国産大麦100%の新醸造酒『800 大麦〈天盃〉』登場
ベストカレンダー編集部
2025年12月12日 09:54
800大麦発売開始
開催日:12月11日
国産大麦100%で醸された新ジャンル酒『800 大麦〈天盃〉』の登場
2025年12月11日午前11時、株式会社Linné(以下、LINNÉ)と福岡県の本格焼酎蔵・株式会社天盃(以下、天盃)が共創した、新しい醸造酒《800 大麦〈天盃〉(ヤオ オオムギ テンパイ)》が発表され、一般販売が開始されました。本品は原料に国産大麦を100%使用し、現代日本酒の醸造技術をベースに麹発酵を応用して醸された点が最大の特長です。
プレスリリースによれば、本製品は「現代日本酒技術をベースにした国産大麦100%の醸造酒」は世界初の取り組みであるとされています(2025年12月時点、同社調べ)。製造は長龍酒造株式会社 八尾蔵の設備を借用して行い、企画・開発はLINNÉと天盃の共同で進められました。
発売日と流通の概要
発売日は2025年12月11日(木)。一般向けの生酒販売は24本限定で天盃オンラインショップにて受付されています。酒販店・飲食店・輸出事業者向けは購入希望フォームでの受付が行われ、いずれも12月18日(木)から順次発送開始の予定です。既存の取引先については蔵元への直接の問い合わせが案内されています。
同時に海外展開も視野に入れており、すでに2カ国への輸出が確定していることも公表されています。海外のレストランや流通チャネルを通じた展開を想定した“多層的な味わい”の設計が意図されています。
原料と味わいの設計 — 「はるか二条」と麹の選定
本製品の主原料は国産大麦、具体的には九州地域で栽培される二条大麦品種「はるか二条」が採用されました。原料産地は福岡県から佐賀県南部にかけた筑紫平野で、天盃が長年信頼する精麦工場に高精麦を特別注文して調達しています。
味わいの設計においては、大麦白麹を用いることで軽やかな酸を引き出すとともに、日本酒の吟醸造りで用いられる発酵法を取り入れてクリアな香味を実現しています。添加物や薬品は一切用いず、天盃の焼酎造りの方針を尊重した製法です。
テイスティングノート
公式の説明では、上立ち香にスミレやラズベリーを思わせるエレガントで透明感のある甘さと清涼感があるとされています。口中では白麹由来のクリアな酸味と繊細な甘みが調和し、中盤からは大麦の芳醇なうまみと穀物感が増して深みと複雑さを構築。最後に長く続く余韻があると記載されています。
軽快なトップノートと重厚感のあるボトムノートが共存する多層的な味わいは、国内外の先進的なレストランでのペアリングに新たな構造をもたらすことが期待されています。
製法・企画背景と両社の役割分担
本プロジェクトは、LINNÉが有する「米以外の原料を用いた麹の発酵技術」と、天盃が長年培ってきた大麦の精麦・麹化の知見を掛け合わせることで実現しました。1976年に世界で初めて大麦100%の本格焼酎を製造した天盃の経験と、LINNÉの多素材麹技術が融合しています。
製造は長龍酒造 八尾蔵の設備を借りて行われ、製品企画・開発・製造主体としてはLINNÉと天盃の共同プロジェクトという体裁です。販売者は株式会社Linné(京都市)となっています。
背景にある社会的文脈
2024年12月に「麹を用いた日本の伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから一年が経過し、麹や発酵文化への注目が高まっています。同時に日本酒業界では原料米の価格高騰や収量不足が深刻化しており、本プロジェクトは「原料多様化による持続可能性の再構築」を目指す技術的かつ文化的試みとして位置付けられています。
LINNÉは創業以来、米以外の多素材麹へ挑戦しSAKEの定義を拡張する「フェーズ3」に今回初めて挑戦したとしています。名称《800(ヤオ)》は八百万の概念に由来し、自然素材を発酵させることで生まれる可能性の広がりを示しています。
製品仕様・流通情報・関係者のコメント
以下に本製品の主要スペックや流通情報を整理します。製品は500ml瓶、アルコール度数14%で希望小売価格は4,500円〜(税別)です。カテゴリは「その他の醸造酒」に分類され、ラベルや法定表示に従った取り扱いが行われます。
販売開始は2025年12月11日、一般向けのオンライン販売は天盃オンラインショップで24本限定の生酒として、業務向けは購入希望フォームで受付。いずれも12月18日から順次発送が開始される予定です。既存取引先は蔵元への直接問合せが案内されています。
製品仕様(詳細)
- 製品名
- 800 大麦〈天盃〉(ヤオ オオムギ テンパイ)
- 品目
- その他の醸造酒
- 原材料名
- 大麦(国産)、大麦麹(国産大麦)
- 内容量
- 500ml
- アルコール度数
- 14%
- 希望小売価格
- 4,500円~(税別)
- 製造場
- 長龍酒造株式会社 八尾蔵(大阪府八尾市)※設備借用
- 販売者
- 株式会社Linné(京都府京都市)
- 企画・開発・製造
- 株式会社Linné(京都府京都市)、株式会社天盃(福岡県朝倉郡筑前町)
関係者のコメント(要旨)
- 天盃 四代目蔵元・杜氏 多田格:大麦という素材に70年以上向き合ってきた経験を開放し、未来の酒造りに活かすことができる点に意義があると述べています。伝統を守りつつ素材の可能性を広げることを重視しています。
- 天盃 五代目・専務取締役 多田匠:代々の知見をLINNÉの醸造家と深掘りできたことを評価し、世界初の純麦酒のお披露目を喜んでいる旨を伝えています。
- LINNÉ 代表 今井翔也:焼酎界の多素材麹技術を尊敬し、天盃との共創を通じて醸造と蒸溜の未来を紡ぐ意図を述べています。大麦がもたらす原風景と食卓での新たな体験の結びつきを期待しています。
購入方法・企業情報とまとめ
購入方法は次の通り記載されています。一般消費者向けは天盃オンラインショップ、業務用・輸出事業者向けは購入希望フォームからの申し込みとなります。どちらも2025年12月18日(木)から順次発送開始です。販売本数に関して一般販売は24本限定(生酒)となっている点に注意が必要です。
問い合わせ先はLINNÉのメールアドレス info@linne-co.jp。天盃の公式ウェブサイトは https://www.tenpai.co.jp/、LINNÉの各種リンクは https://linne-co.jp に案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | 800 大麦〈天盃〉(ヤオ オオムギ テンパイ) |
| 発売日(発表日) | 2025年12月11日(発表)/発送開始:12月18日〜順次 |
| 数量(一般販売) | 24本限定(生酒) |
| 原材料 | 大麦(国産)、大麦麹(国産大麦) |
| 原料品種・産地 | はるか二条(筑紫平野:福岡県〜佐賀県南部) |
| 容量・度数 | 500ml・14% |
| 価格 | 希望小売価格 4,500円〜(税別) |
| 製造場 | 長龍酒造株式会社 八尾蔵(設備借用) |
| 企画・開発・製造 | 株式会社Linné(京都府)、株式会社天盃(福岡県) |
| 販売者 | 株式会社Linné(京都府京都市) |
| 販売チャネル | 天盃オンラインショップ(一般)、購入希望フォーム(酒販店・飲食店・輸出事業者) |
| 輸出 | 海外2カ国への輸出が確定(詳細国名は公表なし) |
| 問合せ先 | info@linne-co.jp(LINNÉ)/天盃ウェブサイト https://www.tenpai.co.jp/ |
本稿では、発表された全情報を整理して記載しました。製品は発酵文化と原料の多様化を軸に据えた試みであり、原料の産地、製法、味わい、流通スケジュール、関係者のコメントといった発表内容の主要事項を網羅しています。今後の発送や販売状況、輸出先の詳細については各販売チャネルおよび両社の公式発表を参照してください。
参考リンク: