45%がAI習得 現役デザイナーが学ぶべきスキル
ベストカレンダー編集部
2025年12月10日 14:56
デザイナーのAI習得調査
開催期間:11月11日〜11月18日
デザイナー現場の実態:AI習得が示す潮流と調査概要
調査の目的と実施概要
本調査は、テクノロジーの進展と市場ニーズの変化が速いデザイン領域において、現役デザイナーがどのようなスキルを習得・習得したいと考え、どのような学習方法を選択しているかを明らかにすることを目的として実施されました。調査主体は株式会社デザポケ、実施日は2025年11月11日〜2025年11月18日、結果公表は2025年12月10日 11時30分です。
調査方法はインターネットによるアンケート調査で、対象は全国の現役デザイナー75名(年齢:20代〜60代以上)です。設問は性別・年齢・職種・働き方と、習得済みスキル、今後学びたいスキル、現在の学習方法および学習方法を選ぶ理由など複数回答が想定される形式で行われています。
回答者の属性(人数・割合)
以下に調査対象者の属性を示します。性別・年齢・職種・働き方のそれぞれについて、人数と割合を明記します。
| 属性 | 分類 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 性別 | 男性 | 31 | 41.33% |
| 女性 | 42 | 56.00% | |
| その他/回答しない | 2 | 2.67% | |
| 年齢層 | 20代 | 22 | 29.33% |
| 30代 | 26 | 34.67% | |
| 40代 | 19 | 25.33% | |
| 50代 | 6 | 8.00% | |
| 60代以降 | 2 | 2.67% | |
| 職種 | Webデザイナー | 38 | 50.67% |
| グラフィックデザイナー | 24 | 32.00% | |
| 動画クリエイター | 4 | 5.33% | |
| UI/UXデザイナー | 2 | 2.67% | |
| アートディレクター/デザインディレクター | 1 | 1.33% | |
| その他 | 6 | 8.00% | |
| 働き方 | 正社員・契約社員 | 27 | 36.00% |
| 派遣社員 | 0 | 0.00% | |
| フリーランス(個人事業主) | 32 | 42.67% | |
| 副業・兼業 | 9 | 12.00% | |
| パート・アルバイト | 4 | 5.33% | |
| 学生 | 2 | 2.67% | |
| その他 | 1 | 1.33% |
習得済みスキルの実態:AIが圧倒的トップ
新たに習得したスキル(回答集計)
設問「あなたが最近新たに習得したスキルを教えてください。」に対しては複数回答が可能で、回答合計は90件となっています。そのうち最も多かったのがAI(画像生成AI、デザインAIツールの活用)で、41件・45.56%でした。以下は項目ごとの人数と割合です。
| スキル | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| AI(画像生成AI、デザインAIツールの活用) | 41 | 45.56% |
| 動画編集・モーショングラフィックス | 9 | 10.00% |
| ノーコードツール(STUDIO, Webflowなど) | 8 | 8.89% |
| Webマーケティング(SEO、広告運用など) | 7 | 7.78% |
| ライティング・コピーライティング | 7 | 7.78% |
| コーディング(HTML, CSS, JavaScriptなど) | 5 | 5.56% |
| UI/UXデザイン(リサーチ、情報設計含む) | 4 | 4.44% |
| ブランディング・戦略設計 | 4 | 4.44% |
| 3DCG・モデリング | 3 | 3.33% |
| マネジメント・ディレクション | 1 | 1.11% |
| 特にない | 0 | 0.00% |
| その他 | 1 | 1.11% |
AIが約45.6%で圧倒的に高く、制作プロセスの変化や生成AIツールの普及が速い段階で現場に浸透していることを示しています。記述式回答では、AIを作業の置き換えではなく効率化の手段とし、その余剰時間をマーケティングやクライアント成果に結びつく業務へ振り向けたいという考えが複数見られました。
一方で、動画編集・3DCG・コーディングといった学習コストが高いスキルは、現時点での習得率が比較的低くとどまっている点も確認できます。
記述回答から読み取れる意識の変化
記述式の回答には以下のような傾向がありました。AIを単なる自動化ではなく、アイデア出しやラフ作成の迅速化に活用し、人間の感性を活かした仕事を残すという視点が目立ちます。
- AIで業務を効率化し、その時間をクライアントの成果に直結するマーケティング戦略の立案に充てたい
- 生成AIを活用してラフ案を素早く作り、最終的な表現に人の感性を加えたい
- 自動化ツールで制作時間を短縮し、高度なスキルや企画力へ投資したい
これらの内容から、デザイナーのスキル観は「ツールで作業を代替する」から「ツールで時間を作り、より付加価値の高い業務に注力する」方向へ変化していることが伺えます。
これから伸ばしたいスキル:動画・マーケ領域と基礎知識の重要性
今後学びたい・強化したいスキル(集計)
設問「スキルアップのために今後、学びたい・強化したいスキル」では複数回答が可能で、合計回答数は146件です。上位の選択肢と人数・割合は次の通りです。
| スキル | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 動画・モーション制作 | 27 | 18.49% |
| マーケティング・SNS運用 | 26 | 17.81% |
| AIツール活用 | 25 | 17.12% |
| デザイン基礎(レイアウト・色彩・タイポグラフィなど) | 23 | 15.75% |
| 3D/CG | 15 | 10.27% |
| UI/UX設計 | 14 | 9.59% |
| ディレクション・マネジメント | 8 | 5.48% |
| ライティング・コピー | 6 | 4.11% |
| その他 | 2 | 1.37% |
「動画・モーション制作」と「マーケティング・SNS運用」がほぼ同率で上位を占めており、ショート動画を含む動画需要の増加と、成果を求めるマーケティング視点の重要性が表れた結果です。また、AIツール活用を学びたいと回答した層も多く、AIは引き続き重要なスキル領域と位置付けられています。
注目すべきは「デザイン基礎(レイアウト・色彩・タイポグラフィ)」が4位に入っている点です。生成AIやテンプレートツールが浸透する中で、プロとしての差別化を図るために基礎理論へ回帰する意識が高まっていることを示しています。
記述回答に見られるニーズの具体例
自由回答では次のような声が寄せられており、デザイン×マーケティングのハイブリッド化を目指す傾向が明確です。
- デザインの表現力に加え、ユーザー心理や市場動向を踏まえた制作ができるようになりたい
- LP制作やSNS運用で成果を出せるデザイナーを目指したい
- 生成ツールに頼らず、基礎を押さえた上で幅広い表現領域に対応できるようにしたい
これらの回答は、企業側が求める“成果に貢献できるデザイナー”像と一致しており、デザインスキルとマーケティング思考を併せ持つ人材へのニーズが高まっていることを裏付けます。
学習方法の実態:独学が最多、理由は柔軟性とコスト
現在の学習手段(集計)
設問「スキルアップのために現在どのような方法で学習していますか?」では、合計146件の回答が集まりました。最も多かったのは独学(書籍、YouTubeなど)で50件・34.25%、次いでオンライン学習サイト(Udemy、Schooなど)が22件・15.07%です。その他の手段については以下の通りです。
| 学習方法 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 独学(書籍、YouTubeなど) | 50 | 34.25% |
| オンライン学習サイト(Udemy、Schooなど) | 22 | 15.07% |
| SNS(X, Instagram, Noteなど)での情報収集・発信 | 18 | 12.33% |
| 現場での実践(OJT、新しい業務への挑戦) | 17 | 11.64% |
| メンターや知人から学ぶ | 12 | 8.22% |
| デザインスクール・専門学校(オンライン含む) | 11 | 7.53% |
| 社内研修・勉強会 | 8 | 5.48% |
| 社外のセミナー・ウェビナー | 6 | 4.11% |
| オンラインサロン・コミュニティ | 2 | 1.37% |
| 特に学習していない | 0 | 0.00% |
独学が最も多い理由は柔軟性とコストの面が大きく影響しています。独学を選んだ理由として最も多かった回答項目は「自分のペースで進められるから(53件・31.36%)」でした。
学習方法を選ぶ理由(詳細)
学習手段を選択した理由については、複数回答が可能で合計169件の回答が寄せられました。主な回答と人数・割合は以下の通りです。
- 自分のペースで進められるから
- 53件・31.36%
- 時間や場所の制約がないから
- 35件・20.71%
- 費用がかからない/安価だから
- 31件・18.34%
- 最新の・実践的な情報(スキル)が得られるから
- 21件・12.43%
- 講師や専門家に直接質問・相談できるから
- 9件・5.33%
- 体系的に・効率的に学べるから
- 8件・4.73%
- 強制力があり、挫折しにくいから
- 7件・4.14%
- 人脈やデザイナー仲間とのつながりができるから
- 4件・2.37%
- その他
- 1件・0.59%
この結果から、学習の柔軟性(時間・場所・ペース)とコスト面が学習手段の選択に強く影響していることがわかります。一方で、体系的学習や講師への相談を重視する層はオンライン学習サイトやスクールを選択する傾向があり、選択肢間の使い分けが進んでいます。
調査結果の整理(要点一覧)と調査情報まとめ
本調査の主要ポイント
本調査から抽出される主要なポイントを整理します。数値はすべて本調査の集計値に基づいています。
- 対象:現役デザイナー75名(20〜60代以上)
- 実施期間:2025年11月11日〜2025年11月18日
- 新たに習得したスキルのトップはAI(41件・45.56%)
- 今後伸ばしたいスキルは「動画・モーション制作(27件・18.49%)」と「マーケティング・SNS運用(26件・17.81%)」が上位
- 学習方法は「独学(50件・34.25%)」が最多で、柔軟性とコストが選択の主因
- デザイン基礎の重要性が再認識されており、AI時代における差別化の鍵として位置づけられている
調査および引用、企業情報
本アンケートを引用する際は、次の形式での記載が求められます。引用元の明示を忘れないでください。
- 引用表記
- 「引用:株式会社デザポケ(https://deza-poke.com/)」
株式会社デザポケの会社概要は以下の通りです。
| 会社名 | 株式会社デザポケ |
| 所在地 | 東京都千代田区神田小川町一丁目10-2 VORT 神田小川町 II |
| 代表取締役 | 髙橋篤史 |
| 設立 | 2021年1月4日 |
| 資本金 | 3,000万円 |
| 事業内容 | 広告・印刷・Web・ブランディング領域における企画・制作・運営 |
| 企業URL | https://deza-poke.com/ |
| オウンドメディア | https://deza-poke.com/blog |
記事内で触れた関連リンク
調査をより詳細に解説している記事、ならびに関連コンテンツのURLを以下に示します。詳細な分析や記述回答の解説は該当ページで確認できます。
- 詳しい解説記事:https://deza-poke.com/blog/designer_essential_skills
- 関連事例: https://deza-poke.com/blog/stylish_cdjacket
調査結果の要点を表で整理
以下に本記事で示した主要データを表形式で整理します。数値は本調査の集計値です。
| 項目 | 内容(人数・割合等) |
|---|---|
| 調査対象 | 75名の現役デザイナー(20代〜60代以上) |
| 実施期間 | 2025年11月11日〜2025年11月18日 |
| 新たに習得したスキル(トップ) | AI(画像生成AI、デザインAIツール): 41件・45.56%(合計90件) |
| 今後学びたいスキル(上位) | 動画・モーション制作: 27件・18.49% / マーケティング・SNS運用: 26件・17.81%(合計146件) |
| 学習方法(上位) | 独学(書籍・YouTube等): 50件・34.25% / オンライン学習サイト: 22件・15.07%(合計146件) |
| 学習手段を選ぶ主な理由 | 自分のペースで進められる: 53件・31.36% / 時間や場所の制約がない: 35件・20.71% / 費用がかからない・安価: 31件・18.34%(合計169件) |
本調査は、AIスキルの急速な普及とともに、デザイン領域が「表現力だけでなく成果に寄与する能力(マーケティング思考等)」を求められる方向へ向かっていることを示しています。学習方法では個人主導の独学が中心である一方、体系的・実践的な学びを求める層も存在し、これらが併存する複線的な学習環境が形成されつつあることが確認されました。
引用元:株式会社デザポケ(https://deza-poke.com/)
参考リンク: