名古屋鉄道、名古屋駅再開発を再検証へ スケジュール大幅見直し

名古屋駅再検証着手

開催日:12月12日

名古屋駅の再開発は中止になったの?
中止ではなく現計画の再検証に着手した段階です。入札辞退や工事費・期間増大を受け、当面の工事着手は未定で、共同事業者と協議し見直しを進めます。
名鉄百貨店やバスセンターはどうなるの?
名鉄百貨店本店は予定どおり2026年2月28日に営業終了が確定。名鉄バスセンターや名鉄グランドホテル、駐車場等は再検証の結果次第で営業予定が未定です。

名古屋駅地区再開発は現行計画の再検証フェーズへ移行

名古屋鉄道株式会社は、名古屋駅地区再開発計画および関連諸計画について、現行のスケジュールを変更するとともに、現計画の再検証および見直しに着手すると2025年12月12日付の発表で明らかにしました。共同事業者間での事業化決定を公表した2025年5月26日以降、事業推進に関わるさまざまな業務を進めてきたものの、現状のままでは計画通りの工事着手が困難であると判断したことが背景にあります。

発表は名古屋鉄道の公式リリースとして15時30分に行われ、今回の判断は複数の共同事業者による協議と施工予定者選定の過程での事情を受けて行われています。今後は再検証作業をただちに開始し、共同事業者との協議を継続したうえで見直しの方向性を改めて公表するとされています。

発表元、日時、共同事業者の構成

発表は名古屋鉄道株式会社によるもので、発表日時は2025年12月12日 15時30分です。公表文では、事業の共同事業者として5者が記載されています。

共同事業者(公表時点)
名古屋鉄道株式会社
名鉄都市開発株式会社
日本生命保険相互会社
近畿日本鉄道株式会社
近鉄不動産株式会社

これら5社が共同で関わる事業体制のもと、当初計画の実現に向けた準備が進められていましたが、施工体制の構築に関する課題が表面化しました。

施工予定者選定の経緯とスケジュール変更の具体的内容

今回のスケジュール変更は、解体・新築工事の施工予定者選定を進める過程で明確になった問題が直接的な契機となっています。応募参加者からの申し入れとして、人材確保の困難さを理由に、現計画での解体・新築工事の施工体制を構築することが難しいとの判断が示されました。

名古屋鉄道によれば、応募者からは2025年11月26日付で入札辞退届が提出され、これにより解体工事着手などが大幅に遅延することが確実になったため、スケジュールの見直しを決定したと説明されています。

スケジュール変更の理由と影響

公表された理由は主に以下の点です。まず、施工体制の構築が困難であるとの入札応募者からの申し入れがあったこと。次に、概算工事費および工事期間が当初想定を大幅に上回る見込みになったことです。

これらは、現計画の前提条件を根本的に変える要素であり、事業を推進する前提を再検討する必要が生じたとされています。施工体制の実現性、工事費の増加見込み、長期にわたる施工期間の管理などが課題として挙げられています。

スケジュールの変更(変更前→変更後)
項目 変更前 変更後
解体着工 2026年度 未定
新築着工 2027年度 未定
1期本工事竣工 2033年度 未定
2期本工事竣工 2040年代前半 未定

再検証・見直しの対象と検討の焦点

名古屋鉄道は、再検証および見直しの対象として明示的に2つの計画を挙げています。1つは名古屋駅地区再開発計画(バスターミナル再整備を含む)であり、もう1つは名鉄名古屋駅再整備計画です。これらは駅周辺の交通結節点性や商業施設・宿泊施設等の機能再編を含む広範な計画です。

検討の焦点は、工事の実行可能性、工事期間の合理化、概算工事費の見直し、人材確保と施工体制の確立に集約されます。技術協力者(ゼネコン各社)との協議を経て当初想定を精査した結果、概算工事費・工事期間が当初想定を大きく上回る見込みとなったことが、今回の再検証着手の重要な理由として挙げられています。

  • 再検証対象: 名古屋駅地区再開発計画(バスターミナル再整備含む)
  • 再検証対象: 名鉄名古屋駅再整備計画
  • 主な検討項目: 事業規模の見直し、工事手順の簡素化、費用対効果、施工体制の現実性

名古屋鉄道は、これらの点を含めてただちに再検証に着手するとしており、共同事業者とも協議を継続するとしています。

関連施設への影響、今後の見通しと整理

スケジュール変更および計画の再検証着手により、名鉄グループの既存施設についても影響が出ています。公表されている営業予定のうち、確定している事項と未定の事項が混在しています。確定しているのは名鉄百貨店本店(本館、メンズ館)の営業終了が2026年2月28日である点です。

一方で、名鉄バスセンター、名鉄グランドホテル、スカイパーキング等の営業については現時点で未定とされており、今後の再検証の結果や共同事業者との協議に応じて判断が示されることになります。計画の進捗状況や施工体制の整備状況が明確になるまでは、該当施設の営業予定に関する確定情報の公表は差し控えられる見通しです。

影響を受ける主な施設

公表文に明記されている施設とその現状は以下の通りです。営業終了予定日が確定しているものと、未定のものに分かれます。

  • 名鉄百貨店本店(本館、メンズ館): 営業終了 2026年2月28日(予定どおり)
  • 名鉄バスセンター: 営業予定 未定
  • 名鉄グランドホテル: 営業予定 未定
  • スカイパーキング等: 営業予定 未定

上記のうち、名鉄百貨店本店の営業終了日は従来の予定どおりと明記されていますが、その他の施設については再検証の結果を踏まえて改めて示される予定です。

今後の手続きと公表の見通し

名古屋鉄道はただちに再検証および見直し検討に着手するとしています。共同事業者間での協議も並行して行われており、見直しの方向性や具体案がまとまり次第、改めて発表する予定です。

発表文では、これまで本事業に関わった関係者への配慮や、今後の公表についての予告がなされていますが、具体的なスケジュールや措置は再検証の結果次第であるため、現時点での確定情報は限られます。公表された事実関係は上記の通りで、今後の進捗に応じて追加情報が提供される見込みです。

今回の発表内容の要点整理

ここまでに示された公表内容を整理すると、主要なポイントは次の通りです。まず、施工予定者選定過程での入札辞退が生じ、解体・新築工事の着手が遅延することが確実になった点。次に、それに伴って既存のスケジュールがすべて未定となった点。そして、再検証の対象が具体的に示され、ただちに見直し作業が開始される点です。

以下の表に、発表で明示された主要事項を整理してまとめます。この記事の締めくくりとして、発表の事実関係を確認しやすく一覧化しています。

項目 内容
発表者 名古屋鉄道株式会社
発表日時 2025年12月12日 15時30分
共同事業者 名古屋鉄道、名鉄都市開発、日本生命、近畿日本鉄道、近鉄不動産
スケジュール変更の契機 解体・新築工事の施工予定者の選定過程で応募者から入札辞退(2025年11月26日付)
当面のスケジュール 解体着工、�新築着工、各期竣工ともに「未定」へ変更
再検証対象 名古屋駅地区再開発計画(バスターミナル再整備含む)、名鉄名古屋駅再整備計画
既存施設への影響 名鉄百貨店本店(本館、メンズ館)営業終了: 2026年2月28日(予定どおり)。名鉄バスセンター、名鉄グランドホテル、スカイパーキング等は未定。
今後の対応 ただちに再検証・見直し検討に着手し、共同事業者と協議後に改めて発表

以上が、名古屋鉄道による2025年12月12日の公表内容の整理です。公表された事実関係はこの記事に網羅して記載しており、今後の改定や追加発表があれば、発表内容に基づいて随時整理して報じることになります。