12/26公開「おばあちゃんのかかりつけ医」綾瀬の診療所舞台
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 13:28
おばあちゃんのかかりつけ医
開催日:12月26日
綾瀬の診療所を舞台にした短編映画が年末のふるさと映画祭で公開
医療法人ONE きくち総合診療クリニック(以下、きくち総合診療クリニック)は、かかりつけ医の重要性をテーマとしたふるさと映画『おばあちゃんのかかりつけ医』を、2025年12月26日(金)にふるさと映画祭で公開すると発表しました。リリース発表は2025年12月10日11時00分に行われています。
同作は綾瀬市にある実際の総合診療クリニックを舞台に、認知症を抱える祖母と看護師を目指す若い娘の暮らしと、その中で生まれる“かかりつけ医”の存在の意味を描く30分ほどの短編映画です。地域医療の現場で培った実体験を基に構成された脚本は、きくち総合診療クリニック理事長の菊池大和氏が脚本制作にも携わっています。
物語の骨格と登場人物—日常の中にある医療の役割
映画の主人公は奏音(かなで)という若い女性で、両親を交通事故で亡くし、おばあちゃんと二人暮らしをしています。看護師を志望しながら学業とアルバイト、そして認知症が進む祖母の介護を両立させようとする日々が描かれます。
物語は、祖母がある日行方をくらませるという出来事をきっかけに進みます。そこから奏音と祖母の関係、そして地域の医療者や新たな出会いが介入することで将来へ向かう展開が示されます。劇中では綾瀬市の『きくち総合診療クリニック』が舞台設定として用いられ、地域に根差した医師の役割が重要な要素として扱われています。
主要キャストと配役
主演の奏音役は日向端ひなさんが務め、医師役には鈴木拓さん(ドランクドラゴン)が出演します。短編ながらキャストは地域性と親しみやすさを重視して配されていることが公開情報からうかがえます。
上映情報やチケット購入については、公式のチケット販売ページ(https://ticketdive.com/event/furusato_filmfes_2025)で案内されています。上映時間は短編のため約30分程度とされていますが、具体的なタイムスケジュールは映画祭の配布資料や公式サイトの案内に準じます。
制作の背景と菊池理事長が語る“かかりつけ医”の必要性
きくち総合診療クリニック理事長・菊池大和氏は、クリニック開業から9年の経験を踏まえ、「かかりつけ医」の大切さを伝えるために映画制作を決めたと説明しています。これまで雑誌や書籍で発信してきたが、読者層の限定やメディアの到達範囲に限界があることが制作理由に挙げられます。
菊池氏は、とくに高齢化の進行と認知症患者の増加、地方における医療後継者不足、都市部における専門クリニックの増加といった現状を踏まえ、幅広い世代へ映像を通してメッセージを届けることを目的にしたと述べています。映像は感情に訴えやすく、かかりつけ医の価値を記憶に残る形で伝える手段として選ばれました。
脚本作成と撮影への関与
菊池氏は脚本のベースを日々の診療体験から作成し、監督や制作チームと協働して最終稿を完成させたと語っています。医療現場のリアリティを優先し、かかりつけ医が果たす具体的な役割や患者の日常の変化を映像で正確に表現することを意識したということです。
撮影はクリニック内で行われ、実際の現場の雰囲気を活かす形で進行しました。俳優陣は台本を読み込み自然な演技を見せたと菊池氏は述べ、撮影中に医療者と俳優との間で意見交換が行われたことも明かされています。
映画が伝えるメッセージと対象観客、現場の声
作品を通じて菊池氏が伝えたい主たるメッセージは、かかりつけ医の重要性を再認識することです。認知症などで症状をうまく説明できない患者が複数の病院を行き来する問題や、家族が近くにおらず支えが不十分なケースなど、現場で見られる課題が背景にあります。
かかりつけ医が一人でもいることで、日常の変化に気づきやすくなり、病気を早期に発見できる可能性が高まることが映画で示されています。菊池氏は「かかりつけ医は一人で十分だ」との考えを示し、頼れる存在が日常の安心に直結する点を強調しています。
想定する観客層と医療従事者への呼びかけ
菊池氏は基本的に全世代に鑑賞を促していますが、特に親や祖父母のかかりつけ医について考えるきっかけにしてほしいと述べています。高齢者が自ら受診先を判断できない場合も多く、家族や周囲の人々にとって役立つ内容であるとしています。
また、医療関係者や将来地域医療に携わろうとする医学生にも観てもらいたいと語り、得意分野に偏らず患者全体に目を向ける総合診療の視点を持つ重要性を訴えています。薬を処方するだけでなく、身体のことだけでなく心の変化にも注意を払う診療が求められるとの指摘があります。
撮影中の印象に残った出来事と反応
撮影中はクリニックでの実務と撮影が混在する環境で行われ、俳優の鈴木拓氏は医師役に適していたと菊池氏は述べています。台本を読み込んだ上で自然に演じたとのことで、撮影の合間の会話から地元住民としての親しみやすさも感じられたとしています。
観客の具体的な反応は公表されていないものの、出演者から「かかりつけ医を考えるきっかけになった」との声があったことが紹介されています。菊池氏は医療や介護の現場に関わる課題が多数存在する点を挙げ、地域全体で考える必要性を示しました。
作品と公開情報の要点まとめ
以下では、本記事で触れた映画の主要情報、公開日程、制作関係者、連絡先などを整理した表で示します。各項目はリリース文の情報を基にしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ふるさと映画『おばあちゃんのかかりつけ医』 |
| 公開日 | 2025年12月26日(金) ふるさと映画祭にて公開 |
| リリース発表日時 | 2025年12月10日 11時00分 |
| 上映時間(目安) | 約30分(短編) |
| 舞台 | 神奈川県綾瀬市のきくち総合診療クリニック(実在のクリニックを舞台に撮影) |
| 主演・主要キャスト | 奏音役:日向端ひな、医師役:鈴木拓(ドランクドラゴン) |
| テーマ | かかりつけ医の重要性、認知症、高齢者ケア、地域医療の課題 |
| 脚本・制作関与 | きくち総合診療クリニック理事長・菊池大和が脚本作成に携わる。制作は外部の制作会社と協働 |
| チケット | 購入ページ: https://ticketdive.com/event/furusato_filmfes_2025 |
| きくち総合診療クリニック(院情報) |
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以上がリリースに基づく主要な情報の整理です。今回の短編映画は、地域に根ざした総合診療の視点を映像で伝える試みとして制作され、公開は2025年12月26日となります。映画と合わせて公表された菊池理事長のインタビューでは、制作の背景や医療現場での経験、観客に期待する点などが具体的に述べられており、かかりつけ医という概念を改めて考える契機となる内容が提示されています。
参考リンク: