1月8日開幕 ミュージカル『白爪草』稽古場で楽曲披露
ベストカレンダー編集部
2025年12月16日 17:43
ミュージカル『白爪草』
開催期間:1月8日〜1月22日
花屋の裏の密室で交錯する――新たな二人ミュージカル『白爪草』とは
2026年1月8日(木)から1月22日(木)まで、SUPERNOVA KAWASAKIで上演される新作ミュージカル『白爪草』は、心理劇とサスペンス、そして音楽が交錯する二人芝居として制作される。舞台は花屋の裏にある小さな作業部屋という閉鎖空間で、観客を360度に取り囲むセンターステージ形式を採用し、極めて近い距離で濃密な人間ドラマを展開する構成になっている。
本作は2020年にVTuber・電脳少女シロ主演、全編バーチャルキャストで展開された映画『白爪草』を原案に、舞台化に際してヒグチアイ(音楽・歌詞)、福田響志(脚本・歌詞原案)、元吉庸泰(演出)らがクリエイターチームを組み、音楽と芝居がぶつかり合う究極の二人ミュージカルとして再構築したものだ。歌唱と台詞、そして演出的などんでん返しを重ねることで、観客に「観る」以上の体験を提供することが目指されている。
- 原案
- 映画「白爪草」
- 音楽・歌詞
- ヒグチアイ
- 脚本・歌詞原案
- 福田響志
- 演出
- 元吉庸泰
製作発表の際にはPVやクリエイター座談会、歌唱披露の映像も公開されており、映像で確認できる素材を通じて舞台の音像や演出意図をたどることができる。公式情報はホリプロステージの特設ページや各種SNSで確認できる。
稽古場披露で明かされた場面と4曲の楽曲構成
2025年12月14日に行われた稽古場披露では、舞台の一部場面と劇中歌4曲が公開された。披露された楽曲は「ホトトギス」「雑草」「プリザーブドフラワー」「咲き過ぎた蕾」の4曲で、物語の重要な感情線やキャラクターの内面を歌で立ち上げる構成が確認できる内容だった。
稽古場披露では、二場「再会」と四場「因縁」における重要な転機が演じられ、6年ぶりに再会した双子の姉妹の距離感と、やがて明かされる真実へとつながる伏線が歌と台詞で縫い合わされていた。
〈二場・再会〉と「ホトトギス」「雑草」
二場では、花屋で働く白椿 蒼(しろつばき あお:屋比久知奈)のもとに、6年の刑期を終えて出所した双子の姉・白椿 紅(しろつばき べに:唯月ふうか)が訪れる場面が描かれる。久しぶりの再会に互いの距離を測るような静かな緊張が漂い、二人はそれぞれの6年間を歌に乗せて語り始める。
披露された楽曲のうち、♪「ホトトギス」は蒼(屋比久知奈)が歌唱する楽曲で、花への愛着や過去の出会いが就職のきっかけとなったエピソードが音楽に乗って紡がれる。一方、♪「雑草」は紅(唯月ふうか)が歌唱し、出所後も前科者という烙印により社会から疎外される自身の想いを雑草になぞらえた表現で描くナンバーになっている。
〈四場・因縁〉と「プリザーブドフラワー」「咲き過ぎた蕾」
四場では、物語の大きな転換点が明かされる。母親を殺したのは紅ではなく蒼であった、という衝撃的な事実が提示される場面が展開され、紅は蒼を眠らせ拘束したうえで、蒼になり代わる準備を進める。店に配達物が届き、帰ってきた“蒼の姿をした紅”が最終的に蒼を殺し、“紅の存在”を完全に消し去ろうとする局面へと至る。
ここで披露された♪「プリザーブドフラワー」は、紅が購入した毒を使って母親を殺した真相や双子の記憶と感情が「枯れない花(プリザーブドフラワー)」に重ねられて描かれる楽曲だ。また♪「咲き過ぎた蕾」は初披露のナンバーで、紅が辿り着いた「双子で生まれてきた意味はない」という結論を、植物の蕾摘みに喩えて切実に歌い上げる楽曲として構成されている。
キャスト・クリエイターの声とプロフィール詳細
二人の主人公を演じるのは屋比久知奈(白椿 蒼)と唯月ふうか(白椿 紅)。声の出演として安蘭けいが桔梗先生役で参加する。演出は元吉庸泰、音楽はヒグチアイ、脚本に福田響志という布陣で制作されている。
稽古場披露時には屋比久、唯月、元吉それぞれから稽古や作品に対するコメントが寄せられており、囲みの客席という近い距離で演じることの難しさと同時に、観客とともに作る「体験性」を重視した稽古が進められていることがうかがえる。
屋比久知奈(白椿 蒼)コメントとプロフィール
屋比久は、本作の二人きりという挑戦に対し「自分のその時の気持ちを大事にしていいんだよ」と言ってもらえる環境に感謝していると語り、いかに嘘をつかず舞台上にいるかを重視する姿勢を示した。客席との距離の近さを見どころであり挑戦の機会と位置づけ、残りの稽古を経て本番でさらなる表現を目指すというコメントを残している。
プロフィールは1994年沖縄県出身、琉球大学卒。声優デビューは2017年の『モアナと伝説の海』日本版モアナ役(主題歌歌唱)。主な舞台出演に『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『ジェーン・エア』『VIOLET』などがあり、今後は2026年3月『どろんぱ』、10月『ミス・サイゴン』出演予定と発表されている。
唯月ふうか(白椿 紅)コメントとプロフィール
唯月は稽古で繰り返し「作っては壊す」プロセスが行われている点を挙げ、カンパニーが多くの選択肢を与えることで自分の引き出しにない新しい感情と向き合う時間になっていると述べている。蒼と紅それぞれの視点で描かれる生き様を観客に見守ってもらいたいと話している。
プロフィールは北海道出身。2012年ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞受賞。2013年にブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で抜擢され、以降多くの舞台・映像作品に出演。近年の出演作に『レ・ミゼラブル』『スウィーニー・トッド』『VIOLET』等があり、2026年3月『ジキル&ハイド』出演予定。
元吉庸泰(演出)コメントと制作の視点
演出の元吉は、客席に囲まれた空間で観客が体験する演劇の可能性に言及し、見どころというよりも「体験しどころ」を作る作品であると説明している。どの位置から観ても新たな発見があるよう、物語の多面性を引き出す演出が施されている点を強調した。
元吉はこれまでブロードウェイ作品から2.5次元作品まで幅広い演出経験を持ち、『僕のヒーローアカデミア The “Ultra” Stage』や『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』など話題作を手掛けている。今回もその経験を活かして音楽と演劇がぶつかる舞台作りを行っている。
公演スケジュール、チケット情報、特別企画と観劇上の注意
本公演の上演期間は2026年1月8日(木)から1月22日(木)まで、全23回の上演が予定されている。会場はSUPERNOVA KAWASAKIで、全席指定の通常チケット価格は9,500円に設定されている。
発売中のチケット取扱いはホリプロステージの特設ページのほか、ローソンチケット、チケットぴあ、イープラスでも販売されている。ホリプロステージではYシート(20歳以下当日引換券)2,000円、U-25(25歳以下当日引換券)7,500円の取り扱いがあり、Yシートはホリプロステージのみの取扱いとなる。なお本公演はワンドリンク制(入場時別途ドリンク代)となっている。
- ホリプロステージ チケット:https://horipro-stage.jp/news/sirotsumekusa2026_ticket/
- ローソンチケット:https://l-tike.com/sirotsumekusa2026/
- チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/sirotsumekusa2026/
- イープラス:https://eplus.jp/sirotsumekusa2026/
特別企画・アフタートーク・上映会付きチケット
初演記念のスペシャル企画として、1月8日(木)19:00の初日公演では来場者全員にオリジナルステッカーを配布し、スペシャルカーテンコールを実施する。また、ホリプロステージ会員貸切公演として1月10日(土)16:00上演回には屋比久知奈、唯月ふうか、元吉庸泰がアフタートークに登壇する。
その他のアフタートークは以下のスケジュールで行われる。1月13日(火)19:00は福田響志(脚本・歌詞原案)と元吉庸泰(演出)、1月16日(金)19:00は映画脚本の我人祥太、宮川宗生(映画プロデューサー)、井川荃芬(演劇プロデューサー)、1月20日(火)19:00はヒグチアイ(音楽・歌詞)と屋比久知奈、唯月ふうかが登壇する。
また、舞台と原作映画を併せて楽しめる「映画『白爪草』上映会付チケット」も販売されている。上映会付チケットの料金は10,500円で、入場時に別途ドリンク代(一律600円)が必要。上映は公演終了後にロビー移動のうえ自由席で実施され、対象日は1月11日(日)16:00公演と1月17日(土)16:00公演となる。
撮影・録音に関する注意事項
公演においてはカーテンコールの一部撮影が可能とされているが、撮影は写真に限られ、動画撮影や録音は一切禁止されている。使用できる機材はスマートフォン(携帯電話)のみで、デジタルカメラや一眼レフ等の機材は使用不可と明記されている。
撮影は「撮影OK」の表示がある場合のみ許可され、フラッシュ撮影は禁止。撮影は自身の座席で行うことが求められ、座席を移動しての撮影は禁止されている。これらの注意事項は運営側の指示や公演告知により変更される可能性があるため、来場時に最新の案内を確認することが必要である。
関連情報と要点まとめ
製作発表や稽古場披露で公開された映像資料は、製作発表歌唱披露フル映像、クリエイター座談会、PVなどが用意されており、舞台の音楽性や演出の方向性を事前に確認できる。さらに、屋比久知奈と唯月ふうかがパーソナリティを務める『白爪草』スペシャルクロストークラジオが公開されており、映画版で主演・主題歌を担当した電脳少女シロがゲストとして登場している。
以下の表は本記事で触れた主要項目を一覧に整理したもので、公演概要、キャスト、チケット情報、特別企画、撮影ルールなどを網羅している。観劇を検討する際の基本情報として参照できるようにまとめた。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ミュージカル『白爪草』 |
| 上演期間 | 2026年1月8日(木)〜1月22日(木) 全23回 |
| 会場 | SUPERNOVA KAWASAKI |
| キャスト | 白椿 蒼:屋比久知奈/白椿 紅:唯月ふうか(五十音順)/声の出演:安蘭けい |
| 主要スタッフ | 音楽・歌詞:ヒグチアイ/脚本・歌詞原案:福田響志/演出:元吉庸泰 ほか |
| 披露楽曲(稽古場) | 「ホトトギス」「雑草」「プリザーブドフラワー」「咲き過ぎた蕾」(初披露含む) |
| チケット料金 | 全席指定 9,500円/Yシート(20歳以下当日引換)2,000円(ホリプロ限定)/U-25 7,500円 |
| ワンドリンク | 本公演はワンドリンク制(入場時別途ドリンク代が必要) |
| 上映会付チケット | 料金 10,500円(入場時別途ドリンク代600円) 対象日:1月11日(日)16:00、1月17日(土)16:00(公演終了後に映画上映) |
| 特別企画 | 初日来場者プレゼント(オリジナルステッカー)、初日スペシャルカーテンコール、アフタートーク実施日あり |
| 撮影規定 | カーテンコールの一部写真撮影可(動画・録音禁止、スマートフォンのみ、フラッシュ不可、座席移動禁止) |
| 公式情報 | 特設ページ:https://horipro-stage.jp/stage/sirotsumekusa2026/ 公式X、Instagram、TikTokあり |
以上が本作に関する公表済みの主要情報の要約である。楽曲、演出、キャストのコメント、チケット種別や撮影ルールなど、観劇に必要な情報を一覧化した。詳細情報や最新の販売状況、当日の案内は主催のホリプロおよび公式サイトで確認することが推奨される。
参考リンク: