三澤則行の「ホルンの靴」IDA金賞、2月8日授賞式へ
ベストカレンダー編集部
2025年12月13日 18:53
IDA授賞式
開催日:2月8日
国際舞台で金賞に輝いた「ホルンの靴」──受賞の概要と評価
靴職人・三澤則行によるシリーズ作品の第6作目、「MUSIC Ⅵ ~ホルン~」が、アメリカ発の国際デザイン賞International Design Awards 2025(IDA)において金賞を受賞しました。プレスリリースは2025年12月13日 15時59分
IDAは世界70カ国以上から応募が集まる国際的なデザイン賞であり、2025年には第19回を迎えています。審査は建築・プロダクト・グラフィック・ファッションなど多分野の専門家が行い、三澤の作品はデザインの質、明確なビジョン、現代デザインへの貢献が高く評価されました。
受賞の意義と国際的評価
国際審査員による評価は、単に造形の美しさだけでなく、作品が持つ概念性や素材との対峙、そして実用性の領域を横断する点に着目しています。三澤の作品はその領域横断性により高い評価を得ました。
IDAの公式な授賞式は2026年2月8日に、バンコク・デザイン・ウィーク期間中のタイ・バンコクのICONSIAMで開催される予定です。授賞式の開催地と日程が既に案内されていることから、受賞の公的な承認とその後の国際的な露出が見込まれます。
「MUSIC Ⅵ ~ホルン~」の設計思想と素材選択
受賞作品である「MUSIC Ⅵ ~ホルン~」は、音楽的構造と靴の形態・機能を融合させる試みとして制作されました。作品は管楽器であるホルンの曲線や音の通り道から発想を得ており、視覚的な造形と機能的な設計を一体化させています。
具体的には、インソールとアウトソールを繋ぐウェルト部分を空洞構造にして、楽器の管のような「通り道」を靴に組み込んでいます。これは単なるモチーフ表現に留まらず、楽器の本質的構造を靴の設計に転換する実践です。
素材と仕立てに込められた考え
素材には未着色のヌメ革を採用しています。ヌメ革は誤魔化しが効かない素材であり、経年変化を受け入れることが前提となるため、時間の経過とともに完成度が増す作品性を持たせる意図があります。
作品はアートとして鑑賞可能であると同時に、実際に履用できる靴として成立することを目指しています。視覚的な造形表現と身体感覚に訴える機能の双方を備える点が特徴です。写真クレジットとして市川森一氏の写真が用いられています。
- 作品名:MUSIC Ⅵ ~ホルン~
- 着想:管楽器ホルンの曲線と音の通り道
- 主要構造:ウェルトの空洞化(インソールとアウトソールの連結部)
- 素材:未着色ヌメ革(経年変化を前提)
- 特性:アート作品としての展示性と実際に履ける実用性の両立
三澤則行の歩み──受賞歴、個展、主な活動と製作実績
三澤則行は靴職人であると同時にアーティストとして国内外で活動してきました。ハリウッド映画界や公的機関への納品実績もあり、国際舞台での展示や評価を積み重ねています。
以下に、プレスリリースに記載された受賞歴・個展・主な活動・メディア掲載・製作実績を網羅的に示します。
主な受賞歴
- 2010年
- International Efficiency Contest of Shoemakers(ドイツ国際靴職人技能コンテスト) 金メダル、名誉賞受賞
- 2015年
- 第33回 日本革工芸展「文部科学大臣賞」受賞
- 2021年・2022年
- GLOBAL FOOTWEAR AWARDS(アメリカ)「BEST OVERALL WINNER(総合優勝)」受賞
- 2025年
- International Design Awards 2025 金賞(本件)
主な個展と展示(年・会場)
- 2017年 ニューヨーク、チェルシー「Rogue Space」
- 2018年 ロンドン「Sway Gallery」
- 2022年 モエレ沼公園 ガラスのピラミッド(イサム・ノグチ設計)
- 2023年 シンガポール「THE ARTS HOUSE」
- 2024年 パリ、マレ地区「Gallery Ecouffes」
- 2025年 ローマ「BANCHI VECCHI」
主な活動・製作実績・メディア掲載
- 2017年 フランス・カンヌ国際映画祭で展示会開催
- 2018〜2024年 宮内庁に納品(伊勢神宮「親謁の儀」など)
- 2020年 天皇皇后両陛下より「御紋付銀手釦」を賜る
- 2021年 TOKYO2020オリンピック開会式のパフォーマンスへ靴提供
- 2023年 NEXT ATOM for the future(手塚プロダクション監修)作品発表
- 2025年 大阪・関西万博「未来の靴のカタチ」展 開催
- 製作実績:スパイク・リー(映画監督)、パクチャヌク(映画監督)、エイドリアン・ブロディ(俳優)、ミリセント・シモンズ(女優)、宮内庁 など
- メディア掲載・出演:2017年 Canal plus TV、Huffington Post(フランス)、Los Angeles Times(アメリカ)掲載
- 2022年 日本経済新聞 世界職人特集掲載、NHK WORLD「Direct Talk」出演
- 2023年 CNA TVドキュメンタリー「Remarkable Living」出演(シンガポール)
写真掲載のクレジット情報としては、受賞作品の写真は市川森一氏、その他製作実績写真としてIvana Noto氏のクレジットが示されています。
IDAの位置付けと受賞式の予定、連絡先情報のまとめ
International Design Awards(IDA)は2007年にロサンゼルスで設立され、建築、プロダクト、グラフィック、ファッションなど多様な分野を対象に世界中の優れたデザインを顕彰しています。2025年は第19回にあたり、国際的に活躍する建築家やデザイナーを審査員に迎えた厳正な審査が行われる点が同賞の特徴です。
授賞式は2026年2月8日、バンコク・デザイン・ウィーク期間中にICONSIAM(タイ・バンコク)で開催される予定で、ここでの正式な授与が行われます。受賞に伴う国際的な展示機会やメディア露出が想定されます。
連絡先・運営情報
MISAWA SHOE DESIGN 株式会社および三澤則行に関する公式情報は以下の通りです。事業はアート靴、注文靴の製造・販売を主として行っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 / 代表者 | 三澤則行 (Noriyuki Misawa) |
| 会社名 | MISAWA SHOE DESIGN 株式会社 |
| 所在地 | 東京都荒川区荒川5-46-3 |
| 電話 | 03-6807-8839 |
| URL | http://www.noriyukimisawa.com |
| 事業内容 | アート靴、注文靴の製造・販売 |
本稿では、受賞作品の設計意図、素材選択、三澤則行のこれまでの受賞歴や個展、主な活動、メディア掲載、製作実績、そしてIDAの概要と授賞式予定日および連絡先情報まで、プレスリリースに記載されている情報を網羅して整理しました。
以下の表は、本記事で言及した主要事項を簡潔にまとめたものです。情報を時系列や分類ごとに整理しています。
| 分類 | 内容(要点) |
|---|---|
| 受賞 | International Design Awards 2025(金賞) — 2025年に受賞 |
| 受賞作品 | MUSIC Ⅵ ~ホルン~(ウェルトの空洞構造、未着色ヌメ革使用) |
| 授賞式 | 2026年2月8日(バンコク・ICONSIAM、バンコク・デザイン・ウィーク期間) |
| 主な受賞歴 | 2010年(ドイツ)金メダル・名誉賞、2015年 文部科学大臣賞、2021・2022年 GLOBAL FOOTWEAR AWARDS 総合優勝など |
| 主な個展 | 2017 NY、2018 ロンドン、2022 モエレ沼公園、2023 シンガポール、2024 パリ、2025 ローマ |
| 主な活動・実績 | 宮内庁納品(2018〜24)、TOKYO2020 開会式用靴提供、カンヌ展示、メディア掲載多数 |
| 連絡先 | MISAWA SHOE DESIGN 株式会社、東京都荒川区荒川5-46-3、03-6807-8839、http://www.noriyukimisawa.com |
以上がプレスリリースの全情報を反映した整理となります。受賞作品の技術的・美術的意図、三澤則行のこれまでの歩み、そして今後の授賞式の日程と公式な連絡先を網羅的に提示しました。