高崎商科大生が創る 視覚配慮のユニバーサルウエディング
ベストカレンダー編集部
2025年12月12日 15:25
視覚配慮ユニバーサル婚
開催日:10月17日
視覚障がい者の視点を取り入れた「ユニバーサル・ウエディング」の実践
高崎商科大学・高崎商科大学短期大学部は、2025年10月17日(金)に高崎市内の結婚式場で、短期大学部経営学科1年生による「模擬ブライダルプロジェクト」を実施しました。プレスリリースは2025年12月12日12時00分に公開されており、本稿はその内容を整理して伝えます。
本年度のテーマは「障がいは神様からのギフト」。特に視覚障がいのある新婦役として、富田安紀子さん(26歳、左目を失明し義眼を装着。ファッションモデルや和太鼓奏者として活動)を招き、視覚障がいを持つ方でも安心して参加・楽しめる挙式・披露宴のあり方を学生主体で企画・運営しました。
イベントの基本情報と背景
この模擬ブライダルプロジェクトは開催9年目を迎え、今回は短期大学部経営学科の1年生14名が参加しました。担当は、ホテル・ブライダルビジネスおよびホスピタリティ科目を担当する森川幸紀雄教授の指導のもと行われました。
実施日や参加者数、対象などの基本情報は以下のとおりです。プレスリリース内に記載されているとおり、実際の挙式・披露宴に近い形で運営を行うため、結婚式場に所属する現役プランナーからの指導も受けました。
- 実施日:2025年10月17日(金)
- 参加:高崎商科大学短期大学部経営学科1年生14名
- 場所:高崎市内の結婚式場(プレスリリース表記)
- 指導教員:森川幸紀雄 教授
学生が取り組んだ具体的な配慮と工夫
参加学生は事前にブラインドウォーク体験を行い、視覚情報が得られない状況における不安や課題を体験的に理解しました。本番ではその理解をもとに、視覚障がいのあるゲストへ配慮した多様な工夫を実施しています。
以下はプレスリリースに基づく具体的な取り組みの一覧です。これらはすべて学生自らが企画・運営に携わり、実務に近い形で実現されました。
- 声かけによる情報提供
- 通常より多くの口頭説明を行い、場所や段差、進行のタイミングなど視覚情報が得られない状況でも理解できるように配慮しました。
- 丁寧な誘導
- 階段や段差など見えづらい箇所では特に注意して誘導を実施しました。アテンダーが手や肘での軽い触れ合いと明確な言葉で案内しました。
- 視認性の向上
- 余興映像は大型スクリーンを活用して上映し、視覚に頼れないゲストにも内容を伝えられるように映像表現やナレーションを工夫しました。
- 点字対応
- 特殊な点字ソフトを用いて会場レイアウトや席次表を点字で印刷し、点字で提示できる資料を用意しました。
学生の役割分担と現場での連携
模擬ブライダルでは、学生が実際の結婚式運営に近い業務を分担しました。各担当は専門的な業務の体験を通じて、企画や接客、映像制作など幅広いスキルを身につけています。
現役プランナーによる直接指導も取り入れられ、学生と外部のプロフェッショナルとの連携により、実務レベルの運営が可能になりました。
- キャプテン(総合調整)
- アテンダー(ゲスト誘導)
- 司会
- 音響・照明
- ドレス・ヘアメイク
- フラワー装飾
- カメラ・ビデオ撮影
教育課程への組み込みとプロジェクトの意義
模擬ブライダルプロジェクトはこれまでゼミ単位で実施されてきましたが、2024年度からは「キャリアサプリメント科目」として正式に開講されました。これにより短期大学部の学生であれば誰でも参加できるようになり、ウエディングプランナー志望者に限らず、多様な進路を考える学生が参加する機会が拡大しています。
学生は約6か月をかけて新郎新婦のペルソナ設定から全工程を作り上げ、問題解決型学修(PBL)に基づく自主的な学びを通じて、実務に即したスキルと知識を習得します。プレスリリースでは、多様な言語や文化を尊重し、包括的な支援ができる人材育成を目指す点も明示されています。
学科と教育体制の情報
プレスリリースには学科の構成や定員なども記載されています。2025年より学科名称の変更が予定されている点、教育フィールド構成、コース情報などは以下の通りです。
短期大学部の学科情報は、学生募集や進路検討の際に参考となる具体的な要素として整理されています。実践的な学びを通じて学生のキャリアの可能性を広げることが目的の一つとされています。
- 学科:経営学科(※2025年より名称変更)
- フィールド:経営フィールド/情報デザインフィールド/グローバルコミュニケーションフィールド
- 定員:100名
- コース:ホテル・ブライダルコース
まとめ(要点整理)
以下の
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレスリリースタイトル | 高崎商科大学短期大学部1年生による視覚障がい者に寄り添ったユニバーサル・ウエディング |
| 公開日時 | 2025年12月12日 12時00分 |
| 実施日 | 2025年10月17日(金) |
| 場所 | 高崎市内の結婚式場(プレスリリース表記) |
| 主催/担当 | 高崎商科大学・高崎商科大学短期大学部(森川幸紀雄教授指導) |
| 参加学生 | 短期大学部経営学科1年生 14名 |
| 主なゲスト(新婦役) | 富田安紀子(視覚障がいがあり、26歳で左目を失明し義眼を装着。ファッションモデル・和太鼓奏者) |
| 取り組んだ配慮 | ブラインドウォーク体験、詳細な声かけ、丁寧な誘導、大型スクリーンによる映像・ナレーション、点字による会場レイアウト・席次表作成 |
| 学生の担当分野 | キャプテン、アテンダー、司会、音響・照明、ドレス・ヘアメイク、フラワー装飾、カメラ・ビデオ撮影 など |
| 教育上の位置づけ | 9年目のプロジェクト。2024年度より「キャリアサプリメント科目」として開講。約6か月で全工程を作成するPBL型学修。 |
| 学科情報 | 経営学科(※2025年より名称変更)/経営・情報デザイン・グローバルコミュニケーションのフィールド/定員100名/ホテル・ブライダルコース |
| 連絡先 | 高崎商科大学・高崎商科大学短期大学部 〒370-1214 群馬県高崎市根小屋町741 TEL:027-347-3399(代表) 公式サイト:https://www.tuc.ac.jp/ 担当:金井 |
今回の模擬ブライダルプロジェクトは、視覚障がいのある方への配慮を具体的に設計・実行した実践事例として整理できます。学生たちは事前の体験学習と現場での役割分担を通じ、ユニバーサルデザインの視点を持ったサービス提供の実務を学びました。教育課程の正式化により、今後も同様の実践的学びを通じて、多様性を尊重する人材育成が継続していくことが示されています。