98%が必要と回答 エン転職のビジネスマナー意識調査
ベストカレンダー編集部
2025年12月7日 16:46
ビジネスマナー調査結果
開催期間:9月1日〜9月30日
ビジネスマナーは必要か ― 98%が「必要」と回答した背景
エン株式会社が運営する総合転職サイト『エン転職』上のユーザーを対象に行なわれた「ビジネスマナー」に関する意識調査(有効回答数:1,435名、調査期間:2025年9月1日〜9月30日)では、98%が「ビジネスマナーは必要」と回答しました(「必要」74%、「どちらかと言えば必要」24%)。年代別では20代、30代、40代以上いずれも98%と大きな差は見られませんでした。
「必要」と回答した方に理由を尋ねると、上位は「相手に敬意を示し、信頼関係を築くため」(77%)と「円滑なコミュニケーションを図るため」(68%)でした。さらに、ビジネスマナーの中で“重要”だと思うもののトップ3は「挨拶」(85%)、「言葉遣い(敬語)」(82%)、「報告・連絡・相談(報連相)」(76%)でした。
重要と考えられるビジネスマナーとその理由
調査では、各項目について回答者による具体的な理由やエピソードが紹介されています。各項目ごとの代表的な声は以下の通りです。
- 挨拶
- “挨拶は知識や経験が不要で、やろうという気持ちだけでできるものだから。(20代女性)”
- “挨拶できないことが失礼なことだと分かっていないのはまずい。(30代女性)”
- “その人の印象は初対面の挨拶でほとんど決まると思う。(40代男性)”
- 言葉遣い(敬語)
- “敬語ができていない相手に対して『この人と一緒に仕事をして大丈夫なのか』と不安になったことがあるため。(20代女性)”
- “周囲で言葉遣いの誤りを指摘された人がいて、正しい言葉遣いの重要性を実感した。(30代男性)”
- “言葉遣いは対面だけでなく、文面にも気をつけておかないと誤解を招く恐れがある。(40代男性)”
- 報告・連絡・相談(報連相)
- “仕事は1人で判断したら失敗するから。(20代女性)”
- “部下からの完了報告がなかったり、業務理解が不十分なまま作業を進められたりしたことで、その後のリカバリーに大変な思いをしたことがあるため。(30代女性)”
- “こまめな報連相を行なうことで信頼関係が築けるため。(50代男性)”
- 服装・身だしなみ
- “TPOに合わせた服装でないと、仕事ができない人なのではないかと不安視されると思う。(30代女性)”
- “第一印象が人の印象の7割を決めると聞いたことがある。挨拶や言葉遣いが丁寧でも身だしなみに気になる点があればそこから第一印象を覆すのは難しいと思う。(40代女性)”
- “相手が信頼できる人かどうかは、まず見た目で判断するから。周囲からどのように見られているかに配慮できない人は、仕事面でも不安になる。(50代女性)”
- 電話・メール対応
- “相手に伝わりやすく簡潔で丁寧な対応を意識している。(20代女性)”
- “意図していなくても失礼と受け取られてトラブルになるケースもあるので、特に社外の連絡は注意が必要。(40代男性)”
- “メールについては、ひな形を使用することから始めるしかない。誰でも最初から知っているわけではないので、会社に学べる環境があるかも重要。(50代女性)”
一方で「ビジネスマナーはあまり必要ではない」「必要ではない」とした回答者も存在し、その理由としては「形式的なルールが多い」(50%)や「マナーを守ることがストレスになる」(46%)、「マナーを重視することで逆にコミュニケーションが取りづらくなる」(43%)などが挙げられました。特に不要だと感じるものは「上座・下座(会議室・エレベーター・タクシーなど)」(56%)が最多でした。
不要だと回答した方の具体例としては以下の声がありました。
- “仕事の服装は、半ズボンなどでなければスーツである必要性はないと思う。上座・下座についてはマナーとして存在する意味もわかっていない。(20代男性)”
- “社外には必要だが、社内ではよけいな軋轢を生みかねないと思う。(30代男性)”
- “相手への敬意を示すことより形式的に行なうことのほうが重視されてしまい、ビジネスマナー自体が形骸化していると思う。(40代女性)”
指摘を受けた経験と、ビジネスマナーとして気になる周囲の行動
調査では、5人に1人(22%)が社内外の人からビジネスマナーについて指摘を受けた経験があると回答しました。指摘を受けた内容で最も多かったのは「言葉遣い(敬語)」で42%。年代別では若年層ほど言葉遣いの指摘経験が多く、20代で52%、30代で45%、40代以上で39%と差が見られました。
また、服装・身だしなみに関する指摘は年代が高いほど多く(20代:17%、30代:24%、40代以上:28%)、職場での指摘内容にも世代差が出ています。
指摘を受けた具体的なエピソード
次に、指摘を受けた際の具体的なエピソードが挙げられています。以下は回答の一部を抜粋して整理したものです。
- 言葉遣い(敬語)
- 方言が抜けず標準語に直すよう指導を受けた。(30代女性)
- 付き合いの長いお客様に対して砕けた会話をしていた際、周囲からすると印象が良くないと指摘を受けた。(40代男性)
- 別部署の方と電話をしていた際、私の受け答えが軽く感じられたようで「私はあなたの友だちではない」と指摘を受けた。(50代女性)
- 報告・連絡・相談(報連相)
- 他部署と進めている仕事の進捗をタイムリーに報告するよう指摘された。(30代女性)
- 報告は結論から言うよう元上司から指摘を受けた。(40代男性)
- 社会人になりたての頃は特に報告がないことでよく怒られていた。(40代男性)
- 電話・メール対応
- お客様とのメールはこちらからの返信で終わりにするよう指摘された。(20代女性)
- 部内のメールで上司に対し顔文字を使用して指摘された。(40代男性)
- 夜遅い時間帯のメールについて、翌日で大丈夫ですと苦言を言われた。(50代男性)
周囲の行動で気になる点と、日常で気をつけていること・学習法
周囲の行動で、ビジネスマナーとして特に気になるもののトップは「深夜や早朝などにメールやチャットを送る」(55%)でした。次いで「社外の人に対して、上司や先輩を呼び捨てにせず“さん付け”で呼ぶ」(45%)、「メールやチャットツールでフランクな表現を使用する(!、…、笑 など)」(41%)が続きました。
一方で「普段ビジネスマナーとして気をつけている行動」のトップは「社外の人に対して、上司や先輩を呼び捨てにする(「さん付け」で呼ばない)」(59%)でした。年代別では20代のみ「深夜や早朝などにメールやチャットを送らない」(65%)が最多となる特徴が見られました。
行動ごとの気をつける理由と、気をつけていない理由
調査では各行動について、気をつけるようになったきっかけや、あえて気をつけていない理由も具体的に挙げられています。以下に項目ごとに整理します。
- 社外の人に対して上司や先輩を呼び捨てにする(「さん付け」で呼ばない)
- 気をつけている理由・きっかけ:社外の人に対して上司や先輩を呼び捨てにしないと変な感じがする。(30代男性)、呼び捨ては苦手なので“さん”を付けてしまうが、上司から注意を受けて直した。(40代女性)
- 気をつけていない理由:社外の人に対して上司を呼び捨てにするのは、今の時代やってない会社も多い気がするので時代遅れのように感じる。(30代女性)
- 深夜や早朝などにメールやチャットを送らない
- 気をつけている理由・きっかけ:実家で仕事していた際に親に指摘され送信時間に配慮をするようになった(20代女性)、ワークライフバランスに影響するため控えている(30代女性)、私生活に割り込む可能性があるため(30代男性)
- メールやチャットツールでフランクな表現を使用しない(!、…、笑 など)
- 気をつけている理由・きっかけ:友達ではないので“!”などは使わないようにしている(20代男性)、社外に対してはビジネスライクな表現でやり取りしている(30代女性)、社外からのフランクな表現の体験から自分は避けている(50代女性)
- 打合せや会食時に上座下座の位置を守る
- 気をつけている理由・きっかけ:ビジネスマナーのセミナーで恥をかいた経験から気をつけるようになった(40代女性)
- 気をつけていない理由:上座下座はどうでもいい、わからない(20代男性)、普段の関係性が重要で上座も下座も関係ない(40代女性)
- ノータイ、Tシャツ着用、スニーカーなどカジュアルな服装で他社訪問をしない
- 気をつけている理由・きっかけ:身だしなみで印象が変わるため服装は気をつけている(30代男性)
- 気をつけていない理由:清潔であれば何でもよい(40代女性)、カジュアルは時代に合っている(50代女性)
- 会議中のメモはスマホではなくノートとペンで取る
- 気をつけている理由・きっかけ:周囲でスマホでのメモをNGとする人が多そうなのでノートとペンで取っている(20代男性)、スマホを見ていると勘違いされる社員がいたため(40代女性)
- 気をつけていない理由:早く綺麗に取れて社内共有でも便利なのでパソコンで取っている(30代女性)
- オンライン会議中はカメラをオンにして参加する
- 気をつけている理由・きっかけ:会話においてお互いの表情は大事(40代女性)、人数によってオンオフを切り替える(50代男性)
- 気をつけていない理由:社内ルールでカメラオフが通常のため特に気にしていない(50代女性)
ビジネスマナーの学び方
ビジネスマナーの習得方法については、最多が「上司・先輩から教わった」(46%)でした。自己学習の傾向は世代間で差があり、若手ほどインターネット(YouTube・SNSなど)を活用する傾向が高く、20代:23%、30代:24%、40代以上:14%。一方で書籍を用いた学習は年代が上がるほど割合が高く、20代:5%、30代:11%、40代以上:14%と世代による学習スタイルの違いが明らかになりました。
その他の学びの事例としては、家族(両親や祖父母)、学生時代の講義、印象の良い方の所作を真似るといった回答が挙がっています。
調査の詳細情報と要点の一覧表
本章では調査概要や主要な結果を整理した表を示します。主要な数値、期間、対象、ならびに『エン転職』のサービス情報や広報連絡先も含めています。
表は本文で触れた各項目を分かりやすくまとめたもので、調査の要点確認に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名称 | 『エン転職』ユーザーアンケート「ビジネスマナー」に関する意識調査 |
| 実施会社 | エン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:越智通勝) |
| 調査方法 | インターネットによるアンケート(『エン転職』ユーザーを対象) |
| 調査期間 | 2025年9月1日~9月30日 |
| 有効回答数 | 1,435名 |
| 「ビジネスマナーは必要」と回答した割合 | 98%(必要:74%、どちらかと言えば必要:24%) |
| 「必要」と回答した理由(上位) | 相手に敬意を示し信頼関係を築くため(77%)、円滑なコミュニケーションを図るため(68%) |
| “重要”と思うマナー(トップ3) | 挨拶(85%)、言葉遣い(敬語)(82%)、報告・連絡・相談(76%) |
| 指摘を受けた経験 | 5人に1人(22%)が指摘を受けた経験あり。指摘内容の最多は言葉遣い(42%) |
| ビジネスマナーとして気になる周囲の行動(上位) | 深夜や早朝の連絡(55%)、社外での呼称(さん付け)(45%)、フランクな表現(41%) |
| 普段気をつけている行動(最多) | 社外の人に対して上司や先輩を呼び捨てにしない(59%) |
| ビジネスマナーの学習方法(最多) | 上司・先輩から教わった(46%)。世代差:若年層はインターネット、上年層は書籍利用が目立つ |
| サイト情報・実績 | 『エン転職』:会員数1000万人超。 オリコン顧客満足度調査「転職サイト」ランキング総合1位(2018年〜2025年、8年連続) |
| プレスリリース・ダウンロード | d725-1107-cc1a8d43a2708075f6040abe3482e24e.pdf(プレスリリース ダウンロード) |
| 広報連絡先 | エン株式会社 広報担当 TEL:03-3342-6590 E-mail: en-press@en-japan.com |
上の表は本調査の主要なデータと要点を整理したものです。調査結果は、ビジネスマナーをめぐる考え方や日常の実践、世代間の差異、学びの方法など多面的な示唆を含んでいます。調査の詳細(図1〜図10の図表や回答の内訳、自由回答の全文など)は、エン株式会社の公開資料や当該プレスリリースのダウンロード資料で確認できます。
本稿は『エン転職』の2025年9月実施のユーザーアンケートを基に、回答の内容と具体的なエピソードを整理・引用してまとめた報告です。調査結果の解釈や活用にあたっては、元データや公開資料の確認を踏まえていただくことを推奨します。