2026年4月1日開始、JR九州が92駅でタッチ決済を本格導入

JR九州タッチ導入

開催日:4月1日

JR九州タッチ導入
いつから使えるの?
2026年4月1日から本格導入されます。初期は鹿児島本線などで利用可能で、2026年秋頃に香椎線・福北ゆたか線・若松線が追加され、最終的に計92駅で使える予定です。
どのカードで使えるの?
Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners、Discover、銀聯など主要ブランドに対応。タッチ決済対応カードや設定したスマホを自動改札にかざすだけで乗車でき、履歴はQ‑moveで確認できます。

クレジットカード等のタッチ決済でJR九州92駅へ拡大、2026年4月から本格導入

2025年12月12日付のプレスリリースにより、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)は、三井住友カード株式会社、株式会社ジェーシービー、日本信号株式会社、QUADRAC株式会社と連携して進めてきたクレジットカード等のタッチ決済を用いた乗車サービスの実証実験を終了し、2026年4月1日より本格導入することを発表しました。

本稿では、発表内容の全容を整理し、対象駅や導入スケジュール、利用方法、対応ブランド、実証実験の経緯や関連技術まで、プレスリリースに記載された情報を漏れなく詳述します。

JR九州にてクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を終了し、2026年4月より本格導入します 画像 2

発表の主体と公表日時

プレスリリースは2025年12月12日15時00分に公表されました。共同で発表した企業と代表者は以下の通りです。

  • 九州旅客鉄道株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長執行役員:古宮 洋二)
  • 三井住友カード株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員 CEO:大西 幸彦)
  • 株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:二重 孝好)
  • 日本信号株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:塚本 英彦)
  • QUADRAC株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高田 昌幸)

これらの企業が連携し、三井住友カードが提供する公共交通機関向けソリューション「stera transit」を活用して、タッチ決済による入出場を自動改札機等で実施する仕組みを本格導入することになりました。

JR九州にてクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を終了し、2026年4月より本格導入します 画像 3

対象エリアと駅数の詳細

本格導入では、対象エリアに変更があり、最終的に計92駅での利用が可能になります。数値は線区別の駅数を示し、線区間が重複する駅は集計から除外した合計が92駅となっています。

以下は線区別の対象駅情報です。線区の範囲は駅の起点と終点を併記しています。

線区 区間 線区別駅数
鹿児島本線 門司港駅~久留米駅 49駅
香椎線 西戸崎駅~宇美駅 16駅
福北ゆたか線 折尾駅~博多駅 27駅
若松線 若松駅~折尾駅 6駅

なお、発表文では「計92駅(※線区別で重複する駅を除く)」と明記されています。線区別合計の単純和(49+16+27+6)は98になりますが、折尾駅などの重複駅を除いた集計が92駅となります。

本格導入にあたり、鹿児島地区の指宿枕崎線および大分地区の日豊本線・久大本線での利用は終了し、代わって2026年秋頃(予定)から福岡地区の香椎線・福北ゆたか線・若松線の範囲を拡大する点が大きな変更点です。

JR九州にてクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を終了し、2026年4月より本格導入します 画像 4

導入開始後に利用可能となる範囲の段階的変化

プレスリリースでは、時期ごとの利用可能エリアを明確に示しています。段階的な切り替えが行われますので利用者は期間を確認する必要があります。

以下の通り、期日と対象エリアが定められています。

~2026年3月31日(火)
鹿児島本線:門司港駅~久留米駅
香椎線:海ノ中道駅
指宿枕崎線:鹿児島中央駅~指宿駅
日豊本線・久大本線:別府駅~由布院駅
2026年4月1日(水)~2026年秋頃(予定)
鹿児島本線:門司港駅~久留米駅
香椎線:海ノ中道駅(引き続き)
2026年秋頃(予定)~
鹿児島本線:門司港駅~久留米駅
香椎線:西戸崎駅~宇美駅
福北ゆたか線:折尾駅~博多駅
若松線:若松駅~折尾駅
JR九州にてクレジットカード等のタッチ決済による乗車サービスの実証実験を終了し、2026年4月より本格導入します 画像 5

実証実験の経緯と今回の整理

今回の本格導入決定は、2022年7月に開始した複数年にわたる実証実験の成果と検証を踏まえたものです。実証実験はJRグループとして初の取り組みであり、段階的に対象エリアを拡大してきました。

実証実験の主な経緯は以下の通りです。

  • 2022年7月:鹿児島本線 香椎駅~博多駅(5駅)で実証実験を開始(JRグループ初のクレジットカード等によるタッチ決済乗車サービス導入)。
  • 2023年7月:鹿児島本線 門司港駅~久留米駅・香椎線 海ノ中道駅へ拡大(合計45駅)。
  • 2023年10月:指宿枕崎線 鹿児島中央駅~指宿駅(18駅)を追加。
  • 2024年11月:日豊本線・久大本線 別府駅~由布院駅(16駅)を追加。実証実験期間中の合計は84駅。

実証実験は日常利用のお客さまや訪日外国人を含む鉄道利用者の利便性向上やサービスの効果検証を目的として実施され、今回の発表により一部地域で実験を終了し、別の地域で本格運用へ移行する形となります。

プレスリリースには、過去の関連リリースの日付と題名が引用されており、これまでの拡大や延長の経緯が確認できます(例:2022年7月7日、2023年3月24日、2023年6月28日、2023年9月12日、2024年11月13日付のリリース)。

実証実験中の取り組みと利用状況

実証実験では、訪日外国人を含む幅広い利用者層に使われ、駅改札での導入や運用に関する検証が行われました。利用者の利便性や運用面の課題が確認され、本格導入に向けたデータの蓄積がなされました。

プレスリリースでは、実証実験の対象を順次拡大し、得られた知見を踏まえて本格導入に移行する旨が記載されています。実験に参加した駅数は最大で84駅に達しました。

利用方法・対応カード・技術的なポイント

本格導入にあたり、利用者が実際にどのように乗車するか、対応するカードブランドや技術的背景についても明記されています。ここでは利用手順、対応ブランド、履歴確認方法、そして「stera transit」の概要を整理します。

利用開始日以降、対応駅では自動改札機や専用端末にタッチ決済対応のカードやカードが設定されたスマートフォン等をかざすだけで入場・出場が可能となります。

ご利用方法

入場時および出場時に、タッチ決済対応カード(クレジット、デビット、プリペイド)またはカードが設定されたスマートフォン等を自動改札機や専用端末にかざして乗車します。

プレスリリース内に「設置機器一覧」の見出しが存在しますが、本文では具体的な設置機器の詳細リストは掲載されていません。実際に設置される機器の種類や台数等の詳細は各駅での掲示や今後の案内での確認が必要です。

対応カードブランドと利用上の注意

全対象駅(92駅)で利用可能なカードブランドは以下の通りです。

  • Visa
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
  • Diners Club
  • Discover
  • 銀聯(UnionPay)

タッチ決済は国際標準のセキュリティ認証技術を活用した決済方法で、サインや暗証番号入力なしで決済が完了します。ただし、一定金額を超える支払いについては暗証番号入力またはサインが必要になる場合があります。公共交通における導入であってもこのセキュリティ仕様が適用されます。

履歴確認と技術プラットフォーム

タッチ決済の乗車履歴は、QUADRACのQ-moveサイト(https://q-move.info/)にアクセスし、マイページの会員登録手続き完了後に確認できます。履歴確認のための手続き方法が示されています。

また、本サービスは三井住友カードが提供する決済プラットフォーム「stera」を基盤とした「stera transit」により提供されます。「stera」は三井住友カードがGMOペイメントゲートウェイ、GMOフィナンシャルゲートおよびVisaと共同で構築した事業者向け決済プラットフォームです。「stera transit」はこの決済基盤と国際ブランドのタッチ決済を活用した公共交通機関向けソリューションを指します。

「stera transit」は現金や事前チャージが不要であるため、利便性向上のほか「感染症予防対策」「インバウンド受け入れ環境の整備」「地域のキャッシュレス決済促進」など、交通以外の領域における効果も期待できるとプレスリリースに記載されています。また、MaaSやスマートシティの認証基盤としての活用も可能であり、全国各地での導入が見込まれている旨が記載されています。

以下は本記事で取り上げた主要事項を整理した表です。記事の締めとして本導入の要点を確認できます。

項目 内容
発表日 2025年12月12日 15:00(プレスリリース掲載日時)
発表主体 九州旅客鉄道株式会社、三井住友カード株式会社、株式会社ジェーシービー、日本信号株式会社、QUADRAC株式会社
本格導入開始日 2026年4月1日(水)より(段階的に対象拡大、2026年秋頃に追加線区の開始予定)
対象駅数 計92駅(線区別の重複駅を除く集計)
対象線区(最終拡大後) 鹿児島本線(門司港~久留米)、香椎線(西戸崎~宇美)、福北ゆたか線(折尾~博多)、若松線(若松~折尾)
対応カードブランド Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯
利用方法 タッチ決済対応カードまたはカードが設定されたスマートフォン等を自動改札機や専用端末にかざして入場・出場
履歴確認 QUADRACのQ-moveサイト(https://q-move.info/)でマイページ登録後に確認可能
基盤技術 三井住友カードの「stera」プラットフォームおよび「stera transit」ソリューション
実証実験の経緯 2022年7月開始(香椎駅~博多駅5駅)から段階的拡大。最大で84駅を対象に実証実験を実施

本稿はプレスリリースの記載内容を基に作成しています。導入の時期や対象駅の範囲は公表された日程に沿って段階的に変わりますので、利用を検討する際はJR九州等の公式案内を併せて確認ください。