1位となりました。OCTPATHの1st写真集や川瀬もえ氏、田口愛佳氏のイベントも多数の来場者を集めています。

中世ヨーロッパベスト5では、中世のパン文化を扱った研究書が1位を獲得しました。西洋中世唯一の女性歴史家であるビザンツ皇女を描いたコミック『アンナ・コムネナ』の最終巻が発行され、公式同人誌が2位に入るなど、1位から4位までが書泉での復刊・限定販売に絡むラインナップとなりました。

2025年書泉ベストセラーは、『ポケットモンスター』誕生のひみつを描いたあの本!~書泉・芳林堂書店の2025年ベストセラーのお知らせ~ 画像 8

店舗情報・オンライン販売とまとめ表

書泉・芳林堂書店は幅広いジャンルに特化した書店運営を行っています。企業概要では「書泉」「芳林堂書店」の2屋号で「鉄道」「アイドル」「プロレス」をはじめ「数学」「占い」など多岐にわたるジャンルの本・雑貨を深く扱い、著者にまつわるイベントも多数実施していることが明記されています。オンラインショップでもランキング掲載作品の多くが購入可能ですが、一部は完売となることがあります。

以下に本文で触れた主要事項を整理した表を示します。

項目 内容(本文記載のまま)
発表社・日時 株式会社アニメイトホールディングス 配信/2025年12月5日 12:00
集計期間 2024年12月1日~2025年11月30日
総合売上1位 『ゲームフリーク 遊びの世界標準を塗り替えるクリエイティブ集団』(復刊) 書泉単独約5,000冊販売
総合売上2位~4位、8位、10位など 2位『忍たま乱太郎 アニメーション設定画集』、3位『エルフ史 上中下 3冊セット』、4位『マンアフターマン 未来の人類学 re-edition』、8位『フィフス』、10位『抹殺ゴスゴッズ』
総合売上6・7・9位の特徴 いずれも鉄道ジャンルからの書籍(順位別の個別書名は本文で未記載)
冊数ベース上位の特徴 『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』最終巻がランクイン。復刊企画が複数上位に入る。『貨物時刻表』『東武時刻表』が3年連続でトップ10入り。
文芸・文庫の傾向 飛鳥部勝則さんが両部門を席巻。『アマチャ・ズルチャ』(芳林堂限定復刊)、『図説アポカリプスホテル運営記録』(書泉人気)、『国宝』が言及。
数学分野の注目作 1位『はじめての圏論』(講談社ブルーバックス)、2位『脳・心・人工知能 増補版』
プロレス分野の注目作 1位『29/30』(なつぽい選手 デビュー10周年記念本)/秋葉原でUWF記念展予定
コンピュータ分野の注目作 1位『LLMのプロンプトエンジニアリング』、『改訂新版 良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』『Tidy First?』等
その他の特色 占いでは書泉限定の『まいどおおきに!大阪弁タロット』が1位。アイドル写真集はイベント連動で上位に。中世ヨーロッパは復刊や限定販売中心の順位。
主要店舗・オンライン
書泉グランデ
東京都千代田区神田神保町1-3-2 / 03-3295-0011 / 11:00~20:00 / https://www.shosen.co.jp/grande/
書泉ブックタワー
東京都千代田区神田佐久間町1-11-1 / 03-5296-0051 / 11:00~20:00 / https://www.shosen.co.jp/tower/
芳林堂書店高田馬場店
東京都新宿区高田馬場1-26-5 FIビル3F / 03-3208-0241 / 月~土 11:00~21:00、日祝 11:00~20:00 / https://www.horindo.co.jp/shop/
書泉オンライン
https://shosen.tokyo/
会社URL https://www.shosen.co.jp/

リリース本文に基づき、書泉・芳林堂書店の2025年ベストセラーは、復刊企画の成功、特化ジャンル(鉄道・数学・占い・プロレス等)への根強い支持、イベント連動で動く写真集市場など複数の傾向が確認できます。オンライン・実店舗の両チャネルを通じて、限定復刊や同人誌的企画が上位に顔を出す特徴も明確でした。

参考リンク: