三菱電機、Linux Foundationのゴールド昇格で貢献強化
ベストカレンダー編集部
2025年12月8日 13:05
三菱電機ゴールド昇格
開催期間:12月8日〜12月10日
三菱電機がLinux Foundationのゴールドメンバーへ昇格 — オープンソース貢献を次の段階へ
2025年12月8日付で発表されたプレスリリースによると、三菱電機株式会社は既存のシルバーメンバーからLinux Foundationのゴールドメンバーへとアップグレードしました。この発表は東京で開催されたOpen Source Summit Japanの場で公式に行われ、同社のオープンソース/インナーソースへの一層の関与と、ソフトウェア開発における影響力の強化が示されました。
発表はLinux Foundation Japan経由で行われ、配信時刻は2025年12月8日 09時00分と明記されています。三菱電機は長年にわたり幅広い製品ラインを持つ企業であり、今回のメンバーシップアップグレードは同社のオープンソース活動をグローバルなエコシステムとより密接に結びつける動きとして位置づけられます。
発表に含まれる基本事項
プレスリリース本文には、三菱電機がオープンソースとインナーソースを「イノベーションのツインエンジン」として位置づけ、開発能力とコラボレーションの強化を目指す旨が記載されています。また、同社エンジニアによる主要プロジェクトへの貢献(例:PyTorch)や、社内体制の整備もアップグレードの背景として説明されています。
発表文は東京発の表記(2025年12月8日 東京発)を含み、Linux Foundationの声明や三菱電機側のコメント、過去の活動実績、今後のイベント参加予定などが網羅的に記載されています。
社内外で進める具体的な取り組み — Serendie と専任部門の設置
三菱電機は2024年11月にUI/UXデザイン・開発フレームワークとしてSerendie® Design Systemを公開しており、これをはじめとする独自のオープンソースプロジェクトを展開しています。Serendieは三菱電機の登録商標であることもプレスリリースで明記されています。
さらに、三菱電機は今年「オープンソース&インナーソース共創推進部」を新設し、社内開発におけるオープンソースのベストプラクティスを推進しています。これにより社内のサイロをつなぎ、組織横断的なコラボレーションを加速させる体制を整えています。
具体的な実践内容
- Serendie® Design Systemの公開(2024年11月) — UI/UXの共創を促進するフレームワーク。
- オープンソース&インナーソース共創推進部の設立(2025年) — 社内外の連携を制度面で支える組織。
- 社内外でのデザイン共創や、外部プロジェクトへの技術貢献(例:PyTorch)を通じた実務的な参加。
これらの施策は、三菱電機が単なるユーザーとしてオープンソースを活用するだけでなく、積極的な貢献者として振る舞うための基盤構築を意図したものです。
Open Source Summit Japanでの発表と参加プログラム
アップグレードの発表はOpen Source Summit Japan 2025内で行われ、同イベントは2025年12月8日〜10日に東京で開催されます。三菱電機はイベントで、自社のオープンソースイノベーションへの貢献を紹介する予定です。
イベント内での三菱電機の講演タイトルは“Building a Dual-Focused OSPO in a Traditional Japanese Conglomerate”(日本のコングロマリッド企業で実現する社内外に開かれたOSPOの構築)です。このセッションは、オープンソースプラクティスが企業にもたらす価値に関心のある企業や開発者、イノベーターに向けて設計されています。
参加案内と関連情報
プレスリリースは参加希望者に対してセッションの詳細を確認し、登録するよう案内しています。Linux Foundationのメンバーシップ詳細やイベント情報は公式サイトで確認可能です。
- イベント期間
- 2025年12月8日〜10日(東京)
- 講演タイトル
- Building a Dual-Focused OSPO in a Traditional Japanese Conglomerate
- 関連リンク(メンバーシップ)
- https://www.linuxfoundation.org/membership/
- プレスリリース出典
- https://www.linuxfoundation.jp/press-release/2025/12/linux-foundation-welcomes-mitsubishi-electric-as-gold-member-during-open-source-summit-japan/
評価・背景・数値情報 — 活動実績と組織的インパクト
Linux FoundationのエグゼクティブディレクターであるJim Zemlin氏は、三菱電機のゴールドメンバー昇格を歓迎する旨のコメントを寄せています。Zemlin氏は、三菱電機の幅広い産業分野における実績がソフトウェア開発における協業の重要性を示していると述べ、日本市場にとどまらずグローバルでの協力継続に期待を示しました。
三菱電機は2014年からLinux Foundationのアクティブメンバーとして活動しており、今回のアップグレードはその取り組みを次の段階へ進めるものです。エンジニアの個別実績としては、PyTorchをはじめとする主要プロジェクトへの継続的な貢献が評価され、平森将裕氏が2025年にPyTorch Ambassadorsに選出され、さらに2024年と2025年に2年連続でContributor Awardsのノミネートを受けている点が挙げられます。
財務・企業情報
プレスリリースには三菱電機の企業概要として、同社が100年以上にわたり電気・電子機器の製造販売を行ってきたこと、そして2025年3月31日に終了した会計年度の収益が5兆5,217億円(約368億米ドル)であることが記載されています。米ドル換算は発表時点の概算レート(1米ドル=150円、2025年3月31日時点)による換算です。
Linux Foundation自体についても、同団体がオープンソースソフトウェア、オープンハードウェア、オープンスタンダード、オープンデータのための主要なコラボレーション拠点であり、Linux、Kubernetes、PyTorch、RISC-Vなどの重要プロジェクトをホストしている旨が補足されています。また、商標利用や関連情報への案内もプレスリリースに含まれています(商標一覧の案内URLなど)。
整理されたポイント
- アップグレード日・発表日:2025年12月8日(東京発、発表配信はLinux Foundation Japan 2025年12月8日 09時00分)
- アップグレード前の等級:シルバーメンバー、アップグレード後:ゴールドメンバー
- 三菱電機の代表的オープンソース活動:Serendie® Design System公開(2024年11月)、PyTorchへの貢献
- 社内組織:オープンソース&インナーソース共創推進部(設立:今年)
- イベント参加:Open Source Summit Japan(2025年12月8日〜10日)での講演
- 企業収益(直近決算):5兆5,217億円(368億米ドル換算、1USD=150円換算)
要点の一覧表と締めの解説
以下の表は本記事で触れた主要項目を整理したものです。表では日付、組織、取り組み、イベント等を簡潔にまとめ、プレスリリースの要旨が一目で分かるようにしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年12月8日(Linux Foundation Japan配信 09:00) |
| 発表場所 | Open Source Summit Japan(東京) |
| メンバーシップ | シルバーからゴールドへアップグレード |
| 主な社内体制 | オープンソース&インナーソース共創推進部(設立:今年) |
| 主なオープンソース成果 | Serendie® Design System(公開:2024年11月)、PyTorchなどへの貢献 |
| イベント講演 | “Building a Dual-Focused OSPO in a Traditional Japanese Conglomerate”(Open Source Summit Japan 2025) |
| 顕彰・選出 | 平森将裕氏:2025年 PyTorch Ambassadors選出、2024/2025年 Contributor Awardsノミネート |
| 財務指標(直近決算) | 収益 5兆5,217億円(約368億米ドル、1USD=150円換算) |
| 参照URL | https://www.linuxfoundation.org/membership/ 、https://www.linuxfoundation.jp/press-release/2025/12/linux-foundation-welcomes-mitsubishi-electric-as-gold-member-during-open-source-summit-japan/ |
本稿はLinux Foundationの発表(参考訳)を基に、三菱電機のメンバーシップアップグレードに関する事実を整理して伝えた。発表は三菱電機のオープンソースとインナーソースを通じた組織的な取り組みの深化、具体的にはSerendieの公開や専任部門の設置、主要プロジェクトへの技術貢献といった活動実績を踏まえたものである。Open Source Summit Japanでの講演や今後の協働の方向性は、企業とオープンソースコミュニティ双方にとって注目すべきポイントとして提示されている。
参考リンク: