DEAが『DEAラボ』創設 公共をゲームで再設計

DEAラボ創設

開催日:12月15日

DEAラボ創設
DEAラボって具体的に何をするの?
DEAラボは“Public Play Design”を掲げ、ゲームの仕組みで公共システムを再設計する研究・実装組織です。R&D・コンサル、メディア発信、コミュニティ運営を通じて企業や自治体と連携して社会課題解決型ゲームを実証・展開します。
一般の人はどう関われるの?
市民参加型の例として電柱撮影ゲーム「PicTrée」の沖縄シーズンが2026年2月開始予定で誰でも参加可能な見込みです。加えて2026年1月19日のリアルイベントや、DEP保有者向けの特別制度(1月末開始)で関与機会があります。

ゲームの力で公共を再設計する――DEAラボの設立目的と戦略

2025年12月15日17時00分、シンガポール拠点のDigital Entertainment Asset Pte. Ltd.(以下、DEA)は、ゲームのメカニズムを用いて社会課題解決を目指す実証・実装組織『DEAラボ』を創設したと発表しました。DEAは2026年1月に日本法人『株式会社DEA』を設立する予定であり、DEAラボはその中核的な取り組みとして位置づけられています。

DEAラボが掲げる基本コンセプトはPublic Play Designです。これは単にポイントやバッジを付与するレベルのゲーミフィケーションではなく、「社会システムそのものを、人々が夢中になってプレイできる構造に設計し直す」ことを目指すアプローチです。ラボはR&D・コンサルティング、メディア・ナレッジハブ、コミュニティの3機能を通じて、社会課題解決型ゲームの量産と産業全体の底上げを図ります。

設立の位置づけと事業目標

DEAラボは日本発の技術とコンテンツで世界的プレゼンスを確立するための戦略的基盤であり、将来的な東京証券取引所への上場(IPO)も視野に入れた体制整備の一環です。DEAは2018年8月に設立されたWeb3エンターテインメント企業であり、これまでPlay to EarnやPlayMiningなどを通じてゲーミフィケーションを社会実装してきました。

DEAラボは、政府・自治体・大企業・学術機関と連携し、公的領域にゲームデザインを適用することで公共性を再定義することを狙いとしています。具体的には、インフラ維持・点検、ライフスタイル領域、ブレインテック応用など多岐にわたる領域での実証を予定しています。

進行中のプロジェクトとパートナーシップの全容

DEAラボ設立に先立ち、複数の業界トップランナーとの共創プロジェクトが既に進行しています。これらはインフラ、スポーツ・ライフスタイル、ブレインテックといった分野を含み、各領域での社会実装を見据えた検討が進められています。

以下に、プレスリリースで公表された全ての具体的なプロジェクトとパートナーシップを整理します。

  • インフラ点検における市民参加型モデル:東京電力との共同事業として生まれた電柱撮影ゲーム『PicTrée(ピクトレ)』の展開を拡大。沖縄県において、沖縄電力株式会社、NTT西日本株式会社 沖縄支店、株式会社NTTフィールドテクノとの連携シーズンを2026年2月より開始。
  • ライフスタイル領域の共同検討:資本業務提携パートナーである株式会社アシックスと、ライフスタイル領域における課題解決ゲームの開発検討を実施。
  • ブレインテック連携:株式会社BioSearch(脳波デバイスソリューション展開)と連携し、脳波デバイスを活用した新たなゲーミフィケーションの開発を進行。
  • その他業界との議論:建設業界、メンタルヘルスソリューション業界など幅広い分野で『ゲームによる解決』の議論が進行中。

これらはそれぞれ、企業間の垣根を越えた共同モデルや市民参加を通じた公共貢献の実現を目指す取り組みです。例えばPicTréeの沖縄展開は、電力・通信の社会インフラに市民参加の力を取り込むモデルケースとして位置づけられます。

PicTréeの展開とスケジュール

PicTréeは電柱を撮影して点検情報を集める市民参加型のゲームで、今回の拡大で沖縄における新シーズンが2026年2月より開始されます。参加企業は沖縄電力、NTT西日本 沖縄支店、NTTフィールドテクノであり、電力と通信という異なるインフラ分野を横断する共同体制が組まれます。

この取り組みは、実地でのインフラ管理データ取得を通じて、点検の効率化や早期異常検知といった社会的便益を目指すものです。市民のプレイが公共的価値の創出に直結する点が特徴です。

情報発信とコミュニティ形成の手法

DEAラボは研究開発に加え、知見の共有とコミュニティ形成にも注力します。具体的には、リアルイベントの定期開催や多様なメディアフォーマットでのナレッジ配信を計画しています。

株式会社SIGNINGと連携し、ゲーミフィケーションとWeb3の未来を議論する場を提供します。これにより、業界横断的な対話と協業を促進し、Public Play Designの普及・実装を支援する狙いがあります。

イベントとナレッジ共有の計画

第1回リアルイベントは以下のスケジュールで予定されています。

日時
2026年1月19日(月)
場所
東京・虎ノ門ヒルズ近辺(予定。詳細は後日発表)

また、テキスト記事、動画、音声ポッドキャストなど多様なフォーマットで『Public Play Design』の事例やWeb3・ゲーミフィケーションの最前線を発信するメディア機能を担います。これにより産業全体の知見を底上げすることを目指します。

DEPホルダー向け制度とDEAの組織情報

DEAは独自に発行する暗号資産『DEAPcoin(DEP)』の保有者を対象に、投資家やファンの枠を超えた共創の場を提供する『DEAラボ スペシャルエージェント』制度を2026年1月末より開始すると発表しました。エージェントは事業開発プロセスへの参加や限定コミュニティ活動を通じて、社会実装の過程に関与できます。

本制度はDEP保有者に対する新しい参加機会を設計するもので、コミュニティベースでの実装支援やプロジェクトレビュー、限定情報の共有などが想定されます。参加方法や詳細はDEAの案内に従う必要があります。

会社概要と代表コメント

発表文に含まれる代表のコメントでは、Founder & CEOの吉田直人氏が、DEAがWeb3やゲームの力を日本社会の公共財へと昇華させる意図を述べています。DEAは日本法人設立とDEAラボの創設を新たなフェーズの出発点と位置づけ、東証上場も一つの通過点として視野に入れています。

プレスリリースに記載されたDEAの基本情報は以下の通りです。

  • 法人名:Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.
  • Founder & CEO:吉田 直人/Founder & Co-CEO:山田 耕三
  • 本社所在地:20 ANSON ROAD #11-01 TWENTY ANSON SINGAPORE 079912
  • 設立:2018年8月
  • 主要事業:課題解決ゲームプラットフォーム『PlayMining』、NFTマーケットプレイス『PlayMining NFT』、暗号資産『DEAPcoin(DEP)』、電柱撮影ゲーム『PicTrée』など

まとめと記事の要点一覧

以下の表に、本記事で取り上げたDEAラボ関連の主要情報を整理します。発表日時、ラボの目的、主要プロジェクトとパートナー、スケジュール、連絡先などを網羅しています。

項目 内容
発表日時 2025年12月15日 17:00
発表者 Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.
新設組織 DEAラボ(実証・実装組織)
日本法人設立 株式会社DEA(予定) 2026年1月設立
ラボのコンセプト Public Play Design(社会システムをプレイ可能な構造に設計し直す)
主要機能 R&D・コンサルティング、メディア・ナレッジハブ、コミュニティ
進行中の主要プロジェクト PicTrée(沖縄展開、2026年2月開始)、アシックスとのライフスタイル領域検討、BioSearchとのブレインテック連携、建設・メンタルヘルス領域での議論
イベント 第1回リアルイベント 2026年1月19日(場所:東京・虎ノ門ヒルズ近辺、詳細後日)
DEPホルダー制度 DEAラボ スペシャルエージェント制度(開始:2026年1月末)
連絡先 お問い合わせフォーム https://dea.sg/contact/
公式サイト https://dea.sg/ (DEAラボ詳細 https://dea.sg/dea-labo/)

本稿はDEAのプレスリリースに基づき、DEAラボの設立目的、具体的プロジェクト、連携パートナー、スケジュール、DEPホルダー向け制度、会社概要といった公表情報を整理して報告しました。関連の最新情報や詳細は、DEAの公式サイトおよび案内ページで確認することができます。

参考リンク: