12/20・27放送 寺尾聰が語る『ルビーの指環』誕生秘話

昭和を音楽で振り返る特番

開催期間:12月20日〜12月27日

昭和を音楽で振り返る特番
この番組ってどんな内容?
大宅壮一文庫に残る雑誌の一次資料を手掛かりに、昭和の各時代を音楽で振り返るドキュメンタリー番組。関口宏が司会で、雑誌記事や写真、広告を比較しながらヒット曲と世相の関係を検証する構成。
寺尾聰は何を語るの?
寺尾聰は「ルビーの指環」制作の舞台裏や音作り、当時のクリエイターとのこだわりを語るほか、ザ・サベージ時代から俳優転身、黒いサングラスや石原プロ関係のエピソードも披露する予定。

雑誌の図書館「大宅壮一文庫」を舞台に昭和を音楽でたどる番組

BS朝日が制作する「関口宏の雑誌の記憶」は、昭和のジャーナリスト大宅壮一が遺した所蔵を活用し、日本で出版されたほとんどの雑誌を保存する稀有なコレクションを舞台に、当時の雑誌が各トピックをどう伝えたかに光を当てる番組です。本稿では、2025年12月20日・27日に放送される年末特別編の内容を詳述します。両回ともに司会は関口宏、ゲストは俳優・アーティストの寺尾聰が務め、昭和という時代を音楽の視点から振り返ります。

この番組の特徴は、ネット上には残らない当時の雑誌記事という一次資料に基づいて「同時代の情報」を掬い上げる点にあります。昭和から平成にかけて雑誌が担ってきた情報の量と質を再評価し、その記事群を横断することで、流行や世相、音楽が人々の暮らしに与えた影響を立体的に描き出します。ここからは、放送内容の詳細と寺尾聰にまつわるエピソードを順に紹介します。

大宅壮一文庫の役割と番組の視点

大宅壮一文庫は、紙媒体として保存された雑誌群を通して、当時の「生の情報」を伝える機関です。番組ではその所蔵資料をフル活用し、戦前・戦中からバブル期に至るまでの雑誌記事を検証、比較しながら時代ごとの表現や受容の変化を追います。扱うトピックは音楽を中心に据えつつ、誌面に残る報道や写真、広告なども含めて当時の空気感を再現します。

具体的には、雑誌がどのように新曲やアーティストを取り上げたか、音楽的潮流や社会的状況をどう結びつけて伝えていたかを精査します。こうした作業により、現代の視点からは見えにくい「なぜその曲が受け入れられたのか」「どのようにしてブームが形成されたのか」といった因果関係を明らかにします。

  • 資料の種類: 雑誌記事、写真、広告、インタビューなどの一次資料
  • 分析の焦点: 各時代のヒット曲や音楽ジャンルの広がり、メディアの伝え方
  • 方法論: 時代区分に基づく比較、関係者の証言との突合

寺尾聰と「ルビーの指環」—軌跡と制作秘話

2025年の特別編で最終ゲストを務めるのは寺尾聰です。寺尾はGS(グループ・サウンズ)で活動したザ・サベージのベース&ボーカルとしてデビュー後、俳優へ転身し、ソロアーティストとしても成功を収めました。昭和56年(1981年)に発表された「ルビーの指環」は彼を代表するナンバーとなり、以後の活動にも大きな影響を与えました。

番組では寺尾が「ルビーの指環」を制作する過程について、関係した当時の先端クリエイターたちと細部にわたってこだわったこと、唯一無二の楽曲に仕上げた経緯について語ります。制作時の音作りやアレンジ、当時の音楽シーンとの関係性など、本人の証言を通じて立体的に解説されます。

デビューからソロへの転機、代表曲の前後関係

寺尾のデビューはGSの時代に遡りますが、その後俳優へと活動領域を広げました。ソロ活動に入り、1980年(昭和55年)に発表した「SHADOW CITY」と「出航 SASURAI」が評価され、1981年の「ルビーの指環」とあわせてチャートの上位を占めた時期があります。これら3曲が同時期に高い評価を得たことは、当時の音楽界における寺尾の存在感を示す重要な事実です。

27日放送の後編では改めて「ルビーの指環」を聴き、寺尾自身がこの曲について「この曲があったからこそ、いまも俳優・寺尾聰を続けていられる」と語る場面が紹介される予定です。40年以上を経ても曲の輝きが色褪せない理由に迫る構成です。

代表曲とリリース年
SHADOW CITY(昭和55年:1980年)
出航 SASURAI(昭和55年:1980年)
ルビーの指環(昭和56年:1981年)

放送ではまた、寺尾と関口の間に生まれる“芸能界プチ思い出話”も取り上げられます。寺尾が歌番組への出演を渋っていた経緯や、その出演のきっかけとなった当時の所属事務所である石原プロモーションの存在(当時を率いていた石原裕次郎の関与)についても触れられます。さらに、寺尾のトレードマークであった黒いサングラスについても言及され、実はある理由から外すに外せなくなったというエピソードも紹介されます。これらは当時の事情を知るうえで重要な背景情報です。

2週にわたる放送構成と放送情報の詳細

番組は昭和の時代を戦前・戦中・戦後復興期・高度経済成長期・安定成長期・バブル経済期の6つの時代区分で整理し、それぞれの時代にどのようなヒット曲が生まれ、世相とどのように結びついていたかを検証します。12月20日の前編では戦後復興期までを中心に、12月27日の後編では高度経済成長期以降を中心に扱います。

具体的な放送日時と制作クレジットは以下の通りです。視聴の際には放送日時を確認してください。

  • 番組名: 「関口宏の雑誌の記憶」
  • 放送日時: 12月20日・27日(土)ごご4時〜4時30分放送
  • 放送局: BS朝日
  • MC: 関口宏
  • ゲスト: 寺尾聰
  • 制作: BS朝日、IVSテレビ制作
  • プロデューサー: 大木由起子(BS朝日)、長尾忠彦(IVSテレビ制作)

番組はレギュラー放送も毎週土曜ごご4時〜4時30分に放送されており、本特別編は2025年の最後を締めくくる企画として位置付けられています。放送に関連する番組写真を使用する場合は、コピーライト表記「©BS朝日」が必要です。

雑誌資料から読み解く昭和の音楽史と番組で扱う論点

番組では戦中におけるジャズ演奏者の生き残り方や、戦後の再興期における音楽の役割、高度経済成長期における音楽の変貌、GSブームの発生とその後の枝分かれなど、雑誌記事を通して多角的に検証します。これにより、単なる音楽史の年表ではなく、社会と音楽の相互作用を浮かび上がらせます。

取り上げるテーマは具体的で幅広く、たとえば戦中の軍歌一色の時代においていかにしてジャズが演奏され続けたのか、戦後復興期に外国音楽がどのように受容されたのか、高度成長期に入って日本の音楽がどのように変化したのか、といった問いを雑誌記事を手掛かりに検証します。

  1. 戦中: 軍歌が主流の中でのジャズ演奏者の生存戦略
  2. 戦後復興期: 外国音楽の受容とローカライズ
  3. 高度経済成長期以降: 流行の多様化とGSの熱狂
  4. 安定成長期〜バブル期: 音楽産業の体制化と消費文化の変化

番組ではこれらの各点について、当時の雑誌記事と出演者の証言を突合しながら、視聴者が時代背景を理解できるように構成しています。関口と寺尾の対話は、当事者としての記憶を補完し、雑誌資料から読み取れる事実を具体的に示す役割を果たします。

今回の記事内容の整理表

以下に本稿で取り上げた番組内容を一覧にまとめます。表は放送日時、出演情報、番組の主題、扱う時代区分、制作クレジット、参考リンクなどを整理したものです。表の後に本稿のまとめとなる自然な文章で締めます。

項目 内容
番組名 「関口宏の雑誌の記憶」
放送日時 2025年12月20日(土)ごご4時〜4時30分、12月27日(土)ごご4時〜4時30分
放送局 BS朝日
MC 関口宏
ゲスト 寺尾聰
放送構成 昭和を6時代(戦前・戦中・戦後復興期・高度経済成長期・安定成長期・バブル経済期)に分け、音楽と雑誌記事で検証。20日:戦後復興期まで、27日:高度成長期以降。
寺尾聰に関する主な話題 ザ・サベージでのデビュー、俳優転身、ソロ活動、SHADOW CITY(昭和55年)、出航 SASURAI(昭和55年)、ルビーの指環(昭和56年)の制作秘話、黒いサングラスにまつわるエピソード、石原プロモーションと石原裕次郎の関係
制作 BS朝日、IVSテレビ制作
プロデューサー 大木由起子(BS朝日)、長尾忠彦(IVSテレビ制作)
資料・取材元 大宅壮一文庫所蔵の雑誌記事・写真等の一次資料
公式情報 https://www.bs-asahi.co.jp/magazine_memory/
コピーライト表記 番組写真使用時は「©BS朝日」の表記が必要

本稿では大宅壮一文庫を用いた番組の趣旨、寺尾聰のキャリアと「ルビーの指環」をめぐる制作秘話、12月20日・27日の放送構成および制作クレジット、さらに雑誌資料から読み解く昭和の音楽史の主要論点を整理しました。番組は一次資料に基づく検証を通じて、昭和が残した音楽的遺産とその社会的意味を丁寧に提示する構成になっています。視聴に際しては上記の放送日時と公式ページをご確認ください。

参考リンク: