PG Labsが3億円調達、Pheasant Network開発を強化

PG Labsの3億円調達

開催日:12月10日

PG Labsの3億円調達
今回の調達で何に使うの?
PG Labsは資金をPheasant Networkの開発強化やイーサリアム/Layer2を軸にした企画・開発支援、グローバル展開や暗号資産トレジャリー運用に充て、50%をETH/USDCで受領して財務基盤を安定化させます。
Pheasant Networkって何がすごいの?
Pheasant Networkはイーサリアムと30以上のLayer2に対応するインターオペラビリティプロトコルで、ERC-7683対応やAIでIntentを強化するAIntent、Optimistic Interoperabilityにより低コスト・高速なクロスチェーン移動を目指し、既に300億円超の取引を処理しています。

総額3億円のシードラウンド――資金調達の中身とタイミング

株式会社PGL(PG Labs)は、2025年12月10日16時07分に総額3億円のシードラウンド(グラント含む)を実施したと発表しました。本ラウンドは国内外のベンチャーキャピタルおよび個人投資家の引受と、Ethereum Foundationや各Layer 2プロジェクトからのグラントを組み合わせた構成です。プレスリリースでは、今回の調達によりイーサリアムとLayer 2を軸にした事業の企画・開発支援およびLayer 2のインターオペラビリティプロトコルであるPheasant Networkへの開発コミットを強化すると明示しています。

資金の組成に関する具体的な内容も公表されています。調達額の50%はETHおよびUSDCでの受領となっており、待機資産の一部を運用に回すことで財務基盤を強化する方針が示されています。グラントや投資家の顔ぶれ、割当比率の概況、通貨の種類など、運用と透明性に配慮した資金設計が特徴です。

参加したグラントと投資家の詳細

今回のラウンドには、以下のようなグラント提供者と投資家が名を連ねています。これらはPG Labsが進めるPublic Goods(公共財)開発に対するグローバルからの評価を示すものとして位置づけられています。

具体的な参加者は次のとおりです。グラント提供者にはEthereum Foundation、Optimism、Polygon、Scroll、Taiko、Linea、Alchemy、Gitcoinが含まれ、ベンチャーキャピタルとしてはmint、90sの参画が明記されています。さらに個人投資家として8名の参加があり、これらを合わせた資金調達が成立しました。

  • Grants & Prizes: Ethereum Foundation、Optimism、Polygon、Scroll、Taiko、Linea、Alchemy、Gitcoin
  • ベンチャーキャピタル: mint、90s
  • 個人投資家: 8名
  • 調達総額: 総額3億円(グラント含む)
  • 受領通貨: 調達額の50%はETHおよびUSDCで受領

Pheasant Networkの設計と技術的特徴

Pheasant NetworkはPG LabsがコミットするLayer 2インターオペラビリティプロトコルで、イーサリアムおよび30以上のLayer 2ネットワークに対応しています。プレスリリースでは、AIによってIntentを強化する「AIntent」の実現や、ERC-7683への対応を進めている点が強調されています。これによりオンチェーンでの資産利用や相互運用性の拡張を狙っています。

取引処理実績としては、これまでに300億円以上のクロスチェーン取引を処理しており、独自開発の「Optimistic Interoperability」によってプロトコルとして理論上“最速”“最安”の実現を目指していることが明記されています。これらの技術的施策は、Layer 2間での効率的な資産移動と低コスト運用を可能にするための設計です。

主要な技術要素と機能

Pheasant Networkが掲げる主要な技術要素は、以下の通りです。ERC-7683準拠やAIntent、Optimistic Interoperabilityといったキーワードが並び、相互運用性と実用性を両立するための具体的な仕組みが示されています。

これらの技術は、実装・運用面でLayer 2エコシステムの負担を軽減し、開発者や利用者がより容易にクロスチェーン機能を利用できるよう設計されています。AIを用いたIntent強化は、ユーザーの意図をプロトコルレベルで解釈・補完する試みとして注目されます。

対応ネットワーク
Ethereumおよび30+のLayer 2ネットワーク
主要機能
ERC-7683対応、AIntent(AIによるIntent強化)、Optimistic Interoperability
実績
300億円以上のクロスチェーン取引処理

PG Labsの事業領域と公共財としてのミッション

PG Labsは「Public Goods(公共財)」の理念を社名の由来に据え、あらゆる資産をオンチェーン化することを目的としたWeb3スタジオです。イーサリアムとLayer 2を軸に、企画・開発支援、グローバル展開・マーケティング支援、財務戦略(暗号資産トレジャリー)支援という三つの領域を中核事業として展開しています。

PoCに終わらない実装支援を重視しており、チェーン選定から開発、グローバル展開までワンストップで提供することを掲げています。特に海外とのネットワークやLayer 2プロジェクトからの支援を活用し、短期間でスケール可能なマーケティング支援を行う点が特徴です。

事業の具体的な領域と取り組み

公表されている事業内容は以下の三領域です。各領域での取り組みは相互に補完し合い、Web3プロダクトを社会実装するための包括的な支援を提供する構成になっています。

さらに、Pheasant Networkへのコミットメントを通じて得たナレッジを活用し、持続可能なWeb3エコシステムの構築を国内で進めることが明記されています。社名の「PG」はPublic Goodsの略であり、社会全体に資する仕組みづくりをミッションに据えています。

  1. Ethereum・Layer 2を使ったWeb3事業の企画・開発支援(戦略、チェーン選定、開発)
  2. グローバル展開・Web3マーケティング支援(戦略・ネットワーク・実行力の提供)
  3. Pheasant Networkの研究開発とインフラ整備(ERC-7683、AIntent等の推進)

調達後の体制、公開情報と会社データの整理

プレスリリースでは、今回の資金調達によりPheasant Networkへの開発コミットを強化するとともに、イーサリアムおよびLayer 2に関する研究開発と事業展開を進め、日本企業のWeb3事業支援を拡大する方針が示されています。Ethereum Foundationの関係者との特別対談(Ethereum Foundation Mo Jalil × PG Labs 田上智裕)も予定または実施されていることが明記されています。

ここで本文中に示された会社概要や連絡先情報、ウェブサイト等を整理します。これにより、読者は企業の基本データと今回の発表のポイントを速やかに確認できます。

項目 内容
商号 株式会社PGL(PG Labs)
代表者 田上 智裕
本社所在地 東京都渋谷区南平台町2番17号 A-PLACE渋谷南平台 2F
資本金 1.5億円(資本準備金を含む)
調達日/発表日時 2025年12月10日 16時07分(発表)
調達総額 総額3億円(シードラウンド、グラント含む)
主要出資・支援者 Grants: Ethereum Foundation、Optimism、Polygon、Scroll、Taiko、Linea、Alchemy、Gitcoin / VCs: mint、90s / 個人投資家: 8名
受領通貨 調達額の50%はETHおよびUSDC
Pheasant Networkの要点 対応: Ethereum + 30以上のLayer 2、機能: ERC-7683対応、AIntent(AIでIntent強化)、Optimistic Interoperability、実績: 300億円以上のクロスチェーン取引処理
事業領域 Web3企画・開発支援、グローバル展開・マーケ支援、暗号資産トレジャリー支援
公式URL https://pglab.io/

上の表は、本リリースで示された主要事項を整理したものです。資金調達の金額・出資者構成、受領通貨の割合、Pheasant Networkの技術的特徴と実績、会社の基本データを一元化しています。これにより、PG Labsが目指す“Public Goods”としてのWeb3インフラ整備と、今回の資金調達による体制強化の全体像を把握しやすくしています。

なお、本稿はPG Labsから提供されたプレスリリースの内容に基づく要約整理であり、発表に含まれるすべての情報を漏れなく記載しています。詳細は公式サイト(https://pglab.io/)やPG Labsの公式発表を参照してください。

参考リンク: