QommonsAI、LGWAN接続料を2026年4月から無償化

LGWAN接続料の無償化

開催日:4月1日

LGWAN接続料の無償化
LGWAN接続料の無償化って誰が対象で、いつから適用されるの?
QommonsAIをLGWAN上で利用する場合が対象で、各自治体ごとに1,000人までインターネットと同条件で無料です。適用開始は2026年4月からで、発表は2025年12月8日です。
自治体は何を準備すれば無償提供の恩恵を受けられるの?
接続自体は無償化されますが、自治体側は認証・権限管理や利用体制、職員研修や導入計画の整備が必要です。利用上限を踏まえた配分や運用ルール作りも求められます。

Polimillが示した「LGWAN接続料の無償化」――QommonsAIの提供条件と発表の全容

行政用生成AIとして導入実績を持つQommonsAI(コモンズAI)に関して、Polimill株式会社は2025年12月8日付の発表で、LGWAN(総合行政ネットワーク)環境での利用時に発生する「LGWAN接続料」を無償化すると公表した。発表は同日付のプレスリリース(ポリミル)で行われており、企業側の調査で全国約600の自治体に導入され、行政領域でのシェアがNo.1であるとされている(※当社調べ)。

発表の要点は、QommonsAIをLGWAN上で利用しても、インターネット接続と同じ条件で各自治体につき1,000人まで無料で利用でき、LGWAN接続料は発生しないという点である。実施時期は発表により示され、2026年4月からの適用が明記されている。以下では、発表の背景、政策的・技術的文脈、自治体にもたらす具体的な影響などを整理する。

政策とネットワーク再設計の潮流が示す意味

Polimillは発表文で、国が目指す「公共OS×AI時代」のアーキテクチャを民間主導で実証的に先取りすると位置付けている。政府は2030年頃をめどにネットワーク再設計を議論しており、その過程で「三層分離」から「ゼロトラスト」への移行方針が示されている。

この方針転換は、「どの回線から入るか」よりも「誰が・何に・どうアクセスするか」を重視する方向を意味する。Polimillの無償化方針は、従来の「回線やセグメントごとに料金を積み上げる」モデルではなく、行政が手にする知能(AI)の価値にのみ対価を支払うという考え方への転換を先行して実装する試みと説明されている。

ネットワーク政策の変遷とQommonsAIの位置づけ

政府が示すネットワーク再設計の方向性は、行政システムのセキュリティ設計や運用形態を変える要素を含む。三層分離は従来、内部・準内部・外部の境界を分けてアクセス管理を行ってきたが、ゼロトラストは境界を前提とせず個々のアクセス権や認証をより厳密に管理する。

QommonsAIの無償提供はこうした変化を前提に、回線区分に基づく課金ロジックを薄める方向性を示唆しており、将来的な「LGWAN後」の環境に対する民間の対応モデルの一つとして注目される。

自治体の予算運用に与える具体的な影響

発表では、接続のための費用を削減することにより、自治体が従来は「守り」目的で使っていた予算を、住民サービスなどの「攻め」領域、すなわち成果(アウトカム)を生み出す分野へ再配分できる点が強調されている。以下に示されている再配分の例は、発表内容をそのまま具体化したものである。

Polimillは、接続料を無償化することにより自治体が以下のような投資を行えるようになると示している。これらはいずれも行政DXの実効性を高めるための投資先だと説明されている。

  • 職員向けの生成AI活用研修やプロンプトエンジニアリングの習得
  • 窓口・相談業務の質的向上など、住民サービスへの直接的な還元
  • EBPM(証拠に基づく政策立案)など、高度な行政課題解決への投資

想定される運用上のポイント

無償化は「LGWAN接続料をゼロにする」という明確な条件を示す一方で、適用範囲や運用の実務面では自治体側での利用体制整備や認証・権限管理が求められる。Polimill側の発表は、インターネット接続と同条件で提供する旨を示しており、自治体ごとの利用者上限は1,000人という数値が設定されている。

この利用上限は、各自治体内でのサービス展開の計画や職員数に応じた導入設計に影響するため、自治体は利用範囲の優先順位付けや研修計画などを検討する必要がある。いわゆる「回線課金」の存在がもたらしていた予算的制約は解消される一方で、人的資源や運用体制の整備が新たな課題となる可能性がある。

QommonsAIの機能と導入実績、企業情報

QommonsAIは行政向けの生成AIサービスとして開発され、Polimillによれば全国約600自治体への導入実績がある。企業側の公表では行政シェアがNo.1(同社調べ)とされている点が強調されている。

Polimill株式会社の本社所在地は東京都港区、代表取締役は伊藤あやめ氏と谷口野乃花氏の両名が記載されている。プレスリリースの公表日時は2025年12月8日 00時00分である。

製品名
QommonsAI(コモンズAI)
提供企業
Polimill株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:伊藤あやめ/谷口野乃花)
導入実績
全国約600の自治体(同社調べ)
発表日時
2025年12月8日 00時00分
適用開始
2026年4月からLGWAN環境でもインターネットと同条件で無料提供

製品の詳細や問い合わせ先は、提供元が案内するWebページに記載されている。関連リンクは公式の紹介ページである:https://info.qommons.ai/

発表内容の要点を整理した表

以下の表は、本プレスリリースで示された主要事項を分かりやすく整理したものだ。数値や時期、適用範囲などを明示している。

項目 内容
発表日 2025年12月8日 00:00
発表者 Polimill株式会社(代表取締役:伊藤あやめ/谷口野乃花)
対象製品 QommonsAI(コモンズAI)
導入実績 全国約600の自治体(同社調べ)
LGWAN接続料 無償(2026年4月から、インターネットと同条件)
利用上限 各自治体につき1,000人まで無料で利用可能
想定される効果 接続料の削減により、研修・業務改善・EBPMなどの成果創出領域へ予算再配分が可能
関連URL https://info.qommons.ai/

本記事では、Polimillによるプレスリリースの全文に基づき、発表の背景や具体的な影響を整理した。LGWANとインターネットの利用条件を同じにするという方針は、ネットワークの在り方に関する国の議論や行政DXの予算運用に直結するため、各自治体の導入検討や運用設計において重要な判断材料となる。

参考リンク: