札幌市×DFA Robotics、冬に自動除雪ロボット実証へ

自動除雪ロボット実証

開催日:12月1日

自動除雪ロボット実証
自動除雪ロボットっていつ実証するの?
2025年度冬季に実証実験を実施予定。発表は2025年12月12日で、走行環境調査や仕様改良、遠隔監視や自治体との運用モデル検討を順次進めます。
これで札幌の暮らしはどう変わるの?
除雪の人手負担やコストを抑え、行政施策の効率化や歩道・道路の安全性向上が期待される。得られたデータは他地域や民間施設への展開にも活かされます。

札幌市とDFA Roboticsが目指す「人口減少に適応した持続可能なまちづくり」

北海道札幌市と株式会社DFA Roboticsは、人口減少に適応した持続可能な都市の構築を目的とする連携協定を締結しました。プレスリリースの発表日時は2025年12月12日13時00分で、今回の協定に基づく両者の取り組みは、ロボティクスを活用して地域課題や社会課題を解決すること、行政施策の効率化・省力化、および市内の人手不足の緩和を目標としています。

本協定の位置づけは明確で、第一弾の取り組みとして札幌市特有の冬期課題である除雪・排雪作業の負担軽減を目的とした自動除雪ロボットの実証実験が計画されています。連携の根底には、札幌市が運営する「SAPPORO CO-CREATION GATE」を通じた官民連携の枠組みがあり、民間事業者の提案を受け入れながら実装に向けた協働を進める方針が示されています。

北海道札幌市とDFA Robotics、人口減少に適応した持続可能なまちづくりを目指し連携協定を締結 画像 2

協定の目的と連携の主な事項

協定は、札幌市とDFA Roboticsが相互に連携し、両者が有する人材・技術・ノウハウを活用することで、地域経済力の向上や新たな価値創造につなげることを目的としています。特に人口減少の進行下でも都市機能を維持・発展させる点に重きが置かれています。

連携・協力する主な事項は次の通りです。以下は本協定で明示された項目です。

  • ロボティクスを活用した、人口減少に適応した持続可能な都市の構築に関する事項
  • ロボティクスを活用した行政施策の効率化・省力化に関する事項
  • ロボティクスを活用した市内の人手不足解消に関する事項
  • その他、両者の協議により必要と認められる事項

今回の自動除雪ロボットの実証は、上記のうち「持続可能な都市の構築」と「市内の人手不足解消」に資する取り組みの第一歩として位置づけられています。

札幌市が抱える冬期課題とロボティクス導入の背景

札幌市は近年、断続的な大雪や短期間に集中して降る極端な大雪を経験しており、道路交通や物流、市民生活への影響が深刻化しています。交通網の混乱や企業の営業機会の損失といった地域経済への影響が発生している点が、今回の取り組みを後押しする背景となっています。

また、除雪・排雪作業には多くの人員とコストが必要であり、札幌市における除雪・排雪関連予算は非常に大きな規模となっています。少子・高齢化の進展により除雪の担い手不足が深刻化しているため、将来的に冬季の移動環境の維持が難しくなる懸念があり、効率的かつ持続可能な除排雪体制の構築が長期的課題となっています。

SAPPORO CO-CREATION GATEを通じた提案経緯

札幌市は官民連携推進のために「SAPPORO CO-CREATION GATE」を運営しており、民間からの協働相談や提案を受付けています。DFA Roboticsはこの枠組みを通じて、札幌市が掲げる「誰もが幸せを感じ、希望を実現している、魅力と活力に満ちあふれた未来」の実現に向け、自社のロボティクスソリューションを提案しました。

ロボティクス技術は雪対策において効率性と安全性を両立する手段として期待されており、札幌市とDFA Roboticsはロボット技術を活用した課題解決モデルの構築および社会実装に向けて共同で取り組みます。

自動除雪ロボット実証の具体的な取り組み内容

本協定に基づく第一弾の取り組みは、自動除雪ロボットの実証実験です。実証は2025年度冬季に実施される予定で、実施前の準備段階から運用モデル検討までを含む一連の計画が示されています。

具体的な取り組みは以下のとおりです。各項目は実証に向けた段階的な工程を含んでいます。

  1. 自動除雪ロボットの実証準備

    歩道や公共施設周辺など、市内で除雪・排雪負担が大きいエリアを想定し、走行環境の調査とオペレーション設計を行います。現地調査の結果を踏まえて運用要件を定め、実証に向けた具体的な試験計画を作成します。

    調査では路面状況、歩行者や車両の動線、雪の性状(粉雪と湿雪の違い)などを精査します。

  2. 地域特性に応じたロボット仕様の検討

    札幌特有の粉雪・湿雪・路面凍結・吹雪・寒冷環境に対応するため、ロボットの性能や安全性、遠隔監視システムの改善案を検討します。必要に応じて仕様改良や追加センサーの導入などを行います。

    この工程では、安全基準の確認や運用時のリスク低減策も併せて検討されます。

  3. 自治体との連携体制構築

    実証後の運用モデルや除雪計画への組み込みの可能性を含め、将来的な地域展開に向けた官民協働体制を整備します。自治体職員との運用手順のすり合わせや、地域住民への説明体制の構築も想定されています。

    実証で得られたデータを基に性能改善を図り、公共インフラのみならず商業施設、マンション管理、住宅地などへの展開も検討されます。

実証によって得られるデータは、ロボットの走行性能、除雪効率、安全性評価、遠隔監視の有効性など多岐にわたります。これらを分析・反映し、将来の実運用に適した仕様と運用体制を確立する計画です。

連携で目指す運用の広がり

将来的には除雪に限定せず、ロボティクスを活用した行政施策の効率化・省力化や、さまざまな産業分野での人手不足解消へ取り組みの範囲を拡大する予定です。連携協定はこれらの多面的な展開を視野に入れたものです。

実証を通じて得たノウハウは、札幌市内の冬期負担の軽減だけでなく、他地域への横展開や、新たなロボット活用モデルの構築につながることが期待されます。

DFA Roboticsの強み、組織情報、寄せられたコメント

DFA Roboticsは配膳・清掃・搬送ロボットなどをはじめとするサービスロボットの提供を通じて、さまざまな業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している企業です。導入実績は国内で3,500台超、アフターサポートは全国24時間体制とされています。

また、同社は全国に140箇所以上の保守拠点を保有しており、迅速かつ正確なアフターサポートを強みとしています。これらの体制により、厳しい屋外環境に対応するサービス提供の可能性が担保されます。

会社名
株式会社DFA Robotics
設立
2017年9月
代表者
代表取締役社長 松林 大悟
本社
東京都港区虎ノ門3-17-1 TOKYU REIT 虎ノ門ビル6階
資本金
5,683万5,500円
事業内容
配膳・運搬・清掃などを担うサービスロボットの輸入、販売、導入支援、アフターフォロー等
広報窓口
TEL:03-6823-2696 / Email:pr@dfarobotics.com

札幌市側のコメントでは、人口減少や高齢化の進行下で市民の安全・安心な暮らしと都市の活力の維持・向上を重視しており、ロボティクス分野で実績のあるDFA Roboticsとの連携を歓迎する旨が示されています。

DFA Roboticsの執行役員である山本雄士氏は、当該協定によって北海道の冬期課題の解決と持続可能なまちづくりへの貢献を目指す旨を述べています。同社はロボットを「人の可能性を伸ばす」存在として位置づけ、次世代の社会インフラ創造を掲げています。

本取り組みの要点整理(一覧表)および総括

以下に、本プレスリリースで示された主要な情報を表形式で整理します。実証計画の概要、協定の主旨、関係者情報、連絡先および実施時期など、重要な要素を網羅しています。

項目 内容
発表日時 2025年12月12日 13:00
連携主体 北海道札幌市/株式会社DFA Robotics(チェンジHDの子会社)
協定の目的 人口減少に適応した持続可能な都市の構築、行政施策の効率化・省力化、市内の人手不足解消
第一弾の取り組み 自動除雪ロボットの実証実験(札幌市の雪対策、除排雪負担軽減)
実証の主な内容 走行環境調査・オペレーション設計、ロボット仕様の検討、自治体との連携体制構築
実施時期 2025年度冬季に実証実験を実施予定
DFA Roboticsの実績・体制 国内導入実績3,500台超、全国24時間体制のアフターサポート、全国140箇所以上の保守拠点
会社概要(DFA Robotics) 設立:2017年9月/代表:松林大悟/本社:東京都港区虎ノ門3-17-1/資本金:5,683万5,500円
広報連絡先 TEL:03-6823-2696/Email:pr@dfarobotics.com
期待される展開 公共インフラ以外にも商業施設やマンション管理、住宅地へ展開し、冬季負担軽減と人手不足の緩和を図る

今回の協定は、自動除雪ロボットを起点にした技術実装と運用モデルの構築を通じて、札幌市が抱える冬期の課題や人手不足に対する現実的な解決策を模索するものです。実証で得られるデータとその分析を経て、仕様改善や運用体制の整備が行われ、将来的には市域全体および他分野への応用が視野に入っています。

協定に含まれる全ての情報を踏まえると、本連携は官民それぞれの資源を活用し、ロボティクスを核とした持続可能なまちづくりを具体化するための段階的な取り組みであることが確認できます。