1/24開幕|Mr.ネイラーの驚異の部屋 写真史コレクション展(横浜)

ネイラーの驚異の部屋展

開催期間:1月24日〜2月22日

ネイラーの驚異の部屋展
開催はいつどこでやるの?
会期は2026年1月24日〜2月22日、会場は横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2。開館は11:00〜18:00、入場は無料(1月26日休館)。
見どころって具体的に何があるの?
約12,000点のコレクションから約200点を展示。世界最初の写真集『自然の鉛筆』を会期中にページ替えで公開、ポラロイドSX‑70試作機やダゲレオタイプ、関連講座やワークショップも実施。

ネイラーの蒐集が再構成する「驚異の部屋」──コレクションの性格と展示の趣旨

横浜市民ギャラリーあざみ野は、開館20周年を記念して横浜市所蔵のカメラ・写真コレクションを特集する展覧会を開催します。本展の中心となるコレクションは、アメリカの実業家サーマン・F・ネイラー(Thurman F. Naylor, 1919-2007)が蒐集した約12,000件に及ぶ資料群で、写真の発展史を辿るうえで重要な資料が含まれています。

ネイラーはエンジニアとしての視点と強い好奇心を背景に、写真技術と表現、そして写真文化が各時代の人々にどのように受容されたかを示す多様な資料を集めました。彼の蒐集は、個人の自邸に設けられた私設のミュージアムにおいて、古典的な博物陳列室「驚異の部屋(Wunderkammer)」のように多岐にわたる品々を並べることで知られます。本展ではその蒐集家としての視点と、収蔵品そのものの魅力を掘り下げます。

【横浜市民ギャラリーあざみ野】「あざみ野フォト・アニュアル2026」開館20周年を記念した横浜市所蔵カメラ・写真コレクションの展覧会を開催 画像 2

コレクションの核となる考え方と主題

ネイラーのコレクションには、写真史に残る初期の実作例、産業化と普及を経たカメラ機器、写真表現に付随する家具や玩具、彫刻まで含まれ、写真そのものの技術史と社会的受容を示す資料群となっています。展示を通じて、技術と表現、そして文化的背景の相互作用がどのように展開したかを提示します。

これにより、来場者は個々の機器や写真史上の作品を鑑賞するだけでなく、当時の技術的制約や用途、蒐集家の視線が結果としてどのような歴史的物語を形づくったかを理解できます。

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主な見どころと出品の詳細:重要資料からユニークな収蔵品まで

本展では、約12,000件の収蔵品の中から約200点を選び、写真史上重要な資料やユニークな収蔵品を展示します。展示品は19世紀の初期写真技術から20世紀後半のカメラ、さらに写真文化にまつわる周辺資料まで幅広くカバーします。

展覧会は単なる並置ではなく、コレクションの歴史やネイラーの蒐集行為、修復や研究の成果も合わせて紹介します。あわせて、当館がこれまで行ってきたコレクションに関する取り組みも紹介し、保存・修復の過程や近年の研究成果を示します。

【横浜市民ギャラリーあざみ野】「あざみ野フォト・アニュアル2026」開館20周年を記念した横浜市所蔵カメラ・写真コレクションの展覧会を開催 画像 4

代表的な出品目録(抜粋)

  • 世界で最初の写真集『自然の鉛筆』(The Pencil of Nature)(ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット著、ロングマン・ブラウン・グリーン&ロングマン出版/1844~46年)を、会期中にページを変えつつ展示。10年ぶりの公開。
  • ポラロイド SX-70 ランドカメラ プロトタイプ(ポラロイド・コーポレーション、1972年頃)を含む、カメラ史上重要な機器。
  • 写真史初期のダゲレオタイプ(銀板写真)やコダック、ライカなど、19~20世紀後半のさまざまなカメラ。
  • 写真に関連した家具、彫刻、おもちゃなどの周辺資料。

これらはそれぞれ、写真技術の発達、商業化・大衆化の過程、媒介としての写真の役割などを読み解くための具体的事例となります。

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キャラクターと特別展示

開館20周年を記念して誕生したコレクションのキャラクター、アザミック(Azamic)アザミノックス(Azaminox)が、注目作品の解説役として展示に登場します。キャラクターデザインは野村浩によるものです。

また、特別展示としてアーティスト鈴木のぞみ(1983年埼玉県生まれ)の作品群が展示室2内に展示されます。鈴木は2023~24年に本コレクションとコラボレーションして制作した作品を中心に出品します。代表作に《The Rings of Saturn : 片眼鏡(読書用) - 『自然の鉛筆』図版 XIII》(2023年)などがあります。

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関連イベントと参加方法:講座・ワークショップ・ギャラリートーク

本展に関連して複数のイベントが開催されます。内容は講演、実技ワークショップ、学芸員によるギャラリートークなど多岐にわたり、参加方法や定員は各イベントで異なります。各項目には事前申込の有無、参加費、対象年齢などの情報が明記されています。

イベントの多くは展示室や3階アトリエで行われ、展示品を実際に見ながら聞く講座や、19世紀の制作法を体験するワークショップなど、展示の理解を深める構成になっています。

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アメリカ初期写真 三都歴史めぐり(講座)

日時
2026年1月31日(土)14:00~16:00
会場
3階 アトリエ
講師
日比谷安希子(コレクション担当学芸員)
定員・申込
30名程度(要事前申込・先着順)
参加費
無料、保育あり

この講座では、19世紀に写真がアメリカでどのように受容され発展したかを、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストンの三都市に焦点をあてながら、コレクションの実物を示して解説します。

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ワークショップ「写真が生まれた時代のフォトジェニック・ドローイング」

日時
2026年2月11日(水・祝)10:30~15:00(昼休あり)
会場
3階 アトリエ
講師
三木麻里(写真修復家)
対象・定員
中学生以上、16名(要事前申込・先着順)
料金
3,800円(材料費込)
備考
保育あり

参加者は19世紀の印画紙である「ソルト・プリント」を実際に作り、「フォトジェニック・ドローイング」を制作します。使用する薬品による色味の変化も体験でき、写真発明者の制作過程を追体験する内容です。

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担当学芸員によるギャラリートーク

日時
2026年2月7日(土)15:00~15:45
会場
展示室2
申込・料金
事前申込不要、参加無料

担当学芸員が会場を巡りながら出品作品について解説します。特別な手続きは不要で、展示の理解を深める機会として設けられています。

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開催概要、連絡先、同時開催作品などの実務情報

展覧会の正式タイトルは「あざみ野フォト・アニュアル 2026 開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋」です。会期、会場、主催・協力団体、入場料などの実務的な情報は以下の通りです。

横浜市民ギャラリーあざみ野が主催し、城西国際大学メディア学部、POETIC SCAPEの協力を得て開催されます。会場は同館の展示室2で、入場は無料です。

  • 会期:2026年1月24日(土)〜2026年2月22日(日) ※休館日:1月26日(月)
  • 開館時間:11:00~18:00
  • 会場:横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2(アートフォーラムあざみ野内)
  • 入場料:無料
  • 主催:横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
  • 協力:城西国際大学メディア学部、POETIC SCAPE
  • 展覧会公式ページ:https://artazamino.jp/event/photoannual2026-collection

同時開催および出品者プロフィール

本展と同時開催される展示として、上原沙也加による「たとえすべての瓦礫が 跡形もなく きれいに片付けられたとしても」が予定されています。これにより、写真コレクション展との対話的な鑑賞体験が生まれる構成です。

出品者の一人、鈴木のぞみ(すずき・のぞみ)は1983年埼玉県生まれで、2022年に東京藝術大学大学院博士後期課程を修了。ポーラ美術振興財団での在外研修経験を持ち、個展・グループ展での活動歴や受賞歴が複数あります。近年の個展として2025年のポーラ ミュージアム アネックスでの展覧会が挙げられ、2025年には「第41回 写真の町東川賞」新人作家賞を受賞しています。

問い合わせ先

名称
横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人 横浜市芸術文化振興財団)
住所
〒225-0012 横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野 内
TEL
045-910-5656
Mail
info@artazamino.jp
展覧会ページ
https://artazamino.jp/event/photoannual2026-collection

展覧会の要点整理

以下の表は、本展の主要情報を分かりやすく整理したものです。展示の特徴、会期・会場、入場情報、出品点数や収蔵の由来、主な関連イベントを一目で確認できます。展覧会の趣旨やイベントの内容を再確認したうえで来場計画を立てる際の参照資料として活用できます。

項目 内容
展覧会名 あざみ野フォト・アニュアル2026 開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋
会期 2026年1月24日(土)〜2026年2月22日(日) 休館:1月26日(月)
会場 横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2(アートフォーラムあざみ野内)
開館時間 11:00〜18:00
入場料 無料
収蔵点数(コレクション規模) 約12,000件(本展は約200点を展示)
主要出品例 『自然の鉛筆』(1844〜46年)/ダゲレオタイプ/コダック・ライカ等の歴史的カメラ/ポラロイド SX-70 プロトタイプ(1972年頃)/関連家具・玩具・彫刻
主催・協力 主催:横浜市民ギャラリーあざみ野(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) 協力:城西国際大学メディア学部、POETIC SCAPE
関連イベント 1月31日:講座「アメリカ初期写真 三都歴史めぐり」/2月7日:学芸員ギャラリートーク(事前申込不要)/2月11日:ワークショップ(要申込・有料)
問い合わせ TEL 045-910-5656 / Mail info@artazamino.jp 展覧会ページ:https://artazamino.jp/event/photoannual2026-collection

上記の表は、展示の基本情報と見どころを整理したものです。出品点数や収蔵の由来、関連イベントの詳細は、展覧会公式ページで最新の情報を確認してください。

参考リンク: