象印、万博のマイボトル洗浄機を社員食堂へ移設

マイボトル洗浄機移設

開催日:12月9日

マイボトル洗浄機移設
これって何が発表されたの?
象印が日鉄興和不動産とマイボトル普及の連携協定を締結。大阪・関西万博で使ったマイボトル洗浄機10台のうち1台を社員食堂に移設し運用を始めるという発表です。
実際にいつどこで使えるの?
プレスリリースは2025年12月9日発表。移設された1台は日鉄興和不動産の社員食堂で運用開始予定で、約20秒で洗浄・除菌できる仕様です。

マイボトル利用を後押しするための“洗う手間”の解消

象印マホービン株式会社は、2006年からマイボトルの繰り返し使用を促す啓発活動を継続してきました。その取り組みの中で、マイボトルの所有は進んでいる一方で、持ち歩いていても利用頻度が上がらない層があることが判明しました。

利用を阻む要因としては「持ち運び時の重さ」「中身を準備する手間」「外出先で洗えないと追加利用しにくい」などが挙げられます。これらのうち特に「洗浄の手間」に着目し、洗浄と除菌を短時間で行える「マイボトル洗浄機」の開発に着手しました。

大阪・関西万博に設置した「マイボトル洗浄機」を日鉄興和不動産のオフィスへ移設 画像 2

マイボトル洗浄機の機能と実用性

開発されたマイボトル洗浄機は、約20秒で洗浄・除菌が完了する仕様で、短時間での再利用を可能にします。外出先やオフィス内で中身がなくなった際に簡単に洗浄できることで、持ち歩いているマイボトルを活用しやすくすることが目的です。

実用化を目指した開発過程では、実際の利用シーンでのデータ取得と運用検証が行われ、利便性と衛生面のバランスを確保しています。こうした技術的な狙いは、プラスチックごみ削減や循環型社会の構築という社会的課題の解決にも寄与することが期待されています。

大阪・関西万博での導入実績と効果

マイボトル洗浄機は、2025年の大阪・関西万博における特別参加プログラム「Co-Design Challenge」に選定され、会場内に万博モデルを10台設置しました。会期中に得られた稼働実績は、機器の有効性を示す重要な指標になっています。

会期中の総洗浄回数は158,488回、それに伴う総CO2削減量は約12,837kgと報告されています。これらの数値は、マイボトルの継続利用を促進することで得られる環境効果の一端を示しています。

万博で得られた示唆

万博での運用からは、短時間洗浄の受容度、機器の回転率、利用者動線に依存する配置効果など、多面的な知見が得られました。これらの知見は機器の改良や設置計画の最適化に生かされます。

会期終了後、万博で使用した10台は別の場所へ移設して活用される計画があり、設置された機器のライフサイクルを延ばすことで環境負荷低減にも配慮しています。万博会場に設置されている様子や、約20秒で洗浄・除菌が完了する点は広報上でも強調されました。

日鉄興和不動産との連携協定と移設の詳細

象印マホービンは、日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 三輪 正浩)と、不動産分野におけるマイボトル普及促進に関する連携協定を締結しました。プレスリリースは2025年12月9日 15時00分に発表されています。

両社はオフィス・ホテル・マンション等の不動産領域でマイボトル利用を促進し、サーキュラーエコノミーの推進を目指します。象印マホービンのマイボトル利用促進ノウハウと、日鉄興和不動産の不動産アセットや運営知見を組み合わせることが合意の要点です。

移設の具体的な運用

本協定の締結に合わせて、万博に設置していた10台のうち1台を日鉄興和不動産の社員食堂に移設

また、これまで両社で行ってきた実証実験の成果を社会実装段階へ移行させる取り組みとして位置づけられています。実施済みの実証実験やプロジェクト経験が今回の連携の基盤となっています。

これまでの実証実験と研究組織の紹介

両社が共同で行った実証実験の主な実績は以下の通りです。これらの試みを通じて得られた運用上のノウハウが、今回の協定と移設計画に反映されています。

2023年12月~2024年2月(WAW日本橋)
「マイボトルで未来を変える」共創プロジェクトとして、3社共同の実証実験を実施。オフィス環境におけるマイボトル利用促進の設計と運用検証を行った。
2024年8月・10月(赤坂インターシティAIR)
「赤坂インター指定AIR」マイボトル推進プロジェクトに協力し、ビル内での利用促進に関する実証を行った。

これらの実証実験を踏まえ、今回の連携ではオフィスワーカーに向けた具体的な環境整備と利用促進施策の実装を図ります。

Future Style総研について

連携先の取り組みと関連して設立された組織として、Future Style総研が紹介されています。設立日は2025年4月1日で、運営は日鉄興和不動産株式会社です。

Future Style総研は、暮らしや働き方を未来思考で研究する組織として、過去にはシングルライフに特化した「+ONE LIFE LAB」や、最新技術と共創する「Co-Creation BASE」などを推進してきました。URLはhttps://futurestylesoken.jp/ です。

要点の整理とデータ一覧

ここまで伝えた内容を整理すると、象印マホービンと日鉄興和不動産はマイボトル普及のための協定を結び、万博での実績ある機器をオフィスへ移設して日常利用の後押しをする点が中心です。移設された機器は社員食堂で運用され、実証で得られた知見を基にさらなる社会実装が進められます。

以下の表は、本プレスリリースで示された主要情報を項目別にまとめたものです。数値や日付は本リリースに基づいて正確に記載しています。

項目 内容
プレスリリース発表日時 2025年12月9日 15時00分
発表企業 象印マホービン株式会社
連携先 日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪 正浩)
協定の目的 不動産分野(オフィス・ホテル・マンション等)におけるマイボトルの普及促進とサーキュラーエコノミーの推進
万博での設置台数 10台(大阪・関西万博に万博モデルを設置)
会期中の総洗浄回数 158,488回
会期中の総CO2削減量 約12,837kg
洗浄所要時間 約20秒(洗浄・除菌)
移設計画 万博で設置した10台のうち1台を日鉄興和不動産の社員食堂に移設し利用開始。残りの台も別の場所へ移設して活用予定。
過去の実証実験 2023年12月~2024年2月:WAW日本橋(共創プロジェクト)/2024年8月・10月:赤坂インターシティAIRでの推進プロジェクト協力
関連組織 Future Style総研(設立:2025年4月1日、運営:日鉄興和不動産)URL:https://futurestylesoken.jp/
関連リンク 象印公式サイト:https://www.zojirushi.co.jp/

上記の表は、本リリースに記載された事実を項目ごとに整理したものです。マイボトル洗浄機の導入と移設、そして両社の連携は、実績データに基づいた運用性の検証と社会実装への移行を意図したものと位置づけられます。

参考リンク: