入間市立図書館40年展:DXと市民共創で紡ぐ記憶

入間市立図書館40周年展

開催期間:12月3日〜2月1日

入間市立図書館40周年展
この展示っていつまでやってるの?
「私と入間市立図書館」は2025年12月3日〜2026年2月1日、入間市立図書館本館で開催。写真展や市民エピソード、来年1月6日開始の共創モザイクアートも併催し、来館体験を重視した内容です。
DXでどんなサービスが使えるようになるの?
館内専用端末で国立国会図書館のデジタル化資料約150万点が閲覧・複写可能に。加えて「いるまし電子図書館」は24時間365日利用でき、来館が難しい人も電子で読書や調査ができるようになります。

図書館と市民の40年――記憶をつむぐ展示が示すもの

埼玉県入間市立図書館本館は、1985年(昭和60年)4月の開館から40周年を迎えました。本稿では、記念企画として2025年12月3日から開催されている企画展「私と入間市立図書館」を中心に、写真展や共創アート、そして図書館が進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)まで、展覧会の意義と具体的な取り組みをまとめて紹介します。

今回の周年事業は単に建物の歴史を祝うのではなく、過去40年間に市民一人ひとりが図書館で育んだ「物語(ナラティブ)」に焦点を当てています。受験や子育て、地域の思い出といった個人的な記憶を掘り起こし、書架に並ぶ本や空間がどのように生活に関わってきたかを可視化することで、地域コミュニティにおける図書館の価値を再定義する試みです。

市民の記憶を紡ぐ展覧会と、DXによる”どこでも図書館”の進化 画像 2

「私と入間市立図書館」企画展の内容と期間

市民から公募した「図書館にまつわるエピソード」を展示することで、40年間の利用者の想いを共有する展示になっています。展示は読む人の記憶を呼び起こすような構成で、共感を誘うコンテンツ群が館内を彩ります。

主要情報は以下の通りです。

  • 展示名:私と入間市立図書館
  • 期間:2025年12月3日(水)〜2026年2月1日(日)
  • 場所:入間市立図書館 本館

展示には、受験勉強や親子の読書時間など、具体的なエピソードが寄せられており、個人の経験を通して図書館の社会的な役割を見直す機会を提供します。展示は館内での体験を重視しており、来館して直に見ることで伝わる情報や情感を大切にしています。

市民の記憶を紡ぐ展覧会と、DXによる”どこでも図書館”の進化 画像 3

写真展と子どもたちとの共創アートで読む時間の流れ

同館では、時間の変遷を視覚的に伝える写真展「図書館今昔物語」を開催しています。昭和60年当時の風景と現在の利用風景を対比させることで、図書館が歩んできた変化が一目でわかる構成です。

写真展はアナログからデジタルへ、静寂な閲覧室から活気ある児童コーナーへと変化する様子を伝え、来館者が自分の世代との接点を見つけやすい作りになっています。

市民の記憶を紡ぐ展覧会と、DXによる”どこでも図書館”の進化 画像 4

写真展「図書館今昔物語」の概要

写真展は、開館当時の資料や写真を中心に展示し、図書館の設備や利用者の様子の変遷を追うことができます。アナログなカード目録から検索機への移行など、図書館の機能的な変化も読み取れます。

主要情報:

  1. 展示名:図書館今昔物語
  2. 期間:開催中〜2025年12月28日(日)

また、2026年1月6日(火)から始まる新年恒例の参加型イベント「みんなで、モザイクアート」では、子どもたちとの共創を通じて次の世代につながる表現を作り上げます。読書を通じて配布されるシールを集めることで、来館者全員で一つのアート作品を完成させる企画です。

イベントの対象は幼児から高校生までと明確に定められており、世代間交流の促進や子どもの創造性育成を意図しています。

  • イベント名:みんなで、モザイクアート
  • 開始:2026年1月6日(火)
  • 対象:幼児〜高校生
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DXで実現する「どこでも図書館」:導入サービスと利便性

物理的な図書館の価値を高める一方で、第3次入間市立図書館基本計画に基づき、時間や場所にとらわれない「デジタル・ライブラリー」の構築を加速しています。ここでは導入済み・拡充中の具体的施策を整理します。

デジタル化により、高度な学術研究や日常の読書機会まで幅広くアクセスを可能にし、地域の情報格差(デジタル・ディバイド)解消を目指しています。

市民の記憶を紡ぐ展覧会と、DXによる”どこでも図書館”の進化 画像 6

国立国会図書館の「デジタル化資料送信サービス」導入

館内の専用端末で閲覧・複写が可能な形で、国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスを導入しました。絶版等で入手困難な資料、約150万点に相当するコレクションへのアクセスが図書館内で可能となります。

この導入により、都内の国立国会図書館まで足を運ばずとも高度な研究や調査が進められるようになり、地域での学術的資源利用が格段に向上します。

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いるまし電子図書館の拡充

「いるまし電子図書館」は24時間365日利用可能な電子書籍サービスとして拡充され、通勤・通学中や育児・介護などで来館が難しい人にも読書機会を保障します。電子化は利用者の利便性を向上させるだけでなく、災害時などの業務継続性にも寄与します。

これらのDX施策は、図書館が単なる貸出施設から、多世代が交流し学べる“サードプレイス”へと役割を広げるための基盤となります。実運用による利用状況の変化や利用者の反応を踏まえ、今後もサービス改善が続けられます。

入間市の文化的背景と問い合わせ先

入間市は首都圏から電車で約1時間の位置にあり、狭山茶の歴史やジョンソンタウン、三井アウトレットパーク入間など伝統と現代性が共存する地域です。2022年には内閣府より「SDGs未来都市」に選定され、Well-being Cityいるまというビジョンのもと持続可能なまちづくりを推進しています。

地域資源を活かした文化振興や市民参画の取り組みは、図書館の40周年事業とも整合性があり、地域の原風景や文化継承を意識した活動が継続しています。市の施策としては全国初の「おいしい狭山茶大好き条例」など、地域文化の継承に向けた法的・制度的な支援も行われています。

マスコットや市の取組

図書館の活動には市のマスコットキャラクター「とんちゃん」も関わり、図書館が地域の心の拠り所として多世代の知的好奇心を支える役割を担うことが明示されています。市は図書館を通して、健康と幸せを実感できるまちづくりを目指しています。

入間市の基本情報や関連リンクは以下の通りです。行政窓口や問い合わせ先を明記しますので、詳細や最新情報は各公式ページをご確認ください。

入間市役所 住所
埼玉県入間市豊岡一丁目16番1号
代表電話
04-2964-1111(代表)
図書館担当(教育委員会 図書館)
松下:TEL 04-2964-2415
企画部 秘書広報課 担当
中村、遠山:入間市豊岡1-16-1 TEL 04-2964-1111(内線3122)
入間市公式サイト等リンク

以下に、本文で取り上げた主要事項を一覧の表にまとめて整理します。展示の期間やDXの導入内容、問い合わせ先といった要点を参照しやすく配置しました。

項目 内容
40周年記念企画展 「私と入間市立図書館」期間:2025/12/3〜2026/2/1/場所:入間市立図書館 本館
写真展 「図書館今昔物語」期間:開催中〜2025/12/28/内容:昭和60年当時の写真と現在の比較展示
共創イベント 「みんなで、モザイクアート」開始:2026/1/6/対象:幼児〜高校生/方式:読書で配布されるシールを集めて共同制作
DX施策(主な導入) 国立国会図書館「デジタル化資料送信サービス」導入(約150万点を館内専用端末で閲覧・複写可能)/いるまし電子図書館の拡充(24時間365日利用可能)
図書館のビジョン 「物語(ナラティブ)」に着目した地域のWell-being向上と多世代交流の拠点化(サードプレイス化)
入間市の特徴 狭山茶の産地(商業的茶産地として日本最北、400年の歴史)、SDGs未来都市(2022年選定)、ジョンソンタウンや三井アウトレットパーク入間など多様な景観
お問い合わせ 教育委員会 図書館:松下 TEL 04-2964-2415/企画部 秘書広報課:中村、遠山 TEL 04-2964-1111(内線3122)

上記は入間市立図書館の40周年に関する展示・活動・DX導入の要点を整理したものです。展示や写真展、共創イベントの具体的な日程や利用方法、DXサービスの利用条件など、詳細は入間市公式サイトおよび図書館窓口へ確認してください。